映画にもなったカナダを代表するIT企業「BlackBerry」へ、エンジニアとしてCo-op入社が決まったMikaさん
カナダで最も成功した企業といえば、どこを思い浮かべますか?iPhoneやAndroidが台頭する以前にスマートフォン市場を席巻していた BlackBerry の名前を挙げる方も多いのではないでしょうか。その後、iPhoneやAndroidの登場によって市場から姿を消していく過程を描いた映画『BlackBerry』は、単なる成功物語ではなく、北米市場の過酷さを描いた非常に興味深い作品でした。
現在のBlackBerryはソフトウェア事業を中心に活動していますが、それでも「世界を制した企業」の一つとして、大企業としての強さを今なお誇っています。
今回は、そんなBlackBerryにCo-opとしての入社が決まった Mikaさん にインタビューしました。IBM、ヤプリ、そしてカナダを経てBlackBerryに至るまでの道のりを詳しく伺ってみましょう。
Senna:はい、というわけで、今日はインタビューよろしくお願いします。
Mika:そうですね、少しでもお役に立てれば幸いです。
Senna:では、改めてMikaさんの過去のプロフィールについてお伺いしたいのですが、最初に弊社にご連絡いただいたのは、2022年の3月でしたね。
Mika:はい、そうですね。
Senna:こちらに渡航されてからまだ1年くらいだと思いますが。LinkedInを拝見すると、最初のキャリアはIBMからスタートされていますが、日本でのキャリアについて改めて教えていただけますか?
Mika:はい。大学卒業後、IBMにITコンサルタントとして入社しました。大学での専攻はITとは全く関係なかったので、いきなりITの世界に入ってしまった感じでしたね。IBMには様々な部署があり、私は戦略コンサルに近いビジネス寄りのコンサルタントを目指していたのですが、配属の関係でITコンサルタントになりました。
Senna:なるほど。
Mika:その後、IBMで4年ほど過ごしましたが、2年経った頃にITコンサルタントの仕事内容が、比較的上流の要件定義が多かったため、IT系の知識がない私は、何をして良いかよく見えないままマネジメントしているという状態でした。それを解消する手段としてエンジニアに興味を持ち、IBMでエンジニアに転身し、iOSの開発を始めました。
Senna:特殊な流れですね。ちなみに、大学の専攻は何だったんですか?
Mika:国際経済でした。全く畑違いの分野からのシフトです。
Senna:そうなんですね。ITコンサルに入社した理由は何だったんですか?
Mika:当時は戦略コンサルタントに行きたいという思いが強くありました。コンサルタント会社しか見ていなかったんです。大学では政府や地域が行う政策について議論していたので、そういったフェーズに関わりたかったというのが、戦略コンサルタントを目指した理由だったと思います。
Senna:なるほど。しかも、最初のキャリアがIBMとは、すごいですね。ITコンサルと言えば、上流の業務、花形中の花形というイメージがあります。理系でもないところからのスタートで、苦労されたことも多かったのではないでしょうか?
Mika:そうですね。正直「こんなはずじゃなかった」と思いながら1年目は過ごしていました。でも、仕事自体は面白くて、モバイルアプリのローカライズ対応の大きなプロジェクトに関われたことがモチベーションになっていました。海外の方と一緒に仕事ができるプロジェクトで、スペインにも出張に行ったりしました。
Senna:国際的な部分にも興味があったんですね。経済学を専攻されていたこともありますし。
Mika:そうですね。高校生の時に英語の先生になりたいと思っていましたが、「英語で稼ぐのではなく、英語を武器に稼げ」という親の言葉で、国際経済を選びました。当時は納得できませんでしたが、結果的には両親の言っていたことは正しかったと思っています。
Senna:なるほど。海外に来る人は英語を習得したら、それで全てうまくいくと思っている人が多い中で、ご両親の「英語をベースにして次の専門的な知識を得なさい」という言葉は素晴らしいですね。
Mika:そうですね。どういうわけか当時は納得できていませんでしたが、今思えば確かにその通りだと思います。
Senna:FrogだとKeiさんのように、英語だけを勉強するためにこちらに来た人が、「英語だけでは食べていけない」と気づき、エンジニアを勉強し始める人もいます。それを親御さんが指摘するというのは、どういうグローバル家庭なんだろうと思います。
Mika:親自身は英語ができたわけではありませんが、仕事で英語で苦労していたらしく、経営に近い視点を持っていたのかもしれません。
エンジニアへの転身とiOS開発
Senna:ITコンサルとして苦労された中で、英語や国際交流にも興味を持っていたということですが、ソフトウェアエンジニアとして、具体的にはIBMでiOSデベロッパーをされていたのですよね?
