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Yahoo! Japanからカナダのスタートアップへ転職!コロナ真っ只中でフルスタックエンジニアとして海外就職を達成されたTaishiさん

今回は、バックエンドエンジニアとしてYahoo! Japanで4年間、実務経験を積まれてからカナダへ渡航。Node.js、TypeScriptのスキルを軸に就職活動を展開され、見事アグリテックのスタートアップ「Semios」へFull Stack JavaScript Developerとして就職されたTaishiさんにお話を伺いました。

TaishiさんはYahoo! Japanでのバックエンドエンジニアを経験、世界的な個人開発アプリ投稿サイトProduct Huntで高得票を獲得するなど、個人開発者としても素晴らしい実績を残されていますが、コロナ禍の中での海外就職にとても苦労されたという貴重なお話が聞けました。また、レジュメの作成やジョブマーケットの状況など、これからカナダ・バンクーバーで海外就職を目指す方にとっても参考になる話題が満載ですので、どうぞお楽しみください。

学生時にバイトでサイト制作。海外インターンでもエンジニアとしての実務経験を積む

Yutaka:いつ頃プログラミングに興味を持たれたのでしょうか?

Taishi:大学の頃はお金がなくて時間だけはある状態だったので、何かをやりたいなとずっと考えていました。大学生だった2010年頃、世間では「これからの時代はプログラミングが大事だ」と語られることが多くなり、私の周囲でも話題になっていました。それでプログラミングをやってみようと思い、バイトで貯めたお金で初めてMac Book Airを買ってプログラミンに触れるようになりました。

Yutaka:大学ではプログラミングを学べる専攻だったのでしょうか?

Taishi:いえ、文系の商学部だったので大学の授業では学ぶ機会はなかったですね。バイトでWordPressを使って企業サイトなど作ったり、当時はFacebookが流行りだしていた時期で、HTMLとCSSで作ったWebページをFacebookページ上からifameで読み込む部分を作ったりしていました。

Yutaka:大学時にバイトとして業務経験、実績を積まれたのですね。

Taishi:そうですね。バイト以外にも海外でのインターンも経験しました。2013、4年頃、大学3年生の後期くらいから1年間、カナダに滞在していた時期があったのですが、エンジニアとしてデザインエージェンシーで3か月間、働かせていただきました。

帰国後バックエンドエンジニアとしてYahoo! Japanに新卒採用され経験を積む

Yutaka:3か月のインターンシップを終えて、その後、日本に帰国されたということですか?帰国後に就職活動をされたのでしょうか?

Taishi:そうですね。Yahoo! Japanのインターンシップに受かってそのままYahoo! Japanに新卒入社することができました。

Yutaka:学生時代にWordPressでサイトを作ったり、海外でのインターン経験などが結構評価されたのでしょうか?

Taishi:今振り返ると、特に海外でのインターン経験がよい方向に働いたかなと思います。あとは個人開発の実績も評価されました。面接時に個人開発したWebアプリを見せて良い評価をいただけました。

Yutaka:Yahoo! Japanでは具体的にどのようなポジションだったのでしょうか?

Taishi:自分はバックエンド、サーバーサイドのエンジニアとして、基本的にPHP、Node.jsを使ってAPIの実装などを担当していました。

Yutaka:Yahoo! Japanは巨大なトラフィックのあるサービスを運営してますが、すごい経験を積まれたんじゃないですか?

Taishi:自分の担当していたサービスは、Yahoo! Japanの中でも特にトラフィックが集中していて、色々なサービスから自分の実装したAPIが叩かれるという状況だったので、サーバーが落ちた時に、社用携帯に自動で深夜でも電話がかかってくるようになっていました。

Yutaka:もちろん担当はTaishiさんだけではなく、何人も待機しているエンジニアの方がいらっしゃって、という状況ですよね。

Taishi:そうですね。順番があって、最初の人が電話に出れなかったら次の人に掛かってくるという感じで誰かが電話をとるまでずっと続くんですよ。エンジニアは辛いなって思いましたね。

Yutaka:Yahoo! Japanではどれくらい働かれていたんですか?

