日本で高校卒業後にグローバルで通用するスキルを求めてカナダへ渡航!デザイナーとして現地企業で就労するNanahoさん
今回インタビューさせて頂くのはデザイナーのNanahoさんです。Frogメンバーの中ではかなり珍しく高校卒業後に渡航し、カナダのBCITを卒業後、BC州にあるDigital Signageを開発する企業にて、インハウスのグラフィックデザイナーとして勤務を開始、人生初の社会人経験がカナダからスタートするという類まれなキャリアを築かれている方です!
デザイナーの海外就労事例はまだまだ数が少なく、ましてや10代での渡航となると指折り数える程度しか事例がないため、あらゆる面で参考にして頂きたいインタビューだと思います。
Namiさん: では早速ですが、私の自己紹介からさせていただきます。私は去年バンクーバーに来たばかりです。日本で6年ほどデザイナーをしており、今はフリーランスで仕事をしています。よろしくお願いします。
Nanahoさん: よろしくお願いします。
Namiさん: では、Nanahoさんの経歴について教えていただけますか?日本ではどんなことをされていましたか?
Nanahoさん: Frogのコミュニティには経験豊富な方が圧倒的に多いですよね。私の場合は高校卒業後、すぐにカナダのカレッジに入学し、現地で就職しました。日本での就労経験はなく、学生として過ごしてカナダに来ました。
Namiさん: なるほど、そうなんですね。すると今が初めての会社勤めということですか?
Nanahoさん: はい、社会人1年目です。
Namiさん: 社会人1年目がカナダというのもすごいですね。それでは、カナダに来るまでの背景について教えてください。
カナダ留学を決心、デザイナーを目指すまで
Nanahoさん: 元々グラフィックデザイナーを目指していたわけではなく、海外に行きたいという思いの方が強かったんです。当初はデベロッパーを目指していましたが、興味を追求していく中でデザインが好きだと気づき、Webデザイナーを目指し始めました。カナダに来た当初もWebデザイナーを目標にしていましたが、コロナ禍で目指していたカレッジが閉校し、急遽学校を変えることになりました。その後、BCITのコミュニケーションデザインエッセンシャルズコースに通い、そこでグラフィックデザインに興味を持ち、就職を目指すことになったという経緯です。
Namiさん: 確かに、それは大変でしたね。元々目指していたカレッジが閉校したのはいつ頃の話ですか?
Nanahoさん: カレッジ入学前に語学学校の大学進学コースを受講していた時期です。語学学校は3ヶ月くらい通いましたが、ちょうどコロナが来てカレッジが閉校することになり、BCITに進学することになりました。
Namiさん: その語学学校に通っていた期間はどれくらいですか?
Nanahoさん: 大体3ヶ月くらいです。通い始めて1ヶ月半くらいでコロナが来て、目指していたカレッジが閉校になり、残りの2ヶ月は語学学校に通いつつ次の進路を考えました。結局、Frogさんに相談してBCITに進むことになりました。
Namiさん: なるほど。その語学学校ではBCITへのPathwayコースを選ばれていたということですか?
Nanahoさん: そうですね。他にもIELTSや英語のテストが使えると思うんですけど、私はもっとしっかりとカナダのカレッジのアカデミックな英語に触れたかったので、語学学校のPathwayコースに通いました。
Namiさん: 英語は、いらっしゃった当初はどんな感じでしたか?自信はありましたか?
Nanahoさん: もともと英語は好きで、洋楽や洋画もよく見ていました。日本で学生時代も英語は得意だったつもりですが、実際にカナダに来るとギャップは感じましたね。それでも英語自体は好きでした。
Namiさん: 英語で苦労するよりも、楽しんで身につけてきたという感じですか?
Nanahoさん: そうですね。勉強というよりは、振り返ってみると楽しんで身につけてたなという感じです。
Namiさん: なるほど。もともとデベロッパーを目指していたとおっしゃっていましたが、それは日本にいた時の話ですか?
Nanahoさん: そうです。日本で学生をしていた時はコーディングに興味があったんですけど、カナダに来てもっと調べていくうちにデザインの方が好きだと気づきました。
Namiさん: 高校生の時からデベロッパーやデザイナーを目指していたんですね。周りに参考になる方がいらっしゃったんですか?
Nanahoさん: 特にいませんでした。ただ漠然と海外に行きたいという思いがありました。それだけでは生きていけないので、スキルが必要だと思いました。日本でも海外でも通用するスキルがいいと思って、パソコンを触るのが好きだったので、Web系がいいのかなと漠然と考えていました。
Namiさん: 自分でいろいろ制作していたわけではないんですね。
Nanahoさん: そうですね。学校でちょっとプログラミングをしたくらいで、特に制作していたわけではありません。
Namiさん: ご両親に最初にカナダの学校に行くことを伝えた時、どんな感じでしたか?
