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日本での営業経験からデザインへ転身し、カナダでUX/UIデザイナーとして活躍するYunaさんに聞く海外キャリア

日本での営業経験からデザインへ転身し、カナダでUX/UIデザイナーとして活躍するYunaさんに聞く海外キャリア

今回お話を伺ったのは、日本で営業職からキャリアをスタートし、デザインスクールを経てUI/UXデザイナーへと転身、そしてカナダでの就職を実現したYunaさんです。

学生時代からデザインに関心を持ちながらも、最初は人材会社の営業職に就職。その後「プロダクトを作る側に携わりたい」という思いからデザインの道へ進み、日本ではマネーフォワードでプロダクトデザイナーとして経験を積まれました。さらに海外で働くチャンスを求め、Frogとの出会いをきっかけにカナダへ。

インタビューでは、日本とカナダでのキャリアの積み上げ方の違い、ポートフォリオ作成の工夫、PEO制度を使った就労の実際、そしてアメリカ企業で働くメリット・デメリットなど、現地でしか得られない貴重なお話を伺うことができました。これから海外でのキャリアを目指す方にとって、多くの気づきやヒントが詰まった内容です。


Eri: じゃあ昔からの経歴をお願いします。

Yuna: はい。まず日本で大学を卒業して、新卒ではデザイナーではなくて、人材会社の営業として就職しました。そこでだいたい1年半ほど働きました。

もともとデザインはすごく好きで、学生時代にサッカーの大会のパンフレットやチケットを制作するボランティアのようなことをしていたんです。ただ、グラフィックデザイナーとしてやっていくのは難しいだろうなと感じていたので、全然違う方向で営業職を選びました。

営業職では、フリーランスの方をお客さんに紹介する仕事をしていて、そこでサービスデザイナーやUXデザイナーといったビジネス寄りのデザイナーの方々と出会いました。「こういう仕事があるんだ」と知ったのが転機でしたね。

もともと海外に行きたい気持ちはあったのですが、営業は言葉で勝負しなければならないので海外では難しいと思いました。そこで「手に職をつけたい」と思い、いいタイミングだと思って会社を辞め、日本でデザインスクールに通うことにしました。

デザインスクールでの学習とウェブデザインの仕事

Yuna: 日本で半年ぐらい学んだ後、デジタルハリウッドに通いました。そこで学んでいるうちに、卒業生の会社にアルバイトとして拾ってもらいました。

最初はデザイナーではなく、WordPressの入力作業のような単純な仕事から始まりました。そのうち少しずつデザインの仕事も任せてもらえるようになり、ワイヤーフレームファイヤーを作ったり、下層ページのデザインを展開したりしました。トップページなど重要な部分は当時の自分にはまだ力不足で任せてもらえませんでしたが、それでも8ヶ月ほどウェブデザインの経験を積みました。

その中で、プロモーションのように短期間で使われるものではなく、長く使われ、改善を重ねて成長していくプロダクト作りに関わりたいと考えるようになりました。それで転職活動を始め、日本でマネーフォワードに入社しました。

入った部署はB2Bで中小企業向けに会計ソフトや給与ソフトなどを開発しているチームでした。そこで初めてプロダクトデザイナーとしてUI/UXの仕事に携わることになりました。それが今から4年ちょっと前のことです。

海外就職への思いとFrogとの出会い

Eri: 当時から、いつか海外に行こうと考えていたんですか?

Yuna: マネーフォワードに入社した頃は、海外就職なんて考えてもいませんでした。受かると思っていなかった会社にたまたま受かり、ありがたく入社させてもらったという感じでした。

その中で、会社に海外拠点やグループ会社があることを知り、実際にベトナムで開発しているプロダクトに関わる経験をしました。それで海外で働きたいという思いがさらに強くなり、「具体的にどうすれば海外で働けるのか」を考えるようになりました。

イギリスやアメリカの大学院進学も調べましたが、そのタイミングでFrogに出会ったんです。「大学院に行くより費用もかからないし、カナダですぐ働けそう」と思いました。

3年前の夏頃にFrogを知ってから、わずか2〜3ヶ月後には会社に退職を伝えていました。自分にはこの道しかないと思ったんです。

Eri: なるほど。他にもいろんな国の選択肢があったと思いますが、その中でカナダを選んだ理由は?

