1年間のプログラムを走りきり、ビジネス立ち上げも経験したHarunaさん・Takeshiさん
今回は現地就職者ではなく、学校を卒業したばかりのHarunaさんとTakeshiさんにお話を伺いました。
お二人はVanArtsという学校のWeb Development & Interactive Designプログラムで学び、その授業の一環として立ち上げたアプリ制作プロジェクトではチームメイトとして活動。このプロジェクトは授業の枠を超えて今後も続き、リリースとグローバル展開を目指しているとのことです!
Harunaさんはもうすぐ帰国して大学に復学、Takeshiさんもカナダで働くよりも大事なパートナーがいるそうで(記事中に登場)、お二人が描く将来は海外やWebにこだわりません。私の周囲には現地就職を目指す人・した人が多くいるのですが、そうではない将来の目標にもプラスの経験になるという良い例ではないかと思います。
終始笑いの絶えないインタビューで、読んでいる皆さんも1回は笑ってしまうはず。楽しんでいただけたら嬉しいです!
経歴
ーー お二人それぞれのバックグラウンドを伺いたいと思います。まずHarunaさんから、経歴や留学に至るまでの経緯を聞かせていただけますか?
Haruna: 大学では総合政策学部で、そこを休学してこちらに来ています。元々は国連に興味があって、そこに特化していると聞いて選んだんですが、大学1年生の時に「私はこれは仕事にできない」と直感的に思ったんですね。実際に東南アジアに行ってみたりしたんですけど、私はワクワクしなかった。それよりも面白いビジネスで問題を解決したいと思ったんです。その後、なんでかほんまにわかんないんですけど、ウェディングプランナーになりたいと思って(笑)。
Takeshi: 降りてきたんや(笑)。
Haruna: そう、降りてきまして(笑)。結婚式の一日って、大切な人が来て、自分を認めてもらえる日だと思うんですね。そんな日を作るウェディングプランナーって素敵な仕事だなぁと。当時は「自分に個性がない」と悩んでいた時期でもあって、今の結婚式にあまり個性がないというのが気になりました。オリジナルなものが作りたいと思ったので、オリジナルの結婚式をプロデュースしている会社を見つけて、インターンとしてそこの大阪支社の立ち上げから2年弱関わって、それが去年の3月まででした。海外留学をしたいという気持ちがずっとあり、インターンが終わる頃に「新しい何かを始めたい」とWebデザインでの留学を選んだんです。
ーー 留学したいという気持ちと、新しいものを学びたいという気持ちが合わさって海外でのWebの勉強に至ったのですね。「新しい何か」でWebデザインを選んだのはなぜでしょうか?
Haruna: 自分たちが発している言葉って、考えていることの半分も伝えられていないと感じていて。自分自身もそうです。それで、カタチに見えないものをカタチにするにはどうしたらいいんだろうと思って、デザインに興味を持っていました。ただ、Webにもデザインにも苦手意識があって。惹かれていたけど「私にはできないやろう」と思ってたんです。そこに挑戦することにしました。もやもやしてカタチになっていないものをカタチにするためにはWebデザインが一つの方法やなと思って。
ーー なぜバンクーバーを選んだのでしょう?
Haruna: それにはあまり理由がなくて。休学期間は一年なので、その期間でWebとデザインの両方を学べる学校を探していました。英語も勉強したかったので、英語環境ということでカナダ・アメリカ・オーストラリアが候補で。その中でVanArtsがぴったりだったんです。留学を決めたのがギリギリ、去年の1月で、その時点で3月入学を募集しているのが(調べた中では)VanArtsだけだった。カナダは前から行きたいなと思っていた国でもあるし、良いかなと思って。
ーー 3月入学で1年間ということは、もうすぐ帰国?