Taishi:ちょうど4年くらいですね。

PHPで構築された巨大サービスのNode.jsへのリプレイスプロジェクトに参画。開発外で社内教育も担当

Yutaka:メインの業務以外でも何かされていたのでしょうか。

Taishi:自分が担当していたサービスは元々PHPで構築されていたのですが、それを新しい技術に乗せ換えようという議論が頻繁にされるようになりました。自分は特にJavaScript、TypeScriptの技術をよくキャッチアップしていたので、会社の方針としてTypeScriptをメイン技術の一つとして使っていくことが決まった時、部署内で後輩を教育したり、TypeScriptを部署内に広めたりしました。

Yutaka:Yahoo! Japanはかなり大きな組織だと思うのですが、古い技術を使って開発、運営していたサービスを新しい技術にリプレイスすることにも積極的だったのでしょうか?

Taishi:そうですね。特に自分の世代や後輩の世代では、新しい技術に興味のある人が多く、特にGoやDockerなどを熟知している人が結構いました。上から指示されるのではなく、下から提案する機会が多かったですね。他の部署のことは分からないのですが、自分の部署のエンジニアたちは皆熱量を持っていた印象です。

Yutaka:Taishiさんは文系からでしたが、コンピューターサイエンスを勉強してきた人が多かったですか?

Taishi:Yahoo! Japanでは学歴重視ではなく、伸び代を考慮して採用する場合が多く、文系、専門学校卒からも結構採用するようです。データサイエンティストになると確かに東大、京大が多かった印象ですが、それ以外のポジションになると学歴はあまり関係なかったですね。

Yutaka:採用後の研修が充実していたのでしょうか?

Taishi:これも部署ごとに多分全然違うんですけど、自分の部署の場合、自分が入社した年は全く研修がなくて、いきなりチームに配属されて実務をこなしながら学んでいきました。

Yutaka:それでも実務をこなせるように成長できたということは、元々すごく優秀だったんじゃないですか?

Taishi:いや、実際結構辛かったですね。(笑)でも、職場の先輩たちは皆すごく能力が高くて謙虚な人が多く、かつ教え上手で、とても学びやすかったです。仕事自体はきつかったですけど、変なプレッシャーはなく、何とかやれていましたね。

Yutaka:素晴らしい職場環境ですね。

Yahoo! Japan在職中は社内制度を利用し海外就労を模索。異文化好きでバックパッカーとして東南アジア諸国へ訪れる

Yutaka:大学在学中にカナダへ行ってインターンをされたりしましたが、Yahoo! Japan在職中も海外就職をしたいという思いはあったのでしょうか?

Taishi:そうですね。社内制度を使って海外就労ができないか模索したことがあります。

格安航空チケット検索サイトを運営し、スコットランドに本社を構えるSkyscannerという会社とYahoo! Japanが合弁会社を設立し、2015年からYahoo! Japanの検索結果ページに航空券検索機能が表示されるようになったのですが、Yahoo! Japanには社内ジョブチェンジのような制度があって、その制度を利用してSkyscannerで働くことができました。

とても人気のある制度で競争倍率も高く、選考で落ちてしまい、それでも英語圏の人と英語で仕事をしたいという思いは捨てきれず、最終的には退職してカナダに渡航することにしました。

Yutaka:海外での就労にすごく強い関心を持っていますが、その思いはどこから来ているのでしょうか?

Taishi:元々海外がすごく好きで、バックパッカーとしてバンコクに5、6回行ったりしました。現地で異文化に触れたり、現地の人と話したり、欧米から来ているバックパッカーと話したりするのがすごく好きなんですよ。

一生海外にいたいとは思っていないですけど、若いうちに行ける時に行きたいなとは思っていました。2019年は2か月くらい東南アジアに滞在し、フリーランスで仕事を請け負いながら色々な国を巡りました。

Yutaka:パソコンさえあれば、国を問わずどこでも仕事ができるというのもエンジニアとしての醍醐味ですね。

カナダ在学中もバンコクへ短期滞在へ

Yahoo! Japanを退職しカナダへ渡航

Yutaka:海外就職のためにYahoo! Japanを辞めるという決意をされたわけですが、かなり大きな決断だったのではないでしょうか?

Taishi:いえ、自分は全然そんなことは思ってなくて、給料面では絶対カナダの方が高いですし、特に失うものはなかったと思います。エンジニアのスキルと職歴さえあれば、挑戦して失敗したとしても、すぐに立ち直れるのだと思います。

Yutaka:カナダに渡航されてからは、どちらのカレッジに行かれたんですか?

