成功の鍵は「独学」と「ヒューマンビートボックス」?!フロントエンドデベロッパーとして現地就職を果たしたMichnobuさん
今回はバンクーバーにてフロントエンドデベロッパーとして現地就職を果たし、現地のデザインエージェンシーのMajor Tom(旧Drive Digital)へ就職されたMichinobuさんからお話を伺います!(Michinobuさんのポートフォリオやブログはこちら)
略歴としては日本のベンチャー企業にてフロントエンドデベロッパーとして働いた後、バンクーバーにて1年間の語学留学からコミュニティ・カレッジへ。現在はバンクーバーに拠点を構える企業にて就職されました。「今の会社がめっちゃ好き。」と自らのスキルを最大限に活かせる環境で今日も活躍されています。その気さくさと関西弁が周りを和ませてくれる、明るい人柄のMichinobuさんですが、実は努力家でストイックな面が垣間見ることができるインタビューです。
また、本記事より私Shoが新たにインタビュアーとして担当させて頂くことになりました。僕自身は前職が営業という完全未経験からバンクーバーにてフロントエンドデベロッパーとして現地コミュニティ・カレッジにて修行中です。同じような境遇の方々に少しでも現地で就職された方々の情報発信ができればと思います。よろしくお願いします。
経歴
ーー初めまして!まずはこれまでの経歴について教えてください。
初めまして!大学卒業後に社員5名ぐらいの小さなWeb制作会社にフロントエンドエンジニアとして入社したね。WordPress案件等を担当したり、ディレクション(お客さんとの作業についてのやり取り)からバックエンド、サイト制作までフロントエンドと言いながらも、デザイン以外のほぼ全てを僕一人でやったりしてたり。基本はWordPressのテーマ制作とWebサーバーの設定をやってたかなー。
ーーやっぱりメンバーが5名となると、仕事の幅も広いんですね。それだけ幅広く担当されていたということは大学でもWEB関係の勉強をしていたんですか?
大学ではネットワーク系の学部を専攻してて、HTMLやCSS、PHP、jQueryを勉強したり、自作で小さなCMSを作ったりもしてたね。
ーーとなると、幅広い業務にもある程度大学のスキルが活かされたということですね。
活かされなかったわけではなかったけど、それほど大学で得たスキルを使うことはなかった。入社してからはほとんど在学中の「独学」で得たスキルや知識のほうが間違いなく多いと思う。
ーー「独学」ですか・・・。
やっぱり周りに聞ける人がいないっていうのもあったけど、独学の分しっかりスキルは着いたのかなと思っていて、カナダに来てからも「独学」は大切になるし、今でもそれが活かされてるね。
ーーバンクーバーへ来る、きっかけは何だったのでしょうか?
入社時より「3年ぐらい働いたら、別の会社に転職するか、海外に行こうかな〜」と考えていたことや、35時間働くような過酷な労働環境だったこともあって・・。それに当時から「Frog」の存在を知っていたこともあって、すぐに留学相談したよ。カナダを選んだのもそれがきっかけやったね。
ーー35時間ですか?!本当にそんな労働環境あるんですね・・。
めっちゃ大変やった!後でタイムカード見せるわ(笑)
ーーFrogがきっかけでバンクーバーに決めたと伺いましたが、そもそも海外へ出る抵抗はなかったんですか?
海外への抵抗はまったくなかった。過去に兄弟が留学していたり、家族も背中を押してくれたので、そこはすんなり海外への決意ができたね。ただ2014年12月ぐらいに初めてFrogに相談した時に、英語が不安だと話した覚えはあるよ。
英語
ーーFrogではよく「Webスキル」「(英語を含む)コミュニケーションスキル」「ビザ」と言われるのですが、カナダ渡航の時点では英語力以外は満たしていた感じですよね。
そうやね。一応前職の経験があったのと、まだワーホリビザが残ってたから。
ーーちなみに英語はどのくらいのレベルだったんですか?
「This is a pen」レベル(笑)。昔から洋楽が好きいっつも聞いたりしてたけど、英文を見てすぐに理解するとかは当時はまだ難しかった。特にWeb関係のQ&A記事を読んでも英語はあまり読まずに、コードだけで理解するような感じ。その当時は本当に自信がなかった。と言うより、そもそもTOEICすら受けた事がなかったから、自分がどれぐらい出来るかを客観的にみる事は出来なかった方が正しいかな。
ーーカナダに来てすぐ語学学校へ行かれましたか?
カナダに来てから語学学校に1年間通ったよ。その当時はポスグラがもらえて長く働ける観点からカレッジを目指していたから、入学基準に必要なIELTSの勉強に特化した授業を受けてたね。
ーー実際、語学学校はどうでしたか?
