大きな方向転換を経て、フロントエンド・デベロッパーとして生き生きと働くSaayaさん
今回お話を伺ったのはフロントエンド・デベロッパーとして働くSaayaさんです。
私が今までお会いした方には「CO-OP期間が始まってすぐ働き始めた会社にいます」という方が多いのですが、Saayaさんは就活を続けながら数ヶ月ずつ2社を経験したのちに、今の職をゲットしました。「そんなことある!?」とびっくりなお話もあり、留学→就職という流れは一緒でも一つとして同じエピソードはないのだなぁと改めて実感させられます。
今回はSaayaさんご自身と勤務先の会社の承諾があり、会社名や関わっているサービスも掲載しています。そこも含めてリアルな雰囲気を感じていただければと思います!
経歴
ーー 日本ではデザイナーをしていたんですよね
実はデザイナーの前に営業の仕事もしてたんです。大学卒業後に3年間営業をして、辞めて専門学校で一年デザインを勉強してからデザイナーになりました。専門学校には営業をしていた最後の一年も週末に行っていたので、学校に通ってたのは合計で2年ですね。
ーー なぜ営業からデザイナーになろうと思ったんですか?
最初は仕事のためにデザインの勉強をしようと思ったんです。当時働いていた会社は出版社で、それも自分たちで作ろうとする出版社でした。本来は外注することの多いデザインも、編集の人たちが自ら構成を考えてやっていて。みなさんイラレを使ったりしてました。私は営業だったんですけど将来的には編集もやりたいなと思っていたので、そのためにデザインの勉強もしようかなと。でもWebデザインのほうが好きになったのでそっちに行きました。
ーー 日本で通っていた専門学校ではどんなコースで勉強していたんでしょうか
最初の一年はデザインコース、次はもっとプログラマー寄りのフロントエンドコースでした。
ーー フロントエンドの勉強もしたけど、当時はデザイナーの仕事を選んだということですね?
そうですね。学校は「いろんなことを学べて、そのうちの一つを選べる」という感じだったので、後半の一年中コーディングをしてたかというとそうではないです。前半の1年間も、ずっとデザインしてたわけじゃなくて。写真を撮るコースが1ヶ月あったり、VRをやってみるというのもあったり。色々やった中で自分がやりたいものを決めて、それを集中的に勉強して卒業するというスタンス。私はデザインが好きだったので、デザインに集中してデザイナーになりました。
ーー デザイナーとしてはどんなお仕事を?
2年くらい面白法人カヤックでデザイナーをしていて、1年はWebのデザインをやっていました。クライアントワークで、お客さんが新しい商品を見せたいときに販促に使うWebサイトがメイン。その後の一年はゲームチームにいて、ソシャゲ(ソーシャルゲーム)のデザインをしてました。ゴリゴリPhotoshop使ったり、キャラクターを動かしてみたり、アイテムのデザインもしてました。
ーー キャラクターを動かす時はプログラミングするんですか?
Unityというソフトウェアを使っていたので、コードを書くことはなかったです。デザイナーが作ったものをUnityプログラマーがUnityに取り込んでゲームのUIを作る、という流れなんですけど、デザイナーがある程度動きを作った方がプログラマーがやりやすいこともあって。なので「動かしてほしい」と指示があった時は動きも作ってました。
ーー 経歴についてもう一点伺いたいのが、英語がネイティブレベルで全く問題ないというところ。帰国子女ということでしょうか?
そうです。小さい時から親の仕事の関係で海外と日本を行ったり来たりしていて、大学生の時は1年アメリカで留学していました。今も合わせると、合計で10年から11年は海外にいますね。
ーー なるほど、バンクーバーに来た時点で10年近くの海外経験があったということですね。そうやってずっと海外と行き来していた中で「ゆくゆくは海外に住みたい」と思っていたんですか?
