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リセッション期真っ只中、業界未経験からフロントエンドエンジニアとして海外就職を達成したYukiさん

本日は業界未経験からカナダへ渡航し、リセッションの影響がまだまだ続いている2024年7月に、カナダにあるデイケア用サービス開発企業のLittle MunchkinへFront-end Developerとして就職が決まったYukiさんへインタビューさせていただきました。

業界未経験者の現地就職が難しいとされる昨今ですが、では実際にそれを達成した人というのは、何をして、どのような経緯で現地企業からのオファーを受けるに至ったのか、今回詳しくお話を聞くことが出来ましたので、ここでご紹介させて頂ければと思います。

バンクーバーへの道のりとキャリアの始まり

Senna: では、まずバンクーバーに来たきっかけや、これまでどのようにキャリアを積んできたかというお話から始めたいと思います。Yukiさん、確か日本ではエンジニア未経験だったと伺っていますが、エンジニアの前は何をしていたんですか?

Yuki: 私は機械メーカーで営業企画をしていました。全国にいる営業の方と一緒に商談を進めるために展示会を開催したり、提案資料を作成して営業さんと一緒に客先に提案に行ったりしていました。販促活動に近いかもしれません。

Senna: なるほど。展示会などでYukiさんを見かけていたかもしれませんね。

Yuki: そうかもしれませんね(笑)

海外進出を考えたきっかけ

Senna: 日本での経験を経て、いつぐらいに海外挑戦を考え出したんですか?

Yuki: 年齢の部分は大きかったかもしれないですね。30歳になる前に新しいことに挑戦するのが良いかなと思っていました。

Senna: よく聞かれるタイミングですね

Yuki: そうですね。あとは、その少し前に会社で部署異動があったのですが、新しい部署が私には合わなく、コロナで一度断念した海外留学に再度挑戦するちょうど良いタイミングなのかもと思いました。

Senna: なぜカナダを選んだのですか?

Yuki: いろいろと海外の選択肢は多いですけど、最終的にカナダを選んだ理由としては、英会話の先生がバンクーバー出身だったことが大きかったです。その先生がバンクーバーの魅力、特に多文化主義や外国人の受け入れ体制について話してくれたので、カナダがいいかなと思いました。

Senna: なるほど。Frogに相談頂いた時には既にいろいろ調べられていたように思いますが、ビザの面については何か検討されましたか?

Yuki: そうですね。調べた結果、カナダにはコーププログラムもありましたし、オーストラリアやイギリスと比べてもビザの取得が現実的でした。

Senna: オーストラリアとかイギリスのビザも調べたんですか?

Yuki: はい、調べました。でも、オーストラリアは職種によって選択肢が変わるので、カナダの方がワーホリ、Coop、ポスグラなど様々な選択肢があり、現実的だなと感じました。

Senna: なるほど。カナダに決めたのは、ビザ周りの選択肢や、英会話の先生の影響が大きかったんですね。

Yuki: そうですね。

マーケティングかエンジニアかの選択

Senna: カナダに行く前に既にエンジニアとしてのキャリアは思い描いていたんですか?

Yuki: コロナ前に一度カナダに行くことを考えてたのですが、その際はマーケティングとエンジニアのどちらでキャリアを進めるか迷っていました。

Senna: その2つで迷った理由を聞いても良いですか?

Yuki: 元々営業企画をやっていたので、マーケティングは自分の経験を活かせる職種だと思っていました。コロナ前はマーケティングで行こうと考えていたんです。しかし、あくまで現地就職やキャリアの向上であった私にとって、どうしてもコミュニケーションの面で現地の人々と競争するのは難しいと思ったんです。もっと専門性を高める必要があると感じました。そこで、エンジニアリングを選ぶことにしました。

Senna: なるほど冷静に自分自身とやりたいことの分析が出来ているのは素晴らしいですね。

Yuki: はい、私自身かなり計画的に物事を進めるタイプだと思います。

カナダでの挑戦とキャリア選択の理由

Senna: エンジニア職を選んだ背景について理解できました。ところで、他の職種は考えなかったんですか?例えば、マーケティングの他にデザイナーなども選択肢に入らなかったのか気になります。