Haruna: はい、もう学校は終わっていて3月末に帰国します。帰ったら4年生に復学してすぐ就活です。
ーー そうなんですね。今後の話も伺いたいのですが、それは後半に…。ではTakeshiさんにもお話を伺いたいと思います。
Takeshi: 高校を卒業して、教育大学の教育学部に行きました。先生になりたくて入ったけど、しばらくして「(自分に)先生は違うんじゃないかな」と。親も先生で、他の仕事もよく知らなくて「子供が好きだから」と入ったんですけど、大学生になってからいろんなものを見て「他に面白いこといっぱいあるな」と気づきました。1年生か2年生の時に一人でタイに旅行に行ったんですよね。そこで「めちゃくちゃ面白いな」と。世界一周したいと思って、その時からずっとバイトしてお金を貯めて。親には申し訳ないんですけど(笑)。
卒業して世界一周に行きました。最初はフィリピンで3ヶ月くらい英語を勉強して、次はオーストラリアに半年くらいワーホリで行ってお金を貯めて、その後旅費が安く済む国を回って、南米に来た時に「せっかくだから海外で働きたいな」と考え始めました。でも自分には何も(スキルが)ないと思ったので、何か学ぶ必要があるんじゃないかなと。それからバンクーバーに来て、何を学ぶかを考えて。将来何をしたいか、どんな生活をしたいかから考えました。
日本に仲が良いやつがいるんです、永井勇智っていう。
Haruna: なんで個人名出す?(笑)
Takeshi: 載ったら面白いかなと思って(笑)。そいつと将来何かできたら面白いなと思ってて、「英語を使って何かするなら」と最初に考えたのは貿易関係で。でもそのビジネスを始めるなら資本がかかる。それ以外で永井有智くんとできること何かな、と探したらWebでした。
カナダは働きやすいという話を聞いたことがあったので、働く場所はカナダにしようと。BCITだったら卒業後にポスグラ(Post Graduation)のビザが下りるし、ということでまずはBCITの語学学校に行って。この語学学校の必要なコースをクリアするか、IELTSで基準点を取れたらITのコースに入れるんですけど、語学学校をクリアするにはすごくお金がかかるんですね。それでどうにかしてIELTSの点数で行こうと思ったんですけど、春の入学を申し込むタイミングでギリギリ点数が足りなくて。次の入学タイミングまであと半年語学学校で頑張るか、その時のIELTSスコアで入れるVanArtsに行くか悩みました。でもまた半年を英語の勉強に使うのはもったいないと思って、VanArtsにしました。
ーー 勉強する場所がバンクーバーになったのはなぜでしょう?
Takeshi: 旅の終着地だったというのが大きいです。
ーー 世界一周からバンクーバーに来たと言うことは、長いこと海外にいらっしゃるんですね!
Takeshi: そうですね、もう3年以上日本に帰ってないです。帰るお金がないんですよね。それと、日本に帰っちゃうともう(カナダに)戻って来たくないなと思っちゃいそうで(笑)。
ーー じゃあ日本LOVEな気持ちはあるんですね
Takeshi: はい、結構あります。
ーー 先ほど出てきた永井くんはどんな人?
Takeshi: 高校から大学の学科まで一緒だったんです。そいつも絶対教師にならないと言っていて、二人で「ただ面白く生きたいよね」と話してて。バカなことを一緒にしてたんですよ、仙台から屋久島まで1万円だけ持ってヒッチハイクしたり(笑)。
今は九州のベンチャーで働きながらPythonを勉強して、ARのアプリを作ってるみたいです。
ーー VanArtsのWebプログラムにはCOOPがないと聞きましたが、この後はどうされるご予定ですか?
Takeshi: ワーホリに切り替えます。もう申請済みで、そろそろ下りるはずです。
英語について
ーー バンクーバーに来た時の語学力はどの程度だったのでしょうか。授業は結構きつかった?
Haruna: きつかったです。
Takeshi: きつかったなぁ。
Haruna: 何質問されてるかもわかんなかったし…。
Takeshi: 僕はほぼ聞き取れるんですけど、ジョークはパッとは入ってこないですね。
Haruna: 何がおもろいねんって言う(笑)。
ーー すごくわかります。みんな笑ってるからきっと面白いこと言ってるんだろうなーっていう(笑)。Takeshiさんはフィリピン留学、ワーホリ、旅、バンクーバーでの語学学校を経て英語を身につけられたのだと思いますが、Harunaさんはどうでしたか?