Yuna: どこに行くにもお金がかかりますし、当時ちょうどデジハリの学費を払い終えたばかりで余裕がなかったんです。英語圏で探していたので、カナダは英語圏だし、アメリカやシリコンバレーにも近そうだし…という軽い気持ちでした。

Eri: フィーリング的な選び方だったんですね。

Yuna: そうです。深く考えて「カナダに行きたい」と思っていたわけではなく、英語圏ならどこでもいいという感じでした。

カナダでの学校と就職活動

Eri: カナダに来てすぐに就職活動を始めたんですか?それともまずは学校に?

Yuna: 学校に通いました。CICCCに入学して1月から授業が始まりました。その間も日本の仕事を業務委託で少し続けていました。

入学から2〜3ヶ月経ってようやくポートフォリオを作り始めましたが、現地で「カナダの就職は意外と厳しい」という話を聞くようになり、「正攻法だけではなく別の方法で探した方がいいかも」と思うようになりました。

ボランティアから最初の仕事へ

Yuna: 最初の仕事は、Vancouver Design Communityというコミュニティイベントでのボランティア活動がきっかけでした。

「ぜひボランティアをさせてください」とお願いして参加していたところ、一緒に活動していた方から「自分の会社で求人があるけどどう?」と声をかけてもらいました。

他にも少し応募はしていたんですが、学校に通っていることもあり、ガンガン応募するよりは、ちょうどパートタイムでいいと言ってもらえたので「じゃあ働きます」と決めました。これがカナダでの一社目の仕事です。

カナダ一社目での経験

Yuna: 一社目は制作会社というか、開発会社のようなデベロップメントスタジオでした。デザイナーは私と、紹介してくれた方の2人だけ。私はUXをメインで担当しました。

そこで4〜5個のプロジェクトに携わりました。例えば、先住民コミュニティのアプリなどカナダらしい案件もありましたし、母親2人で立ち上げた会社の子どもがオンラインセーフティーついて学ぶゲーミフィケーションアプリなどもありました。

日本で働いていたマネーフォワードではBtoBの堅いプロダクトが多かったのですが、この会社ではBtoCやカルチャー的な要素が強いプロジェクトもあり、幅広い経験をさせてもらいました。

カナダでのスキル習得について

Eri: カナダに来てからのUX/UIのスキルは、学校や実務を通じて学んだんですか?

Yuna: そうですね。ただ正直、学校のカリキュラムはあまり役に立たなかったと思っています。デザイナーを目指す人向けの内容だったので、自分が独学や日本での実務で学んできたことと重なる部分が多かったです。

結局のところ、日本から受けていた仕事や、カナダでの実務の中で失敗を重ねながら学んでいったのが一番大きかったと思います。

ポートフォリオ作成の工夫

Eri: UX/UIデザイナーの就職活動ではポートフォリオがとても大事だと思うんですけど、私自身も苦戦していて…。その中で、Yunaさんがご自身のポートフォリオを作るときに意識したことや気をつけたことはありますか?

Yuna: ポートフォリオ…。もう遠い昔のことのような気がします(笑)。正直、私はポートフォリオ作りがすごく苦手で、全然頑張れなくて…。でも意識したことは大きく2つあったかなと思います。

1つ目は、一緒に頑張る仲間を見つけたことです。一人でやるのは本当に大変で、適当に流してしまうこともあると思うので、私は「もくもく会」というものを主催していました。前の会社は金曜日が休みだったので、金曜と土曜の午前中にカフェに集まって、黙々とポートフォリオを作る時間にしました。「今日はこれをやります」と宣言して、みんなで作業するんです。

Eri: 参加していたのはデザイナーさんたちですか?

Yuna: そうです、そうです。去年はよく開催していたんですけど、転職してからはあまりできていないんです。

Eri: そうなんですね。もしよかったら、そのもくもく会のグループを教えてほしいです。私も仲間探しに苦戦していて…。同じモチベーションの仲間と取り組めたら、自分ももっと頑張れる気がします。

Yuna: ぜひ!もくもく会のメンバーの一人はカルガリーの会社でインターンが決まったりと、みんな活躍しているので刺激になりますよ。

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ポートフォリオ発表会の重要性

Yuna: もう一つ大事なのは、ポートフォリオ発表会のような場を持つことです。

Eri: 確かに。作っても、見せる相手がいないと完成しないですよね。

Yuna: そうなんです。ポートフォリオって、見せないと永遠に完成しないんです。だから、\*\*「プレゼンから始めてもいい」\*\*と思っていて。実際に人に見せる練習をすることで、どんな情報が必要で、何を削るべきかがクリアになっていくと思います。

