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Langara Collegeの新プログラムを賢くサバイブしたMichikaさん

今回はLangara Collegeに通うMichikaさんにお話を伺いました。卒業前ではありますが必修の授業を全て受け終わり、就職活動に向けて着々と動かれています。

家でも学校でもほぼ日本語を話す機会のないMichikaさん。インタビュー終了後に「日本人に飢えてるんです!」と言われたのにも激しく納得するくらい、ノンストップでたくさんのことを語ってくださいました。きっと数週間分の日本語を大放出してくれたのでしょう(笑)。ロングインタビューですが、随所にアドバイスや励ましが散りばめられているのでぜひ最後まで読んでいただきたいです!

 

経歴

ーー バンクーバーにはいつ頃来たのでしょうか?

2016年12月で、学校が始まったのが2017年1月です。到着から学校始まるまでは二週間ほどでした。

ーー ということはESLには通わなかったんですね

そうですね、IELTSの点数をクリアしていたので。LangaraにもESLはあって、IELTSのスコアが足りない人はそこで一定の成績を取ることで専門コースに入れます。あと、うちのコースの特徴としてはBachelor(大学での学士号)を持っていなければいけない。学部はなんでも良いんですけど。

ーー 大学では何を専攻していたんですか?

教育と心理学です。勉強した内容は心理学がメインだったけど、小学校の教員免許を取らないと卒業できない大学だったので教育もやりました。うちの大学の心理学コースは厳しくて有名だと思います。もう徹夜ばっかり(笑)。認知実験が多くて、ずっと大学に住んでたみたいな感じです。その時に統計や認知実験のプログラムを作ったのが、プログラミングに興味を持ったきっかけです。最初はカウンセラーになるつもりだったんですけど、実験の方が楽しくなっちゃったかな。人間の心って難しい、プログラム組んでる方がいいなと(笑)。

ーー 大学卒業後はどんな仕事を?

まずは大学院に行って途中で辞めてます。大学院に入る前に震災があって、地元の宮城が打撃を受けてうちも震災認定されて。それをきっかけにカナダ大使館の復興プロジェクトに参加して一回カナダに来てるんです。そこから大学院よりもカナダに戻りたい、カナダで働くためにはどうしたらいいんだろうと思って見つけたのが留学してデベロッパーになることでした。大学院を辞めて、お金を貯めようと外資系のIT企業に入って、外国為替のバンキングシステムを作っていました。そこでプログラマーデビューというんでしょうか、Cobolでコードを書いていました。バックエンドだったりUnixだったり裏側のこともやっていました。

仕事や投資でお金を貯めつつ、IELTSを勉強しつつ、留学までに3-4年かかってますね。

ーー 「カナダに戻りたい」と思ったのはどうしてだったんでしょうか

2ヶ月ホームステイしたんですね。英語も全然話せない状態だったんですけど、いろんなものがすっごくゆるくて良いなと思ったんです。ホームステイ先のお父さんは3時に帰ってくる、お母さんも育休中でのんびりしてて。語学学校の先生もゆるいわけですよ、「パーティーしようぜ!」って言われて「え、授業は?」ってなる(笑)。物事が予定通りに進まないこともあるけど、それは自分が失敗してもOKってことだったり。それでこっちの方が良いかなぁと思いました。

ーー 留学先にLangaraを選んだのはなぜ?

私の場合は長くカナダにいたい、3年間のポスグラ(Post Graduationビザ)が欲しいというので公立校を狙ってたんですよね。それで最初はUBCを考えてたんですけど、Sennaさんから「実践的な勉強やった方が良いよ」とアドバイスをもらったのでBCITとLanagaraが候補になりました。で、その時点で申し込めたのがLangaraだったんです。なのであんまり深くは考えてなかったですね。

 

英語について

ーー ESLを受けずにコースが始まって、英語に関しては大丈夫でしたか?