Yuki: その当時、エンジニア以外の職種についてはあまり深く調べていませんでした。しいて挙げれば保育などの職業はビザの条件が緩いと聞いていましたが、やはり将来的に得られる収入や待遇の面で、明らかにエンジニア側の方が将来性が高いと判断したのと、仮に日本に帰国することになったとしても得られる物が多いと思ったんです。

Senna: 確かに、将来的に得られる収入や待遇は重要ですよね。またどうしても僕ら外国人は時勢やビザルールの変更などによって、日本への帰国を余儀なくされることを考えなければならないので、日本へ帰国した後のキャリアにもどう繋げるべきか考える所も非常に計画的ですね。

Yuki: そうですね。もちろん永住権やカナダで長期滞在に繋がる道があるとすれば嬉しいですが、どうなるかわからないので、日本に帰ることも考えるとやはりエンジニアがベストだと感じました。

Senna: 日本でもカナダでも稼げる、そして様々な選択肢を検討した結果、エンジニアという選択肢に落ち着いたんですね。とても計画的に考えていて、驚きです。

コロナ禍での決断と準備

Senna: では、その決断をしてからカナダに渡航するまでのプロセスを聞かせてもらえますか?どのタイミングで本格的に海外に行くことを決めたのでしょうか?

Yuki: 2022年の5月にカナダに来ましたが、最初に相談したのは2021年の秋頃でした。

Senna: なるほど、2021年の秋ですね。その頃にはすでにカナダに行く準備が進んでいたんですか?

Yuki: はい、その頃にはカナダでエンジニアへキャリアチェンジしたいと決めていたので、カレッジやコースの内容など、必要な情報を自分で調べ、準備をしていました。

Senna: プライベートカレッジに通うという選択肢を最初から決めていたんですね。それにしても、留学費用などはどうやって計画していたんですか?

Yuki: カレッジ進学のためにプライベートとパブリックのどちらを選ぶかを調べました。パブリックだと生活費込みで1000万円近くかかることがわかっていたので、私の貯金ではプライベートカレッジしか選べませんでした。限られた資金の中でギリギリの選択をした感じです。

英語の壁とその克服

Senna: 英語の面でも準備が必要だったと思いますが、当時の英語力はどの程度でしたか?

Yuki: 相談した時にはTOEICで640点程度しかなく、その後も勉強を続け、渡航直前には735点まで上がりました。ただ、正直言って、そのくらいの英語力だとカナダに来た当初はかなり苦労しました。

Senna: そうですか。具体的にはどういった点で大変だと感じましたか?

Yuki: はい、カナダに来たばかりの頃、Pre-classという1ヶ月の本科前の準備クラスに参加したのですが、間違いなく日本人の中だと私が一番英語が下手だと感じました。周りの人たちはみんな英語が上手で、自己紹介を聞いた時に自分との差を痛感しました。

Senna: 確かに、最初の自己紹介だけでも他の人のレベルがわかってしまいますよね。そこからどうやって英語を伸ばしていったんですか?

Yuki: 実は、英語の勉強は全くしなかったんです。

Senna: それは珍しいですね。勉強しなくても授業にはついていけたんですか?

Yuki: 授業にはついていけました。私が選んだのはイブニングクラスで、日本人が少なかったのが良かったです。クラスメイトが多文化な環境で、自然と英語でのコミュニケーションを取る必要があったので、それが助けになりました。

Senna: 確かに、そういう環境だと英語が自然と身につきそうですね。それにしても、カフェでバイトしていたとも聞きましたが、それも英語の向上に役立ちましたか?

Yuki: カフェでのバイトはThierryというローカルカフェで働いていましたが、カフェの仕事は決まったことを話すだけなので、私にとっては英語の上達には直接つながらなかったですね。ただ、英語に対する抵抗感はなくなりました。

Senna: 抵抗感がなくなるのは大きいですよね。それでもカフェはローカルな環境ですし、貴重な経験だと思います。

Thierryのスタッフパーティー

ボランティアと英語力の向上

Senna: それでは、英語力の向上に繋がるような取り組みは他にはなかったんですか?

