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バンクーバーBC州で今話題、最大100万円のCo-op学生エンジニア向けの就職支援金制度について

※2023/03追記 現在当ページに掲載されておりますプログラムは終了されています

さて、Frog利用者の間では既に噂になっていますが、近頃Tech系人材の間で話題のCo-opプログラム受講者の受け入れ企業に最大で100万円の支援金を政府がサポートする「ISI Grant Program」及び「BC Tech Co-op Grants Program」について、弊社へも問い合わせが非常に多いため、公式ウェブサイトと弊社事例を踏まえて、ここに支援の内容などの情報を共有させていただきます。

対象となるプログラムは2つあり、それぞれ特徴や支援制度の方針が異なるため、これからCo-opプログラムを利用し就職を検討している方々は是非ご一読ください。また、過去の利用者の事例や経緯を詳しく聞きたいというFrogメンバーの皆様は、Frog SlackにてSenna、またはHidetoまでお問い合わせください。

Innovator Skills Initiative Grant Program

Innovate BC Innovator Skills Initiative Program(以下ISI Grant Program)こちらはNew Ventures BC (NPO)という団体が、学生が学んだ内容と、実際の業務に就く際のギャップを埋めるためのトレーニング期間とし、$1,000-$5,000(平均で$3,000)が企業に支給されます。これは(あくまでFrog利用者の事例ベースだと)私立のCo-op対象者に支給されているものです。

雇用者側としては、Co-op Studentを受け入れることで、トレーニング費用として100万貰えるようなイメージなので、受け入れ側のハードルと初期投資が非常に低くなります。

このプログラムによる支給金額の算出カテゴリーは2種類あり、それぞれ割合の制限があります。

  • In-cash (a minimum of 75%):生徒へ支払う給与
  • In-kind (a maximum of 25%)
    • Executives (eg. CEO, CTO)によるメンターシップ (Maximum value: $60/hour)
    • 社員によるトレーニング (Maximum value: $25/hour)
    • オフィススペース、機材、ソフトウェアなどのうち、生徒雇用期間終了後に企業に残らないもの
    • メンターシップ費用、トレーニング費用、ワークショップ費用
    • 仕事に関わる旅費、宿泊費

これらの支出(in-cash/in-kind)の半分は会社持ちとなり、半分が支給されるという制度です。(1:1 Matching Contribution)

利用条件

  • BC州内での業務であること
  • 他のファンドによって既に対象生徒の支払い全てが賄われている生徒には適用できない
  • BC州のテック企業であること
  • 年に2回までの支給
  • トレーニングやメンターシップを提供する必要があること
  • 対象生徒には雑務業務などでなく、プロジェクトやポジションを与えること
  • 受け取った補助金は他の生徒や他の会社に転用しないこと
  • 働く期間はAcademic Work Term内であること
  • 家族(2親等)の雇用は不可
  • コントラクト採用でもよい
  • 公的機関でもよい

学生側に課せられる条件

  • BC州の正式に認めらたPost-secondaryの学校の生徒である(BC出身者が他州の学校に通っている場合は対象外)
  • Virtual Market Validation Trainingを受講完了しなければならない
  • 年に2回の支給が最大
  • 公立カレッジのCo-op生徒は対象外(私立カレッジのCo-opであればOK)
  • 雇用時には適正な給与を支払われてなければならない

まとめると、私立のCo-op受講者を受け入れる企業に対し、受け入れ企業と採用者のギャップを埋めるためのトレーニング期間を実施する目的で支援されるGrants Programという形です。日本の新卒制度とまでは行きませんが、トレーニング期間を政府が担ってくれると考えると相当太っ腹な制度に思えます。

ちなみにトロントとバンクーバーで学校選びをされる方は多いのですが、バンクーバーではCo-op期間が1年ある学校などが実は多く、トロントでは非常に少ないため、そもそもこのGrants ProgramはBC州に限定されている物ですが、バンクーバーのCo-op事情を加味した支援金制度だなと感じました。