とにかく1年目は語学勉強に集中してた。授業はIELTS中心なのでアカデミックな内容を学んでたね。授業が終わったあとは図書館へ行って夜の9時まで勉強するみたいな生活を毎日していて、IELTSの勉強ではあったけど、英語力向上は感じれたかな。
ーー語学学校に1年通ってみて具体的にどのように英語力が向上しましたか?
約1年間の語学留学で、自分の言いたいことは伝えれるようになった!あとは相手の言っていることが理解できない時に自分が理解するまで聞き返せるようにもなったと思う。ただ振り返るとしたら、結構一人で黙々と勉強していたから、もう少しミートアップへ参加したり現地の人と話したりしてアウトプットできる場を増したら良かったなーって思う。
専門学校
ーーなるほどですね。それでも渡航当時からはしっかり英語スキルを向上させられたということですね。語学学校のあとはカレッジへ進んだのですか?
はい。ただスコアが足りずに目指していたカレッジにはいけなかったんやけど、たまたまFrogで交流があった知り合いが行くと聞いていたコミュニティ・カレッジがあったのでそこに決めることにしたよ。「ほんなら自分も行こう!」みたいな感じで(笑)
ーーシンプルな理由ですね!本当にそれだけですか?(笑)
もちろんアプリ開発にも興味があったので、サブスキルをつけたいという部分もあったけどね。
ーー実際にWebの授業に入ってからはどうでしたか。
始めはPhotoshopやIllustratorの授業から入って、その後iOSやAndroidに関する授業を受けてたね。授業の雰囲気とか進行度合いはゆるい感じで、僕自身はある程度コーディングの知識があったから、先生の言っていることが理解できなくても、そのコードを見て理解したりして、授業について行くのはそれほど苦ではなかったような気がする。その間、先生が3回変わったりしたこともあったけど・・。
ーーそんに先生は入れ替わるんですか!?不安になってきました・・。
今は改善されてるから大丈夫!(笑)学校というよりは先生の都合で変わってような感じやったね。
ーーちなみにクラスは経験者と未経験者でどのくらいの割合でしたか?
経験者と未経験で半々ぐらいやったかな。経験者といってもそれぞれフィールドがまちまちだったから、アプリ開発していた人やフロントエンドをやっていた人も中にいたね。授業とかプロジェクトはクラスメイトで協力しながら進めてたよ。
ーー僕みたいな未経験者でも、それなりについていけてましたか?
ついていけてないことは無かったけど、やっぱり学校外で勉強の時間は結構割いてたとは思う。
ーー未経験者であれば、前倒しで勉強していたほうがいいってことですよね。
学校外での勉強はマストやと思う。学校の授業するだけでは全然足りないと思う。例えば将来IT系の学校に入りたいと考えているのであれば、いつかは勉強しないといけない時がくるので、早めにやっておくに越したことはないと思うし。ただ具体的に何を勉強すしたらいいのかっていうアドバイスは難しいんだよね。というのもその人が何を目指しているのかにもよるし、iOSアプリの開発をしたい人がHTML/CSSを勉強しても、ん〜ってなるところで。もちろんまったく無駄になるわけではないねんけどね。
少しでも興味があるものがあれば、まず調べることが大事!今ならドットインストールみたいなチュートリアルもあるし、いくらでも行動できるツールも豊富にあるので。
ーーちなみに自分が目指す方向性はいつ頃決めましたか?よく学校がスタートして3ヶ月目までに固めるのがいいって聞いているのですが。
学校が始まる時から前職でのフロントエンドのスキルを活かして、Web制作を中心に考えていたので、方向性はある程度決まってたよ。そこにアプリ開発のスキルがあればプラスでアピールできるかなという感じで。確かにある程度早めに方向性は決めて、就活スタートからスケジュールの逆算をして、今から何をするべきなのかを明確にしておくことが大事になると思う。
ーーポートフォリオはいつ頃作り始めましたか?
授業が半分ぐらいすぎたら、ポートフォリオを意識したほうがいいね。僕の場合はいつ頃から作り始めたか曖昧だけど、作成には3ヶ月ぐらいの時間をかけたよ。手書きのワイヤーフレームからIllustratorでデザインして、さらにそこからブラッシュアップしたりして。時間はかかるけどワークフローはしっかり組んで、面接などでポートフォリオについて聞かれてもどう言う所から始めたか、どんなツールを使って作ったかとかをしっかり話せるように意識してた。
ただ一番ハードだったのは、バックエンド側やったね。
ーーえ。バックエンド側も自分で取り組んだんですか。
そう。VPS借りてLinuxのインストールから始めて、Webサーバーまで作ったからめちゃくちゃ時間かかったよ!
ーー前職で少しバックエンド側もやっていたから、できたんですか?!
