世界的名門校UBCに通い、Amazonや日本の有名スタートアップなどへの道を開いたHiroさん
Frogに寄せられる問い合わせの中で「GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)のような超大手IT企業へ就職するためにはどうすれば良いか」といった内容で寄せられるお問い合わせが非常に多くなっており、基本的には実力社会であるIT業界、そしてCS Dojoなどの実際Googleなどで働く有名Youtuber等身近な情報源の存在も手伝い「実力さえあればGAFAであっても夢物語では無い、学歴は関係無い」と、正に実力社会ならではの夢を思い描き留学される方も多くなってきました。
ですが、学歴自体が必要なくとも、そういった一流企業に認められるだけの能力の向上は当然必要不可欠であり、加えて世界トップクラスともなればその能力向上に対して多額のコストがかかる事も少なくはありません。今回はそんな多くの方が憧れる理想の一つとして、本当にGAFAのような企業への道を開く学生が、どんな学校、どんな生活、どんな意識で留学しているのかをご紹介するため、現在UBCでComputer ScienceとBusinessのダブルメジャーを取り学生をしているHiroさんにお話をお伺いしてみました。
Hiroさんは、UBCに3年生としてまだ在籍中ですが、Amazonのインターンの選考に進んだり、日本の有名スタートアップのRettyへインターンへ行く事が決まって居たりと、既にその能力が広く認められ出している人材の一人として、是非お話をお伺いしてみたいと思います!
自己紹介
Senna:ではまず、自己紹介からお願い出来ますか?
Hiro:わかりました。Hiroと言います。現在UBCの三年生で、CS(Computer Science)とBusinessのダブルメジャーを取っています。カナダに渡航したのは2015年4月で、Langaraからの編入でUBCへ入りました。
Senna:Langaraからの編入は王道ルートの一つですね。昔からカナダの大学を考えていたんですか?
Hiro:いえ、海外大進学を考え出したのは高校3年の春ですね。ずっと日本の公立高校に通っていたのもあって、海外の大学に行こうとはあまり考えていませんでした。海外に初めて出たのは中学生一年の時ですしね。習い事でやってた英会話教室の先生がたまたまホームステイの仲介会社で働いていて、ホームステイしてみない?と聞かれ、英語は好きだったからせっかくだし行ってみようと思い、その年の夏にアメリカのケンタッキー州にあるホームステイファミリーの家に一ヶ月くらい滞在しました。
Senna:ケンタッキー州ですか?
Hiro:そうですね。ケンタッキー州のレキシントンという街です。住宅地や町から少し出ると本当に田舎で、見渡す限り畑しか無いような場所でした。
Senna:それが初海外ですか?
Hiro:はい。僕の家族は殆ど海外旅行とか行かない家族だったので、そのホームステイが初で、そのホームステイファミリーがすごく良い家族でした。次に海外に出たのは高校二年生くらいの時に改めて訪れたときで、それが2回目。カナダに今回来たのが海外3回目ですね。
そのホームステイが本当に良い経験で「アメリカすごい楽しかったな」って思えて、それが僕が海外の大学へ行こうと思ったきっかけになったのは間違い無いですね。
その当時英語はそこまで喋れたという訳じゃ無かったんですが、100個英語のフレーズ覚えたりとか、テレビでリトルチャロって番組を見たりとか、個人的にはやってたおかげもあってホームステイ中はずっと楽しむことができました。
Senna:ここにもリトルチャロ信者が!確かあんなさんもリトルチャロ好きで見てたんですよ。Frogメンバーの中に意外とリトルチャロ好きが多くてビックリします(笑)
カナダ留学のきっかけ
Senna:この話の流れだと、アメリカへの留学を考えそうな物ですが、なんでまたカナダに?