Mika:正確には、iOSデベロッパーの仕事をする前に、サーバーサイドの仕事やWebのフロントエンドの仕事も少し経験しました。その後、iOSに集中することになりました。
Senna:なるほど。エンジニアとしてのキャリアは、バックエンド、Webフロントエンド、そしてiOSデベロッパーという流れですね。
Mika:そうですね。Webのフロントエンドは少しだけでしたが、サーバーサイドの方が長かったです。
Senna:その後、2ヶ月だけアプリアーキテクトの経験がありますが、これは副業ですか?
Mika:はい、副業で並行して行っていました。
Senna:なるほど。その後、ヤプリに転職されていますが、ヤプリは有名ですよね。
Mika:そうですね。有名な俳優さんを起用したCMもしていました。
Senna:ヤプリに入社されたのはIBMの後ですか?
Mika:はい、そうです。
Senna:IBMでは、iOSデベロッパーというポジションではなかったため、様々な業務を経験したとのことですが、ヤプリではiOSデベロッパーとして入社されたのですね。
Mika:そうですね。ヤプリではiOSデベロッパーの業務以外はしていません。
Senna:少し話が戻りますが、IBMの時代からiOS開発に興味があったわけではなかったんですよね?
Mika:はい。興味を持ち始めたのはIBM入社2年目くらいからです。最初のプロジェクトがモバイルアプリのローカライズ対応だったことがきっかけです。テストをする中で、iOSとAndroidを触る機会が多く、元々iOSユーザーだったこともあり、開発するならiOSをやってみたいと思いました。
Senna:なるほど。ITコンサルの時代からローカライズということで、エミュレーターなどを使ってテストをされていたのですね?
Mika:エミュレーターは使いませんでしたが、実機を使ってテストをしていました。
Senna:開発現場との関わりも入社後すぐにあったのですね。
Mika:そうですね。ベンダーさんと一緒に開発を進めるプロジェクトだったので、ベンダー側のリーダーの方とコミュニケーションを取る機会がありました。IBMという立場上、私がリードしないといけない状況でしたが、当時はまだわからないことが多くて苦労しました。
Senna:大変でしたね。IBMは外資系企業ですが、新卒の教育体制はどうでしたか?
Mika:IBMは比較的日系企業に近いと思います。研修は6ヶ月ほどあり、お客様との接し方、ロジカルシンキングの基礎、ERPに関する部署だったためSAPの資格を取るための研修などがありました。
Senna:手厚いですね。文系卒でも研修を受けられたのですね。
Mika:そうですね。コンサルタント職であっても、IT系のプログラミング研修も必須でした。当時は、なぜコンサルタントなのにプログラミングをしなければいけないのかと思っていましたが、今では役立っていると思います。
ヤプリでの経験とカナダへの決意
Senna:IBMからヤプリへの転職は、どのような経緯だったのですか?
Mika:LinkedInで採用担当の方からご連絡いただきました。当時はヤプリのことをあまり知らなかったのですが、ノーコードのモバイルプラットフォームを開発している会社だと知り、面白いと思いました。
Senna:アプリ開発会社ではなく、プラットフォーマーというイメージなのですね。
Mika:はい。SaaS企業ですね。特定の企業のアプリを開発するのではなく、アプリのレイアウトや色などをカスタマイズできるプラットフォームを開発しています。
Senna:今ではローコード、ノーコードは一般的ですが、ヤプリは先駆者ですよね。
Mika:そうですね。日本でモバイルアプリのプラットフォームとしては大きい方だと思います。
Senna:ヤプリで働けたことは、Mikaさんにとって大きな経験になったのではないでしょうか?