Taishi:CICCCですね。

Yutaka:ちなみにコースは何を専攻されたのでしょうか?

Taishi:結局Web開発のコースに行きましたね。学校に時間を割きたくなかったので。

Yutaka:そうですよね。新しいことをゼロから学ぶ必要はなかったでしょうし。

Taishi:そうですね。基本的にビザのために割り切ってカレッジに通うことにしました。

カレッジ在学中に個人開発したWebアプリ「AskMakers」がProduct Huntで高得票数を獲得。一時は起業も視野に

Yutaka:カレッジ在学中にも個人開発はされていたんでしょうか?

Taishi:はい、そうですね。海外の個人開発者向けの投票サイトProduct Huntに自分で開発したAskMakersというWebアプリを投稿したりしてました。

Yutaka:これは在学中の挑戦としてそのような活動をされていたということでしょうか?

Taishi:個人開発自体はずっと趣味で続けていました。海外の個人開発者コミュニティには、実際にしっかりと稼いで生計を立ててる人たちがいて、自分でもやってみたいなと思い、特にお金を稼ぐという意味で結構頑張っていたと思います。

2020年7月くらいにサンフランシスコで起業している友人にそそのかされて、起業してみようかと思い、カナダへの移民についてもPEOという制度を利用しようと計画を立てていましたが、結局今やりたいのは海外で現地の人たちと英語環境で働くことだと思い直し、それはやめて就職活動することにしました。

Yutaka:個人開発者コミュニティの中で影響力の大きいエンジニアの人などからもAskMakersにユーザー登録されコメントなどが書き込まれていたのを見たのですが、あのようなコネクションはどのように作られたのでしょうか?

Taishi:個人開発者が集う有料コミュニティ繋がりの関係ですね。そのコミュニティは随時募集をかけているわけではなく、いつでも入会できるわけではありません。このコミュニティの発起人がIT業界では結構有名な個人開発者なのですが、実はカナディアンでBC州在住らしいです。

Yutaka:その方からもAskMakersに質問が投稿されたり、コメントが書き込まれたりしてましたね。

Taishi:特に欧米圏の個人開発者は、自分たちが苦労して開発してきている分、他の開発者のプロダクトを応援してあげようという気持ちが結構強いですね。TwitterのDM、メールなどでAskMakersのことを宣伝したところ、たくさんの人からサインアップしてもらいコメントなども投稿してもらえました。

Yutaka:その後は、先ほどのお話にあったように個人開発の方は一旦切り上げられて、就職されたということですね?

Taishi:ずっと開発を続けてはいたのですが、徐々に違和感を感じるようになりました。バンクーバーで現地とのつながりがなく社会に参画していないと感じるようになり、特にコロナの影響もあり、社会との繋がりが一層持てなくなり辛いなと思っていました。

カナダに来た当初の目的は現地の人たちと英語環境で働くことだったので、その思いと現状にギャップを感じるようになり、個人開発は一旦止めて、就職にシフトしました。

カレッジ卒業2か月前から就活を開始。コロナの影響でジョブマーケットが縮小

Yutaka:カレッジを卒業した後に就職活動を始められたのでしょうか?

Taishi:カレッジの卒業が2020年5月だったのですが、その直前の3月くらいから始めましたが、丁度コロナの流行と時期的に被ってしまいました。

Yutaka:そうですよね。確かに2020年3月頃からカナダでも感染者数が増加し始めた印象です。就活の感触はどうでしたか?

Taishi:書類選考が通って面接まではたどり着けるのですが、その後が続かないケースが多かったですね。1次、2次面接までは順調なのですが、例えばコードインタビューで落ちたり、今一歩詰め切れなかったですね。

Yutaka:採用プロセスの最初は電話インタビューから始める会社が多かったですか?

Taishi:そうですね。やはりどこも電話からでしたね。顔が見えるGoogle MeetやZoomでの面接と比べると電話の方が話しずらかったですね。

Yutaka:確かにそうですよね。英語の対策などはされていたのでしょうか?

Taishi:応募する会社のホームページを読んでる時に分からない単語があったら調べたりしました。事業内容などの説明文中の英単語の発音などもGoogleのアプリを使って事前に調べていました。

Yutaka:具体的にはどのようなポジションに応募されたのでしょうか?

