語学学校だけで現地就職し、さらに永住権を申請中のiOSデベロッパーYukiさん
日本でiOSデベロッパーとして働いていた経験を活かして、見事バンクーバーのPicnnicという会社に現地就職し、永住権申請までおこなっているYukiさんにお話を伺いました。
経験者で現地就職を目指されている方はたくさんいます。しかし、経験者だから必ず就職できるというわけではない現実。
就職するための秘訣や、就職できる人・できない人などYukiさんの考えを伺いました!
経験者・未経験者問わず、これからバンクーバーで就職しようとしている人に有益な情報ばかりです。
また、本記事より新たなインタビュアーとして、私suigeが参加します。私は日本で約3年間ウェブデザイナーとして働いたあと、ワーホリを使ってバンクーバーにきました。今はバンクーバーのコミュニティ・カレッジにてウェブとモバイルを勉強中です。よろしくお願いします!
経歴
ーーまず、Yukiさんがバンクーバーにきてからの経歴を教えてください。
観光ビザでバンクーバーにきて、まず4ヶ月くらい語学学校に行きました。日本で経験があったので、そのままワーホリに切り替えて就活し、1ヶ月くらいで就職できました。
ーー1ヶ月ですか!すごいですね!
こんなに早く決まるとは思っていなかったです。ワーホリだったので焦っていたというのもあります。
ーー今はどういうステータスですか?
ワーホリが終わる3ヶ月くらい前に、永住権をとりたいなと思ったんです。でも、取得に1〜2年かかるとは知らなくて。ビザコンサルタントに相談したら、早くとれるのは就労ビザだから、そっちをとったほうがいいよって言われました。
本当は、入社したときに永住権の交渉をしておけばよかったんですけど、入社して間もなかったし、バンクーバーの会社の流れや上下関係がわかんなくって、ためらっていたんです。そのままずるずる時間が経ちました(笑)
その後ビザのサポートをお願いし、コンサルと相談の結果、永住権を取得するには残りのビザ期間が短すぎたため、就労ビザを申請し2年の就労ビザを出してもらいました。
今は、就労ビザの取得から1年経って、永住権の申請を進めてます。BCPNPを申請しているので、取得に1年から1年半くらいかかるかな。
ーービザに関して、アドバイスはありますか?
僕がやっとけばよかったなと思うのは、
入社して早めに永住権の交渉(試用期間が終わった後とか)
をしといた方がいいのかな。永住権は申請期間も長いので。3年程働きたいなと思ってたら、個人的には、就労ビザを申請するより永住権をしたほうがいいと思います。就労ビザ、永住権という手続きを踏むと、費用も倍近くかかるので。
ーー永住権を申請したいって言ったとき、会社側は嫌な顔はしなかったんですか?
全然!君がいてくれるならうれしいよって感じ。
本当に後悔しているのは、ためらって言わなかったこと。だめって言われたら、だめな理由も聞けるし。
僕は、これ言っちゃまずいのかなって自分の中ですごい考えちゃうので、アピールが下手なんです。でもすっごく後悔してます。給与の交渉も2年間くらいしてなくて、でも交渉したらあっさり給与あげてくれたので、区切りのいいタイミング(1年ごとなど)にちゃんと交渉したほうがいいです。
ーーそれは、バンクーバーならではですよね。
そうですね。自分から発言してくれないと動いてくれないので。
ーー日本だと制度があるから、自分から言わなくても自動的に上がったりしますし。
日本だったら、自分から交渉しなくても、定期的に評価してくれたりするじゃないですか。
僕の会社はスタートアップだからかもしれないけど、そういうのがなくて。もっと早く言えばよかったなーって思っています。ビザの進捗がうまく進まなかった原因の一つかな。
ビザに関して
ーー日本でワーホリを申請した理由はありますか?
実は、まだFrogのことも知らなくて、先に日本でワーホリを申請しちゃったのは、ワーホリじゃないと渡加できないと思っていたんですよ(笑)
ーー私もそれ思っていました!