実は、デザイナーしてた時は全然そう思ってなかったんですよね。デザインが好きだし日本にはいっぱい仕事があるから、このまま日本でいいじゃない、と。でも2年目が終わろうとする時に欲を持っちゃって。海外で働くってどういうことか経験してみたかったんですよね。Webであれプログラミングであれ専門職だし、失敗してもまたやり直せる。なので「挑戦してみよう、最後に」って思ったんですよね。
ーー 最後に!
「最後に」っていうのは、女性だとやっぱりリミットがあるじゃないですか。
ーー そうですよね、わかります。子どもを産む年齢とかも考えないといけないですもんね
ーー バンクーバーに来たのは何年何月になるんでしょうか?
2016年の8月末に来ました。学校は来てすぐ、9月に始まりました。
ーー なぜ留学先をバンクーバーに?
Sennaさんの話を聞いて楽しそうだなって思ったのと、でもそれだけでは決められないので1週間だけバンクーバーに来たんですよ。Meetupに行ってみたり、こっちで働いてる日本人の話を聞いてみたり、教育システムとか、医療保険とか、住みやすさを見ました。それで全体的に住みやすそうだなと思ったので決めました。
ーー Sennaさんの話を聞いたというのは、説明会に行ったんですか?
はい。東京でやってたやつです。
ーー それはどうやって知ったんですか?
Sennaさんのことは元々知ってたんですよね、同じ専門学校の出身だったので。Sennaさんを教えていた先生が私の先生になったこともあって、彼はSennaさんのことを褒めちぎるんですよ(笑)。「ブログは書いたほうがいいよ」とか「彼は成功した例だね!」とか。なのでずっと前から知ってたんです。そのSennaさんがやってたブログも見ていて、そこで説明会のお知らせを読んで、Sennaさんがどんなことをやってるのか興味もあったので行ってみました。
ーー そして留学して、フロントエンド・デベロッパーとして働き始めたということですね
そうです。Axiom Zenというサービス会社で今年の1月中旬から働いています。
英語について
ーー 帰国子女なので特に問題ないと思うんですけど、それでも戸惑うことってあったりします?
もちろんあります。そういう時はちょっと考えてから、遅くてもいいからわかりやすくして言うようにしています。
ーー 戸惑うのってどんな時ですか?ネイティブレベルの人がどういうところで戸惑うのか興味あります!
ネイティブレベルとは言っても、ネイティブよりはネイティブじゃないんですよね。だから何か説明する時は言葉に戸惑いますね、うまく説明できない。そういう時はまずわかりやすく文章を分解すると良いです。それくらいしか会話術は知らないんですけど…。結論を言ってから理由をいうとわかってもらいやすいです。「これをしたいんです。なぜなら…」と分けていうとわかってもらえる。「こうこうこうだから~~~、こうしたいんです」って言うと、理由を言ってる間に相手は「何が言いたいんだろう」ってなってしまう。あとは、長い文章にせず区切って話す。結論と理由を分けても、それぞれが長いと結局わかりづらくなるので。
ーー 今何か英語の勉強としてやっていることはありますか?
PR(永住権)申請のためにCELPIP(カナダ向けの英語のテスト)の勉強はしていますね。この前ちょっとだけ勉強して受けたんですけど意外とダメで、勉強し直さなきゃいけない(笑)。余裕ぶっこいて行ったんですけど、スピーキングとライティングがあまり良くなかったです。
ーー それは意外ですね!勉強はどうやってやってるんですか?
オンラインコースがあるので、それが一番わかりやすいです。実際のテストと同じ方法でやるので。CELPIPも全部オンラインで、画面上に「残り何分」って時間が出るんですね。オンラインコースを買うと同じようにテストしてくれるんです。
「英語の勉強」となると他にいろんな方法があると思うんですけど、それよりもCELPIPに受かることが重要なのでテスト用の備えをしています。
専門学校について
ーー 専門学校生活の満足度はどうですか?
