UIデザインからモバイルアプリ開発へ転身! 未経験からiOSデベロッパーとしてバンクーバーで現地就職を果たしたMinaさん
今回は未経験からのiOSデベロッパーとしての現地就職を果たしたMinaさんにお話を伺います。日本ではUIデザイナーとして経験を積まれ、カナダ渡航後、バンクーバー現地のコミュニティ・カレッジにてモバイルアプリ開発を学んだ後、現地企業にて職種未経験から就職されました。
バンクーバーに来た当初は「UIデザイナー」でのキャリアアップを目指しておられましたが、未経験分野である「iOSデベロッパー」へ方向転換。「自分の制作物は絶対に1番をとる」と努力家であり、その最上志向に驚きです。
僕も含めて、未経験から挑戦したい人達の参考になるインタビューです!
経歴
ーーそれではよろしくお願いします! バンクーバーに留学するまでの経歴を教えてほしいのですが、Minaさんは日本でデザイナーとしての経験があったんですよね?
そうですね。日本では某デザイン会社でもともとWEBデザイナーで、後半はUIデザイナーとして働いていましたね。
ーーどれぐらい働いていたんですか?
丸3年働きました。
ーー東京でも名の知れている会社ですよね。ちなみにどのようにUIデザインを勉強したのですか?
専門学校で2年ほど勉強しました。といってもWEB関連、3D・グラフィックを一通り広く薄く勉強した感じでしたね。
ーーなるほど。そこでWEBデザイナーとしての基礎を学んだんですね。
そうですね。ただ学んだ内容から考えると2年間も何してたんだろう?って感じですけどね笑。
ーーMinaさんが働かれていた会社って僕も知っている会社なんですが、専門学校を卒業してすぐに入れるもんなんですか?
テンプレじゃなく、はっきりとものを言うところを買ってくれたみたいです。あとは大阪で有名な会社でバイトをしていて、その経歴が履歴書で光ったのかもしれないです。といってもそこでは写真の切り抜きの仕事しかしてなかったですけど笑。
ーーでもそこはある種のリファレンスがあったということですよね。未経験で入れる人も多くないと思うんですが。
そうですね、私は未経験で入社できたんですが、当時の上司からは未経験の採用は最初で最後だと言われましたね笑。メンバーも少数精鋭でやっていたので。
英語
ーーなるほど。企業で3年働いた後、すぐバンクーバーへ?
バンクーバーへ渡航する前に3ヶ月のセブ留学を挟みました。
ーーセブのどの語学学校へ?
「IDEA CEBU」 という学校です。
ーー稀にセブへ1年間語学留学する人もいるけど、3ヶ月ぐらいがベーシックですよね。それにマンツーマンで結構みっちりやり込む感じですもんね?
そうですね。私の場合はこの学校に決めたきっかけがIELTS対策だったこともあって、朝から晩まで英語漬けの生活でした。
ーーそういったきっかけも含めて、セブへ留学したんのですね。ちなみに英語力はあがりました?
セブ留学はめっちゃ良かったです!英語スキルも伸びました!
ーーそもそも前から海外への憧れはありましたか?
高校くらいから海外への憧れはありました。ただ日本で就職せずに海外へ行くという選択肢は個人的に怖いなと感じていました。なので日本で3年ぐらい働いて海外へ行こうかなと専門学校時代から考えていましたね。
ーー今回カナダへ来ることになったきっかけは何でしたか?例えば、漠然とシリコンバレーに近いとか技術的な目的とか。
きっかけは正直これというものはなくて、ネットやテレビから感化された感じでしたね。日本っていう狭い国でずっと住んでてもつまんないな!みたいな想いから、海外に対する好奇心みたいなのがありました。
ーーなぜバンクーバーを選びましたか?
バンクーバーはワーホリで有名となんとなく知ってたし、Frogのサイトも見ながらバンクーバーっていいなって思っていました。
ーー最終的な決め手は?