海外やビザの知識がなくて、それがすごいミスしたと思っています。
僕はギリホリだったから早く取っちゃわないといけないと思って、すごい焦ってて。でも実はそれでも数ヶ月は余裕があるじゃないですか。
ーー31歳になるまでに有効化したらいいですもんね。
そう。半年くらい学生ビザで専門学校に行って、その間にワーホリの申請をしたら、最長2年くらい滞在できるんですよ。日本にいる間にそういうプロセスを知ってたらよかったのかなって。
ーーでも、Yukiさんの語学学校にだけ行って、就職するって理想じゃないですか?
今回はうまくいってるからいいんですけど、うまくいかなかった最悪のケースを結構考えます。長く滞在できれば、自分が動ける時間も挑戦できる回数も増えるから、Frogに話を聞いて、もっと長くいれるプランを相談したらよかったなーって思ったりしました。
英語
ーー英語で苦労されていた時期はありますか?
今も常に苦労してます(笑)
通常業務は割と普通にこなせるんですけど、ブレインストーミングとか、みんなで意見をばーっと話しているときに、なかなか話すのが難しかったり、言ってることがわかんなかったりもするので、そういうところはまだ苦労しています。
あとは、専門用語ですね。日本でもプログラミングの専門用語は英語をよく使いますけど、SQLのことを<シィーコール>って言うんですよ。会社に入って最初は何のことさしてるのか全然わからなかったんです。そういったところでは、専門学校なんかで、専門の英語勉強できてればなって思いました。
ーー会社はみんなネイティブですか?
僕が入社したときは全員ネイティブでした。
ミーティングやお昼ご飯を食べに行ったときも、会話が語学学校なんかでは使わない英語なんですよ。彼らは自然に話しているんだろうけど、話を理解するのが大変だし、わからない単語も使うし、苦労しています。
最近、フィードバック面接の評価制度みたいなものができて、そのときに英語を頑張ろうって言われました(笑)誰かと話すとか、プレゼンしたほうがいいって言われました。で、会社のエンジニアミーティングでプレゼンしました。
ーー行動力がすごい!
みんなフォローしてくれるし、内部的なテックミーティングなので、練習にちょうどよかったです。僕の英語力も知ってるし(笑)
ーー英語の勉強は日本にいるときもしていましたか?
バンクーバーにくる半年間くらいは準備をしていてニートだったので、オンライン英会話(レアジョブ)をしてました。日常会話や、新聞を読んでそれについて自分の考えを伝える練習とかですね。
ーー語学学校みたいですね。
そうですね。しかも、マンツーマンで話せるし聞けるし、英語が全然わからい人はそういうのやっててもいいのかな。フィリピンの語学学校とかでも安く行けるらしいので、行ったらいいのかも。
ーーバンクーバーの語学学校に入学時のレベルはどれくらいでしたか?
8段階のうちの5でした。日常会話は問題ない程度ですね。入学して1ヶ月後にレベルが上がって、永住権も取りたいなと思っていたので、IELTSのコースに変更しました。
就職活動
ーー就活の面接はどうでしたか?
なかなか思っていることを伝えるのが難しかったですね。僕が受けた面接はいろいろあって、電話面接とか普通にオフィスに行って面接とか。電話面接は辛かったですね(笑)何言ってるかわかんなかったので。そこはおちたんですけど(笑)
ーープログラミングテストはありましたか?
ありました。
このアルゴリズムを紙に書いて解いてくれって言われて、どういう問題かという意味はわかったんですけど、プログラムが結局パッと出てこなくて、おちたんですよ(笑)
Hidetoさんの就職者座談会で、面接のアルゴリズムの問題が解けなくても、面接後、メールで回答を送るなりして、その面接のフォローアップをしていると聞きました。それは良いアイデアだな、そういうのしとけばよかったなーって今はすごく思いますね。そういう風にしてモチベーティブなところを見せるのは大事です。
ーーテストや面接の対策はされましたか?
よく面接で聞かれることなどがGitHubに上がってるので、それを参考にしたり、自分の中で面接官がどういうことを質問してくるかのシミュレーションをしました。実際、対策していたことが面接で聞かれましたよ(笑)
ーーYukiさんが就職できた一番の理由は何だと思いますか?
前向きに取り組む姿勢、ですかね?笑
面接官から、こいつと一緒に働いてみたいなとか。技術持ってて前向きな姿勢?そういうのを見せれたからかなって思います。
ーーその姿勢は、どうやって見せたんですか?