Mika:本当にそうですね。様々なクライアントのニーズを考慮して機能を実装するかどうかを考えたり、将来の拡張性を考えながら開発をしたりしました。また、ヤプリにはシニアなエンジニアが多く、iOSの分野で有名な方もいらっしゃったり、カンファレンスへの登壇なども応援していただいて、エンジニアとしての階段を一段登ることができました。非常に感謝しています。
Senna:尊敬できるエンジニアの方もいて、環境も素晴らしい中で、オファーを受けられたということですね。ヤプリからのオファーもLinkedIn経由だったのですか?
Mika:はい、そうです。当時LinkedIn経由で面接に繋がることが多かったです。
Senna:なるほど。ありがとうございます。
カナダへの準備
Senna:ヤプリでは、iOSデベロッパーとして2年ほど勤務されたのですね。カナダに行こうと思ったのはどのタイミングだったのですか?
Mika:2年前、Frogさんに相談を持ちかけた頃です。もともと海外で働きたいという気持ちはありましたが、コロナ禍でモチベーションが下がっていました。しかし、コロナが落ち着き始めた頃に、また海外で働きたいという思いが湧いてきました。
Senna:Frogにご連絡いただいたのは2022年の3月で、IBMを辞められたのもその頃ですね。
Mika:そうですね。その頃に海外に行こうか悩んでいましたが、iOSデベロッパーとしての経験をもう少し積みたいと思い、ヤプリに転職しました。
Senna:なるほど。一度弊社にご連絡いただいたものの、経験を積んでから再び海外を目指すという方は実は非常に稀なんです。一度海外へ行く気持ちを抑えて、そのモチベーションを持ち続けることが出来る人というのは殆どいないので。Mikaさんはその点、海外へのモチベーションを高く保っていたのですね。
Mika:そうですね。1年では短いと思ったこと、ちょうどアプリ開発も楽しくなってきた頃だったので、もう少し経験を積みたいとも思っていました。
Senna:その後、カナダに来るまでの間、弊社と何度も相談を重ねられたと思います。どのようなフローで意思決定をされていったのか、覚えていますか?
Mika:最初に相談した時は、どうすればカナダで働けるのかわからず、漠然とした状態でした。説明会に参加した後、IBMを退職したばかりで、エンジニアとしての経験がまだ少ないと感じました。そのため、海外に行くことに興味はありつつも、まずはエンジニアとしてのキャリアを優先させたいと思いました。経験を積んだ方が、海外でも有利だろうと考えて、2年間経験を積みました。
Senna:なるほど。以前、IBMとヤプリでの経験をどのように書いたら良いか、Frogに相談頂いたことを僕も覚えています。経験豊富なのに、なぜそんなに不安を感じていたのかと思いました。
カレッジという選択肢
Senna:様々な選択肢がある中で、カレッジを選ばれた理由は何ですか?
Mika:一番の目的は就職でしたが、そのためには時間が必要だと思い、学校に通うという手段を選びました。
Senna:弊社に相談する方には、日本で2、3年の経験を積んでからワーホリで来る方が多いのですが、なぜ時間をかける必要があると感じたのですか?
Mika:私自身慎重な性格のためというのもありますが、1年で本当に大丈夫なのか、もしダメだったらどうしようという不安がありました。学校に通えば、ビザ的に就職にも有利になるかもしれないし、ワーホリも使えるし、バックアッププランを取れると思い選びました。
Senna:なるほど。時期的に見ても、リセッションの時期と重なっていたので、カレッジも含めた期間があったことは正解だったかもしれませんね。振り返ってみて、実はワーホリの1年で十分だった可能性はどのくらいありますか?
Mika:ワーホリでも可能だったとは思いますが、学校に通ったり、ボランティアをしたりすることで、英語で仕事をする経験を積めたことは良かったです。
Senna:なるほど。経験者が1年も学校へ行くと聞くと、長いと感じる方もいると思いますが。
Mika:そうですね。実際少し長かったようにも思います。私は渡航後すぐに就活を始めましたが、半年ほど経ってから書類選考が通るようになりました。面接まで進んでも、学生のため週20時間しか働けないという理由で断られることが多かったので、もう少し早く卒業できる学校でも良かったかもしれません。
ボランティアと英語
Senna:カナダでは在学中にボランティアもされていたんですね?