Hiro:アメリカでなくカナダを選んだのは学費、治安、環境の要因が大きいですね。アメリカより、学費が安くて、銃社会でなく治安もよくて、自然も多い。でも、元々は大学は漠然と国内の大学の工学部へ行こうかなーと思ってました。物がどうやって作られているか、どう動いているのかというのに小さい頃から興味があって、iPhoneを筆頭にいろんなテクノロジーが世の中に出回っていたし、情報系の学部楽しそうだなと。それで、とりあえず京大の工学部に行こうと思っていたんですが、いざ説明会とかに参加してみてもあまり惹かれなくて。
それと同じ頃に本屋でマーケティング系の本を読んでビジネスにも興味が出てきちゃって、それで「どうしよっかな」ってなって。大学で工学もやりたいしビジネスもやりたくなってしまったし一つに絞れなくなってしまいましたね。
Senna:それでダブルメジャーに繋がるんですね。
Hiro:そうですね。学校の先生に相談したらダブルメジャーの事を教えてくれて。それで当時も英語は好きだったし、海外にそういう制度があるならそういう選択肢も良いかなって思えたんですね。
それで本当にたまたまだったんですが、母が色々大学の資料を集めていて、その中に海外大学のパンフレットもあり、それで海外の大学への興味が増しました。
Senna:ホームステイに行ったアメリカじゃなくて?他の国も調べたりはしたんですか?
Hiro:一応いろんな国の大学を調べました。英語圏に絞っていたのですが、オーストラリアは正直未知だったのでとりあえず置いておいて、 アメリカかカナダかなと思って、 カナダの大学を調べてみるとアメリカより学費も安く自然も豊かで治安も良いと知って、こうなるとカナダ一択かなという事でカナダに的を絞りました。
それで、カナダの大学を調べている内にUBCとWaterlooが候補として残ったんですが、Waterlooはなんとなく殺風景なウェブサイトから好感が持てなくて、対してUBCはサイトのデザインも良くて、キャンパスも綺麗、自然も豊かな感じが伝わってきて、それでバンクーバーの事も調べ出したら自分にすごく合っているように感じたので、バンクーバーにあるUBCに行こうと決めました。
正直バンクーバー来たことなんてなかったのにネットの情報だけで決めたのは今思うと危ない橋を渡ったかなとは思うんですが、結果的には良かったですね。
Senna:実際、どうですか?住んでみての感想というか。
Hiro:正直かなりバンクーバーが好きになってしまいました(笑)自然豊かで人も穏やか、とても住みやすいです。今後もこの街を拠点に生きて行きたいなとも思っています。
UBCへ入るまで
Senna:HiroさんはLangara Collegeからの編入でUBCに入られたんですよね?
Hiro:そうですね。3年次編入です。でも実は学費節約する目的もあってLangaraを経由したんですが、Langara在籍中にUBCの学費がかなり上がっていって「あれ?学費節約するために入ったんだけどな…」と、ちょっと焦りました(笑)
僕は高校三年の時に学費を見て、UBCのCS系の年間学費が大250万くらいで「これくらいなら大丈夫かな」と思い、Langaraの学費が年間150万くらいだったのもあり、Langaraから入れば親の負担も軽くなるしと思ったんですが、編入直前になってUBCの学費を見ると年間の学費が400万にまで膨らんでて…。
Senna:そんなに変わったんですか?!
Hiro:しかも年々更に学費が上がっています。UBCとしては最近更にレベルを上げようとしてるし、学費が安いとそもそも良い生徒が集まらないという考えもあってか、仕方の無い所はあるような気がします。
Senna:それは僕らもチェックしておかないと…。
英語力について
Senna:次は英語についてですが。UBCに入るレベルという事は、以前から英語は得意だったんですか?
Hiro:得意でしたが、TOEFLは苦手でしたね。渡航前にTOEFL iBTを取ったんですけど、一番最初に取ったのが68点とかでした。
Senna:それはちょっとヤバいですね(笑)
Hiro:とりあえず学費の都合もあって、Langaraからの編入でUBCっていう道筋だけは立てておいたので、このままTOEFLとかを受けても良かったんですが、LangaraってIELTSやLeap(Langara付属の英語学校)を卒業して入学するみたいな入り方もあるけど、それ以外にLET(Langara English Test)という学校専門のテストを受ければ入れるというのを知ったんですね。
なので、とりあえずTOEFLは一旦置いといて、英単語やフレーズ、こっちで暮らすのに必要なことに集中して勉強を進めました。
Senna: それじゃ語学学校はいかなかったんですか?