面接で前に向きに自分をアピールする姿勢とか、英語で聞かれてわからなかった部分もなんとなく流すのではなく聞き返したりとか、会社に対しての質問を投げかけるとか。そういう姿勢を見せました。
例えば、OOPってなんですかって聞かれて、英語で全然説明できなくて、ホワイトボードがあったのでそこに書いて説明したんです。そういう風に、わからないなりに、どうにかして伝えようとする姿勢がよかったのかなって。
自分の中であー、英語で伝えるのよくわからないなってなるよりは、ペン借りてホワイボード使っていい?って聞いて、なんとか伝えようとしているって姿勢を相手に伝えるてことが大事だと思います。
ーーコミュニケーションとれるってアピールですね!
その時はひどい絵を描いて説明しましたけどね(笑)
こういう業種だから言葉じゃなくても伝わることもあります。
ーーそれにしても、15通送って10通返事がくるって確率高いですよね?なにか理由はありますか?
就活は春にはじめました。秋じゃなかったです。(秋はいろんな学生の卒業と重なるから)
あとは、時期的にタイミングがよくiOSデベロッパーの需要が比較的にあったのかもしれないですね。
ーーiOSデベロッパーは求人数も少ないけど、できる人も少ないって言われていますね。
求人の要件を見ると、ガチでアプリをつくったことがある人や、運用まできちんとやってる人が、ほとんどいないようです。バンクーバーは特にですが、即戦力が欲しかったりするので、その時はスキルセットがすごくマッチしたのかな。
ーー他に要因はありますか?
成果物は100%作らないとだめですね。
アプリだったらローンチしてください。課金のところまでやってください。と言うのも、商用アプリって課金がないアプリなんてないじゃないですか。あとはプッシュ通知とか。できる限り全部のiOSの機能を把握しておいたほうがいいのかなと僕は思います。
ーーローンチしているやつは今も運用してますか?
してます。iOSアプリは、もともとSwift2で書いてあったんですけど、自分が勉強したいのもあって、Swift3に書き直しました。
今の仕事について
ーーどういうお仕事をされていますか?
最初iOSでサービスをローンチして、その後、アンドロイドをやってウェブをやって、最終的には全部のプラットフォームのローンチに携わりました。忙しかったけど楽しかったです!
ーーすごいですね!その技術はどうやって学んでいるんですか?
最初は自分で色々調べて、社内に聞ける人がいたら、わからない部分を聞いたりしています。
ーー会社のメンバーはガッツリ技術者ばかりですか?
最初はCTOと僕の2人でした。その後、アンドロイドを知っている人が入社してきて。その後、ウェブもやらないといけないねってなってCTOがコード書きはじめて、そのあと僕も参加して、やりながら効率のいい書き方とかあれば皆で共有したりしました。
iOSは得意で、アンドロイドとかウェブはできないって人が入社してきたりするんですけど、チームのメンバーができているから、その人達も一緒にやっていこって感じですね。
ーーすごくいい環境ですね!スタートアップだと経験が浅い人が多くて、みんな手探りみたいな感じがしていました。
技術的負債はもちろんありますね(笑)メンテしないといけないんですけど、そこに費やす時間がなかったり、費用対効果が悪かったりですね。
ーー日本とバンクーバーでの仕事環境の違いありますか?
日本は、保守的。何をするにも誰かの確認が必要。バンクーバーでも確認は必要だけど、誰でも意見が言えるし、通りやすい。スタートアップならではかもしれないですけど、人間関係がフラット。日本は、どっちかっていうと上下関係が厳しい気がする。
ーー働く時間はどうですか?
9〜10時くらいにきて、5〜6時くらいに帰るっていうフレックスで、みんな8時間ぐらい働いて切り上げますね。日本だとダラダラ残ったりするじゃないですか(笑)あと、上の人が残っていたりすると帰りづらかったりするけど、みんな気にしないですね。
あとは、会社のアクティビティで3時くらいに仕事を切り上げて、会社で飲んだり、どこかへアクティビティしに出かけます。営業時間内でやるので気楽ですね。
ーー仕事が終わらなくても帰れますか?