実際にバンクーバーへ来る前はUIデザイナーとして海外のスタートアップでやりたいなと思っていました。オーストラリア、カナダで迷った時もありましたが、最終的にカナダの方が英語が綺麗だし、スタートアップ企業も多いし、Frogの存在も大きかったです。無料やし・・・・。笑
ーー無料やし・・。実は最近「Frogって無料ですか」っていう問い合わせ多いんですよね。無料でサポートするエージェントが珍しいんですかね。
ーーUIデザイナーであればイギリスを選ぶ人も多いと思いますが?
イギリスは候補にすら入らなかったですね。天気良くない、ご飯おいしくない、物価も高いと聞いていたので。物価が一番大きかったかなと思いますね。
ーー確かにイギリスはそれが大きいかもしれませんね。
ーー高校の時から海外に憧れがあったと思うのですが、 何か英語力をあげる為の準備はしていたんですか?
高校のときは英検の勉強くらいしかしてなかったですね。英語学習自体は就職してからかな。中高の復習みたいなのをしていましたね。
学校
ーーそこからバンクーバーへ来て学校入ったかと思いますが、学校は実際どうしたか?
最初の3ヶ月は無料のESL受けて、本科へ進みました。
ーー正直なところMinaさんが行っていた学校って他の人にオススメできます?
はっきり言い切ることは難しいのですが、結局のところ先生によるのかなと思います。私の時の先生は良かったですが、他の先生だと正直どうかわからないですね。
ーー確かにそれは良く聞くかもしれないですね。人によっては良いと言う人もいれば、悪いと言う人もいて、学校の就職サポートが不満だと言う人もいたり。
こればかりは、やっぱり学校に頼らず自分自身で動くしかないですよね。
ーーそうなんですよ。僕自身も毎回言っていることなんですが、学校が全部どうにかしてくれるということは絶対ないので、学校外での自分の動きが重要なんですよね。
ーーちなみに授業内容はどんな感じでしたか?
最初の方の授業はWEB関連で、JSを少し触って、Java、C言語を一通りやって、後半にAndroid、iOSという流れで進みました。
ーー最初はUIデザイナーになりたいと聞いていたけど。ある日ふとMinaさんに聞いたら「iOSデベロッパーになりたい」と聞いて驚いたことは忘れないです笑。UIなどのフロントエンドを目指していて、途中からiOS、Androidとかのモバイルデベロッパーになった人はFrogの中で今までほとんどいなくて・・・。
CICCCに行ったのは、Co-opビザが1年でて一番UIデザインに関係していることを学べそうだったからなんです。開発もできるUIデザイナーもいいなと思ってて。で、気づいたら、iOSデベロッパー目指してました!
ーーそれを聞いた時は驚きましたよ!本当に大丈夫かなと思いました。ちなみに当時はFrog Houseに住んでいたと思いますが、そこでは特に何かしていましたか?
Frog House住んでたときにふーみんに教えてもらいながら作ったJSベースの「自動販売機プログラミング」で机に向かうようになったことをきっかけに、プログラミングへの姿勢が変わり、楽しくなりましたね。
お金を入れたら、計算をしてお釣りも出てくるみたいなやつを本格的なプログラミングの授業が始める前に完成させました。一応HTML,CSSも使ってUIデザインもしつつ。
ーーUIデザイナーからプログラミングとかエンジニアリングをやっても途中で挫折しちゃう人も結構いたりするんですが、Frog Houseでの取り組みによる変化感もあったのですね。
ーーちなみにどういう部分が楽しかったですか?
JSのプログラミングだけでなく、HTML,CSSも使ってUIデザインにも力をいれたことは自分のテンション上げになって楽しかったですね。成果物が目に見えるというのは自分にとって重要なポイントだったみたいです。
ーーUIデザインをしたものが実際に動いて初めてプログラミングの楽しさを実感したということですね!