私は大丈夫でした。6.5(入学に必要なスコア)以上あれば大丈夫だと思います。

IELTSは取れる時に取った方が良いですね。ESL受けるのもアリだと思うけど、お金と時間を節約するためには日本で頑張った方が良いと思います。

ただ、生活も含めていろんなものに慣れていない状態で始まるのは大変…というのはあるのでESLにも少しは行っておいた方が幸せかもしれない。アサインメントの形式・提出方法も違いますし、それがいきなりWebで、PhotoshopやIllustratorもやって…となると難しい。時間割もコースが始まる前々日に変わったりとかして、日本と違うフレキシブルさにも慣れていないのでメンタルがやられます(笑)。

私はツールに慣れるのが特に大変だったので、時間があればPhotoshopだったりIllustrator、HTML/CSSを英語で勉強してくるのが良いかもしれないですね。Courseraだとかオンラインコースで、音声で学ぶことに慣れておくと良いかもしれない。

専門学校について

ーー 学校のカリキュラムについて教えてください

最初の1学期は全員一緒、3ヶ月ちょっとですね。そのあとにデベロッパーコースとデザイナーコースに分かれるようになってます。

私が通っているのはPost-Degree Diplomaコースで、大学に編入するためのTransferableコースもあります。

カリキュラムはWebに載ってるんですけど、説明通りじゃないこともあります。「そういうことを学ぶけどがっつり学ぶわけじゃないよ」っていうことは知っておいた方が良いかもしれません。先生によっても変わってくるので。このコースとしてはフロントエンドがメインで、バックエンドもデザインもちょっとずつできるようになるというのが目標なのかなと思っています。

ーー 学校のスケジュールはどんな感じでしょうか。期間はどれくらい?

私もクラスメイトも勘違いしてたことなんですけど、2年コースと言っているのに1年4ヶ月で卒業できるんです。Langaraは4ヶ月ごとに新しいタームが始まるので、合わせて4タームということになります。ただ、かなり忙しくなるのでメンタル次第です(笑)。体力と精神力と、友人とどれだけ協力できるかにも寄ります。

クラスメイトとの食事にて(Michikaさん: 右から2人目)

経験があることでなんとかなる部分もあるけど、全部はうまくいかないと思います。なんでかというとデザインとデベロップメント両方が求められるから。どちらかに秀でている人はいるけど両方に秀でている人は見たことがないです。なのでできないところを補い合いながらアサインメントをこなす感じでした。

1タームあたり7-8科目です。最低でも3時間×7科目で、週に20時間以上は学校に来なきゃいけない。この科目数はカナダの大学を見てもMaximumレベルです。しかもイントロ的なことをほとんどやらなくて、授業の進みは早いしプロジェクトも組むし、アサインメントもテストもあって。それができないと容赦なく落とされます。そうなると履修し直しになって1年4ヶ月では卒業できないです。

(ビザの規定では)週に20時間働けるんですけど、それだけ働くと完全に友人に頼ることになる人が多いです。なので、留学予算を週に20時間働くつもりで考えてくると人によってはすごく厳しくなります。ファイナンスについてコーディネーターの先生と話さなきゃいけないかもしれない。

ーー そうやって相談に乗ってくれる人がいるんですね

プロフェッショナルなら科目が免除されることもありますが交渉次第。どれだけ自分ができると示せるか。10年以上経験があって、お金の状況も示して「これじゃ授業料払えない」と交渉した人が後輩にいると聞きました。

ーー 2年をまるまる使って必修を取り終えるというのも可能?

それもできます。隣のクラスにいた日本人は最初7科目とっていましたが、無理だと判断して減らしてました。ただ、2年に科目を分散させるとフルタイムをキープできない期間が出るので、働く場合は必修ではない科目を加えてフルタイムをキープする必要があります(※週あたり20時間働けるのはフルタイム学生のみ)。