Taishi:フロントエンド、バックエンド、フルスタック問わず基本的にTypescript、Node.jsなど、自分が触れる技術を使うポジションであれば構わず応募していました

Yutaka:レジュメやカバーレターの書き方で何か工夫されたことはありましたか?

Taishi:レジュメに関してなんですが、会社の人事部では応募者のレジュメをあるソフトウェアを使ってPDFをテキストデータに変換するのが一般的なようです。CICCCにもそのツールがあったので、実際に自分のレジュメも変換してもらったんですよ。

その結果、記載されているはずの文章、単語が漏れたりしてしまいました。レジュメが2カラムだとうまくテキストデータに変換されないと、CICCCのキャリア相談の方に教えてもらい、絶対1カラムで作るようにしました。それ以外の工夫点としては、意味があったのかは分からないですけど、線の色などを会社の色に合わせたりしました。

カバーレターについては、その会社で働きたいという熱い気持ちを書いたりしていましたが、それもある程度の定型文に落とし込みました。会社ごとに内容を全部書き直してもいいと思うんですけど、全社に対してカバーレターを全部変えるのは時間コスト的に難しいと思い、ある程度使いまわしていました。

Yutaka:最終面接まで行かれたのは何社くらいだったのでしょうか?

Taishi:MailChimp、Asana、Squareなどの会社ではコードインタビューまで進んだのですが、結局採用までは行けませんでした。

Yutaka:就活の中で印象に残っていることはありますか?

Taishi:コロナの影響で採用をストップしますと連絡が来た時ですね。

Yutaka:結構ショックですね。

Taishi:Unbounceという会社では、採用プロセスが進んでいる段階でそのような連絡を受けましたし、あとはShopifyもバンクーバーオフィスを作る計画があったそうで、選考も結構進んでいたんですけど採用を一旦ストップするという旨のメールが届きました。

Yutaka:結構ショックですね。コロナの影響は大きいですね。

Taishi:そうなんですよね。自分はIntermediate、経験者枠だったのでまだ採用機会はあったのですが、周りのJuniorの人はコロナの影響で相当厳しかったですね。

Yutaka:軒並み採用を渋り始めた、という感じですね。

Taishi:そもそもJuniorの募集がないという状況でしたね。最近は回復してきたかもしれないですけど、基本的にはコロナ関連で酷かったなという印象でしたね。コロナ前だとオンサイトの就活イベントがたくさん開催されていたと思います。そこで人事の人とコネクションを作れたりできたのだと思いますが、オンラインになってからすごくやりずらいなという印象ですね。

Yutaka:確かにそうですね。オンラインになってコミュニケーションが難しくなりましたよね。自分も今の会社に入る前に就活イベントに参加して、名刺を配ったり、短い面接をしてもらったりしたことが結構ありました。今全部オンラインになりましたけど、オンラインは逆にハードルが高くなる印象ですよね。

Taishi:そうですね。意外と人事の人と一対一で会話する時間って作りにくいですよね。そう考えるとオンラインイベントは、あまり面白くないんですよね。

ベトナムのビーチにて、再訪を誓うTaishi氏

コロナ禍の中、8ヶ月に及ぶ就職活動の末、Full Stack JavaScript Developerとして採用が決まる

Yutaka:最終的に就職が決まった会社ではいつ頃採用されたのでしょうか?

Taishi:2020年10月末にジョブオファーをもらい、11月2日から働き始めました。

Yutaka:その会社での採用プロセスはどうだったのでしょうか?

Taishi:最初は他の会社と同じように電話インタビューから始まり、その次にエンジニアの人との面接が2回ありました。コードインタビューはなく、ただ話しただけですね。

Yutaka:エンジニアの面接官とのインタビューがメインだったということですね。

Taishi:そうですね。リードエンジニアだったり、実際にチームメイトになるエンジニアの方たちとの面接が2回あって、それで終わりましたね。後日、人事の人からジョブオファーしたいというメールが届きました。

Yutaka:インタビューの内容としては技術的な内容がメインだったんでしょうか?

Taishi:技術的な話題ももちろんありましたが、GitにCommitする時に何に気を付けるかとか、バグを見つけた時はどのように対処するといった、Behavioral Interview(行動面接)的な内容がメインでした。

Yutaka:技術に対する単純な知識だけじゃなくて実際の現場でどのように働ける人なのかということを見られたという感じですね。確かにそういうところにこそ実践的な知識は反映されますよね。

ちなみに、個人開発の実績は結構評価されたのでしょうか?