Haruna: 全く(何もしていない)です。大学一年生でTOEFLを受けなければいけなくて、そこで取った点数でVanArtsに入れました。中高が英語に力を入れている学校だったので、そのおかげで取れた点数ですね。
ーー 入学当初は聞き取りが難しかったというお話がありましたが、スピーキングはどうでしたか?
Haruna: 「名前…もう一回聞いてもいいかなぁ」っていうのをめっちゃ勇気を持って訊く、っていう感じでした(笑)。
ーー 可愛い!今はどうですか?
Haruna: リスニング力は上がったと思いますし、話す方も頭の回転をめっちゃ早くしてなんとなく伝えられています。クラスメイトも私の英語に慣れてくれてて、なんとなくわかってくれる。それで成り立ってる感じです。
Takeshi: 先生の英語も慣れてくるもんね。だんだんわかるようになってくる。
Haruna: 一人アイルランド出身の先生がいて、最初は全然わからなくて。アクセントが違いすぎて「え、これ英語?」みたいな(笑)。
Takeshi: そうそう、アルファベットの「H」を「ハイチ」って読むんですよ。
ーー こっちに来てから英語のためにやっていることはありますか?
Haruna: ないです!(笑)
Takeshi: そうですね〜ないですね〜(笑)。やる暇もないと言うか。
専門学校について
ーー 学校は結構忙しいですか?
Takeshi: 「忙しくしてる」の方が合ってるかもしれません。一日の授業時間は3時間の授業×2で6時間なんですが、その他の時間に自分の作品作ったり、オンラインのチュートリアル見たりとか。
Haruna: 授業で出される課題に対しても、すごい時間かけてたなぁと思います。結構夜遅くまで残ってたよね。
Takeshi: うん、そこが日本人のすごいところだなぁと思ってて(笑)。
Haruna: そうなんですよ!!みんな(他の国から来た生徒)結構はよ帰るんですよね。
Takeshi: 学校に残ってたのほぼみんな日本人でしたからね(笑)。自分が通っていた以外の学部を含めても、残ってるのみんな日本人でしたね。
Haruna: そうなんですよ。不思議やなぁ。
Takeshi: 忍耐力があるのかな?
Haruna: ずっと残ってる分、やっぱ結果出てるんちゃう?って思った瞬間があって。日本人は私たち含めて3人いるんですけど、最後の方のデザインの課題を見たときに「あ、違う」と私はすごく思いました。
私たちのコースにはデザインとコーディングの授業とがあって、「デザインだけやりたい」「コーディングだけやりたい」と考える人もいるんですよね。それでやりたい方の授業にしか出ないで、卒業に必要な単位を諦めたりするんです。そういう人が結構いて、クラスの半分ぐらいは卒業できていないんですね。でも私たち日本人はみんな「両方頑張る」というスタンスで。みんな「デザインだけやりたい」「コーディングだけやりたい」って瞬間はあったんですけど、どちらも手放さないで、ずーっと1年間、時間をかけて2つとも頑張りました。やったから結果が出てるんやな、って感じましたね。
Takeshi: 学校自体もIntensiveだったよね。24時間以内にウェブサイト作れ、とか。
ーー それはタフですね!
Takeshi: 途中でみんな「頑張るけど良いものが作れない」とストレスを感じ始めて、それに先生も気づいて提出までに週末挟んだりするようになりましたけどね。
ーー 学校のカリキュラムにはどんなものが含まれてるんですか?
Haruna: デザインだとPhotoshop、Illustratorとか。
Takeshi: そういうツールの使い方ももちろんなんですけど、デザインコンセプトやUI/UXの授業もありました。ツールの使い方よりもコンセプトの話の方が多かったです。
ーー それが終わるとコーディングに入る?
Takeshi: 同時進行です。デザイン・コーディングの授業が合わせて8種類くらいあって、それが一週間の間に割り振られているっていう。授業数の割合はだいたい半々、ちょっとコーディングの方が多めかなぁってぐらいですね。
Haruna: あとSEOとかマーケティングみたいな授業もちょろっとありました。
ーー コーディングの授業にはどんな言語が入ってるんですか?