10点中5、6点ですね。
先生は好きでした。ちゃんと教えてくれたし宿題もくれたし、わからないところがあれば説明してくれた。そこは満足なんですが、学校側やCO-OP担当者が、勉強した後の生徒をどうサポートするかわかっていなかった。生徒のレジュメをいろんな会社に送ってくれたことには感謝してるんですが、彼らが「デベロッパーって何するの?」って感じだったので、「この人はこれが得意だからあの会社・ポジションに送ろう」っていうことはしてくれない。あと、レジュメを作るのにも「プログラマーはどういうレジュメを作ったら良いのか」っていう話はやってくれませんでした。今はやってくれていると聞いたので、改善されたんだと思うんですけど。
あと、iOSとAndroidがカリキュラムのメインだったんですけど結局モバイルデベロッパーにならなかったので、勉強した分が無駄になったかなと。マーケットがジュニア・モバイルデベロッパーを求めていなくて、でも知らなかったので、モバイルデベロッパーで就職するために多大な時間を使ってしまった。React(React.js)の勉強を始めるのが遅れたのは残念でした。
ーー 学校に対して期待していたものと現実のギャップはありましたか?
学校はやっぱりこれくらいかな、っていうのは残念ではあるけど想像通りでした。日本で通っていた専門学校もそんな感じだったので。学校が全てはやってくれない、自分の頑張りとポートフォリオ次第で全てが決まる、学校がある程度のものを提供して道筋を示してくれたら自分でやるものと思っていました。なので、そこまで愕然とはしませんでしたね。
学校への期待値が低かったとはいえ、学校選びにあたっては良くない評判を聞く学校は避けました。先生が勝手に休むとか言ってることがわかりやすくないっていうのは嫌だなと思ったので。
ーー 授業とは別に個人でやっていたプロジェクトや活動はありますか?
日本のスタートアップのフロントエンドをリモートでやってました。3-4ヶ月くらいですね。
方向性の決定
ーー 最初はモバイルデベロッパー志望だったということですが、それはいつからですか?
学校を選んだ時点からモバイルと思っていました。モバイルがメインのコースのようだったので。それにUIと関わるようなプログラミングをしたかったので、バックエンドは考えていませんでした。
実際に学校でモバイルを集中的にやった後も、モバイルで就職したいという気持ちは変わらなかったです。やっぱり「集中的にやったことを使いたい」って思うじゃないですか。でもさっき言ったようにマーケットの需要も低いとわかったので、急遽路線変更してフロントエンドで探しました。
ーー 「モバイルデベロッパー就職は難しい」っていうのは私も学校に入ってから知りました。フロンエンドに切り替えたのはいつ頃ですか?
就活を始めて1-2ヶ月くらい経ってからですね。レジュメをいろんな会社に送ってたんですけど、なかなか芽が出ない…っていうので「そろそろフロントエンドに転向した方がいいんじゃないか」って思い始めて。
就職活動
ーー いつ頃始めましたか?