ーー みちかさんが1年4ヶ月で終えるペースにしたのには何か理由があるんでしょうか

私はそういうやり方で2年かけられると知らなかったんですよね。でも早めに取り終えた方が安心かなと今は思ってます。時間をかけるとクラスメイトが途中で変わっちゃうから、慣れ親しんだ人もいなくなっちゃう。関係構築をもう一回しなきゃいけなくなります。プロジェクトで何もしてくれないクラスメイトもいるので、チームメンバーを選ぶためにも(笑)。不真面目な人と組むと自分のタスク量が増える。でも同じ人と組めばやりやすいし、前のプロジェクトでやったことを次のプロジェクトで発展させることもできます。プロジェクト以外にもグループで何かすることがすごく多いので、Langaraはクラスメイトとの関係性が大事です。

公立校なので卒業後は3年のポスグラが出るんですよ。だから「PR(永住権)を取るために必要な就労経験を、ポスグラを使って得る」という目的で来てる人が多いです。そういう人はやる気のないことが多いので、チーム組むときは気をつけないと…。例えばインド人のクラスメイトは大学を出てすぐ来た子ばかりで、その子たちもPRが欲しい。PRを取りやすいコンストラクション(建設業)で既に働いてる人が多くて、卒業後もコンストラクションという人が多いです。デザインやデベロッパーとして働いた経験がある人も、コースの内容には全然興味がなくて、3年間のポスグラが欲しいのと、「卒業すると永住権のポイントになるから」という人が多くいます。

このコースにカナダ人はあんまりいないんですよ。新しいプログラムだから有名じゃないのかな。だんだん良くなってきて良い先生も揃ってきてるけど、先生の新米も揃うから自分自身でも勉強しないとというのはあります。

ーー「新しいプログラム」ということですがMichikaさんが入った時点で何年目だったんですか?

確か1年目で3期目です(Langaraの入学タイミングは年に3回)。

生徒が先生と授業を作り上げていってる感じがするかも。授業がwell organizeされてない(よく組み立てられていない)と思ったらコーディネーターの先生にいうのが基本です。先生はそれで良いと思って授業を進めているので、言わないと何も変わらないんですよね。だからといって先生の批判ではなく、どこが良くないかなど建設的に伝えます。

わからないならわからないと言うのも大事です、先生はわかってると思って進めちゃうから。全然わからない時って、基礎的な何かが飛ばされた時だったりする。そこで「わからない」と伝えることで先生は理解度に応じて進めてくれます。

オフィスアワーに通いつめて聞くのも良いです。先生はそういうのも見てて、テストで点数が取れなくても「努力はしてるけど理解するのが遅い」とわかってくれる。そうすると不合格ラインをスレスレ下回っていても引っ張り上げてくれることがある。私も一回引っ張り上げてもらいました(笑)。

教室の様子

ーー 言語としてはどんなものをやったんですか?

HTMLとCSS、JavaScript、Java、WordPressやるのでPHP、Swift、Android、あとCloud Computingに力を入れてる気がします。AWS、GCP、Azureとか。Mobileがきついかもしれないですね。4ヶ月でSwiftとAndroidを同時進行でやったので、だんだんみんな混乱してきて。JavaのシンタックスをSwiftのプログラムに書いて「なんでエラー出るんだろう?」とか(笑)。詰め込まれたカリキュラムなのでこういうことが多々起きてました。JavaScriptをJavaで打ったりとか。みんな疲れてるから尚更ですね。タームの終わりは地獄を見るので徹夜は覚悟しといた方がいいと思います、ちゃんとやりたいなら!

カンニングすると呼び出されたり色々と大変になります。それでもカンニングする人は結構いて、先生もカンニングされないように色々やってたんですけど…。カンニングが多いからプロジェクト提出が多くなったはず。

ーー うちのクラスもありました。アルゴリズムの問題が出されて、問題自体を検索して出てきた答えをコピペした人が何人かいて。でも「こんな回答絶対ぱっと出てこないよね」っていう内容だったのと、ググって出てくるということは先生がググっても出てくる回答なわけで(笑)。それやった人は0点になってました

Langaraでもあります。一人が答えを見つけると仲間内で拡散して。結果、インストラクターにバレて「答えみんな同じだね。ていうか僕も検索能力ありますから」って(笑)。