Taishi:その点は会社によってまちまちだった印象です。Product Huntの存在を知らないという会社もありました。採用された会社では、個人開発の経験を評価してもらえましたし、dev.toやMediumに投稿した自分の技術ブログをしっかりと見てくれて「JavaScriptの最新技術をキャッチアップしてるんですね」といった話をされました。

Yutaka:実は面接前にTaishiさんを採用しようと、ある程度決めていたのかもしれないですね。

Taishi:そうかも知れないですね。JavaScriptが本当に好きな人を求めているなというのを本当にひしひしと感じさせられました。

Yutaka:こちらの会社ではどういうポジションで採用されたんですか?

Taishi:ポジション名がFull Stack JavaScript Developerです。

Yutaka:JavaScriptがメイン技術のFull Stackポジションということですね。

Taishi:そうですね。Node.jsとReactをメインに使っています。

バンクーバーが開発拠点のアグリテックのスタートアップ。主要マーケットはアメリカ西海岸

Yutaka:会社ではどのような事業をされているのでしょうか?

Taishi:アグリテックの会社で、主な顧客はアメリカ西海岸の農家です。アメリカの広大な農場で農作機械を駆使し、農作物を大量生産している農家を想像してもらえると分かりやすいと思います。

そういった大規模生産の農家に対して、IoTの技術を使って各種センサーとWebアプリを連携させ、センサーから送られてくる情報をベースに機械学習を通じて、虫の発生、農作物の病気などを予見したり、農作物のストレス状況などをWebアプリ上に表示させるといったサービスを提供しています。

Yutaka:Taishiさんはどの部分を担当されているのですか?

Taishi:顧客が使うWebアプリのフロントエンドをReactで実装したり、センサーから届いた情報が機械学習を通じて加工され保存されているデータをデータベースから呼び出すAPIの作成などをしています。

Yutaka:アプリはWeb版だけなんですか?

Taishi:一応ネイティブアプリもリリースはしているのですが、機能が限定的な状態で、今のところはWebアプリをメインに開発してますね。

Yutaka:使うシチュエーションとしては農家の人が事務所のパソコンでWebアプリを開いて今の状況を確認するとか、ですか?

Taishi:そうですね。なので最新技術を使ったネイティブアプリをゴリゴリに作ったりとか、そういう感じではないんですよ。

社内でのコミュニケーションについて

Yutaka:社員数は今現在どのくらいなんですか?

Taishi:継続的に随時採用はしているみたいですが、今は200人弱くらいだと思います。

Yutaka:結構いろんな人種がいますか?

Taishi:会社がダイバーシティを掲げているので、色々な人種の社員がいますね。ただ日本人は自分一人だけです。

Yutaka:同僚とはもちろん英語でコミュニケーションされていると思いますが、いかがですか?

Taishi:毎日朝会があったりして、前よりはリスニング力が上がって聞き取れるようになってきたと実感しています。知ったかぶりをしてうなずくのではなくて理解できた上で話についていけるようになってきたと感じます。スピーキングに関しては適当に単語をつなぎ合わせれば大体意思疎通はできるので特に問題はないかなと思います。

リモートワーク+チケットベースで時間に縛られない働き方

Yutaka:日本で働かれていた経験とこちらでも経験がある中で、何か違いは感じることはありますか?

Taishi:定時でみんな退勤するところですね。今の会社では、コアタイムが設定されていないので、平日に個人的なことに忙しくて仕事ができなかった時は、土日に働いている同僚も結構いるので、働き方としては相当柔軟ですね。朝10時から朝会があるんですけど、自分は朝会が終わって一度寝て午後から働く時もあります。

Yutaka:会社としても成果を出していれば特に問題はないということでしょうね。

Taishi:そうですね。日本との違いというよりはリモート勤務かオンサイト勤務かの違いになるかもしれないのですが、今はチケットベースで働いているので、「1日8時間勤務」という労働時間規定がだいぶ時代遅れになってきている感覚があります。自分自身の業務タスクは全てチケット化されており、チケットを消化してさえいれば特に何も言われないですし、1日の業務が2、3時間で終わる日もあります。