Nanahoさん: 最初は反対されました。「本当に行けるのか」と信じてもらえなかったです。
Namiさん: それでも乗り越えたんですね。
Nanahoさん: そうですね。あまりにも私が行きたいと言うので、最後は「好きにしなさい」と言われました。ただ、自分で全部調べてなんとかするなら行きなさいと言われました。
Namiさん: 学校のサポートはあったんですか?カナダに行くのには莫大なお金がかかりますよね。
Nanahoさん: そうですね。金銭的には、両親も私が日本で進学すると思っていたので、そのために貯めていた資金をカナダ渡航に使いました。
Namiさん: 渡航したのは何年前の話ですか?
Nanahoさん: 2020年4月に初めてカナダに渡航しました。語学学校に3ヶ月通った後、学校の変更で1年半ほど日本に戻り、2021年に再度カナダに戻ってBCITに通い始めました。
Namiさん: そうか、カレッジの閉校に伴って、1年半ほど日本に戻らざるを得なかったんですね。
Nanahoさん: そうです。学校変更にあたって、閉校したカレッジに支払っていた授業料の返金手続きや新しいコースの準備が必要で、BCITは他のカレッジに比べて人気が高く、Waitlistにも入らなければならなかったので、すぐに入学することはできませんでした。
Namiさん: えー、そっか。そうするとBCITに入ったのは2021年ということですか?
Nanahoさん: 多分2021年ですね。2021年の9月に再度渡航した形になります。
Namiさん: 日本にいる間はどんなことをされていたんですか?
Nanahoさん: とにかく資金を貯めるためにアルバイトをしながら、英語を勉強していました。それ以外には特に何もしていなかったですね。
Namiさん: なるほど、強い気持ちで「絶対に戻るぞ」と思っていたんですね。それで戻られて、学校は何年コースだったんですか?
Nanahoさん: 学校は1年だけのコースでした。2022年の9月に卒業しました。
就職活動について
Namiさん: その後どうやって今の会社を見つけたんですか?
Nanahoさん: 2022年の9月、ほぼ10月に卒業して、就職活動を始めました。半年ぐらいかかって1社目に採用され、そこで今もうすぐ1年ぐらい働いています。
Namiさん: 半年間はどんな感じで過ごしていたんですか?
Nanahoさん: 卒業後はひたすら応募しまくって、たくさんの企業から不採用の連絡をもらいました。面接も受けましたし、カフェでバイトもしていました。
Namiさん: カフェでバイトをしながら就職活動をしていたんですね。面接はどれくらい受けましたか?
Nanahoさん: 面接まで進んだのは、正式な面接が3件ぐらいで、電話面接が2件ありました。
Namiさん: ひたすら応募されたとのことですが、週にどれくらい応募していたんですか?
Nanahoさん: 多分1日に少なくても3件、多い時は10件くらい応募していました。合計で250件以上は応募したと思います。
Namiさん: すごいですね。ポートフォリオは学校にいる間に完成させていたんですか?
Nanahoさん: 卒業時点で7割ぐらいは完成していましたが、残りの30%は卒業後に完成させました。就職活動の最初の1ヶ月はポートフォリオやレジュメを完成させたり、ソーシャルメディアのアカウントを整理したりして準備に使いました。2ヶ月目から本格的に応募を始めました。
Namiさん: 半年間の中で、気を強く持つのは大変だったと思いますが、どんな人が周りにいましたか?一緒に就活している同期がいたとか?
Nanahoさん: 私が通っていたBCITのコースのクラスメイトは、7割がカナダの人でした。元々仕事があったり、コネクションがあったりする人が多く、フルタイムの仕事を見つけている人は少なかったです。残りの3割のインターナショナルの子たちも、パートナーや家族がいるなど生活基盤が整っている方が多く、ビザに追われて早く仕事を見つけないといけないという人は殆ど居なかったですね。そこが少し心細かったですね。
Namiさん: そうなんですね。周りにそういう人が多いと、焦りや孤独感を感じることもあったんですね。
Nanahoさん: そうですね。どれくらい頑張ったらいいのかがわからなかったので、わからないということが積み重なり焦りに繋がりました。
Namiさん: それはどうやって頑張ったんですか?自分を鼓舞する方法などあれば教えてください。
Nanahoさん: そうですね、やっぱり私達は外国人なので、ローカルの子たち以上に頑張らなきゃいけないんです。その子たちと比べちゃいけない、同じ事をしていてはいけない、自分は自分で頑張るしかないというマインドをひたすら作って、とにかく自分のことだけに集中することを心がけました。
Namiさん: あとは学校以外で知り合いとか友達とかいたんですか?