ただ、そういうテストの点数はカンニングしてまで良くしなくても大丈夫かなっていうのはありますね。さっき言ったように引き上げてくれるから。ポイントは先生とよくコミュニケーションを取ることです。勉強してるアピールをして、「でも理解が遅い」とわかってもらう。教えてる方も7-8科目は無理があるって気付いてるから、言えばアサインメントを減らしてくれたり相談にも乗ってくれます。

アサインメントは復習する時間がないまま次々とくるから、生徒もだんだん混乱してくるんですよ。1ターム目はPhotoshopとIllustratorで大混乱でした(笑)。表現したいことはあってもツールの理解が大変で…でもそうしてるうちに先生は次のことを説明していくし。それがカナダにきて間もない頃にあって辛かったですね。デベロッパーには辛いターム。あとの期間はコードが書ければなんとかなったんですけど、裏を返せばデザイナー泣かせだったかもしれない。JavaScriptのサーバーサイドとか、Javaもやってました。

ーー クラスメイトには全くの未経験というよりも何かしらの経験がある人が多いですか?

インドからのクラスメイトは、大学のCS(Computer Science専攻)を出てすぐ来てる子が100%です。なのでhttpsがどう繋がってるかとか仕組みは頭に入ってるから、理解は早かったみたい。全くのビギナーでもデザインが好きだったりブログ持ってたりしましたね。本当に何も知らなかった人は科目数を減らしたり、私が教えてあげたりも。先生に「わからない」ってちゃんと伝えたりオフィスアワーに行ったりすれば初心者でも大丈夫だとは思います。「次のアサインメントが今やってるやつの応用」ということもあるので、抜けがないようにはした方が良いですね。

学校に通っていて身につくことは多いけど、クラスメイトがよく言うのは「生活がない」と。学校とバイトと家の往復で、「観光ってなんですか?」って(笑)。ワーキングホリデーで来ている子と知り合って「こういう良い場所があるんだけど」「え、どこですか?私100m圏内に住んでるんだけど」ってなったり。まぁ楽しむのは後々ということで…。

タームごとの休みもあるんですけど2-3週間だけなので、最初の一週間はみなさん寝て過ごすかも。タームの終わりに向かって徹夜が続いて、燃え尽きみたいになる。で、やっと疲れが取れたと思ったら次のタームがやってくる。休みの間にポートフォリオとかやろうと思ってたんですけど、私は疲れ切って何もできなかったです(笑)。

ポートフォリオのことは学校で教えてくれないので、FrogのイベントだったりMeetup行ったりして自分でブラッシュアップした方が良いですね。そういった場に出ることは、プロジェクトのアイディアを考えるのにも役立ちます。私はTech系のMeetupばっかり行ったら頭が同じようなことばっかり考え出して、クリエイティブなことが何も出て来なくなってしまったので、Techとは関係ない場に行くのも良いと思います。Meetupじゃなくてもスポーツするとか。

ーー 例えばどんなところですか?

私は犬を連れて来てるので、犬のスクールに行っています。

愛犬とアジリティー競技会に出場

そこで知り合った人も、今取っている必修ではない授業で出会った人も考え方が全然違う。「マーケティングの人でもHTML/CSSができる人がいるから、そこに差をつけるためにはどうしたら良いんだろう」っていうような視点も得られました。アイディアをぽろっと得られるのは純粋な趣味の場かなと思います。…と言っても私がMeetupに行けるようになったのは4ターム目からです。やっぱりアサインメントに追われると余裕がなくなるので、行った方が良いけど無理はせず、着実に一つずつ。色々新しいことやるとできないことも多くて落ち込むこともあると思うけど、「一個できたらOK!」みたいな感じで。できないことばっかり増えると何に対しても自信が持てなって良くないです。出来ないなりにも「これができたから良いじゃない」って認めていく。そういう風にメンタル面が鍛えられるのはLangaraかもしれないですね(笑)。