Takeshi: HTML、CSS、JavaScript、あとPHPが基本ですね。関連するライブラリも教わりましたが、「一応教えるけど後は独学で」という程度にさらっとです。Reactくらいまではやったかな
Haruna: え、いつ?
Takeshi: あったやろ、来てなかっただけで。
Haruna: ……。行ってませんでした(笑)。
ーー あら(笑)
Haruna: 行くよりも、学びたかったらチュートリアル見た方がいいと思ったので。
ーー 良いと思います、そういうの
Takeshi: 先生によって結構質が違うんですよね。自分でできる人と教えるのが上手い人は違うので。できる人は「それググればいいから」っていう、自分がやって来たことをただ押し付けるだけで、あまり教え上手じゃないなと。
Haruna: 努力はしてはるんですけどね、それはわかるんですけど(笑)。
ーー 先生も「教え方勉強中」っていう感じだったんですね
ーー グループプロジェクトでアプリを開発していて、Kickstarter(クラウドファンディングサービス)も利用されたと伺っています。どんなアプリか教えていただけますか?
Takeshi: Board Buddiesっていう名前で、ボードゲームを一緒に遊べる相手を探すアプリです。グローバルに展開していきたいんですけど、まずはバンクーバー限定で。ボードゲームが好きなクラスメイトがいて、でも一緒にやってくれる人がいないという悩みから始まりました。「今日ボードゲームやりたいな」って時に、気軽に相手を探せたらいいなと。
バンクーバーって結構ボードゲームが盛んなんですよ。カフェやバーに置いてあったり、ミートアップも結構あって。それで彼はミートアップにも行ったんですけど、好きなボードゲームじゃなかったりして。遊戯王とか、マジックギャザリングとかが有名なんですけど、「そういうんじゃない!」と(笑)。それで、ゲームの名前から相手を探せるようにしています。Kickstarterにムービーがあるのでそちらを見ていただけるとイメージが湧きやすいと思います。
ーー そのクラスメイトはチームメンバーなんですか?
Takeshi: そうです。一応そいつがFounderとして会社を作っていて、僕がCo-Founderです。
ーー どのようなメンバー構成なのでしょうか?
Takeshi: 始まりはビジネスの授業で、自分のビジネスを立ち上げよう、という個人で考えるものだったんですが、そのボードゲーム好きのクラスメイトが「みんなで作ってみよう」と提案して9人グループになりました。マーケティング2人、フロントエンド2人、バックエンド2人、デザイナーも2人、そしてリーダーが立ち上げのクラスメイトです。
授業が終わって、その後続けるかどうかは人によります。今はリーダーとフロントエンド2人、バックエンド1人で4人。僕は続けますが、はるなちゃんは帰国することもあって離れます。
ーー お二人の役割は?
Haruna: 私はUI/UXデザインです。
Takeshi: 僕はフロントエンドです。
ーー どういった経緯でKickstarterを利用したのか気になっています
Takeshi: プロジェクト自体は元々ビジネスの授業の一環なんですけど、アプリを作るわけなので授業以上のワーク時間になる。それを時給換算にした時にどう資金調達しようかっていうのでKickStarterをやってみることにしました。あまり現実的な案ではないなとは思ったんですけど(笑)。
Haruna: 今まで習ってきたことを生かして実際にビジネスを運営できるかやってみよう、という授業だったこともあり、Kickstarterも「まずはやってみよう」という気持ちで始めました。
ーー グループでやる中で難しかったことはありましたか?
Haruna: めっちゃ大変でした。
Takeshi: めちゃくちゃ大変でしたね(笑)。
Haruna: 英語の壁を感じたことはめちゃくちゃありましたし、みんなWebを勉強してきているので、チームでどう動かすかっていうところまでわからない。連携が難しかったですね。フロントエンドの人とリーダーは話してるけどデザインの私には話が回ってこないとか、バックエンドはこうなってるけどフロントエンドは違うとか。
ーー 作業時間は授業内に収まらなかったと思いますが、どのように進めましたか?