Yuki: カレッジの座学が終わり、Coopに入ったタイミングでボランティアをしていた時期があったんですが、英語力という面ではその時期が一番伸びたんだと思います。そこでは毎日スタンドアップミーティングがあり、昨日やったことや今日やることをシェアする機会があり、それが一番英語の伸びにつながりました。

Senna: 素晴らしいですね、ボランティアはどこで見つけたんですか?

Yuki: カレッジのSlackで見つけました。当時のCoop Cordinaterのネットワークで、ボランティア機会を得た感じです。今は少ないみたいですが、当時はまだチャンスが多かったですね。

学校生活と積極的な質問

Senna: 学校生活はどんな感じでしたか?英語が苦手な中で、授業に苦労はなかったですか?

Yuki: 授業には苦労しませんでした。ただ、英語が苦手ではあっても、積極的に質問するように心がけていました。私は英語がクラスで一番できなかったので、一番前の席に座って、先生に直接質問できる環境を作りました。そうすることで出来る限り他の人の反応を気にせず、自分のペースで授業を進めるよう努めました。

Senna: それは素晴らしいですね。

学校外での学びとメンターとの関係

Senna: 学校生活の中で特に印象に残っていることはありますか?

Yuki: 学校が始まった時点で、すでにメンターのYuyaさんがついてくれていました。毎週宿題をもらい、それに取り組むのがメインで、学校は自分で勉強したことの復習に使うみたいな形で進めていました。ブログを書くこともYuya さんの課題に含まれていて、宿題とブログが勉強の大きな柱になっていました。

Senna: それは理想的な学習方法ですね。メンターのサポートもあったおかげで、かなり充実した学校生活を送れたんじゃないですか?

Yuki: そうですね。メンターがいなければ、ここまで積極的に取り組めなかったかもしれません。

フットサルと人脈作り

Senna: そういえばメンターのYuyaさんとはどこで知り合ったんですか?

Yuki: Frogで告知されていたフットサルです。当時は定期的に行っていて、そこに行くようになって知り合いになりました。

Senna: あのフットサルに参加されていたんですね。サッカーが好きだったんですか?

Yuki: そうですね。学生時代にサッカーをやっていたので、もちろん楽しむ気持ちもありましたが、半分くらいは「何か良いことないかな?」という期待で行っていたのも正直な所です。

Senna: 結果的に、その期待通りにメンターと出会うキッカケになったわけですね。フットサルを通じて人脈が広がり、メンターとの出会いにも繋がったと。

Yuki: そうです。期待通りといえるほど計画していたわけではありませんでしたが、結果的にはメンターも仕事探しもこのフットサルに参加したことで全てが繋がっていきました。

メンター探しとその効果

Senna: 5月にカナダに来て、フットサルを始めたのが6月頃、そして9月にはメンターにお願いするという流れでしたね。メンターに依頼してからの経験を振り返ってみて、何かアドバイスがありますか?特に、これからメンターを探す人たちに向けて。

Yuki: メンターをやってくれるという人はたくさんいるんですが、実際にメンターをお願いする人は少ないですよね。

Senna: そうですね。Frogのメンターリストにも現時点で20名以上の現地のシニアからジュニアまで多くのメンターをしてくれる方々が載っていますが、なかなかメンティー側のアクションが少ないようにも思います。

Yuki: 私の場合は、友達のような関係になってからお願いできたので良かったのだと思います。最初から「お願いします」と初対面で言うのは難しいですしね。

Senna: 確かに、いきなりお願いするのはハードルが高いですね。特に、相手に断られるのが怖いという気持ちがあるのかもしれません。

Yuki: そうですね。特に、優秀なメンターさんほど連絡するのが怖い、私なんかがと感じることがありました。

Senna: では、メンター探しのアドバイスとしては、まず友達のような関係を築くことが大事だということでしょうか。

Yuki: はい。私の場合はフットサルがきっかけで友達のような関係になり、その後メンターとしてお願いすることができました。それがなかったら、メンター関係は続かなかったかもしれません。

Senna: メンターの効果についても聞いて良いですか?