もちろんやっていたけど、そこまで知識はなかったからほとんど「独学」でやった。
めちゃめちゃ調べたよ・・・。でもそれだけ注力した分、面接でどこを突っ込まれてもしっかり答えられるようになったことは間違いないと思う。
ーーやっぱり、Michinobuさんは「独学」でもこれまでのスキルを伸ばしてきたってことですね。
「独学」はめちゃ大事やで!Webの世界は常に新しいトレンドが入ってくるし、特にフロントエンド側はツールとかは早く入れ替わって行くのが多いから、誰かに聞くとか誰かがブログで書いてくれるのを待つって言うより、なるべく自分で触って行く方が速いと思う。そう言う意味では自ら学ぶ姿勢は必須やと思うね。
就職活動について
ーー就活についてはいつ頃からスタートしましたか?
就職活動はCo-opの1ヶ月前からスタートしたかなー。周りも大体Co-opの前後1ヶ月が多かったような気がする。ポートフォリオが完成していないと本気で就活には臨めないと思うから、そういう面も踏まえてスケジュールを逆算し計画していくことが大事やと思う。
ーーいつ頃、就職は決まりましたか?
トータルで行くと就活を始めて3ヶ月ぐらいだけど、間に1ヶ月だけWeb制作の案件を手伝っていたので、実質は2ヶ月くらいで就職先は決まったと思う。
ーー何経由で応募していましたか?
メインはIndeedを使いつつ、LinkedInとかCraigslistとかもたまに見て、後は会社のサイトを調べて募集があったら、そこから連絡してたよー。募集なくても、コンタクトフォームか直接メールを送ったりもしてたよ。
ーー正直な話、就活してみてどうでしたか?
思ってより、めっちゃ難しかったし、大変やった!ただ僕の場合は当初、会社が求めるスキルと自分のスキルセットでのミスマッチがあって、それに気づくまでの最初1ヶ月は苦戦したよ。具体的には、受けていた企業がReactとかを使えるアプリ系のフロントエンドデベロッパーを求めていたけど、僕自身はどちらかというとWeb制作系のフロントエンドだったので、すり合わせがうまくいってなくて、当初はまったく返信がなかった。
ーー改めて、自分のスキルセットの企業が求める募集要項とのすり合わせをしたんですね。
それから、返信が来ない原因を振り返った時に、ポートフォリオもウェブ制作に重点を置いた内容だったので、それであればデザインエージェンシーの方がいいのかなと思って、改めて方向修正したら、企業からの返信が来るようになったね。
ーー再度、企業の求めるスキルと自分のスキルセットを見直したことで、どのくらい返信率があがりましたか?
方向修正する前まではほとんど返信がなかったけど、デザインエージェンシーに的を絞ってからは企業からの返信率が8割ぐらいになったと思うよ。
ーーMichinobuさんのような経験者の方でも苦戦するときはあるんですね。僕はもっと頑張らねば・・。最終的に何社ぐらいからオファーをもらいましたか?
就活期間は色んな会社にアプライしまくったけど、最終面接までいった会社は2社で両社からオファーをもらって、最後は先にオファーがあった会社に決めたよ。
ーーあと個人的に聞きたいのですが、英語の面接ってどうでしたか?
正直、対面の面接はやりやすかったような気がする。というのも対面だと自分の表情が相手からも見えるし、気持ちも伝わりやすいしね。話に詰まっても相手にはそれが見えてるから少し待ってくれる。でも電話面接は顔も見えないし、話に詰まった時は相手に伝わらないのが、結構大変やった覚えがあって、事前に紙に回答内容を書いたりして準備した方が良さそうに感じた。僕は全部ぶっつけ本番でやってたけどね(笑)
ーーぶっつけ本番で。。でもそれだけ英語力が伸びたってことですもんね。すごい。
いや、全然。だって面接官から「給料いくら欲しい?」って言うのをオブラートに包んで聞かれたけど、わからなくて聞き返したら、ただ一言「MONEY」って返ってきたぐらい(笑)でも英語ができないことよりは自分のことをいかにしっかり伝えらるかが大事やと思う。だってネイティブからしたら最初の一言で外国人っていうことはすぐにわかるわけだし。それよりは落ち着いて話すことのほうが大事!
ーー企業の採用ニーズを考えること、自分のことをしっかり伝える。ということが大事ということですね。
あとは「ヒューマン・ビートボックス」することちゃうかな?
ーーえ、もしかして面接で披露したんですか!
したよ。今働いてる会社の面接でやったし。でもこれはただ自分のキャラとしての一つのスキルなだけ。(*他の会社の面接では一切聞かれなかった)
結果論やけど、これも会社の雰囲気とか文化にマッチしたのかもしれない。
ーー皆んなが簡単にできることではないですが、自分を表現することで確かにインパクトはありますよね!(僕もなんか用意しとこ。)
現在の仕事について
ーー今は実際現地企業で働かれてると思いますが、どうですか?