Takeshi: アジャイル式にしたので、スクラムミーティングを毎日15分やっていました。期間は3ヶ月間で、結構長い。でもみんなやりたいことが他にもたくさんあって、このプロジェクトだけには集中できない。でもどうしても時間を費やしてしまうし…という葛藤があったように思います。その中でのコミュニケーションは大変でした。あとモチベーション。みんなのモチベーションがバラバラで、そこを統一するのはすごく難しいんだろうなと。
ーー そこに打った手はありますか?
Takeshi: 妥協はしたくなかったので、毎回毎回リーダーに確認をとって作業して、フロントエンド内でもチームワークを大事にするようにしました。
ーー アプリはもう出来上がっている?
Takeshi: α版はできてます。モバイル専用のウェブアプリです。ステージを決めていて、今はステージ1の段階です。ネイティブアプリを作る言語を学校でやっていなくて、メンバーの全体的な開発の経験値を見ても、ネイティブアプリを作るよりもWebアプリの方が確実なんじゃないかと。それで今回はReactを使って作っていて、ステージ2ではそれをReactNativeにリファクターしてアプリのストアに載せる予定です。
ーー いつ頃に公開されるのでしょう?
Takeshi: まだ話し合っている最中ですが、おそらく3ヶ月以内くらいかなと。
ーー Takeshiさんはプロジェクトに参加し続けるということですが専念されるんですか?
Takeshi: 専念はしないです。別の仕事を探して、どこでも良いんですけどカナダのどこかで働こうかなと。
ーー ではワーホリのビザで、少なくとも1年はこちらで働くということですね
Takeshi: 少なくとも半年ですね(笑)。働いてみて、どれだけ自分のしたいことがやれるかどうか。
ーー Harunaさんは離脱されるとのことですが、それは帰国するので日本で仕事を探すのに専念したいということ?
Haruna: 次はまた新しいことをやりたいと思っていて。常に新しい環境に身を置いていたいっていう気持ちがあるみたいで…最近気づいたんですけど(笑)。バンクーバーでのことはバンクーバーで区切りをつけたいと思っています。
ーー このプロジェクトをやって良かったなと思うことは何でしょう?
Takeshi: 終わってみてわかったのは、あまりユーザーテストをしていなかったんですね。学んだことを使ってみるっていうのはすごく素晴らしいんですけど、誰かが本当に求めているかをわからないまま作るというのはあまりにもリスキーなことだなと。誰かが欲しがってるものを作れば需要と供給がすぐにマッチするわけだから…という、何かを作るっていう時のプロセスについてはすごく学びました。
Haruna: 私は「こうやって連携して作られていくんやー」というのがわかったのが大きいです。あと、デザインの細かいところや尊重してほしいところをどう伝えるかっていうのとか、コーディングの面からの視点を持つのも難しかった。
デザインを二人でやるというのも難しいなと思いました。何が大切かを共有しているのでそこを基準とした柔軟性はあるんですけど、その基準が及ばない個人的な決断が関わってくる部分、つけても良いしつけなくても良いものとかはデザイナー二人だと難しい。お互いに「これが良い」というものがあって、どっちの意見が良いのか話し合うのも難しくて。
連携の仕方っていうのはどこに行ってもあまり変わらないと思うので、この経験は日本に帰っても役立つと思います。
今後の展望
ーー Harunaさんは4年生に復学されて、すぐ就活ということですが、どんな仕事をしたいかもう決まってますか?
Haruna: 全くです(笑)。デザインには関わりたいと思うし、Webも作り続けたいと思います。でもそれを会社の中でやるかどうかは別だと思ってて。個人でも、友人やお店を探して「Webサイトどうですか」と提案することもできるので。しっかり考えたいし時間も費やしたいので、どういう人とやるかが一番大事だなと。会社に入るとそれって難しくなるじゃないですか、「仕事が降りてくる」っていう感じなので。それはやりたくないのでWebサイトを作る会社には入らないんじゃないかなと思います。デザインを勉強したいのでデザイン会社や、私がWebデザインを勉強するきっかけになった「カタチじゃないものをカタチにする」という方向で新しい手段を探すと思います。
ーー 「カタチじゃないものをカタチにする」というのが軸なんですね
ーー 直近の将来のお話を伺いましたが、もうちょっと遠い将来について「こういうことやりたい」「こういう人生を送りたい」といったものがあれば聞かせてください
Haruna: すごい具体的なんですけど、良いですか?