Nanahoさん: そうですね。学校以外にも、語学学校で知り合った友達や、バイト先で知り合ったインターナショナルの子たちがいました。業界は違いますが、カナダでの就職の難しさを共有できる人たちがいたので、それは大きかったです。
Namiさん: なるほど、確かにそういう話ができるのは重要ですよね。デザイナーのメンターがいたわけではないんですか?
Nanahoさん: そうですね。何回かイベントに参加したり、カレッジの先生と話したりしてネットワーキングを広げようとしましたが、なかなかハードルが高くてうまくいかなかったです。
Namiさん: ネットワーキングを広げるのが難しかったというのは、どんなところがハードルでしたか?
Nanahoさん: 自分が未経験だったので自信が持てず、経験豊富な人たちの中で積極的に参加するのが難しかったです。就職しながらコミュニティを広げる余裕が自分にはなかったです。
Namiさん: それでも今の会社を見つけたのはすごいですね。ここでの面接の流れはどんな感じでしたか?
Nanahoさん: 募集はIndeedで見つけて、応募して連絡をいただき、Zoomでの面接に進みました。特に実技を見せる機会はなく、面接だけで採用が決まりました。
Namiさん: 面接は何回ありましたか?
Nanahoさん: 1回だけでした。私が話すというよりは、面接官の方が会社の説明を1時間くらいしてくれて、あとは働き始めてからポテンシャルを見たいという感じでしたね。面接の時点でほぼ採用することは決まっていたのかなと感じました。
Namiさん: 1回だけのZoom面接だったんですね。それは初めて聞きました。
Nanahoさん: もちろんその前に自分のポートフォリオを見せたりとかは事前にありました。自分のことをもっと知ってもらうための質問がされるのかなと思ったんですが、案外されずにあっさり採用されたので、自分でもびっくりしました。
Namiさん: それは去年、2023年のことですか?
Nanahoさん: はい。採用されてからすぐに働き始めました。採用もらったのが多分3月の中旬から下旬ぐらいで、4月の頭から働き始めました。
Namiさん: すごい。めっちゃトントン拍子に進んだんですね。
Nanahoさん: そうなんですよ。ずっと250社くらい応募して不採用続きだったので、最後はこんなトントン拍子に進んだことに自分でもびっくりしました。
今のお仕事内容について
Namiさん: 1年働かれて、今の会社についてお話を聞かせてください。会社は制作会社なんですか?
Nanahoさん: Digital Signageのソフトウェアとハードウェアの両方を開発している会社で、私はインハウスデザイナーとして働いています。
Namiさん: Digital Signageですか。これまでのプロジェクトで印象的だったものはありますか?
Nanahoさん: プロジェクトベースでいろんな業務に携わっていて、社内のソーシャルメディアアカウントのバナー作成やブログ用の画像編集から、新製品のパッケージデザイン、YouTubeのプロモーション動画の制作など、幅広い業務を担当しています。
Namiさん: へー、確かに画像から動画まで幅広いですね。クライアントからの依頼もあるんですか?
Nanahoさん: はい、クライアントからのDigital Signageのデザイン依頼もあります。メニューボードやリテールショップなど、いろいろな業種のクライアントがいます。
Namiさん: なるほど。Digital Signageのメニューボードって、ファストフード店のメニューとかですか?
Nanahoさん: はい、そうです。時間で自動で内容が切り替わるものや、クリニックの待合室のスクリーンなどのデザインも手掛けています。システム的な部分はデベロップメントチームが担当していて、私はデザインに専念しています。
Namiさん: システムと連携する部分もあるんですね。具体的にはどんなソフトを使ってデザインしているんですか?
Nanahoさん: 基本的にはPhotoshopやIllustratorを使っています。モーションを付ける時はAfter Effects、動画編集はPremiere Proを使用しています。この辺りは他のグラフィックデザイナーと大きく変わりはないと思います。
Namiさん: なるほど。病院の待合室のスクリーンなどはシステム的なインプットが必要ですが、その辺りはデベロップメントチームが担当しているんですね。
Nanahoさん: そうです。システム的な面はデベロップメントチームが担当していて、私はデザインだけを担当しています。デベロッパーさんとの直接のやり取りは殆どなく、プロジェクトマネージャーの方が間に入って調整してくれています。私たちのデザインチームは本当にデザインだけ、ビジュアル的な面を担当しています。
Namiさん: デザインチームは何人くらいですか?