Hiro:いえ、行きました。渡航したのが2015年の4月とかだったんですが、最初の数ヶ月は遊ぼうかなと思って、バンクーバーのESLのInlinguaに入ったんです。
Senna:え?普通のESLですよね?
Hiro:そうですね、特にアカデミックなコースを取ったわけでも無く、本当に入った当初はとりあえず現地の文化に慣れてスムーズなスタートを切ろう程度に思っていたんですが、Inlinguaが思いのほか強敵で…。
Senna:強敵?
Hiro:最初クラス分けのテスト受けたら、文法をしっかり勉強していたため一番上のクラスに入れられちゃって、正直死にました。大量のイディオム、ディベート、プレゼン、英語の膨大なアサインメントにも追われ、っていう感じでした。
会話力をちょっと鍛えつつ、初めての海外で一人という環境に慣れれば良いかなーっていう軽い気分だったのですが「これめっちゃ大変じゃん!」と、面食らいました。正直、楽しむつもりで入ったはずなのに、なんでこんなに勉強してるんだろうと苦悶した事もありました(笑)
ただ、その数ヶ月のおかげで英語力は上がりましたね。2ヶ月経った頃にはスピーキング力はかなり伸びました。そのかいあってか、その後Leap行ってプレースメントテストを受けてlevel 5に入り、そこから半年くらいかけてLangaraへの入学へ進めました。(LEAPはレベル8まであります。)
Senna:5から入れたんですか?!
Hiro:5から入れたのは間違い無く語学学校で英語鍛えられたおかげだなと本当に思いますね。語学学校時代はあまり楽しいものではありませんでしたが、あの辛さがあったからこそ、今があると思っています。
Senna:その後LET受けてすんなり通ったんですか?
Hiro:いえ、LETは結局3回受けて2回落ちましたね。ライティングだけのテストだったんですが、文法ミスが少しあって落ちてしまったという感じでしたね。
Senna:いや、むしろ3回で通るのは素晴らしいです!
どのくらいの人達がUBCまでたどり着けるのか
Senna:Hiroさんの他にも日本人の生徒さんでUBCを狙ってLangaraへ通われている人はいたんじゃないかと思いますが、他の人もHiroさんと同じようなステップを辿られているんですか?皆さん順調にUBCまでたどり着けます?
Hiro:いや、正直少ないです。成績が取れなくて諦めちゃったり、途中で日本へ帰る事になったり、あと単純にUBCに合格しなかった人も多いですね。実際UBCまでたどり着くのはやっぱり一握りという印象です。僕はラッキーでしたね。
Senna:そうなんですね。世界屈指の名門となると、入るのもやっぱり難しいんですね。途中で諦める理由としてはどういった物が代表的でしょう。やっぱり大変だから?
Hiro:単純に成績が足りなかったり、経済的に厳しくなったり、あとストレスやメンタル面で辛くなったりという感じです。
Senna:ストレスって言うと、勉強から来るストレス?
Hiro:もちろん勉強面のストレスも多いです。でも、どっちかと言うと、住宅事情だったり、生活面でのストレスが多かった印象がありましたね。海外生活そのものに疲弊して、ストレスを抱えて帰国してしまうというように。
Senna:学校自体のストレスというより、生活面の問題が大きいんですね。
Hiro:そうですね、学校自体が大変なので、生活の基盤が崩れてしまったりすると、そのストレスに対応できなくなってしまうという印象でした。
Hiro:あと、中にはLangara出てそのまま働くという道に切り替える人もいましたね。
Senna:ちなみにそうやって無事にUBCまで行き着く人と何かしらの理由で途中で諦める人だと、どのくらいの割合の人がたどり着けるイメージですか?
Hiro:1対9、1割くらいですかね。
Senna:1対9?!1割しかUBCまでたどり着かないって事ですか?!