タスクによるんですが、エンジニアディレクターがスケジュール管理をしていて、残業するほど忙しくないです。
見積もり通りにタスクが終わらなくても、あまり残業して仕事はしないですね。(たまに持ち帰ったりしますけど笑)
ーー何も言わずに退社ですか?
そうですね、次の日の朝会で、まだ作業続けています、おそらくいついつに終わるだろうと報告をして、終わりですね(笑)日本みたいに、まだ終わってないの?なんで帰るの?とは言われないです。
ーーめっちゃ働きやすそうですね!!
遅れてもスケジュールを調整してくれたりします。サービスが、自社サービスだからかもしれませんが。
ーー新しく勉強してることはありますか?
いろいろ勉強しています。自分の会社で使ってる技術は自分の勉強としてやりたくなくて。会社ではフロントエンドなので、個人的にバックエンドをやってみたり、GraphQLとか、触っていない技術をを実際作って勉強したりしてます。Flutterでアプリを作ったりもしました。
ーーそれは、仕事が終わった後にも?
時間があって気が向けば(笑)でも、いつの間にかYoutubeを見たりもしてます。あとは、Meetupに参加したり。
ーーちなみに、英語の勉強はしてますか?
フィードバックもらうまではちょっと怠けてましたね(笑)海外ドラマは好きなのでめっちゃ見るんですけど。フィードバックくらってからはレアジョブを再開しました。あとは、Meetupに行ったり、TED見たり。
留学を考えている人へのアドバイス
ーーYukiさん的に、就職できる人とできない人の違いは何だと思いますか?
たぶん、やる気?あと海外にきてバタバタするより、海外に来る前にある程度は準備が出来てたほうがいいです。
海外にくる前にやってほしいことがあって、僕はiOSデベロッパーなのでIndeedとかで最初就職状況を調べたりしたんですよね。需要がないと、行って帰ってこないといけないじゃないですか(笑)それは嫌なので、需要があるのかどうかと、日本にいるころより給料が上がるのかとか調べました。
あとは、そういうのを見ていると必要なスキルセットが採用条件として書かれているんですよね。自分のスキルセットがマッチしているのかを知れるし、もしそこで足りなければ、その技術を勉強することもできるし。
よくあったのが、iOSとアンドロイド出来たほうがいいって項目にあったので、その頃あまりやったことなかったアンドロイドも、少し触って勉強しました。
バンクーバーにくる前に、Sennaさんに何が必要なのかもいろいろ聞きました。その時教えてもらった事の一つに、GitHubがアクティブに活動していることも大事だと聞いたのですが、当時は全然やってなかったので、少しずつGitHubもアクティブにしていきました。
前もって情報を得ることもやる気の一つだと思います。
ーーポートフォリオも日本にいるときから作っていましたか?
はい。最初Sennaさんに相談した際に、ポートフォリオが大事なことを知りました。その後、何度か、Sennaさんにフィードバックやアドバイスをもらって修正を繰り返しました。もし、ニートとかして時間に余裕があるんだったらそういうことに時間を費やしたほうがいいですね。ある程度そのころに作っておいたので、バンクーバーにきてからは、英語の訂正と細かいブラッシュアップだけで済みました。面接するころには、完璧にできていました。
ーーYukiさんのポートフォリオはSennaさんがよく紹介しています!
ーーバンクーバーにきてからいろいろやろうとすると、ビザで制限されるので、日本でできることがあればやってきたほうがいいですよね。
そうですね。なんでも前もってが大事ですね。
前もってと、前向きに取り組める姿勢、って言うのがすごく大事。そういう人なら未経験でも大丈夫かも。
いかがでしたか?
「前もって準備」
当たり前だけど、大切なことだと再認識することができました。
Yukiさんは日本での経験もスキルも十分にもかかわらず、さらに英語を勉強したり求人情報を確認するなど、たくさん準備をして渡航されていました。
まだ日本にいる方は、今のうちに英語、スキル、十分に準備をして、自分にとって理想的なビザのプランを選択してみてください。
でも、何を準備すればいいのかわからないって人もいると思います。まずはYukiさんのようにFrogの相談会をはじめ、いろいろな人に話を聞いてみてください!
また、今回インタビューさせて頂いたYukiさんはブログもされており、今後更新していく予定らしいので是非チェックしておきましょう!
コメント