Yuki: はい、とても大きかったです。他の人はUdemyなどで自分で勉強していましたが、私の場合、メンターから「何かを作りながら学びなさい」という方針がありました。あとはReactからではなく、Next.jsから学び始めました。

Senna: いきなりNext.jsからですか。

Yuki: そうなんです。最初は起こっているエラーの原因がJavaScriptなのかReactなのかNext.jsなのか分からなかったり、苦労したのですが、作りながら学ぶことで、より実践的な技術が身につきました。現在の仕事でもNext.jsを使う機会があり、非常に役立っています。

Senna: そういう実践的なアプローチが成功の鍵だったんですね。作りながら学ぶというスタイルがYukiさんにとっても合っていたようですね。

メンター終了後の活動とプロジェクト作成

Senna: メンターが終わった後、具体的には何をしていたんですか?まだ学校は続いていたかと思うんですが、その期間の活動について教えてください。

Yuki: メンターが終わった後は、チームプロジェクトでアプリを作成しました。これは学校のカリキュラムとは関係なく、自主的にポートフォリオに載せるために作ったものです。ただ、その時も授業は続いていました。プロジェクトを3月から5月くらいにかけて作り終えて、授業は6月に終了しました。

Senna: そのプロジェクトはチームで行ったものなんですね。ポートフォリオに載せるために、自主的に行ったということですね。

Yuki: そうです。日本人の経験者のメンバーと一緒に自主的に作りました。

就活の準備と初めての日本の仕事

Senna: その後、6月頃から就活の準備を始めたとおっしゃっていましたが、どのような形で進めていったんですか?

Yuki: 就活の準備は、6月から始めましたが、経験がないので日本の会社やボランティアに焦点を絞りました。実際にアプライし始めたのは7月で、8月には、日本の会社とボランティアのポジションが決まりました。

Senna: それは素晴らしいですね!日本の案件はどうやってその仕事を見つけたんですか?

Yuki: 私の作戦としては、とにかくあらゆる手段で面談を設定することでした。面談さえ始まれば、自分のやる気やスキルをアピールする自信はあったので。

Senna: なるほど、そこからフリーランス的に働ける形に持っていったんですね。それは素晴らしい行動力ですね。業界経験がないことは、足かせにはならなかったんですか?

Yuki: そうですね。もちろん業界経験があった方が選択肢は広がったと思います。ただ、日本の場合は業界経験がないとしても、十分仕事が見つかるので、やはり北米圏と比べるとだいぶ状況が違うと感じました。

Senna: そうすると、その時期は日本の仕事、ボランティア、そしてカフェのバイトを同時にやっていたということですかね。トリプルワークで働くのは大変だったんじゃないですか?

Yuki: そうですね、8月から11月までの間は、日本の仕事、ボランティア、そしてカフェのバイトでトリプルワークをしていました。正直、とても大変でしたが、その時は自分の職歴を作るフェーズだと考えていたので、なんとか頑張り抜いた感じですね。

Senna: それはすごいですね。ボランティアはずっと無給だったんですか?

Yuki: 11月にボランティアがパートタイムの有給ポジションに変わりました。そのタイミングでカフェの仕事を辞めて、本格的に就職活動を再開した流れですね。

Senna: それはいつ頃の話ですか?

Yuki: 2023年の11月ですね。

トリプルワークと厳しい日々

Senna: となると2023年の11月にボランティアがパートタイムになる頃まで、約4ヶ月間は地獄のようなトリプルワークだったんですね。日本の仕事、ボランティア、そしてThierryでのバイトと、3つを同時にこなしていたと。

Yuki: そうです。全て入れると週に50時間以上働いていました(笑)

Senna: それはかなりハードですね。そんな過酷なスケジュールの中、どうやって体力的に持ちこたえたんですか?

Yuki: 正直、持ちこたえていませんでしたね、かなり大変でした。日本にいた時はデスクワーク中心だったので、急にThierryでのバイトや他の仕事を掛け持ちするのは体力的にしんどかったです。20代前半のような体力はありませんでした(笑)

リセッションの影響と就職活動

Senna: その頃はリセッションも始まっていて、求人市場は厳しかったと思いますが、就職活動はどうでしたか?精神的には落ち込むことはありませんでしたか?