友達とそういう発表の場を作ったりしながら、自分のポートフォリオを仕上げていきました。

それから、ポートフォリオも自分のプロダクトのひとつだと思っています。自分をどう見せたいか、どう売りたいかというブランディングをしっかり考えた上で、作品を選ぶことが大事です。「なぜこのデザインにしたのか?」と聞かれたときにちゃんと答えられるように準備することが、他の人と差をつけるポイントだと思います。

Eri: なるほど。ありがとうございます。

![002.jpg](https://pub-0c74912b575d4e0cb305476c83f5e8ce.r2.dev/002_558a5e8ca5.jpg)

現在の仕事について

Eri: では、現在のお仕事についても詳しく伺いたいです。答えられる範囲で大丈夫なので、教えていただけますか?

Yuna: 今はアメリカ本社のヘルスケア企業で働いています。ただ、拠点はアメリカにあるものの、社員はヨーロッパやオーストラリア、北米など世界各地にいて、完全なリモートファーストの会社です。

その会社が持っているのは、咳の回数をカウントできる技術なんです。例えば「ゴホゴホ」という咳をAIで検知して回数を数える。それを応用して、薬を使わずに慢性的な咳を行動療法で治療するアプリを開発しています。

私はそのアプリの日本向けプロダクトに携わっています。会社は日本の製薬会社とパートナーシップを結んでいるので、社内は英語でやり取りしながら、最終的には日本語にローカライズされた製品を作っています。

Eri: すごく面白いですね!そんな技術を使ったアプリがあるなんて初めて聞きました。

メキシコでのワーケーション風景

日本とアメリカ企業の働き方の違い

Eri: 実際に働いてみて、日本でのお仕事との違いや、驚いたことはありますか?

Yuna: 驚いたこと…そうですね。個人的には、日本の事業会社とアメリカの事業会社では働き方に大きな違いはないと感じています。それよりも、事業会社と制作会社の違いの方がデザインの観点では大きいと思います。

日本と北米の企業の違いでいうと、働き方の自由度は大きく違います。特に今の会社はかなり緩くて、どこから働いてもOKなんです。

Eri: 場所は本当に関係ないんですか?

Yuna: そうです。

Eri: 例えば日本にいても働ける?

Yuna: 時差の関係でアジアから働くのは結構大変なんです。日本の朝早くに対応しないといけないので。でも2〜3週間メキシコでワーケーションはしてました。そういうふうに、忙しいながらも自分の望むライフスタイルを実現できるのは日本と大きな違いですね。

日本だと「8時間しっかり働く」というルールが厳しくありますが、今の会社はもっと自由で、その点はとても働きやすいです。

PEO制度について

Eri: 今働かれているのは、PEOという制度を使われていると思います。それについて質問させてください。この制度を私自身も知らなかったのですが、知ったきっかけ使うに至った経緯を教えていただけますか?

Yuna: 何がきっかけだったかな…。日本にはあまり帰りたくないという思いが強くて、来た当初からFrogの藤井さんに永住権を取るまでのプランをかなり細かく見てもらっていました。前の会社はBC(ブリティッシュコロンビア州)に拠点がある会社だったので、BCPNP Techを使って取ろうと思っていたんですが、レイオフがあって、さらにBCPNP Tech自体も難しくなってしまって。「どうしようかな」と考えていたんです。

Yuna: 今の会社に入るときは、まだコープビザの期間中だったので(PEOのことは)特に相談していませんでしたが、ビザ切り替えのタイミングで「こういう制度があって、カナダに住みたいと思っている」と会社に相談しました。そうしたら、とても前向きに対応してもらえることになって、そのタイミングで進めようと思いました。

Yuna: たぶん、自分のステータスが変わるたびに藤井さんに相談しています。「これ、どうしたらいいですか?」「次はどんな手を打てばいいですか?」という感じで。その流れの中でPEOを教えてもらいました。使おうと思った背景には、会社がアメリカ本社であることと、カナダの職歴が貯まらない問題がありました。カナダにいたい思いがあるので、まずは最初の数ヶ月でパフォーマンスを出しPEOとして会社にお願いして対応してもらえるようにした、という感じです。

Eri: 知らないだけで、そういう制度がいろいろあるんですね。だからこそ、自分の情報をアップデートしていくのが大事なんだなと。

Yuna: そうですね。Frogさんにちょこちょこ相談するのが一番確実だと思います。ビザ制度は変わっていくので、「生活がこう変わった」「今こういう仕事をしているが、どうするのがいいか」と相談すると、気軽に対応してもらえるはずです。

カナダ在住でアメリカ企業で働くメリット・デメリット

Eri: なるほど。カナダにいながらアメリカ企業で働くスタイルには、メリットやデメリットはありますか?