Hiro:そうですね。もちろん肌感覚でしか無いですが。あと学部にもよります。
Senna:そうなんですね。ただ、実際通ってる人の感覚値がやっぱり大事なので、参考にさせて頂きます。
実際通ってみてどうだったか
Senna:まだUBCは通ってる最中だと思うので、先に聞くのもどうかとは思うんですが、実際LangaraからUBCまで通ってみて、どうしたか?感想やイメージと違った所などあれば。
Hiro:Langaraでは、やっぱりイメージと現実のギャップはありましたね。ビジネスっていうとマーケティングとか会計、マネジメントとかをやるのかと思っていたら、1、2年では統計基礎とか、微分積分とかを取らなければならないし。CSだと基礎知識の授業ではつまらないと感じることはありましたね。あと、必修の英語文学のコースがすごく大変でした。最近は専門的な授業が増えてきたので、充実してます。 また、UBCの生徒は非常に活気があって、知的な生徒が多いので日々刺激を受けています。
Amazonを蹴った?
Senna:そいえば以前座談会に参加して頂いた時に耳にしたんですが、Amazonのインターン受かったって本当ですか?色々聞きたい事が多いんですが。あとYelpからも話が来たとか。
Hiro:途中までですけどね。結局、選考途中で蹴ってしまいましたけど。
Senna:でもそこに至るまでの話にめっちゃ興味があるので、蹴ったにしても是非お話聞いてみたいですね。
AmazonやYelpなど、なぜ次々と大手IT企業のインターンが通るのか
Senna:UBCの方は入って今半年くらいでしたっけ?
Hiro:そうですね、去年の9月からなので。
Senna:そんな入って半年とかでAmazonやYelpのインターンに通ってしまうっていうのは一体どういう事なんですか?
Hiro:僕もよくわからないです。オンラインで求人見つけて申し込んだら、書類選考通っちゃって。Yelpの方はUBCのキャンパスにYelpの人達が来ていて、その人達と喋って履歴書渡して申し込んだらそれも通ったという感じでしたね。
Senna:そんな軽い感覚でGAFAの戸を叩くとかすごいですね(笑)
Hiro:あと最近はUnityからも選考への招待がきました。
Senna:まじですか!
Hiro:元々僕去年の夏くらいにUnity Developerとして働いていた時期があったので、それが功を成したのかなと思います。
Senna:待って待って、その年齢で職務経験ありって事ですか?よく分からなくなってきた(笑)
Hiro:すみません(笑)Langaraを2年通って卒業した去年の夏に東京に一旦戻ったんですが、その間東京のスタートアップでUnity Developerとして4か月くらいインターンしていました。元々授業の合間とかにUnityの使い方は独学で学んでいたので。今もリモートでたまに仕事貰っているので、良い経験でしたね。
Senna:素晴らしいですね。ちなみにどういったお仕事だったか聞いても良いですか?
Hiro:その会社の開発している子供用の思考力育成アプリのコンテンツ開発と改修が主な仕事でした。Unityを使ってミニゲームのアルゴリズムを書いたり、アニメーションを作ったり。そして、社風が緩かったです。2か月くらいフルタイムで勤務してたんですが、途中で「あれ?これ出社しなくてよくね?」ってなって、リモートの交渉したらOKが出て、じゃあ旅行行ってきますねっのも許可が出て、1ヶ月ヨーロッパで旅しながら働きました。そんなのOKくれるなんて、すごい自由な会社ですよね(笑)
Senna:じゃぁその経験を経てバンクーバーに帰ってきて、結果としてAmazonとYelpとUnityに通ったわけですよね。すごいですね。
Hiro:もちろん選考がいくつか受かっただけですけどね。
Senna:それでも、そこを目指して何人も挫折してきた人を見ている身としては、素晴らしい事だと思いますよ。
Hiro:それは良かったです。参考になるか分かりませんが、あとで履歴書送っておきますね。
Senna:おぉ、是非参考にさせてもらいます!
大手インターンに通り続ける理由
Senna:ちなみに、もちろん全員が全員そうやってGAFA級の企業にすんなり通るイメージもないんですが、Hiroさんが通り続ける理由ってどういった物が考えられますか?
Hiro:僕の場合はやっぱり雇用側の視点を学校で学んだのが大きかったんじゃないかと思います。
Senna:それはUBCのBusinessで?