Yuki: そうですね、リセッションの影響で、職を見つける難易度は確実に上がりました。特に未経験者にとっては厳しい時期だったので、焦ることはありましたが、この時はメンターのYuyaさんはもちろん、Ryoさんからも「まずは職歴を積むことが重要だ」とアドバイスを頂いたので、とにかくその時期は職歴を積むことに集中しました。ただ、一方でRyoさんからは「なんでアプライし続けていないの?」と何度も注意され、ちょっとプレッシャーを感じていましたね(笑)

厳しくも親身になってメンターや指導してくれたYuyaさん、Ryoさん

Senna: 確かに、リセッション時期の就職活動は厳しいですよね。メンタル的にはどうでしたか?やっぱり未経験者にとってはリセッションという言葉自体が重くのしかかると思うんですけど。

Yuki: 実際、11月から本格的に応募を始めて、1月に一つオファーをもらったんです。それがメンタル的には救いになりましたね。

初めてのオファーとレイオフの経験

Senna: トロントの会社さんでしたよね。

Yuki: そうなんです。オファーをもらったんですが、結局お断りすることになりました。

Senna: 未経験で得たオファーを蹴ったと!それはまたなぜですか?

Yuki: メンターのYuyaさんにも相談し、もちろん受けるべきだとアドバイスを頂きました。加えて、実は11月にボランティア先がパートタイムになり有給にしてくれていたんですが、1月にはそのボランティア先からレイオフされてしまったんです。資金不足で給料を払えなくなったんです。そしてそのレイオフを受けた2日後にオファーをもらったこともあり、当初はオファーを受ける気満々だったんです。

Senna: なるほど、パートタイムの給与が払えないほどに切羽詰まったということですかね。

Yuki: そうですね、ボランティアとして残り、できる範囲で続けてくれても良いと言われてたのですが、その後すぐにオファーをもらったので、そちらに集中することにしました。

オフィス訪問とリッチモンドヒルの現実

Senna: そのオファーを受けるために、トロントのリッチモンドヒルにオフィス訪問までされたんでしたっけ?

Yuki: はい、実際にオフィスに行きました。トロントまで飛行機で行ったんですが、着いた直後に「急用ができたので、今日はオフィスに来れません」と連絡が来たんです。

Senna: え、それはひどいですね!わざわざバンクーバーから飛行機で行ったのに、そんな対応をされるなんて…。

Yuki: 本当に驚きました。でもせっかく行ったので、アポなしでオフィスに突撃しました。結局、上の人が出てきてオフィスの案内をしてくれました。

Senna: それで、結局そのオファーは断ったんですね?

Yuki: はい、オフィスの場所も孤立していて、バスを乗り継いで行かなくてはならず、カフェやレストランもないような場所でした。また、チームメンバーは自分含めて3人とかなり小さいチームで、ここでのキャリアアップは見込めないと思い、お断りさせていただくことにしました。

未経験からの転職と大きな決断

Senna: リッチモンドヒルのオフィスに行った結果、最終的にそのオファーを断ったわけですね。未経験者にとって、職歴をつけるためにどんなチャンスでも取りたいという人が多い中で、それを断るのは勇気のいる決断だったと思います。

Yuki: そうですね。ただ、その時は本当に単純に「ここには行きたくない」と思ったんです。トロントまで行って、実際にオフィスを見た結果、私には合わないと感じたので、すぐに決断しました。

Senna: それは確かにシンプルな決断だったんですね。でも、その後はどうでしたか?オファーを断った後、再び就職活動を再開したわけですよね?

Yuki: はい、2月末にオファーを断って、そこから再び就活を始めました。でも、その時が一番メンタル的に辛かったです。全然仕事が見つからなくて、精神的にしんどくなりました。

Senna: どのくらい応募したんですか?