Mika:はい、NPOでiOSの開発をしていました。開発するものはあまりありませんでしたが、ミーティングで英語を話す機会があり、仕事で英語を使う経験を積むことができました。
Senna:素晴らしいですね。ボランティアはどうやって見つけたんですか?
Mika:LinkedInで見つけて応募しました。
Senna:ボランティアやイベント参加は、渡航された時から意識的に行動されていたのですか?
Mika:はい。週に1回はイベントに参加していました。就職に繋げたいという思いと、リファラルをもらいたいという思いがありましたね。
Senna:やはり皆さんリファラルを期待はしますよね。実際どうでしたか?
Mika:そうですね。最初は英語で技術的なことを話すことに慣れたかったので、イベント参加自体に意義はありましたが、リファラルはモバイル開発に関わっている人がそもそも少なすぎたので、難しいと思いました。開発者は多いですが、ほとんどWebで。。
Senna:なるほど。英語で技術的なことを話すことに慣れるまでには、どのくらい時間がかかりましたか?
Mika:ボランティアを始めてから慣れてきたので、2024年の2月くらいから夏くらいまでにかけて慣れていきましたね。いまだ緊張しますが。
Senna:渡航されたのはいつでしたっけ?
Mika:2023年の11月です。
Senna:11月に渡航されて、2月くらいからボランティアを始められたのですね。4月くらいまでイベントに参加し、英語で話すことに慣れていったと。
Mika:そうですね。2月くらいからボランティアも2つ同時並行で始めて、3月からは日本のフリーランスの仕事も始まったので、とても忙しい時期でした。
Senna:日本の仕事もこなしながら、ボランティアも2つもこなすのは大変ですね。
Mika:そうですね。少しきつかったので、ボランティアは途中で辞めてしまいました。
Senna:それも仕方ないですね。ボランティアの経験は、エンジニアとしても意味がありましたか?
Mika:はい。英語で技術的なことを話すことに慣れたことに加え、結果的にはボランティア仲間からリファラルをもらうこともできました。
Senna:それは素晴らしい経験ですね。リファラル採用は日本ではまだ一般的ではないので、良い経験になったと思います。
Mika:はい、良かったです。
Senna:2023年11月に渡航して、2024年1月からカレッジで学ばれたのですね。話が前後しますが、英語のスコアは高かったんですか?
Mika:TOEICは900点まで上げてから来ましたが、話すことはあまり慣れていませんでした。
Senna:TOEIC900点とはすごいですね。英語は昔から勉強されていたのですか?
Mika:そうですね。読み書き、聞くことは比較的勉強していましたが、話すことは苦手でした。
Senna:勉強方法は、試験対策がメインだったのですか?
Mika:そうですね。YouTubeを見たり、海外ドラマを見たりもしていましたが、大学で海外の学生とディスカッションする機会があったので、そこで鍛えられました。
Senna:英語に触れる機会は結構あったのですね。
Mika:そうですね。比較的。
Senna:英語に対してアンテナを張っている時に、親御さんから「英語だけでは」という話になったのですね。
Mika:そうですね。もともと英語学科に行こうと思っていました。翻訳者になりたいと思っていた時期もあり、英語以外の勉強をしていなかった時期もありました。
Senna:なるほど。面白いですね。
就職活動とBlackBerryへの挑戦
Senna:話を戻しますが、ボランティアでの経験も活かし、英語で技術的なことを話すことに慣れてきた頃、就職活動はどのように進めていましたか?
Mika:カナダに来る前に、英語のレジュメをしっかり準備し、レビューもしてもらいました。最初の方は書類選考があまり通らなかったので、レジュメを修正したり、レビューを重ねていたら、4月を過ぎた頃から少しずつ通るようになりました。
Senna:弊社に連絡いただいている方々も、4月、5月、6月、7月あたりにたくさん就職が決まっていました。時期的には重なりますね。
Mika:そうなんですね。
Senna:Mikaさんにとっても良いタイミングでしたね。英語もボランティアで話していた時期でしたし。レジュメの添削は、Frogのメンバーにお願いしましたか?