方向転換したもう1つの理由は英語です。カナダにきたら勝手に英語力が伸びると思っていました笑。でも思ったより伸びなかったし、英語をデザイナーになれるレベルまで伸ばすことよりもその当時はプログラミングの楽しさの方が勝ってましたね。
ーーでもそれぐらいプログラミングに熱中できたということですよね!!
ーー学校の授業で特に良かったことはありますか?
特にないです笑。強いて言うなら、作るものを指定されるではなく、自分の作りたいものを自由に作れたのは良かったかなと思います。その当時はUIデザインのフリーランスをやっていたので、そっちも結構忙しかったこともあって。
ーー学校のほうに手一杯になる側と自分の時間にしっかり割ける側と2つにわかれるところは難しいところですよね。
就職活動について
ーー1年間の座学の後、就活に入ったと思いますが、就活はどのように始めましたか?
私は12月卒業だったので、11月頃にはWEB系に行きたい人は就活を始めてました。そんな周りのプレッシャーがある中、私はポートフォリオに載せれるアプリがまだない状態でした。なのでその時期は学校にも行かずに寝る間も惜しんでアプリを作っていました。そして、ようやくストアにアプリを出してから本格的に就活を始めましたね。
ーーということは就活を始めた時はCo-opが始まるギリギリだったということですね。
12月上旬に始めて、実は就活期間は3週間くらいでした。しかも間で日本にも少し帰っていたし、帰国中に採用の連絡をもらいました笑。
ーー3週間でということですが、就活の方法はどうでしたか?
王道のIndeedをメインに使いましたが、最終的にはAngellistで決まりました。
ーー最近はAngellistで決まる人が多いんですよね。
ーー応募した内容で特にこだわってやったことはありますか?
基本的にはテンプレート通りでしたが、ポートフォリオに合わせたデザインのカバーレターを箇条書きでシンプルに書いて、UIデザインもできることをアピールしました。
ーーUIもデザインもできることをそこでもアピールしたんですね。
ーー採用になった会社の面接は何回受けましたか?
1回です。
ーー1回!?
それがめっちゃ良かったです。。。
ーーマジで!?ひどい場合だと同じ会社で4回、5回と面接があることもあるんですが。
ーーそれに会社選びという面では、今回3週間という期間ということだと、あまり多く見ていない感じですか?
36社応募しました。WEB系よりもiOSの求人の数が圧倒的に少ないので、見つけられる限り送って36社でした。求人の必要スキルが自分指している部分と似ていればシニア募集とか関係なく応募してました。ただ求人要項があまりにも自分のスキルとマッチしないところは応募していないですね。実際に採用がきまったところも募集内容はジュニアでした。
ーーなるほどですね。12月というタイミングもあったかもしれませんね、秋とかになるとUBC組やSFU組もライバルになったり、そもそもの求人数も倍近くになるので。
ーー36社応募して返事はどれぐらいでしたか?
4社でした。まずは4社とも電話インタビューでした。プラス仕事が始まってからⅠ社から返事が来たので計5社ですね。
ーー未経験から4社も返事があるのは全然良い方だと思いますね。
これはあまり言いたくないんですけど、1社電話インタビューに出れなかったハプニングがあって・・・笑。スマホをナイトモードにしていて通知がこなかったんです。その後にメールするも返信来ず・・・。しかも電話面接の1社目で。
ーーえええ!でも決まったから良かったけど、決まってなかったもう・・・。
本当にそうですよ!1週間は泣き続けますね笑。でもその時はすぐに切り替えて次に進みました。3社が中1社が電話面接が通ってそれが今の会社です。
ーー面接が1回だけだったということですが、採用が決まった決定打は?
ホワイトボードにワイヤーフレームを書かれて、こういう画面があったらどういう設計するかという質問があって、それを口頭で説明する場面がありました。でもうまくできなくて、先方の反応も微妙だったんです。
ーーその時点で僕ならへこみますけどね・・・。
面接後に実際にワイヤーフレーム通りのアプリ作ってそれを先方に送り、「あの時うまく説明できなかったので、実際にコードを書いてみました!」メールを送りました。いわゆるHideto必勝法です笑。
ーーなるほど、あのHideto必勝法ですか!