ーー 必修を終えて5ターム目の今、どんな授業を受けているのでしょうか

6ターム目で4ヶ月間のインターンシップをする予定なので、その準備の授業です。レジュメの作り方、インタビューの受け方、求人の探し方とか。理想としては「4ターム目が終わるまでにその授業も取り終えて、5ターム目でインターンシップ」というのが良いんですけど、私は疲れ切ったので諦めました(笑)。

できる人はそういうやり方をしても良いですし、でも初心者や経験が少ない人だと追いつくので精一杯だと思うのでそこは自分に厳しくしすぎずにやるのが良いと思います。継続的に続けるのが大事なので。

あとは好きなものを見つけるのが良いかも。途中でデザイナーコース・デベロッパーコースを変えられるんですよ。デベロッパーコースには挫折する人が多くて、デザイナーコースに行った人が結構いましたね。

ーー Langaraの満足度はどうですか?

てんやわんやだったけど、85%くらいはLangaraで良かったと思ってます。クラスでぎゅっと密で、多国籍なのでコモンセンスがない状態。「自分の常識は他人の非常識」ってことを学びました。UnderstandはできないけどAcceptする、「ああ、そうやってやるんだ」と考えるのはカナダで暮らしていくうえで大切なことだと思います。

分からないことが出てきた時に生徒や先生に助けてもらいましたが、特に先生とのコミュニケーションが日本とは違うと思っていて。フラットに、同じ目線で見てくれました。

クラスメイトも同じで、どんな小さなことを聞いても誰にも何も言われない。小学生の時に「こんなのもわかんないの?」みたいなことを言う人がいたけど、そんなこともなくて。私自身、他の人の質問を聞いて「こんな視点があるんだ」と思ったし、自分の質問が他人の質問になることもありました。

プロジェクトの中では「やる気のない人・ある人がいて、ない人に対して私が押し付けることはできない。そういう人に対してどうコミュニケーションをとるか、どうモチベートするか」っていうのを文化が違う中で学べて良かったのかも。職場でも同じ状況はあると思うんです。

Langaraはビジネスの授業もあって。Langaraの最終目標はうちのコースから起業家を生み出すことだと思うんですよね。なのでプロジェクトマネジメントもやったし、ビジネスプランも考えたりして。どうマーケティングするか、プロダクトに欠点があったとしてもどうよく見せるかっていうのを学びました。日本にいた時は「自分で何かを生み出すんだ」と思ったことがなかったけど、授業がきっかけになって日常生活でもアイディアを探そうとしたりとか。簡単に起業できると聞いて、クラスメイトも興味を持ったんじゃないかな。

公立校ということもあってサポートが充実しているのも良いですね。何かあったら些細なことでもコーディネーターに相談できます。カウンセリングもタダで受けられるので、あまりにも病んで使ってる人がいる。お医者さんもいて、予約すれば普通の病院よりも早く受診できます。

就職率も悪くはないんじゃないかなって思ってます。私みたいにインターンシップを取らない同級生は4月中旬から就活を始めていて、就職できた子が多いみたいです。developerコースにいた未経験の子は大体juniorのフロントエンドポジションのようなんですが、個人プロジェクトをやってる子はいなかったはず。GitHubに置いていたassignmentのみで受かったんだと思います。Langaraの課題は意外と役に立つってことですね(笑)。Langaraのカリキュラムがフロントエンド寄りなので、バックエンドで就職した人はいないかもしれません。

ただ、今留学を考えている人へのアドバイスだと、もし技術的な面を求人のRequirementに合うようにするならブートキャンプがオススメです。短期でガガガッとスキルセットを上げられる。母国での就労経験がある人だと、コースの途中でPRを取れてしまう人が結構います。それでLangaraをやめてブートキャンプに乗り換えた人もいて。

カナダで暮らしたい、ビザが欲しい、時間をかけたい、っていう人にはLangaraの方が良いかも知れませんが、Langaraは卒業まで時間もお金もかかるし、先生もあまり良くなかったりとか…。