Yutaka:チケットが全部完遂できれば、特に業務上することもなくなりますし。

Taishi:そうですね。リモート勤務になって働き方が柔軟になってかなり働きやすくなったと実感しています。これが日本とカナダの違いなのかどうかは分からないですけど。

1か月に2度支払われる給与制度に驚き

Taishi:日本とすごく違うなと思ったのがカナダでは給料が2週間おきに支払われることですね。

Yutaka:そうですね。基本的に給料の支払いは2週間に1度のBiweekly制ですね。

Taishi:この支払い制度は自分にとってすごくいいなと思ってるんですよ。

Yutaka:カナダで何社かで働きましたけど、基本的に全社Biweeklyでの支払いでした。

Taishi:不思議ですよね。すごく面白いなと思います。何でなのでしょうか?

Yutaka:お金が短い期間で手に入った方がいいんじゃないかという文化に起因するのかもしれないですね。カナダ人は基本的に貯金しないとよく聞きますけど、2週間おきにお金が欲しいんじゃないのかなと思います。

Taishi:それは確かによく聞きますね。他の国でも聞いたことがなかったので、隔週での給与支払いは予想だにしなかったことです。

積極的に助け合う職場環境

Taishi:こちらの人たちは他の同僚を助けるという姿勢が強くないですか?

Yutaka:そうですね。何か分からないことがあっても聞きやすいですし、サポートも頼みやすいし、みんな積極的にヘルプしてくれますね。

Taishi:そうですよね。会社として「サポーティブなチームでありましょう」という方針を掲げているのですが、「何か分からないことがあったら何でも聞いて」と同僚からもよく言われていますし、助けてくれた同僚の方が「I’m glad I can help you!」と言ったりして、いやいや感謝するの自分の方なんだけど、と思います。

Yutaka:私の会社でも基本的には同じで、お互い助け合いながら仕事を進めています。

Taishi:その方が結局働きやすいですよね。

Yutaka:正にそう思います。チームとして成果が上がると思うし、個人としてもチームとしても良い働き方だと思います。

当面の目標は移民権取得

Yutaka:今後の目標を教えていただけますか?

Taishi:まずは、今の会社で働きながら永住権の取得が当面の目標ですね。永住権申請カテゴリーであるBC PNPをサポートしてくれるという条件のもとに入社しているので。

Yutaka:素晴らしい会社ですね。

Taishi:そうなんですよ。まずは移民権を取ってから再スタートかなと思います。

Yutaka:今後、日本に完全帰国する予定などはあるのでしょうか?

Taishi:今のところ、一時帰国以外の予定はないですね。カナダ以外にも行ってみたい国が色々ありますし、フルリモートでの職を得て場所に捕らわれずに働いてもみたいですね。その場合、日本に帰ってもいいかもしれないし、もしアメリカベースでの職を得られたら、USドルで給料をもらいながら、バンコクで生活することもできますし、そういう生活はすごく良いですよね。

美しいホイアンの街、カナダに居る間も東南アジアを想う

今後、カナダへの留学、就職を目指す人たちへアドバイス

Yutaka:最後に、今後留学、海外就職をする人たちに何かアドバイスがあればお願いします。

Taishi:現実的な話になりますが、今は特にコロナの影響でジョブマーケットがかなり収縮している状態なので、この状況下での就職は簡単にはいかない、ということですね。就職がうまくいかなくて帰国しても大丈夫なようにバックアッププランをしっかり作っておくのが良いと思います。

例えば新卒カードを捨ててカナダ来るのではなく、日本で新卒採用され職歴を作った上でバンクーバーに来る方が良いと思います。特にJuniorポジションを目指す人たちを見ててそのように思いました。

Yutaka:正におっしゃる通りで、海外就職を目指すなら相応の準備と覚悟をもって来てください、ということですね。今回は貴重なお話ありがとうございました。


今回Taishiさんのインタビューをさせていただいて、海外就職は甘くないと改めて強く感じました。

Yahoo! Japanでの職務経験と技術力、個人開発実績、情報発信など、一見すると海外とは言えエンジニアとして就職するには難しくない条件が揃っていると感じます。しかし、ジョブマーケットの縮小など外的要因による採用プロセス取り消しという困難な状況に直面しつつも、就職が決まるまでの8か月に及ぶ長期戦を制したTaishiさんの経験と教訓をぜひ参考にしていただければと思います。

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