Nanahoさん: デザインチーム自体はそんなに大きくなくて、私を含めて3人です。
Namiさん: その3人はどんな方ですか?歴の長い方ですか?
Nanahoさん: 私が入る半年前ぐらいにチームが一新され、新しく入ってきた人たちばかりなので、みんな長くて1年半ぐらいです。もともとディレクターがいたんですが、私が入ってすぐに退職されました。おそらくその方の退職に伴って新しいチームを作る必要があったので、まだ新しいチームです。
Namiさん: そうなんですね。今、デザイナーはみんなグラフィックデザイナーですか?
Nanahoさん: そうですね。みんな同じタイトルで働いています。
Namiさん: デザインディレクターがすぐいなくなってしまうのは、環境として大変そうですね。
Nanahoさん: そうですね。今もディレクターがいない状態なので、中心となって指示する人がいません。チームとしては手探りで頑張っています。
Namiさん: 3人の関係性としてはどんな感じですか?同期のような感じですか?
Nanahoさん: そうですね。特に上下関係は感じず、年齢も近いので、ラフな感じで仕事ができています。それはすごく良かったです。
Namiさん: 他に仕事で関わる方だと、プロジェクトマネージャーですか?何と呼んでいますか?
Nanahoさん: 私の会社は少し変わっていて、コミュニケーションはCEO直属のアシスタントが間に入ってくれます。なので、デザインチーム以外だとCEOやそのアシスタントと直接コミュニケーションを取ることが多いです。
Namiさん: 会社の規模はどれくらいですか?
Nanahoさん: 会社自体は規模が大きくなく、従業員は15人くらいです。小さな会社なので、CEOと直接やりとりすることが多いですね。
Namiさん: CEOとやりとりする場合は、プロジェクトの話をする感じですか?
Nanahoさん: 基本的にはチーム内やアシスタント、マーケティングチームと話し合いますが、答えが出ない時やフィードバックが必要な時は直接CEOに聞くこともあります。
Namiさん: マーケティングチームとはどんな役割ですか?
Nanahoさん: 基本的には広報系のデザインの依頼を受けたり、デザインのチェックをしてもらいます。例えば、ブログの画像を作ったり、マーケティング的な観点でデザインを見てもらったりします。
Namiさん: 会社はリモートですか?
Nanahoさん: ほとんどリモートで、撮影がある時は会社に行きます。月に1回行くか行かないかくらいです。
Namiさん: オフィスに行く時は、録画がある時なんですね。
Nanahoさん: そうですね。動画の撮影やキャスティングのためのオーディションをする時など、オフィスでしかできない仕事がある時に通勤します。
Namiさん: オーディションでキャストを決める時にNanahoさんも参加しているんですか?
Nanahoさん: 毎回ではありませんが、最初の方は経験を積むために参加しました。何回かオーディションに参加しましたね。
Namiさん: 動画のキャストは会社のYouTubeのためですか?
Nanahoさん: そうですね。会社のYouTubeのプロモーション動画のためです。
Namiさん: なるほど。仕事内容としてこれからやっていきたいことはありますか?今の会社で。
Nanahoさん: 私はまだ1年目なので、基礎の力をもっとつけたいです。新しいチームということもあり、積極的に自分から活躍していきたいと思います。
Namiさん: 今の業務で、もっとやりたいことはありますか?例えば動画やモーションなど。
Nanahoさん: BCITのコースでは静止画がメインだったので、モーションや動画編集は全くやらなかったんです。その辺のスキルは独学なので、もっと身につけていきたいと考えています。
Namiさん: この1年間で一番大変だったことは何ですか?例えば大変だったプロジェクトやクライアントなど。
Nanahoさん: やはり言語の面で苦労しました。デザイナーじゃない人からフィードバックをもらう時や、自分の意図を伝えるのが難しかったです。相手の言うニュアンスが伝わらなかったり、自分の伝えたいことがうまく伝わらなかったりしました。デザインってはっきりした正解がないじゃないですか。自分が頭で思っていることや想像しているものを英語で伝えるのはすごく難しかったなと思います。
Namiさん: 確かに、それは今も頑張っているところですか?
Nanahoさん: そうですね、今も苦戦していますが、最初の頃に比べれば何とか頑張れているかなと思います。
Namiさん: そういう時って、伝わらなかったなと思ったらどうやって伝え直すんですか?
Nanahoさん: まず、コミュニケーションを取って最後にもう一度確認します。あと、言葉以外の方法で、画像や参照できるものを使って補足することが多いですね。
Namiさん: なるほど、補足していく感じですね。デザイナー同士の会話はそんなに難しくないんですか?