ーー 学校に行きながら、三好さん(バンクーバーでシニアエンジニアをしているSennaさん知人)の講座も受けたと聞いています

三好さんの講座はFrogのイベント告知で知って。バックエンドに興味はあったけど、いまいちWebの流れがわからなかったんですよね。プログラムがどう動いてるかとか…。そこを体系立てて教えてくれました。Langaraでバラバラに学んだことが繋がったというイメージですね。どうDBを構築するか、どうデータを守るか、そういうバラバラの知識をまとめて腑に落ちるところに持ってきてくれたのが三好さんでした。それまで1ファイルに全部書いてDBにもアクセスしてたけど、MVCモデルっていうものがあって、それを使って論理立てたコードを書いた方が長期的には良いということがわかりました。ただ三好さん曰く、お客さんの予算がなくて短期で仕上げなければいけないものはそこまでシステムのデザインができない。そういう時に臨機応変に対応する方法、「こうした方が後々修正がしやすくて便利」ということも教わりました。

三好さんはPHPで教えてくれるんですけど、PHPをマスターすることが目的ではないので「シンタックスではなくどう組んでるかを見て」と言われました。そうやって教えてもらった概念を取り込んで、私はJavaやJavaScriptを書いてます。

受けていた時期は11月から2月ごろまでです。週末に12時くらいから始めて、長い時は18時くらいまで。時間は人によっても違ってくるみたいです。三好さんは週2ペースが良いとおっしゃってたんですけど、そうすると学校の課題が終わらないので大体週一のペースでした。

三好さんは「バンクーバーで働く後輩を輩出したい!」っていう情熱のある、とても良い方です。

方向性の決定

ーー Michikaさんはどういった職種を目指しているんですか?

私はJavaScriptのフルスタックがいいなと思ってて。本当はJavaをやりたかったけどLangaraではあまりJavaをする機会がなくてっていうのと、Javaで作るとどうしても時間かかっちゃうのでプロジェクトでもJavaScriptを使ってたんです。結局フロントからバックまで私が色々やってたということもあり(笑)、JavaScriptでフルでやれる仕事を探してます。

JavaScriptは需要もあります。セキュリティはちゃんと考えた方が良いけど、速いからスタートアップでもよく使われる。スタートアップは予算を得るためにまず何か作らなきゃいけなくて、そこから修正していくことが多い。だからJavaみたいに型を定義してる暇がないみたいです。

ーー 学校を出ていきなりフルスタックってなれるものなのでしょうか。経験のある人がやるイメージです

JavaScriptは速いから、Node.jsとかからフロントのアニメーションまでできる人を求めてるところが多い気がします。Pythonも来てるはず。Amazonみたいな大企業だと「データベース」とか特化した人が必要そうだけど、スタートアップなら全部そつなくできた方が良い気がします。求人を見ていてもそういう募集が多いです。

ーー スタートアップというのは決めてるんですか?

そうですね。前職が大手で、一個のスキルに特化しちゃってて。そうすると次に行けなくなると思ったんですよね。あと、どうスタートアップが運営されているのかというのも見てみたい。希望が通ればリモートで働きたいというのもあります。今、日本の会社でリモートで働いてて、すごくやりやすくて。

ーー そのお仕事ではどんなことを?

なぜかマシンラーニングのテキストを作ってます(笑)。セットアップの仕方、VMとの接続の仕方とかちょっとしたやつですけど。友達が日本のブートキャンプで働いてて、その縁での仕事です。ビデオエディティングもしてます。

就職活動

ーー 就職に向けてやっていることはありますか?

ポートフォリオ作ってるのと、先生曰く情報発信することが大事みたいなのでMediumに記事書いたりとか。私は学校の課題だったので出したんですけど、ちっちゃなことでも書くことが大事。

ーー どんなテーマで書いたんですか?