Hiro:そうですね。Human Resource Management(人材管理学)のを勉強をして、人を雇う時の思考や条件などを勉強したからこそ、結果としてHR側が何を考えているのか、それに対して自分がどうアプローチすべきなのかを意識する事が出来たので、それが要因の一つになっているのは間違いないですね。でも、それだけじゃなくて自分に正直になって話すのも大事ですよね。採用する上で大事なのは一緒に働きたいと思ってもらえるかどうかですし。
UBC生がそういった大手にインターンに行くのは普通なのか
Senna:これは僕が気になってる事なんですが、Hiroさん含め他のCS系の生徒達もそういう大手のインターンに応募していたりするんですか?
Hiro:してますね。UBCにはCo-op専用の窓口のような物があり、そのオンラインプラットフォームを通して申し込む人が多いんですが、そのプラットフォームが強いです。専攻によって異なるJob Boardがあって、Amazon, Microsoft, SAP, Salesforceなどの企業が求人を出しています。また、その場合企業で働く間にも単位が付くので、生徒としては利用しない手はないですね。面接やレジュメ対策もCo-opプログラム付属のワークショップでやってくれます。
僕の場合はクレジットがそもそも残っていなかったのと、その窓口を使うと7万円近く毎月払わなければならないので、僕は使わなかったんですけど。
Senna:7万毎月払ってCo-op探すんですか?!
Hiro:でもインターン期間って普通に給与出るので、大きいとこだと時給で20~30ドルくらい出ますし、元は取れてるので良いんじゃないですかね。それで単位ももらえますし。
なんとなく、UBCの王道ルートみたいな物があって、一度Co-opで働いた後、SAP(大手ソフトウェア会社)でインターン、最終年度にMicrosoftでインターンっていう人がいますね。
Senna:そんなMicrosoftとかにパパッと入れるもんなんですか。
Hiro:そうですね、もちろん実力次第ですが、実際MicrosoftやAmazonなんかでインターンしてそのまま卒業して働き出すって人は多いですよ。
大手IT企業への道として有力候補のUBC
Senna:これはぶっちゃけベースで聞いて良いのかわからないんですが、Frogへの問い合わせの中にはやっぱりそういうGAFAのような大手に入ることを目標にしている学生もいて、そういう学生さん達からしたらUBCなんかはレベル的にも、ビザ的にも理想なんじゃないかと思ってるんですが、実際僕らはそういう学生さん達に対してUBCを勧めて良いと思いますか?
Hiro:全く問題無いと思いますよ。もちろん簡単に入れる場所ではないですが、コストに見合った価値は間違い無く見つけられる場所だと思います。就職に関して言えばWaterlooもやっぱり強いですよね。でも、結局は在学中にどう過ごすかです。
もし大学の学部でCS系にいるもしくは卒業したのであれば、一番はやっぱり大学院まで進む事じゃないですかね。アメリカだとビザを取るのにも院卒は必須だし、カナダであっても学部からやり直すより大学院行って専門系を勉強して入る方が良いかなと思います。
Senna:Googleなんかは学歴じゃとらないって話が有名ですし、僕の知り合いにも院卒やバチェラー出てない人もいるので、結局は実力次第だとは思うんですが、一方では学歴は重要だという人達もいるので、なかなか方針定まらないって人は多いと思うんですよね。
Hiro:そういうのって正直ビザの関係もやっぱり大きいと思うんですよね。アメリカだともちろんですが、結局学校出てないとビザ申請の時に引っかかる。カナダ国内だともちろんそこまで苦しくは無いですし、場所による所も大きいですよね。
結局は実力社会であることに変わりはない
Senna:過去にUBC卒だけど、現地のスタートアップに落ちたという人もいたので、UBC生とはいえども実力の差はあるのかなと思うんですが、実際はどうなんでしょう。
Hiro:そうですね、UBCのCSを卒業しても仕事がないっていう人は聞きます。結局のところ、授業外でもどれだけ勉強したかというのはあると思います。学校の授業も全てが実践的というわけでは無いので、中にはアプリやWebの開発経験自体は少ないという人もいます。僕は授業外でUnityやったり、アプリ作ったり、ゲーム作ったり、Webの方ではPostgreSQLとDjangoを使ってBBSを作ったり、そういう努力の痕は作るようにしていました。その辺はやっぱり興味によって個人差が出るところなんじゃないかと。。
Senna:その辺はどれだけ大きな大学でも同じなんですね。結局実力差はどれだけ手を動かして何かを作ったかで決まる部分はあるでしょうし、UBCとて例外では無いと。
これからの予定や進路
Senna:それではHiroさんの今後の展望や進路など、どういう予定で考えられているかを聞かせて頂ければと思うんですが、結局Amazonインターンは蹴って、日本のRettyに数ヶ月インターンに行くという事ですが、Rettyも日本のスタートアップでは相当注目されている所かなと思いますが、なぜまたAmazonを蹴ってRettyへのインターンを決めたんですか?