Yuna: あると思います。会社にもよりますが、私の場合はカナダ在住・アメリカ本社勤務で、会社にカナダの拠点がないため、アメリカの会社に直接、業務委託(フリーランス)として雇われています。なので支払いはUSドルでした。これはPEO導入前の一番のメリットでしたね。

Eri: そう、やっぱり全然違いますよね。

Yuna: それ以外は「すごく良い点がたくさん」というほどではないかもしれません。それに、カナダに法人がない状態で採用しているアメリカ企業は、そこまで多くない印象です。多くの会社は税務や雇用管理の観点からカナダに拠点を持っています。うちの会社は小さくはないのですが、その意味で一般化しづらいところもあり、あまり役立つことを言えないかもしれません。

Eri: なるほど。カナダもアメリカも、そんな感じですかね。

Yuna: 個人的に思うのは、\*\*「アメリカ人はよく働く」\*\*ということ。肌感ですが、本当によく働く。休日や時間よりパフォーマンス主義というか。カナダの会社で働く良さも感じますし、アメリカの会社で働く違いも実感しています。

Eri: そうなんですね。北米で一括りに考えがちですが、違いがありますね。

これからのキャリアについて

Eri: これからのキャリアで、目指していることややってみたいことはありますか?

Yuna: そうですね、今はすごく悩んでいる最中です。少し脱線しますが、AIの登場でUIを作ること自体はだいぶ簡単になると思っています。プロダクトデザイナーの仕事は幅が広いので、リサーチ要件定義サービスデザイン(デジタルの外側も含む体験設計)、デザインシステム構築など、何でも屋になりがちだと感じています。

Yuna: まだ「こうしたい」と決め切れてはいませんが、AIがあるからこそ、“作る” ことに専念するより何を・誰のために作るか/どんなコンセプトで作るかといった上流に寄りたい気持ちが強いです。機能はどの会社でも作れるけれど、コンセプトがなければ機能は決められない。なので、プロダクトマネジメントコンセプトメイキングの方向でキャリアを築けるといいのかな、と。

Yuna: とはいえ今の仕事は楽しいです。スタートアップなので、会社やチームに足りないところを積極的に埋める動きも好きです。その一方で、今後自分は何を専門にしていくのかは、そろそろ決めていきたいと思っています。

Eri: わかりました。ありがとうございます。

Frogや現地の仲間達との写真

海外就職を考えている人へのアドバイス

Eri: 最後に、カナダに限らず留学や海外就職を考えている人へアドバイスをお願いします。

Yuna: 「行きたい」と思ったときに行くのがいいと思います。「行きたい」と思った瞬間が一番エネルギーがある。海外へ移る、学校へ行く、仕事をするのはすごくエネルギーが要ること。綿密な計画は必要ですが、まずは直感や強い“やりたい”の気持ちを大事にしてほしいです。

Yuna: もちろん大変な時期はあります。人によっては、「デザイナーは稼げそうだから」「エンジニアは稼げそうだから」という理由で選ぶこともあるけれど、今のカナダの状況だと、それだとしんどくて続かないかもしれません。「どうしてもこの仕事をやってみたい」という気持ちがある方が、難しい局面でも踏ん張れる。私自身も“やりたい”を信じて乗り越えてきたと感じています。

Eri: 本当に興味深いお話でした。ありがとうございます。


Yunaさんのインタビューを通して印象的だったのは、「やりたい」という直感やエネルギーを信じて行動に移してきた姿勢です。営業職からデザイナーへ、そして日本から海外へと大きな転換を重ねるなかで、その選択の裏には必ず「本当にやりたい」という強い気持ちがありました。

また、ポートフォリオ作成における仲間づくりや発表会、さらにはカナダでのキャリア構築におけるコネクションの重要性など、実践的なアドバイスが随所にちりばめられていました。特に「PEO制度を活用してアメリカ企業に勤めながらカナダに在住する」という実体験は、今後の働き方を考える上で非常にユニークで参考になる事例です。

最後にYunaさんは「やった方がいいではなく、やりたいを信じて動くことが大事」と語ってくれました。海外就職やキャリアチェンジは多くのエネルギーを必要としますが、その根底に「やりたい」という気持ちがあれば、困難を乗り越える力に変わるのだと強く感じました。

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