そしてその必勝法が功を奏して、先方からのメールに「経験年数は浅いけど、あなたの熱意ややる気を感じたので受け入れたい」と書いてありましたね!
ーーそこはやっぱり人と人の仕事ですよね。この人と一緒に働く時に問題に対して、どういう方法で解決し模索するのかが見えた部分もあったんでしょうね。
そういうことですね。
現在の仕事について
ーー 現在働かれている会社の話になるのですが、どういう仕事をされているんですか。
スポーツウェア用のウェアラブル系でデバイスも一緒に作ってるスタートアップです。私はSNSのようなアプリの開発をしています。実際、入社時にはまだログイン画面しかないような状態で、アプリ開発は始まったばかりでした。
ーー人数的にも少数でやってたんですよね?
入ったときは20人くらいでしたが、今は40人くらいいます。
ーー今の会社は楽しいですか?
楽しいです!やっぱり日本の働く環境との違いは感じますね。フレックス制だし、勤務時間も短いし、自分の専門分野のことだけに集中できるし。日本だと自分のポジション以外のこともしないといけない時もあるじゃないですか。(来客のお茶汲みとか・・)
ーー自分の範疇でしっかり取り組める環境ということですね?
そういうことですね。ただ仕事の良い進め方みたいなのは日本だとゼロから教えてくれるけど、ここでは教えてくれないですよね。そこは自分で気づくしかないんだろうなと思います。
ーー自分で勉強しないといけない部分もあるけど、全体的に見て日本との働き方を大きく違う部分もあるということですね。
今後の目標について
ーー 今後の目標はありますか?
今はPRしか見てないです。仕事面だとUIの経験はあるので、UI全体に関われたらいいなと思います。一方でコード書くことも楽しいので、UIは個人でアプリ作る時に活かすぐらいの感じでもいいのかなとも考えますね。でもiOSデベロッパーになって良かったと思います!
うちの会社の上司からはUIやりたかったらやっていいよと言われるのですが、「別にいいです」と断りました笑。手は動かさず口出しだけしようと思ってます笑。
ーー今後の目標はまずPR取得で、会社では今の範疇の仕事もしつつ、UIデザインスキルも活かしながら提案ができたらということですね。
アドバイス
ーー では最後に今カナダの学校に通っている人達に対してアドバイスはありますか?
未経験から学校で勉強するんだったら成果物は1位を目指してください。誰かが一番と決めるわけではないですが、自分の中で一番だと思えるくらい。iOS・Android・Webでもなんでも1位を取る!なのでiOS開発以外の手も抜かなくて良かったとすごく思います。iOSデベロッパーになりたいんだからJavaはそこまでやらなくていいじゃんとはじめの頃思っていた時もありましたが、今思うと完全に間違いでしたね。Android開発を十分に理解してからのiOS開発と、1からのiOS開発とでは後者のほうが圧倒的に大変です。いろいろ繋がっているのであまり決めつけず、全て全力で取り組むと結果的に未来の自分を助けてくれると思います。
ーー素晴らしい!ありがとうございます!
いかがでしたか?
日本ではUIデザインの経験がありながらも、モバイルデベロッパーという未経験の分野に飛び込み、バンクーバーでも比較的求人も少ないと言われる「iOSデベロッパー」として見事就職を果たしたMinaさん。得意のUIデザインを絡めながらプログラミングにも楽しさを見出し、「成果物は必ず1位を取る」という強い姿勢は新しい分野に足を踏み入れる時に非常に重要なのかもしれませんね。
完全未経験でまさに勉強中の僕自身も「Java」や「Swift」といったプログラミング言語を聞くと、少し腰が引けてしまいますが、自分のゴールに向かって取り組んでいる勉強に受け身でいるのではなく、「自ら楽しんで、やるからには自分の中での最高の成果を出す」ということの大切さを改めて実感させられるインタビューでした。
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