Mika:メンターのKazさんにもお願いしましたが、アメリカで働いている知り合いの方にもレビューしてもらいました。
Senna:おぉ、元メルカリのKazさんですよね。彼はたくさんの方のメンターをされていて、よくお名前を聞く機会があります。もう一方のアメリカのメンターの方はどうやって見つけられたのですか?
Mika:4、5年前から入っているエンジニアのコミュニティで知り合った方で、iOSエンジニアではありませんが、海外での働き方を知っている方でした。
Senna:なるほど。就職活動自体は、オーソドックスな就職活動をされていたのですね。LinkedInで求人を見つけて応募するのがメインでしたか?
Mika:そうですね。
Senna:実際に、レジュメが通り始めた時期には、どのくらい応募して、どのくらい返事が来たか覚えていますか?
Mika:20通送って1通くらいでした。全部で120通くらい送りましたが、調子が悪い時は30通送って1通くらいでしたね。
Senna:なるほど。その中で、まさかBlackBerryに決まるというのは驚きです。どういう経緯でBlackBerryに決まったのですか?
Mika:LinkedInを検索していた時に、たまたまBlackBerryのCo-opの募集を見つけました。
Senna:Co-opの募集があったのですか?珍しいですね。
Mika:そうなんです。Co-opの学生じゃないとインターンシップに参加できないはずです。
Senna:すごいですね。
Mika:はい。書類選考がありましたが、面接は1回だけでした。学生向けだったからかなと思っています。
Senna:LinkedInで、BlackBerryがCo-op向けのジョブフェアをしていたのですか?
Mika:正確にはLinkedInにポストがあり、そこからホームページに申し込んだという流れでした。
Senna:なるほど。Co-opの募集要件は、Co-opであること以外に何かありましたか?
Mika:特にありませんでした。4ヶ月の期間制限はありましたが、募集ポジションはiOSソフトウェアデベロッパースチューデントというものでした。
Senna:へえ、初めて聞きました。4ヶ月間何をするのか、説明はありましたか?
Mika:それが全くなくて、いつ働き始めるのかすらまだ伝えられていない状況です。
Senna:なるほど。意外とふわっとしているのですね。一次選考は書類選考で、その後インタビューがあったのですよね。
Mika:はい。インタビューは人事の方相手ではなく、エンジニアだけで1時間ありました。ライブコーディングもあり、技術選考がメインだった印象です。
Senna:Behavior Checkはなかったのですか?
Mika:Behavior Checkみたいなものはありましたが、やはり技術的な内容が多かったです。
Senna:Co-op後の話は何かありましたか?
Mika:特に何も言われていません。Redditの投稿で、BlackBerryのインターン後に1年延長してもらったという人はいるので、期待はしていますが、公式には言われていません。
Senna:なるほど。大学の学生が多い中で、Co-opのインターンシップに参加し、成果を出してカウンターオファーをもらうというパターンが多いので、Mikaさんもそうなるように頑張って下さい。
Mika:そうですね。せっかく学生という立場を利用して得たポジションなので、それを有利に使いたいです。
Senna:一応確認ですが、有給ですよね?
Mika:はい、有給です。
Senna:BlackBerryの本社はどこですか?
Mika:ウォータールーですね。
Senna:ウォータールー大学が有名すぎて、大学名なのか都市名なのかわからなくなることがあります(笑)リロケーションは必須だというのは知っていたんですか?
Mika:はい。受かってから考えようと思っていました。私はバンクーバーが好きなので、バンクーバーで採用されたら良いなと思っていましたが、仕事がもらえるならどこでも行くべきだとも思っていました。
Senna:ウォータールーへのリロケーション費用も、もちろん出してくれるんですよね?
Mika:そうですね。太っ腹だなと思いました。
Senna:もし正規雇用につながらなかったとしても、勉強しに行くための片道切符だと思えば、素晴らしい経験になりますね。
Mika:本当にそう思います。
Senna:BlackBerryといえば、モバイルのシェアが大きかった時代から、今はソフトウェアカンパニーになっていますよね。BlackBerryからのオファーがあった時は、何か思いましたか?