学校の勉強期間が終わってCO-OPの期間に入ってから、ずっとしてました。
ーー CO-OP期間に入るちょっと前からする人が多いですが、Saayaさんは期間が始まってからだったんですね
はい、あの…失敗です、失敗でした(笑)。早く始めればよかったです。
ーー 一度、デベロッパーとは違うポジションでインターンしてましたよね
CO-OP期間が始まってすぐは、学校の紹介でインターンをしました。9月初めくらいからですね。そこは最初から「あなたはバイトです」と言われていて、パートタイムでやっていました。何をやってたかというと、プロジェクトマネージングです。インターン先の会社はホテルのWebサイトを集中的に作っていて、自社で持っている管理システムや予約システムを、UIを変えていろんなホテルに導入するというサービスをやっていました。プログラムを外注していたので、出来上がってきたものをチェックしておかしなところがないかとか、いろんなブラウザでちゃんと表示されるかを調べたり。他にも色々やりましたが、結局はこういうQA(Quality Assurance、品質保証)がメインでしたね。
ーー 当時、そのインターンについては「あんまりやりたくない」って言っていた記憶があります
そうなんですよね。プロジェクトマネージャーをやりたくはなかったし、さらに辛かったのは、そもそも私は求められてなかったということが入ってから判明しまして(笑)。
私を面接した人が、勝手に個人的に雇ったんですね。それでいきなり「この子雇ったから」って他の社員に伝えたようで。もともと少人数の会社なので、一人入るのは結構大ごとなんですよ。
ーー それは、雇ってくれた人に気に入られたということなんでしょうか(笑)
そうみたいです(笑)。で、それをずっと伝えてなかったので他の社員に「あなたに何をさせたらいいかわからない」って言われて。
そんな感じで必要とされてない感をところどころ出されていたので、「これは次の仕事が決まるまでやろう、ちゃんとインターンとして働きましたと言えるくらいまではやろう」という気持ちでやりました。1、2ヶ月くらい。
ーー 面接を受けた時にはプロジェクトマネージングのポジションだとは知ってたんですか?
そもそも何をするか全然知りませんでした。とりあえず面接に行ってみたら、「デザインもプログラミングもできるんだ。マルチに色々できて素晴らしいね、じゃあマルチに助けてくれ」と言われて。それで受かったので「じゃあマルチにサポートするのかな」と思ったらプロジェクトマネージングで。まぁ、「確かにマルチかな?」とは思ったんですけど(笑)。
このインターンの後は日本のスタートアップでリモートでフルタイムの仕事をしました。友達から話をもらった仕事です。どちらかというとデザイナーでしたが、フロントエンドもちょっとやってました。これも1、2ヶ月くらい。で、Axiom Zenに受かったのですぐに入りました。
ーー なんだか忙しそうですね、目まぐるしく環境を変えて…
こっちの良いところは、それだけ環境を変えてもそれは裏切りとして受け取られるのではなくステップアップとして考えてもらえるというところですよね!
ーー 就活はどんな方法でやりました?
半分Meetup、半分インターネットですね。見ていたサイトはみなさんと同じです。IndeedとかLinkedInとかAngelListとか。
ーー どれくらいアプライして、どれくらい返事がありました?
大体30-40社くらいにレジュメを送って、返事が来て面接したのが5社くらいですね。
ーー 面接で聞かれたことで、「これ面白いな」とか「これ聞かれるの多かったな」とか印象に残っているものはありますか?
ビザ問題は確実に聞かれるし、「なんでどういうことしてたの」「どういうことに興味あるの」っていうのも多かったです。
ーー Tech Quizはありました?
私はAxiom Zenだけでしたね。なぜかというと、他は全部実技に行かなかったので(笑)。
ーー 実技って、面接の次のステップなんですか?
大体そうだと思います。人柄と経歴が気に入ったらクイズを出す。それが通ったら2、3回面接して決まる。
私がAxiom Zenを受けた時の流れは、一回面接を受けてからTechテスト、その後も2回くらい面接がありました。Techテストは、APIコールをしてそれを画面で見せるっていう内容でした。「この日までにやってね」っていうものなのでオフィスにくる必要はなく、気が楽ですね。
ただ、Axiom Zenは私が入った後に面接形式変えたらしくて。もっと難しくなったと思います。
ーー それはどういうことですか?
一回面接があって、その後Techテストというところまでは一緒なんですけど、その後に「コードハッキング」っていう実技試験が追加されました。基本的にはオフィスに来て、できない場合はリモートでも良いんですけど、2人のプログラマー(社員)と何かを作るという実技です。作るのはその候補者の知識の中で作れるものです。「どれくらい実力があるか」の確認をするのと、もっと重要なのは「この人が一緒に働ける人なのか」っていうところ。「ものを作るために私たちに指示してください」っていうお題なんですよね。ディスカッションをする時にどう受け応えするかっていうのも見ます。コミュニケーション能力と性格ですね。やっぱりプログラマーの中にも一緒に働けない人というのが存在しまして(笑)。あんまり一緒に働きたいと思えない人は切られますね。
ーー オフィスでやるということは、Saayaさんもその様子をよく見てるんですか?