「やってみました」っていうのでDockerとか、P5.jsっていうJavaScriptのライブラリーとか。人によってはGitの使い方やプロジェクトの進捗情報を発信してました。

会社への応募は6月末くらいから始めようと思ってます。今はExcelに企業の情報を書き出していて。あとはMeetupで出会った人とコミュニケーション取ったり。

ReactJS Vancouver Meetupはすごく活発で良かったです。リクルーターも来ていて繋がることができました。あと、マーケティングコースの友達の旦那さんがデベロッパーで、誕生日パーティーに呼ばれて行ってみたら参加者みんなデベロッパーだったり。そういうこともあるので、Techだけじゃなくていろんなところに顔を出すのは良いと思います。

先生曰く、「出会った人が実は自分の働きたい会社で働いてた」っていうのを狙うのが良いみたいです。普通にアプライすると見逃されがちだけど、「この人知ってる!」となると違うらしいです。一緒に働きたいかどうかっていうのがやっぱり大事だから。

Informal Interviewといって、Meetupでその会社が自分に合うかどうかをチェックするというのもあります。自分がその会社に何かできる、会社も自分に何かできる、っていうところで働けるのが理想です。だからFacebookやTwitterで会社の雰囲気を掴んで「ここパーティー多いな、私無理かも」「ここ犬OKなんだ、私連れて行ける」「こういうお客さん持ってるんだ」とか、そういうところから興味あるところを探してます。Meetupに行けばそのスポンサーをしてる会社に会えるから、求人があるかどうかを聞いたりその場でレジュメを渡したり。表には出していない求人もありますし。

ーー 私もCO-OPプログラムに向けて就活目前なんです。Meetupには一人で行くんですか?

はい!

ーー そうなんですね!私はなかなか一人で行く勇気が出なくて…。一回行ったんですけど、プレゼンが始まる前のネットワーキングタイムが苦痛で。提供されていたビールとピザを、一人で黙々と飲んで食べてました(笑)

あるある、それ普通にある。私も初めて行った時はそんな感じでした(笑)。

私も誰とも喋らず終わることあるし大丈夫です。「話さなきゃ」って思うと行けなくなっちゃうから、何も考えずに行くのがいいのかなと。私もそんなに社交的な方じゃないから、話せなかったら話せなかったで「話を聞くだけで十分だよ、だって参加したんだから!」と思うことにしてます。まずは行くことでOK!取り上げられてる内容は需要があるということでもあるから、そういう情報を得られるだけでも違いますし。

目的を持ってゴリゴリ行く人もいるけど、私はあんまりやると疲れちゃう人だからそこは自分のペースで。ちょっとずつ自信をつけながらステップアップしていくのが良いのかなと。できないできないって思っても何も良いことはない。話しかけられなくても「でも私はそこに行ったんだ!」と。そう思うだけでOK(笑)。

ーー すごい、今私の中でMeetupがポジティブになってきました!

デベロッパーの人でコミュ力高い人もいるけど、そういう人は大体マーケター出身だったりします。ぽつんとしてる人も結構いるから大丈夫(笑)。

話しかけるならスピーカー(登壇者)が一番簡単な気がします。「どうやって使ってるの」「どういう風に勉強してるの」とか。図々しいけど「今Hiringしてる?」とか。スピーカーはみんなに教えたい、話したくて来てるから興味持ってくれると嬉しいはずです。

ーー 就職のためにLinkedInも使ってますか?

使ってますね。

ーー 私も最近いじり始めて、でも「何したらいいんだろう」って感じで(笑)

興味ある投稿に「いいね」すると自分のコミュニティの人に連絡がいったり、自分では「ポートフォリオ作ったよ」「こういうイベントに参加します!」って投稿したり、かな。

Langaraは名刺のようなものを作れるので会った人に渡したり、逆にもらったりというところからConnectionを増やしてます。その人の会社に興味があるとは限らなくて、その人経由で流れてくるポストに興味のある会社があるかもしれない。会った人の興味のある会社から探していくっていう使い方をしています。

LinkedInのConnectionが多いとリクルーター的には「その人は価値がある」ってなるみたいです。積極的に何かをやってると思われるのかな?

なので…頑張りましょう!

ーー 頑張りましょう!!!!