Nanahoさん: そうですね。デザイナー同士は共通言語を持っているような物なので、専門外の人と話すより随分楽です。
Namiさん: 確かに、デザインの原則について問われることがありますもんね。
Nanahoさん: そうですね。美的感覚が日本とカナダでは違うこともあります。日本だと最近はミニマルなデザインが好まれていますが、カナダの人はもっと目立たせるデザインを好むことが多い印象です。
Namiさん: それは面白いですね。Digital Signageでは、現物が見れるのは本当に最後の最後なんですか?
Nanahoさん: 基本的にはお店にディスプレイされるまで現物は見れないですね。試作段階だとわからないことが多いです。
Namiさん: 現物が見れないと難しいですね。クライアントからの要望で、フォントを小さくしすぎるとか、色が見にくいとかはどう対処していますか?
Nanahoさん: クライアントの要望を聞いて、それに応じることも多いですが、デザイナー的には難しい時もあります。アクセシビリティのカラーの基準なども参考にしながら説明しますが、それでも難しい時はありますね。
今後のキャリアについて
Namiさん: なるほど。では、今後のキャリアについてはどう考えていますか?
Nanahoさん: もちろんデザイナーとして続けていくつもりですが、今は就労ビザなので、カナダでのステータスも考えています。PRを考えていますが、こればかりはルールが変わることも多いので、カナダに限らず他の国で働く可能性も視野に入れています。どこで働くにしても、デザイナーとしてキャリアアップしていきたいと思います。
Namiさん: なるほどー。そうなんですね。就労ビザって今の会社からスポンサーしてもらっているんですか?
Nanahoさん: いえ、私はBCITを卒業したので、ポスグラビザをもらっています。それが切れたらワーホリビザに切り替える予定ですね。
Namiさん: ポスグラビザは何年ありますか?
Nanahoさん: 私がもらったのは20ヶ月、つまり1年半ちょっとです。
Namiさん: ワーホリビザに切り替えてもまだ結構時間はありますね。
Nanahoさん: そうですね、まだ切り替えていないので、その間にPR申請をして、もし受け入れられなければ就労ビザを会社にお願いするか、別の道を考えるかという感じです。
Namiさん: 日本でデザイナーをする可能性も将来的にはあるんですか?
Nanahoさん: そうですね。今は半分半分くらいの気持ちです。もともとは絶対にカナダに残りたいと思っていましたが、最近PRの基準が上がったので、プランBやプランCを考えておいた方がいいかなと思っています。日本で働くことも新しい経験ができていいかもしれませんし、別の国で働くのも悪くないと考えています。絶対こうしたいというプランはなくて、どう転んでもいいように準備しておくのが大事だと考えています。
Namiさん: カナダに来ると決めた時、他の選択肢もありましたか?オーストラリアとか。
Nanahoさん: 実はもともとはオーストラリアに行きたかったんですが、キャリアの行く先や費用面を考えてカナダの方が現実的だと考えました。
Namiさん: デザイナーとしてのキャリアということですか?
Nanahoさん: そうですね。キャリアというより永住権の取りやすさやビザの面がやはり大きく、カナダの方が検討しやすかったです。
これからカナダへ渡航する方へアドバイス
Namiさん: そろそろ終盤ですが、これからカナダに渡航しようと考えている方にアドバイスをお願いします。デザイナーさんに対してでも、もっとジェネラルな内容でも大丈夫です。
Nanahoさん: アドバイスという意味では、カナダで就職したい人に向けて言えることは、何はともあれ忍耐力を持つことです。日本のように一筋縄ではいかないので、何百社も応募するのが普通です。とにかく忍耐力を持ち、人と比べずに自分のペースで頑張ることが大切だと思います。
Namiさん: ありがとうございます。今後渡航されるデザイナーの方に届くと良いですね。本日は長いお時間ありがとうございました!
皆さんいかがでしたでしょうか。高校卒業後、1年程度カレッジに通い無事デザイナーとしてのキャリアをカナダ国内でスタートしたNanahoさんの課程は、業界未経験で渡航する方はもちろん、日本で業界経験が豊富な方にとっても勇気を貰える行動だったんじゃないかと思います。
Nanahoさんの仰るとおり、海外就職は長期戦になりやすいです。ビザのルール変更はもとより、景気や市場も大きく変化しやすいため、その都度戦略を考える必要があります。
今回のインタビューでも語られていましたが、自分がどういう状況に立たされたとしても、柔軟に対応していこうとするその姿勢も、実は見習うべき大きなポイントなのかもしれませんね。
Frogでは今後ともデザイナー、エンジニアの海外就職事例を取り上げていきますので、よろしくお願いします!
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