Yuki: 11月から始めて、最終的に300社以上に応募しました。LinkedInの「Easy Apply」なども含めるとそれ以上かもしれません。面接まで進んだのは5社で、そのうちオファーをもらったのは2社です。

Senna: 300社応募して5社の面接、それでも2社のオファーを得たのはすごいですね。でも、その期間中のメンタルの維持は相当大変だったんじゃないですか?

Yuki: そうですね、特に4月は1つも面接が通らなくて、本当に辛かったです。5月にやっと2社の面接に進めたんですが、その2社も結局落ちてしまい、その時が一番メンタル的に限界を感じました。

Senna: それで、どうやってその時期を乗り越えたんですか?

Yuki: 8月までに決まらなかったら、年内まで遊んで日本に帰ろうと決めていました。期限を決めることで、多少は気持ちが楽になりましたね。

Frogを通じて得たチャンス

Senna: それでも最終的に今の仕事を見つけたんですよね。その流れについて教えてもらえますか?

Yuki: FrogさんのSlackの求人チャンネルで、Shaun(Frogビザコンサル)のソフトウェア開発者の求人投稿を見たんです。ちょうど私が以前ボランティアで作っていたアプリと似たような内容のポジションだったので「これは!」と思いました。さらに、Shaunとは以前サッカーで会ったこともあったので、彼に話を聞いてみようと思い連絡させていただきました。

Senna: それでカバーレターを送ったんですね?

Yuki: はい、初めてその時にカバーレターをカスタマイズしました。今までは定型文を使っていたんですが、このポジションには本気で応募したいと思ったので、カバーレターをしっかり作り込みました。結果的に、2〜3週間経った頃に面接の案内が来ました。

Frogのリファラルと周囲のサポート

Senna: Shaunにも事前に連絡して、会社の情報を得ていたんですよね?

Yuki: はい、Shaunから会社の雰囲気やポジションについて情報をもらいました。とてもサポーティブな会社だと感じましたし、その後の面接でも良い感触を得ることができました。

Senna: 実際に働き始めてみてどうですか?会社のサポート体制や雰囲気は良さそうですか?

Yuki: そうですね、とてもサポーティブな会社です。Shaunからも聞いていた通り、ビザのサポートなども積極的に行ってくれています。チームは全員リモートで、特にデベロッパーは北アフリカとヨーロッパにいるメンバーが多いんですが、今のところ問題なく働けています。

Senna: それは良いですね。自分の技術とネットワークをうまく活かして、最終的に良い会社に巡り会えたんですね。Shaunからもリファラルを得ていたということですが、それがどれだけ影響力を持っていたのかは分かりませんが、リファラルがあると安心しますよね。

Yuki: はい、Shaunも助けてくれましたし、就活の時期は、Ryoさんにレジュメやカバーレターのチェック、面接のアドバイスをもらっていました。Ryoさんが暇な時、月に一度くらいの頻度で一緒に勉強する機会があったんですが、その時にいろいろと相談にのってもらっていました。

Senna: 結果論にはなるかもしれませんが、YukiさんはサッカーやFrogで培ったネットワークをうまく活用して、様々なチャンスを手に入れてきたんですね。そのチャンスを得るための努力が実を結んだということだと思いました。

面接から採用までのプロセス

Senna: それにしても、いくらリファラルがあったからと言っても、ジュニアとして採用されるというのは困難があったのではと思いますが、何が採用の決め手だったんですか?

Yuki: ボランティアでほぼ同じアプリケーションを作っていた経験がかなり大きかったと思います。面接は2時間でしたが、行動面接はかなり省かれ、ほとんどがコーディングのテストでした。詰まったところや分からないところは、都度質問したり確認しながら行いました。

Senna: 面接ではコーディングテストがメインだったんですね。それでいつ結果が出たんですか?

Yuki: 面接の翌日には最終面接の連絡が来ました。その最終面接の5分前に会社のSlackに招待されて、ハドルで最終面接が始まったので、感触としてはほぼ入社は決まっていたのかなと思います。

就職後の生活と今後の展望

Senna: 就職してからの生活はどうですか?ジュニアとして入社したわけですが、プレッシャーや苦労はありましたか?