見れるわけではないんですけど、実はこの前私も参加しました。インタビューされる人はシニアとしての候補者。社員は私がジュニアとして入り、他にシニア・デベロッパーが1人参加しました。シニアは候補者に「これどうやるの?」とか「自分たちシニアとジュニアがいたら、どういう風に仕事を分けたら良いと思う?」とか質問して。そこから仕事をスタートしましたね。
ーー その候補者は、Saayaさんから見てどうでした?
私は信頼できる人だなと思いましたね。
時間内でものを作り終えることはできなかったんですけど、それは問題じゃなくて。私はジュニアなので、シニアの人が入って来たとしたらその人は私の面倒を見てくれるか、質問したことをわかりやすく説明してくれるか、シニアとして信頼できる人かどうかというところを見ます。色々質問してみたんですけど嫌な顔はされなかったです(笑)。「こんな簡単なこともわからないのか」って顔はされなかったし、優しく答えてくれました。
ーー その「コードハッキング」は最近の話ですか?
そうです。まだいろんな人がインタビューしてるみたいなので、合否はわかんないですね。
ーー やっぱりシニアだから慎重に選んでいるのかもしれませんね
シニアは慎重になると思います。コードハッキングの後も3回以上は面接があると思います。
ーー ご自身が就職まで辛かったことはなんでしょう?打開の仕方もあれば!
打開するものではないんですけども、遊べなかったこと(笑)。戒めとして、あまり遊ばないようにしていました。授業を全部取り終えたらみんな「わー、遊びに行こう~!」って気分になるじゃないですか。クラスメイトが「2週間どっか行ってくるわ」って言ってたりもして。でも私はそれをせず、就活と仕事だけに集中しました。
夏のいい時期に遊ばずに、気づいたら秋が来て…っていうのは辛かったですね。
ーー Saayaさんが就職できた理由として考えられるものはありますか?
ラッキー(笑)。正直、自分のポートフォリオはあんまり良い出来じゃないと思っていて。アプリ色々作ったけどApp Storeに上げたの一個だけだし、GitHubは頑張って整えたけど「UBCで勉強しました」っていうような人には全然敵わないし。
何が良かったか…うーん…趣味をいっぱい持って「自分は面白い人ですよ」っていうのを面接でアピールできたというところですかね。コード以外にもいろんな興味を話しました。「夏はこういうことやってます」とか、「今までこういうことやってました」とか。
Techテストで最低限のスキルラインはクリアできたんだと思います。その後エンジニアとの面接が2回あって、でも見られたのは性格。そもそもジュニアでCO-OPだからエンジニアの底辺なんですよ(笑)。だから「できるかどうか」ってそこまで重要じゃないんですよね、彼らにとっては。この人はちゃんと学べるのか、一緒に働けるのか、無駄にプライドが高くないか、というところが大事なんだと思います。「めっちゃ勉強します、めっちゃAxiom Zenに入りたいです!」ってアピールできたのも良かったかもしれないです。
実際に働いてみて
ーー お仕事内容を聞かせてください
働いてるのは自社サービスをやっている会社です。スタートアップファクトリー、「スタートアップを作るためのスタートアップ」という表現をしています。新しい技術や面白いアイディアを形にして、それがヒットして自立できそうだったら自立させちゃう。独り立ちしてAxiom Zenとは全然関係なく動いてるサービスが既にいくつかあります。
一応クライアント案件もありますが、面白くて大きければやるって感じですね。
そこで、私は自社サービスの一つのWebサイト構築をしています。デザイナーから来たものをReactで作ってデプロイ。私たちはバックエンドも持っているので、バックエンドの情報を読み込んでフロントで見せるっていうのもやります。
スプリント方式で仕事を回しています。1-2週間に一度全体会議あって、次の会議までにやることをプランする。案件の大きさもチェックして、それが大きければ1つだったり、小さければ5つ6つ割り振られたりします。
ーー 結構ハードな感じですか?