ーー ぜひぜひ!
Haruna: 私は起業をしたいと思っていて、どういう会社が良いかっていうのも決まっています。
クリエイターが集まっていて、クライアントの想いを掴んだ上で「それならこのクリエイターさんが良いんじゃないかな」と繋いでいける会社が良いです。「お店を作りたいんやけどどうやって作ったらいいかわからへん」っていう人に対して「内装だったらこの人がいいんじゃないかな」とか「Webサイトだったらこの人」とか。
クリエイターってみんなそれぞれスキルも人柄も違ってて、「この人だからこれを頼みたい」っていうのがあると思うんですね。その「頼みたい」を、その人にできることを頼むのではなく、「今この人はこれができるからここを一緒に頑張れば面白いんじゃないか」っていう、一段階上を実現するクリエイターが集まっている会社が良くて。
ーー それも「カタチにする」っていうところですね
Haruna: はい。私は社会的に意味のあることをやりたいと思ってるんです。デザインって問題解決だなと思っていて、ソーシャルデザインをやりたいんですね。この人がこのお店をやることで地域にどういう影響を与えるのか、とか。
人って、誰かのためを思って何かを始めることって多いと思うんです。それを手助けしたい。その人が思っていた以上のものを作れる、その人が考えてることを取ってきて10倍以上にして返す、そういうことがしたいです。
…ちょっと恥ずかしくなっちゃいました(笑)。
Takeshi: 素敵やん!
Haruna: ありがとう(笑)。
ーー 素晴らしいですね!実現させたい時期はいつ頃ですか?
Haruna: クリエイターの人が集まったらやりたいなと。でも20代ではやりたいですね。今22歳なので、20代後半かな?
ーー じゃあそれまでにネットワークを作っていくということですね。それだけ具体的な夢があるなら、次のステップもそれに直結するものなんじゃないかなと思うんですが…
Haruna: いやー、間違い無いですよねー!日本に帰ったら、今話したようなことを大学生の間でやりたいなと思っていて。大学生って、やりたいなやりたいな言っててやらへんって人が多いと思うんですよね。なので「やりたい」を「やる」に変えるWebサイトがあれば良いなと。それをやることで私のスキルも上がるし。
「やる人」ってすごいんですよ!有言実行ってほんまにすごいと思ってて。言葉でいうのは簡単だけど実際にやるのは難しいなって、この一年で私もすごく感じてて。だから「やってる」人たちと一緒に良いものを作りたいなっていう。
ーー 今の大学生とそういうことをやったら、数年後に会社を作る時に参加してくれそうですしね!
Haruna: そうなんです。今から繋がりを作ろうかなと。
ーー Takeshiさんはまずはこちらでお仕事を探すんですよね。フロントエンド・デベロッパーの方向ですか?
Takeshi: 一番はインタラクティブ・デザイナーとして働けたら良いなと思ってて。デザインも好きだし、コーディングも使うし、インタラクティブデザイン面白そうだなと。
その先は…永井勇智くんと相談して(笑)。
ーー でた、重要人物(笑)
Takeshi: そうですね、相談しないと決められないですね(笑)。
ーー なるほど(笑)
Haruna: いや、なるほどってならないでしょ(笑)。
ーー すごい大事な存在なんだなと思って(笑)。カナダで働く会社については、もう行きたいところは決まってるんですか?
Takeshi: まだですね。もうすぐポートフォリオが出来上がるところなので、これから調べます。
ーー ポートフォリオも「インタラクティブ・デザイナー」っぽいものにしてるんですか?
Haruna: インタラクティブですよ。
Takeshi: 見ます?
ーー 見ます!
(トップ画面が表示される)
ーー お!!動いてる動いてる!!すごいかっこいい!