今の会社でもメインはフロントエンドをしていて、仕事内容はフルスタックみたいな感じで幅広いね。日本で働いていた仕事内容とあんまり変わらないから、前職の経験は活きていると思う。でも9時-5時で帰れるし、オフィスにストックしてあるRed Bullも飲み放題やし。何かしら食べ物もあるし!あとは職場がすごいお洒落なところもいいよ。壁がレンガ作りで昔の建物をそのまま残してるような内装になってて。
ーー最高ですか?
最高。給料も労働時間とかも考慮して考えたら2.5倍ぐらいあがったような気がする。
ーーおお。なんか聞いていると僕も頑張ろうってなります。やっぱり就職してからも引き続き何か勉強されていたりするんですか?
「独学」で色々やってるよ!最近はThree.jsで3DをWebで表現するのにハマってる!あとは、Dockerを使ってWordPressの開発環境とかデプロイ環境を自作したりしてるよ。就職してもWebと言うかIT業界は勉強し続けるものだと思ってる。常に色んなものが変化して行くのがこの業界なので。ただ僕は「独学」でするものは自分が持っているスキルに近いものからしてる。Dockerはバックエンド側になると思うけど、WordPressに関してなのでちゃんとリンクしてる。例えばRubyとかは自分のスキルセットとかキャリア的にはかなり遠いので、バッサリ切り捨ててる。
ーーなるほど。ただただ勉強を始めるのではなく、自分のスキルに近いものから見ていくということですね。そういうのってどうやって「独学」してるか気になります。
全部、グーグルに聞いてる!めちゃめちゃググってる!でも、やりたい事は決まっているから、それに関する事を調べて行く感じ。
ーーMichinobuさんの「独学」って本当に身になってますよね。ちなみに今後の予定はどんな感じですか?
まずは永住権とりたいね!そのほかのことは永住権をとってから考えようかなと。
アドバイス
ーー最後にこれから留学を検討している人へ是非アドバイスを頂きたく。
滾(たぎ)っていこう!
ーーもう少し、詳しくお願いします!(笑)
努力は必ず報われます。ということですね。プログラミングってやったらやった分だけ自分に返ってくるんで。
あとは日本で社畜を経験すれば、カナダでそれ以上の苦をを経験することはないと思うよ。日本では35時間労働してたときもあったし?2徹やで?
ーー2徹!?
ーー限界超えてますね。つまりこれからカナダで挑戦していくにあたってメンタルを強くもっておくことは大事だということですね。
これはやりすぎ笑 だけど人それぞれ様々なバックグラウンドがあるけど、海外に出るということはそれなりにも大変なことだし、初めてなことばっかりだと思うから、そういう面である程度のメンタルは大事になってくると思うよ。ましてや未経験からITの勉強とかするってなると、かなりストレスは溜まると思う。でも誰もが最初は出来なかったわけなので、地道に続けて行くとブレイクスルーが起きるか、気づいたら色々出来るようになっていると思う!
ーーカナダに来ることが決まっている人や、すでに勉強中の人へのアドバイスも最後あれば、是非ともお願いします!
自分がつくったものはどんどんWeb上に公開したほうがいいね。アプリであればストアまで出すとか、Web制作であればGitHub Pagesとかポートフォリオに載せたりしていく方が絶対いいと思う。今はCodePenやJSFiddleみたいなオンラインエディターもあるので、そこに小さいプロジェクトを公開することもできるしね。例えば、CSS使ってちょっとクールなフォームデザインしましたとか。あとはビートボックスとかなんか特技的なものも・・・笑。
ーーなるほどですね(笑) やはり受け身でただただ勉強するだけではダメだと身にしみて分かりました!ありがとうございます!
どうでしたか?
結果的に現地就職を達成され、今では日本とは全く異なる環境で活躍されているMichinobuさんですが、そこに到るまでには質の高い「独学」ができるだけのストイックさと、決めた目標に対してかならず成し遂げるという意思の強さがあったのだと改めて驚かされました。英語スキル・Webスキル・コミュニケーションスキルのいずれにしても、その場の環境に身を任せるだけではなく、自ら学ぶということが鍵になってくるのかなと思います。
Michinobuさんが言うところの「独学」をする環境はパソコンを開けば、Webに関するチュートリアルから英会話まで何でもありますよね。「思い立ったが吉日」いかに早く始めるかも大切な要素になりそうですね。
最後に、僕自身は完全に未経験なのですが、現地就職を果たした方々と比べて単純にパソコンに向かうスタンスから違うんだなと実感しました。「パソコンに毎日12時間向き合っていても苦じゃないし、むしろそれが好き」という話を聞いて、改めて自分の勉強に対する姿勢を改めていきたいと感じるインタビューでした。
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