Mika:正直、業界を選べる余裕はなかったので、とりあえず雇ってくれてありがとうございますという気持ちでしたが、初の内定ということでとても嬉しかったです。
Senna:そうですよね。振り返ってみると、本当に美しいパターンですね。苦労しながらも、ボランティアで英語に慣れ、技術的なキャッチアップもして、日本からの案件で費用を捻出しながら、BlackBerryのCo-opインターンをもらうなんて。ご自身の行動が今につながっていると感じることはありますか?
Mika:メンタル的に忍耐力がある方だとは思っていますが、本当に必要なのは忍耐だと改めて思います。結果的に1年近く就職活動をしていましたが、諦めずに継続できたのは本当に良かったです。
今後の渡航者へのアドバイス
Senna:最後に、これから渡航する人たちにアドバイスがあればお願いします。
Mika:お金がないとストレスになるので、日本から仕事を持ってくることは大切だと思います。
Senna:そうですね。生活が逼迫していたら、精神的に良くないですからね。
Mika:あと、アメリカも視野に入れて就職活動をしても良かったと思います。折角西海岸にいるので、カナダだけに固執する必要もないのかなと。
Senna:なるほど。それは良いアドバイスですね。Mikaさんの場合、2023年11月に来て、2024年10月末にBlackBerryが決まったので、ほぼ1年かかったと思います。1年の就活期間。忍耐が必要だとおっしゃっていましたが、これから来る人にアドバイスするとしたら、どういうことを伝えますか?
Mika:日本での就職活動の何倍も時間がかかることは念頭において頂きたいですね。レジュメにしろ、ネットワーキングにしろ、英語にしろ、私達はゼロからのスタートなので。
Senna:なるほど。
Mika:日本の就職市場は売り手市場ですが、海外はそうではないですしね。母国語を話せないというハンデもありますし、現地の職場環境も分からないので、とにかく時間が必要だと思いました。
Senna:日本から就職活動をすることについてはどう思いますか?
Mika:個人的には、難しいと思います。日本にいると周りが英語環境ではないので、モチベーションが維持しづらいですし、日本に生活基盤がある状態だとそうでない状態だと本気度が違ってくると思います。また、現地で会った人からリファラルをもらえる可能性も高いので、現地にいた方が有利だとは思いますね。
Senna:間違いないですね。実際、日本から就活をする人の殆どはうまくいきませんからね。
Mika:そうですよね。
Senna:現実を知っておくことは大切ですね。最後に何か言い足りないことはありますか?
Mika:私の反省の一つですが、バンクーバーにこだわりすぎていたなと思いました。永住権のことは頭にありましたが、一番の目的は就職だったので、そこを考えると、バンクーバーに固執する理由はないことに気づきました。バンクーバーに限定せずに広い視野で仕事を探していたら、もう少し選択肢が増えていたのではと思います。
Senna:なるほど。アメリカも含めて、広い視野を持つことが大切ですね。
Mika:はい。あと、私は学校に行って本当に良かったと思っていて、英語に慣れるだけでなく、親しい友人もでき、メンタル的な支えになりました。初めてこれだけ長期で海外で何かしらに挑戦する中で、人間関係を充実させることができた学校の環境には私は感謝しています。常に英語で会話する環境も得て、英語力も相当伸びたと思いますしね。
Senna:それは素晴らしいですね。経験者の方から、学校に行って良かったというコメントは割と少ない方なので。
Mika:そうなんですね。私は良かったと思っています。
Senna:今日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
Mika:こちらこそ、ありがとうございました。
いかがでしたでしょうか?IBM、ヤプリと、素晴らしい職場環境を渡り歩き、実際にかの有名なBlackBerryに決まるという、素晴らしい成功体験を聞かせて頂くことが出来ました。
MikaさんはFrogのイベントにもよく顔を出して頂いていたのですが、お話を聞いていく中で、周りの環境や状況を上手く自分の味方につける、そのために様々な努力をしている方だなという印象を受けました。
英語にしてもボランティアにしても、外国人である私達は一般的には自分たちの力で機会を作るしかありません。その時、きちんと自分が身をおいている環境を最大限活用する姿勢みたいなものは、私を含め多くの人が見習うべきポイントだなと思いました!
今後はバンクーバーを離れウォータールーで活躍されるMikaさん、今後のご活躍も非常に楽しみですね!
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