日本よりはるかに自己勉強することが求められます。日本はチームで見る一方、こっちは個々で見るので、「チームが貢献できたか」よりは「個々が貢献できたか」。エンジニアがチームのために何ができるかというと、勉強会したり新しい技術を紹介したりすることなんじゃないかなと。自分がやらなきゃいけないこと以外に何をやってるかも見られます。エンジニアが成長するにはプログラミングがうまくなるしかないですし、勉強は大事ですね。なんでも手とり足とり教えてはくれない。自分で調べてわからなかったら聞くというスタンスです。
ーー 雰囲気としては働きやすいですか?
楽しいです。この会社は好きなのでもうちょっといたいです。厳しいといえば厳しいですけど、それはどこに行っても同じことだし。人が良いので、なんでも相談できますね。他の人がやってる仕事も時間がなければ「私それやるね」って、「取る」って感覚ではなく「助ける」という感覚でやってるので誰もキレることはなく。エンジニアってコードレビューがあるじゃないですか。そこでも誰かがキレることはないですね。ディスカッションをしていても誰かが「ああ、そっかぁ」って納得する。
ーー チームワークがやりやすいんですね
やりやすいです。あと、普通のカナダの会社よりもみんな働き者ですね。日本とカナダの間?くらい働いてますね。日本の方がはるかに働いてるので「間」っていうのは言い過ぎかもしれないですけど…。でも(午後)6時7時まで働いてる人がいっぱいいます。
今後の展望
ーー 「しばらく今の会社で」とのことですが長い目で見た今後のプランがあれば聞かせてください
まだわからないんですけど、フロントエンドが楽しいのでシニアになるまで頑張ります。こっちだと5年の経験がある人をシニア、3年がインターミディエイトって言い方をしてますね。
その後どうするかは決めてないんですけど、せっかくシニアになったらしばらくはそれで食ってくのかなと。
ーー お給料も良さそうですしね(笑)
そうですね、そこがやっぱり最大の…(笑)。でもやっぱりデベロッパーのテクノロジーは毎日毎日変わるので、それを追えないと辛いですし、簡単なことではないですよね。新しいテクノロジーを見ても「こうやってやるのね」ってドキュメント見てすぐわかる、すぐ適用できるっていうのがシニアだと思うので。
あと、「ロングタームでどうやってカナダに残るか」っていうのも考えますね。PRは取るんですけど、住むために家はどうするのか、子どもはどうしたらいいのか、お金はどれくらい貯めたらいいんだろうとか。ファイナンシャルプランを考えないと、と思ってます。
留学を考えている人へのアドバイス
ーー 留学検討中の方にアドバイスがあれば!
「俺なんか」って思ってる人は大変だよ、ってことですかね。基本的にネガティブでは何も生まれない気がしていて。
こっちではどれだけできなかろうと「俺ができます」と言った人が勝ちます。仕事でもなんでもです。で、「俺がやる」って言って任されたときに「じゃあ頑張らなきゃ」って頑張ると強くなる。
あと、「こうなりたいな、でも俺なんか」って思っちゃうと何も起こらないじゃないですか。そこで「こうなりたいな、じゃあどういうステップ踏んだらこうなれるんだろう」って考えて行動できる人はカナダにすごく向いてると思います。
前向きに、時には大きな方向転換も決断しながらベストなポジションに就いたSaayaさん。「楽しい。好きだからもうちょっといたい」と思える会社で働けるなんて、とても羨ましいです。
CO-OP期間に入ってからも苦しい日々が続いたら気が滅入ってしまいそうですが、私がそうなった時にはこの記事を思い出して粘り強く頑張ろうと思います…!
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