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カナダで学生期間中に現地企業2社からオファーを貰い、モバイルUIデザイナーとして活動するMaiさん

今回はバンクーバーで学生しながら仕事を探したいという人のみならず、海外で過ごす上での姿勢から沢山の事を学ぶ事が出来るMaiさんをインタビューさせて頂きました。彼女は現在モバイルUIデザイナーとしてバンクーバーの専門学校へ通いながら活動していますが、業界経験自体はカナダに渡ってからなので2年程、たったそれだけの期間で、なぜ海外の企業から学生中にオファーを貰えるまでに成長したのか、その活動内容についてお聞きしたいと思います!

本気で自身のキャリアや成長に繋げたいと留学を希望する方であれば、みなさんに読んで頂きたい内容だと思いますので、是非ご覧ください!(※カナダのBC州では専門学校の学生ビザの場合、週20時間までの就労が許可されています。)

ーー バンクーバーに留学するまでの経緯を教えてください

私は元々大学を卒業後、日本の某IT企業にて営業として働いていて、広告販売やSNS等を含めた広告プランなどを提案する仕事をしていました。

ただ、私には元々自分の中で定めていたゴールがあり、それが『25歳までに海外でデザイナーとして食べていけるようになる』という目標があったんです。

残念ながら大学はそういった美術や情報工学系の学科では無かったのですが、社会人になって、留学するまでの間、常に独学でデザインと英語の勉強をしていました。

ただ、勉強内容としては今思えば少し迷走していた時期でもあって、新卒でIT企業に入ってから(デザイナーも含む)専門職になりたいという漠然とした思いはあったのですが、何を学ぶべきで、何をしたいのかは当時まだ漠然としていて、とにかく目に付くもの、HTMLやCSS何かを含め、手当たり次第に勉強していましたね。

その後勉強に集中したいと思うようになり、新卒で入社した会社を一年足らずで退職し、本格的にデザインと英語を学ぶために留学を現実的に考えるようになりました。

ーー そうなると、英語の勉強は学生の頃からされてたんですか?

英語は日本で大学の間ずっと留学生と一緒にいたのと、映画やドラマを見ながら勉強していましたね。王道かもしれませんが、ドラマはFriendsから入って色々な表現を学んだりしてたんですが、一番オススメしたい勉強法はTech系の記事をひたすら英語で読むこと。Tech Crunch、The Next Webとかは常に見ていました。

ーー なるほど、海外への意思は学生の頃から高かったわけですね。それでは留学先をバンクーバーに選んだ理由は?

元々私はアメリカに行きたかったんです。高校生の頃アメリカに美術や音楽、アート方面に興味があったのですが、高校生ながらも『アートの世界で果たして食べて行けるんだろうか?』という不安もあり、まずは世の中の流れを判断出来るようになろうと、大学の専攻は経済学にしたんです。

大学に入ってからは何度かサンフランシスコに足を運ぶ機会があり、やはり世界中の技術者やデザイナーが一同に集まるあの場所には憧れのようなものは強くなる一方でした。

その後、幾度と無くアメリカへ足を運ぶようになっていったんですが、現地で出来た友人の話を聞けば聞くほど、やはりアメリカで働くビザを取得する壁があまりにも高かったのを今でも覚えていて、私がアメリカで活動するためには、英語圏でリファレンスを得たり、もっと海外で活動した実績を残し、実力を挙げてから挑戦しないとダメだと思うようになって、色々な国を調べていた所、アメリカ、SFに最も近く、ワーキングホリデーもあって治安も良く、物価もアメリカに比べれば安いバンクーバーへの留学を決意しました。

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ーー バンクーバーはFlickrだったりSlackだったりHootsuiteだったり、有名なスタートアップ、モバイル面でもPhoneGapやCordovaが出来た街だし、時差も同じとあって、アメリカ挑戦する人は得に多いですもんね。

そうですね。ただ、ワーキングホリデーを使ってバンクーバーに来たのは良かったんですが、それこそFrogのセナさんもこの時期にお話をお伺いしましたが、他にも多くの現地の方のお話を聞いたり、色々な街を訪れたりして、自分の進むべき方向を考えれば考える程、まだまだ自分自身に実力が足りて無いという事を身にしみることが多く、そんな中でアメリカのサンフランシスコで、Y Combinator発のBootcamp、「Make School」が開講されると知りました。

ーー Y Conbinatorから生まれたBootcampに参加されたんですか?

はい、ただ正直ものすごいハードでした。私が参加したのは、iOSデベロッパー育成の2ヶ月集中コースだったんですが、留学して初めて涙を流したのもこの時期でした。

朝8時から夕方5時まではひたすら勉強につぐ勉強。その後QA(Quality Assurance)、そして自習、夜中の12時にはぐったりして寝る。そんな毎日を2ヶ月間ずっと続けました。
Make Schoolに参加するためには入学選考に通らないと行けないんですが、なぜ私が通過することが出来たのかは正直今でも疑問だったりします(笑)

周りはMITやハーバード大学、UCバークレー、スタンフォードを卒業したような超エリートばかり、そんな中、英語も満足に出来ない自分という落差に本当に何度も挫けそうになりました。

ある日、インストラクターにアドバイスをもらってた時に「arrow」と「error」の違いがわからず、会話が成り立たなくて『ダメだこいつ…』みたいな顔をされてしまった時は本気で泣いてしまいました。

ただ、それでも自分が進むべき道みたいなものは確実に見えてきていて、それまでは漠然と『デザイナーとして海外で…』だったのが、このMake Schoolをキッカケに『モバイルUIデザイナーとして海外で通用するようになるんだ』と思うようになっており、折角掴んだチャンスを今活かさなかったら後悔すると、沢山の友人の助けもありながら何とか卒業する事ができたんです。

Y Combinatorの開催するBootcamp「Make School」の方々

Y Combinatorの開催するBootcamp「Make School」の方々

ーー それはすさまじい経験をされてきたんですね…。Make Schoolを卒業した後に、バンクーバーに戻られたんですか?