Hiro:もちろんAmazonが悪かったから蹴ったというわけではないです。でも、Rettyの担当者の人とお話した時に、この会社の方が自分のやりたいことができそうだと思って決めました。僕は、将来的にはエンジニアを経験してからマネジメント職に付きたいと思っていて、経営にも関わっていきたいと思っています。ずっとコード書いていたいと思っているわけじゃないんです。
そんな自分が将来のために今何を大事にするべきなのか考えた時に、スタートアップの中で様々なポジションの人と会話し、開発とビジネスを学びつつ成果を出していく課程を学ぶべきなんじゃないかと思って、その希望する経験に最も近いと感じたのが、UXチームへの募集をしていたRettyだったということで応募させてもらいました。
Senna:まずネームバリュー優先で大きな企業に行くって人が多いなかで考えれば、なかなか思い切った決断だと思いますが。
Hiro:僕の場合はやりたいことやるのが一番モチベーションに繋がるという思いがあっての決断でした。迷いはしましたけどね。でも、学生である以上お金やネームバリューよりもインターンで何を学べるのか、自分が何を大事に今後仕事をするのかを考えたいと思いました。
進路だったりキャリアについての相談は、シリコンバレーでエンジニアとして働いているTakaさんという方にメンターをお願いして、その中でUXエンジニアを目指すという方針を伺って、HCI(Human–computer Interaction)等を勉強すると良いと勧めてもらい、調べてみたら自分のしたいことにぴったりだったので、これから勉強する予定です。
Senna:Takaさんがメンターなんですか?!僕も最近よく情報交換させて貰っているんですが、それは素晴らしいですね。
Hiro:すごくロジカルに話を聞いてくれるので、助かってますね。
最後に、これから留学を目指す方へアドバイス
Hiro:留学にはいろんな形がありますが、大学進学を考えるのであれば、その道はおそらく想像するより険しいです。なんとなく海外の大学に行こうだと途中で折れてしまうことも大いにあり得るので、自分が将来何をしたいかをしっかり考え、それに合わせて専攻を選んでください。
勉強が一日のほとんどを占める大学生活の中で、自分の好きではない・興味のない科目を取り続け、単位を取得するのは不可能に近いです。学ぶことを楽しむことができれば、他のことも楽しむ余裕が生まれ、結果的に留学先での生活を楽しむことに繋がると思います。もし、途中で心が折れそうになったら、周りや同じ留学をしている人たちに助けを求めてみてください。きっと彼らも色々乗り越えて今を生きていると思うので頼りになることでしょう。
バンクーバーのことや、UBCの生活についての質問などあればいつでもどうぞ!(Twitter: @khiro_ca)
いかがでしたでしょうか。
近年のカナダ人気を経て、名門UBCを目指している日本の学生は意外と多く、Frogにもよく問い合わせが寄せられるのですが、入学までの壁は厚く、なかなか現実の物に出来ている人は多くはありません。
ですが、Hiroさんのインタビューの最後にもあるよう、自分の進むべき道や好き嫌い、自身のキャリアと向き合って、その努力を楽しめるような提案が出来るよう、Frogでも頑張って行きたいですね。
今後FrogではHiroさんのような大学留学についても精力的に情報収集とサポートを実施していければと奮闘している中、Hiroさんのお話を聞けたのはすごく大きかったので、是非今後もバンクーバーで活躍して頂きたいと思います!
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