Takeshi: 僕のお気に入りがAboutページのこれ、After Effectsで作ったやつなんですけど。
ーー 面白い!(笑)これはすごい!アハハ(笑)
Haruna: お前どんな人やねんってなりますよね(笑)。
Takeshi: インパクト強くないと印象に残らないのかなと思って。この1年間で言語コミュニケーションの難しさを感じているので、見せるしかないなと。
(見たくなりましたか?なりましたよね?Takeshiさんのポートフォリオはこちらです!→takeshioide.com)
ーー 面白いものを見せていただきました(笑)。ありがとうございます。
ーー カナダで働いた後の将来は永井くんに相談ということですが、完全に真っ白な状態なんですか?
Takeshi: 8割くらいは永井くんと相談したいなと。本気です(笑)。やりたいこともあるんですが、自分はなんでも楽しめるなと思ってて。元々はWebもデザインも興味なかったんです、逆に苦手ってくらいで。でもめちゃくちゃ楽しかったし、何やっても楽しいんだろうしなんでもやってみたいなぁと思って。「俺は何をやる」って決めるのももったいないなくらいな感じです。
ーー ゆるく話しながら出てきた面白そうなことをやりたい、みたいな?
Takeshi: そうですね、一緒にやる人が一番重要なのかなと思ってて。そこでやっぱ…永井勇智くんは大切な人ですよね(笑)。
Haruna: なんか興味湧いてきません?(笑)
ーー 湧いてきます!会ってみたいですもん
Haruna: 私もめっちゃ会いたいです(笑)。
ーー 今度どこかで4人で飲みましょう!永井くんはバンクーバーに遊びに来ないんですか?
Takeshi: いやー、来る来る言って来ないんですよ〜。
ーー あれ、愛が足りないんじゃ…?
Takeshi: そうなんですよ〜!あいつずっとフラフラしてた癖に、ベンチャー入って忙しくなって「カナダ行けない」って。何やってんだって感じですよね、「Pythonより俺だろ」って(笑)。
留学生活を振り返って
ーー バンクーバーに留学してみて良かったことはありますか?
Haruna: バンクーバーってアジア人が多いじゃないですか。そのおかげか私たちへの関わり方がすごい優しいと感じてて。この一年の間にアメリカに遊びに行ったんですけど、その時もちゃうなと思いました。バンクーバーは誰に対しても認めてくれている感じがあって、その環境に安心してやれたっていうのは大きかったかもしれない。
Takeshi: それはあるね。僕、ワーホリでオーストラリアに行ったじゃないですか。そこと比較してもダントツにバンクーバーの方が優しいですね。オーストラリアだと中にはレーシスト(人種差別主義者)みたいな人もいるんですよね。車に乗ってたら「この〜!」って中指立てられたことが何回かあります。こっちだとそういうのが全然ない。それに、英語が上手く話せないことにも抵抗がないというか。流暢じゃない英語にもアイコンタクトしてしっかり話聞いてくれるのは大きいですね。
ーー 外国人慣れしてる感はありますね
Takeshi: あと、バンクーバーがつまらない場所だっていう話はあるんですけど、一つのことに集中するには良かったのかなと(笑)。
Haruna: 確かに。
Takeshi: 朝から晩まで、打ちこめる環境だったなと。
ーー 1年間、やりきりました?
Takeshi: そうですね!
Haruna: 私もそうですね。「やりきった」って言うのって難しいと思います。いつもどれに対しても「これでいい」ではなく「これがいい」っていうところまで追い込んで、それで初めて「やりきった」という言葉が出るんじゃないかなと。1年間っていう結構長い間についてそれが言えてるというのはすごいことだなぁと思います。
お二人とも、留学生活や今後のことをとても生き生きと話されているのが印象的でした!
海外就職・移住に限らず、自分のやりたいことを実現するための手段の一つとしてバンクーバーで学んでみてはいかがでしょうか?
Takeshiさんが「バンクーバーはつまらない場所」とおっしゃっていましたが、私もそういう話は耳にします。特にバンクーバーの冬は雨期なので雨が多かったり日照時間がものすごく短かったりして、文字どおり「暗い冬」という感じです。なので「冬はやることなくて退屈するのかなぁ」と思っていたのですが……「やることがない」なんてことは全くなく。勉強していたら冬が明けました!(笑)
外国人への寛容度も含めて、確かに勉強する場所として適しているなと思います。
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