はい。iOSプログラミングを学んだこともあって、エンジニアとしての道が見えてきていたんですが、それと同時にサンフランシスコで世界のトップを見て、最前線のエンジニア達を見て、プログラミングよりデザインの方が自分の強みになると再確認する事が出来ました。また、キャンプ中に起業した知人から仕事もらったりして、自分はデザイナーとして生きていけると確信した。そのときからモバイルUIデザイナーとしての道を目指す事にしたんです。

バンクーバーに戻ってきてからも仕事を得られるようになったし、オンラインのポートフォリオも相当充実してきて「これならイケるかもしれない…」と思えた所までは良かったのですが、実はこの時既にワーキングホリデーのビザが数ヶ月しか残っておらず、再度セナさんに相談し、カナダで現地の専門学校へ通って滞在期間を延ばす方法を取る事にしました。この頃はFrog Houseにもお世話になっていましたので、セナさんとも良くお話させてもらいましたね(笑)

色々な話の中で、カナダのBC州は専門学校であれば学生ビザの期間も働ける事を知り、その後1年間働いて現地企業からのオファーを貰い就労ビザの取得を考える方向で、新たな計画をスタートさせる事になりました。

ーー 私の記憶が正しければ、Maiさんは学校にはいられる頃には既にお仕事のオファーをもらっていた気がしますが、あれはどうやって探されたんですか?

専門学校に入る前(ワーキングホリデーの時)から、仕事は探しだしていて、専門学校に入る頃には、日本からも合わせて合計3社に仕事のオファーを頂いていました。

仕事探し自体はMeetUp等に参加したり現地のコミュニティに入ったりして見つけたのが4割、その他は全てオンラインからのオファーでしたね。LinkedInDribbbleは本当に大事です。殆どの仕事のオファーはその2つから来ていました。「Dribbbleであなたの仕事を見た、フリーで仕事受けて欲しい」という内容だったり、「仕事は探してないか?」という内容だったり、やはり自分の実績を見てもらえた上で頂けるオファーはすごく自分にとっても自信になるし、現実的な物が多かったですね。就活らしい就活はMeetupくらいな物だったんですが、気づけば世界中から仕事のオファーを貰えるようになっていました。

現在はどの会社からのオファーを受けるか交渉してる最中ですね。

ーー 沢山の留学生を見てきましたが、たった2年で成し得たとは思えな程、濃密な時間を過ごされたのが良くわかります。最後になりますが、何かこれから留学される皆さんにアドバイス等頂けますか?得に女性のクリエイター志望の皆様に何かアドバイスあれば。

海外で何かやりたい意思があるのであれば、1秒でも早く来たほうが良いと思います。女性はやはり体力勝負な所がある、男性のように徹夜で頑張るみたいな事もなかなか出来ない上、人生設計や、結婚や子育て、男性の2倍、3倍は深く考え行動しないとあらゆる面で間に合わないと、私自身は考えています。

Frogのように現地の業界を経験されたコミュニティ等があるのは心強いですが、それでも海外で活動する上で必要な情報が少なすぎるのが現実だと思います。その上、言語だけの意味では無く、ローカルの文化や業界に馴染むのにやはり2〜4年はかかると考え、計画を立てた方が良いでしょう。

本気で海外に出るのであれば一秒でも早く。そして留学計画についても、まずは現地で自分がなりたいと思っている像に近い人に直接会いに行く、話を聞きに行く、その場のスピード感を肌で感じることから始める事を私はオススメしますね。

ーー 今後の目標を教えてください

私自身、すごいスピード感で走ってきたという自覚はあって(笑)今は少しやり遂げた感があるのは正直な感想ですね。なので、まずはデザイナーとして自分の目標とするラインに達するのが短期的な目標です。その後、大学で経済学を学んでいた事もあり、やはり起業や投資などのビジネス面にも興味はあります。デザイナーのキャリアってひとつだけではないと思っています。

また、デザイナーとして住みやすい西海岸に根を張る通過点として、カナダの永住権獲得は目標の一つとして考えていますが、必須とは思っていませんね。

 

以上、いかがでしたでしょうか?

個人的な意見も含みますが、どうしても海外に留学すると、当時の目標を忘れて浮足立ったり、眼前の目標を見失いがちになる方を多く目にしますが、Maiさんが最も素晴らしいのは、この目標を一度決めたら見失わずに突き進む事が出来る行動力に他ならないと思います。

Maiさんは今回のインタビューで話して頂いた内容以外にも、カナダに来てから現地の小学生にプログラミングを教えたり、SlackやHootsuiteがスポンサーに入るハッカソンでメンターを努めたりと、今日話しきれない程の活動をこの2年という期間に凝縮して活動されてきました。今回インタビューを担当させて貰った僕自身、彼女を留学した当初から知っていので、とても今日の記事で書ききれる内容では無いのですが、少しでも彼女の留学に対する姿勢が伝われば幸いです!

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