 

今後の展望

ーー この前お会いした時に「二度と日本に帰りたくない」と言っていたのを覚えてるんですけど…(笑)

もう、13時間働ける体力は残ってません!無理です!(笑)

東京とか若いうちで良いよね、って。私は早々に激しいところをリタイアしたかったので。

もうね、あんまり働いてると病気が治らない、風邪が治らない。疲れてると通勤電車でも更にもらっちゃって、追い討ちかけられるようにずっと風邪引いてたから。入院が必要な病気にもかかってしまいました。私の体力では日本の環境について行けませんでした、っていうことです。日本でも本当はもっと長くエンジニアとして働きたかったけど、このままだと死ぬなと思って1年ちょっとで辞めました。

心も体も本当に壊してしまうと社会に戻ってこられなくなっちゃう。そうなる前に辞めるというのは大事だと思います。だから私は会社を辞めたことに全然罪悪感を感じてなくて。「私はやるだけやった」と思った。もし当時の私と同じ状況の人がいたら今すぐ辞めた方が良いです。激務で脳疾患になった人もいるけど、そこまで賭けるものは何だろうと。

ーー 健康よりも大事なものはないですよね。激務の会社の上司は激務に耐えられる人。でも体力には個人差があって自分も同じとは限らない

そうなんですよ。激務をこなせる人にはなかなか自分の体力のことをわかってもらえない。それだけ働いて平気な人は、私にとってはサイヤ人みたいな感じです(笑)。

だから他にも生きる道はあるよ、と。あなたが悪いわけじゃなくて、ただちょっと環境が合ってないんだと思うんです。

「何で辞めるの?」って引き止めてくる上司には聞く耳を持たなくて良い。私が辞める時ほんと大変だったんですよね。もめてパワハラみたいになって、人事に訴えました。アメリカ資本の会社というのもあってそういう対応はNGってことで解決したんですけど。

学校も大変だけど「もう無理、助けて」って言うとアサインメント減らしてもらえますから(笑)。友達との助け合いもできるし。そういう人間関係を築きつつ、でも自分で頑張る時は頑張るというバランスを取りながら、疲れ果てた体をカナダで癒すというのが私のおすすめです。

お金を貯めて留学でも良いですし、私の友達でまずワーキングホリデーで来てる人もいますし。自分を責めなくても良い環境に行くのが良いのかなって。まずは来てみるのが良いのかもしれないですね。

日本のメディアを見てると「ちゃんとした目標を持て」って風潮があるけど、そんなの無くたって、生きてるだけで頑張ったと思います。ちゃんとしてない(一貫性のないように見える)行動をしても誰も責めないし、極限まで弱ってる自分に対して責める人は友達じゃないし…って私は自分に言い聞かせてました(笑)。人生長い中で仕事を辞めたって、誰も後から文句言わないし、ネタになるくらい楽しめば良い。「そんなこともしたな」って。

一貫性でいうなら、ここにはそんなのない人いっぱいいます(笑)。だってさっき話したインド人のクラスメイトみたいに、大学でCS勉強して、Langaraのプログラミングコース出て、でも建設現場で働きますって人もいる。Langaraに来た理由を「ジムのインストラクターになりたくて」とか「俳優になりたくて」って堂々と先生の前で言った人もいる。だから必ずしも自分のやることと将来が直結しなくても良くて、直結させるつもりでも違ったら変えれば良いんです。

 


いかがでしたか?

インタビューしながら私自身が本当に勇気づけられて、その翌日にはMeetupに参加していました。誰とも話せなかったし、内容も難しかったけど…「とりあえず私行った!行ったからOK!」と思えたので心のダメージはほぼ0です。Michikaさんのおかげです!

そして後半部分。日本で疲れてしまっている人にはすごく沁みるメッセージだったのではないでしょうか。もちろん日本の会社全てが過酷な労働環境だとは言いません。でも、少なくともそういう会社は存在している。そこで疲弊している人にこのインタビューが届けば良いな、と願ってやみません。

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