こちらは既にFrogメンバーからも複数名事例が出ており、いずれも私立経由のCo-op利用者で、年間2回(5,000ドル x 2)を受領予定となっております。

こちらは既にFrog経由で数名、該当者が出ておりますので、現在様々な情報が集まりつつありますので、具体的に検討されているFrogメンバーの方はFrog Slackにて、Senna、またはHidetoまでお問い合わせください。

BC Tech Co-op Grants Program

このプログラムはカナダのInnovate BC (政府により設立された団体)によって実施されている、カナダ国内の急速なIT人材の不足に対応すべく、カナダでIT業界を目指す学生の、実務経験やトレーニングの機会を増やす試みとして実施されている制度です。

主に公立校が対象となる制度ですが、ISIと合わせて注目されています。

端的にまとめてしまうと、最大で10,800カナダドルまでの支援金を、政府機関が雇用促進のためCo-op受け入れ企業に対して支払うという制度で、Frogメンバーの中でも鬼門となっている、Co-op企業を探す際の大きな説得材料の一つとなるものです。

対象の学生

  • 公立カレッジのCo-op生徒が対象
  • テック会社はいかなる職種でもOK
  • ノンテック会社でもテック職種はOK

対象となる企業

  • BC州で創設され、BC州に本拠地のある会社
  • 小規模企業が対象(最大で99人以下のフルタイム)

注意点としては、中規模以上の企業(100人以上)は対象外となりますが、バンクーバーは環境的にスタートアップ企業が非常に多いのが特徴であり、Co-op初年度からいきなり大手へ行く方も少ないため、そこまで引っかかるという方は少ないかもしれませんね。

その他の支払い制度などについて

  • 最短1 Co-op Term (16 weeks)から支援金の受け取りが可能
  • 1 grantで$2,700まで
  • 最大で4 grants/year ($10,800)までの支援金の受け取りが可能
  • 年間で1人~ 4人が対象
  • Fair market wageをCo-op生徒に提供する必要あり
  • Co-op生徒の採用は学校を通す
  • 学校のCo-op Departmentとも話をする必要がある
  • Grantの申請は、Co-op生徒を採用する前でも後でも良い
  • 8ヶ月の連続したCo-opを行う生徒には2つ分のgrantを申請可能
  • ISI grantを同じ生徒には適用できないが、他の生徒に同時期に利用することが可能
  • ISI grantでなければ他のfunding/grantを同じ生徒に適用可能
  • FundsはCo-op開始の4~5ヶ月目にダイレクトデポジットされる

以上、「BC Tech Co-op Grants Program」に関し解説しましたが、いかがでしたでしょうか。この他受け入れ企業の制限も過去の事例からいくつか情報の確認は取れていますが、まだハッキリとした制限が明らかになっていないため、引き続きFrogでも情報の収集を進めたいと考えています。

もともと公立校のCo-op期間は短く、私立(バンクーバーの場合)のように年間を通したCo-op期間を準備している学校があまり無いため、最大限受領することは難しいかもしれませんね。


以上、2つのGrants Programについて解説しまいたが、いかがでしたでしょうか。Frogメンバーの事例などを元に情報がより集まりましたら、FrogメンバーのSlackにてgrants-programのチャンネルを作り、経緯や内容についても共有していこうと考えています。ただし。制度としてまだ新しい物である上にいつまで制度が続くかもわからず、不確定な部分も多いため、正式な情報としてではなく、あくまでFrogメンバーの事例ベースで情報のシェアをしていく方針で考えています。

いずれにせよ、BC州はTech Pilotという独自の永住権制度を持っていたり、外国人のTech人材の獲得に非常に精力的ですね。この流れがあと何年続くかは定かではありませんが、近年はアメリカからのエンジニアや起業家の方々のカナダ進出などのご相談も多く、今後IT業界におけるHub都市として、バンクーバーを含むBC州はますますの盛り上がりを見せることと思われます。

※写真利用: Michal Jarmolukによる画像

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