Yuki: 実は、つい先日プロベーション(試用期間)が終わったばかりなんですが、まだ大きな壁にはぶつかっていません。会社のチームがモバイルアプリのローンチに集中していて、私はその間にWebバージョンのコンポーネントを作成しています。Web側が忙しくなるのはこれからですね。

Senna: なるほど。モバイルが終わった後、Web版の開発が本格化するという感じですね。

Yuki: そうですね。今はモバイルアプリのバグやスタイリング修正をリストアップするドキュメンテーション作成を中心に行っていますが、これからが本番になると思います。

キャリアアップの目標と今後の展望

Senna: 今後のキャリアについてはどんな計画を立てていますか?もちろん、今の職場でWeb版をリリースするのが大きな目標だと思いますが、それ以外にも何か目指しているものはありますか?

Yuki: まずは、LMIA(企業サポートの就労ビザ)の取得を目指しています。加えて、今後はReact Nativeを使ったモバイル開発にも挑戦してみたいです。会社からも簡単なタスクからモバイル開発にも参加してほしいと言われているので、そこに関わることでスキルの幅を広げられたらと思っています。

Senna: それは良い機会ですね。スタートアップのフレキシブルな環境がキャリアの幅を広げてくれると良いですね。

Yuki: そうですね、現在はスタートアップなので、色んなことをやらなくてはいけないのですが、今後はある程度規模の大きい会社に移ることで、大きく売上を上げるプロダクトの開発やメンテナンスに携わりたいとも思っています。今の経験を活かしつつ、次のステップとして様々な環境にも挑戦したいです。

これから海外就職に挑戦する人へアドバイス

Senna: 最後に、これからYukiさんのように海外でキャリアを築こうとしている人たちに向けて、何かアドバイスはありますか?

Yuki: まず、運が非常に大きな要素だということを理解しておくことですね。自分でできることに集中して頑張るのが重要ですが、最終的には運も大きく関わってきます。

Senna: それは間違いないですね。海外就職の何が辛いって、どこまでが運で、どこまでが自分の実力なのかわからないってことですよね。うまく行かないことを全部自分のせいにしてしまう人が多い中、刺さる人も多いアドバイスだと思います。

Yuki: あとは努力する期限を決めておくことも重要ですね。私自身も「8月までに決まらなかったら帰国しよう」と期限を決めていました。期限を決めることで、集中して努力できた部分もあると思うので、これから挑戦する方々には、自分なりの期限を設けるということを提案させて貰いたいですね。

Senna: なるほど。確かにいつまで頑張れば良いかわからない、先が見えない恐怖というか不安というのは計り知れないですしね。

Yuki: そうですね。そして最後に、私はYuyaさんやRyoさんのようなメンターや相談出来る人、そしてカレッジの友達に支えられていたのが大きかったです。座学が終わった後も、一緒に勉強できる友達がいて、それが励みになっていきました。毎日集まって勉強したり。

Senna: もし、そういう人たちが周りにいなかったら、どうなっていたと思いますか?

Yuki: 正直、帰っていたと思います。やっぱり一人だと続けられなかったでしょうね。

Senna: 同じ苦労を共有できる仲間がいないと、特に業界経験がない人には辛いですしね。そういう意味でも、仲間の存在が大事だったということですね。

Yuki: はい、本当に大事でした。

Senna: そうやって周囲の人たちに感謝出来ることもYukiさんの強さの秘訣なのかもしれませんね。今日は沢山のことを共有していただいてありがとうございました。


皆様いかがでしたでしょうか。業界経験がなければ海外での現地就職が100%無理かと言われれば、もちろんそのようなことはなく、このインタビュー記事を見返しても数多くの方がその目標を実現されています。

もちろんSNSなどを見れば『無理だ』『不可能だ』と言った投稿をよく目にすることになると思いますが、そのために過去目標を現実にした人々がどのような努力をしてきたのか、知らなくて良いことにはなりません。

加えて業界未経験としてカナダに挑戦し、現地就職や永住権を達成しなかった方々の多くであっても、日本へ帰国後大きなキャリアアップを達成しています。

是非今回のYukiさんのインタビュー内容を参考に、今後自分たちがどのように行動すべきか、指針の一つにして頂ければと思います!

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