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フロントエンドエンジニアの経験を活かし、難関のシニアエンジニアとして海外就職を実現したKoheiさん

今回は日本でフロントエンドエンジニアとしておよそ5年間働いた後渡航し、シニア枠で現地就職されたKoheiさんにお話を伺いました。

Koheiさんは日本の名だたるIT企業3社でフロントエンドエンジニアとして活躍され、カナダ渡航前としては申し分ない実務経験を積まれたわけですが、実は他業界で働かれた後、独学でプログラミングを始めたという非常にユニークな経歴の持ち主です。

Frogメンバーの中でも年に数名しか達成しないシニアエンジニアとしての就労を実現された上、カレッジ卒業後の就職活動期間中にAmazonのオンサイト面接も経験しており、これからカナダの現地就職を目指す方々にとって非常に参考になるお話が聞けましたのでぜひお楽しみください。

渡航前の経歴

Senna:まず渡航前の経歴を教えていただけますか?

Kohei:日本のスタートアップを3社経験しました。ほとんどがフロントエンドで、1年くらいバックエンドもやっていました。

Senna:全部Web系でしたか?

Kohei:全部Webですね。最初の会社はモバイルのソーシャルゲームの会社だったんですけど、ソーシャルゲームのことがあまり好きじゃなくて。上司に無理を言ってほとんどWebの開発を担当していました。ソーシャルゲーム周りのものもありましたが、会社が他業種の受託開発をやっていたのもあって、そういったWeb関連の開発をして凌いでいた、みたいな感じです (笑) 。

Senna:珍しいですね。ソシャゲ作っている会社って大体ソシャゲ開発、運営に絞っているイメージが強いですけど。

Kohei:今だとそういう会社ばかりですが、僕がその会社で働いていた2014年くらい当時は、自社のソーシャルゲーム開発だけやっている会社ってまだ少なかったですね。今では有名な会社でも、当時は受託開発をして食いつなぎながらソシャゲを作っていたところも結構多かった印象です。

Senna:1社目の会社に行ったのが何年前ですか?

Kohei:6年くらい前ですね。

Senna:1社目はソシャゲの会社の中の受託開発部門でフロントエンドエンジニアとして仕事をしていてというのが最初で、2社目も同じような感じでたか?

Kohei:そうですね。2社目、3社目も同じくWebのフロントエンドでした。

Senna:なるほど。そういう中でフロントエンドエンジニアとしてのキャリアをどんどん積み重ねていったと。大学は情報工学とか専攻されてましたっけ?

Kohei:いえ、大学は出てないです。高校も満足に行ってなくて、最終学歴は中卒です。プログラミングは自分で勉強してこの業界入ったんですよ。

Senna:そう考えると、カナダで通った学校が最高学歴になるんですかね?

Kohei:そうですね。12月に卒業になるのでそれが最終学歴になります。

Senna:1社目に入ったのはいくつの時ですか?

Kohei:23歳くらいの頃ですね。

Senna:なるほど、23からエンジニアキャリアがスタートして、それから大体5年間日本で働かれてから渡航されたということですね。

エンジニアを目指すきっかけ

Senna:そもそもエンジニアを目指すきっかけは何かあったんでしょうか?

Kohei:僕はたまたまですね。エンジニアになる前は「これを職業にしたい」という具体的なビジョンはなくて、経済の勉強を自分で始めたり、手あたり次第に色々なことに目を向けていった中にプログラミングがあって、やってみたら楽しかったという出会い方でした。当時はクックパッドとかmixiが有名だった頃で、IT業界って楽しく働いているイメージがありました。『リッチマン、プアウーマン』というドラマが流行っていたりもして、ちょうどITの「キラキラ感」が目立ち始めてきた時代でした。

最初に学んだ言語

Senna:ちなみに最初に勉強したプログラミング言語って何だったんですか?

Kohei:Rubyですね。本当の最初はJavaの本買ったのがきっかけなんですが、環境構築で躓いたり、Javaでできる成果物があまりめぼしくなかったりで数ぺージ読んで辞めてしまいました。Javaの本を買ったのは当時素人だった僕でも知っていたくらい有名だったからなんですけど、ちゃんと自分に合ったものを選ばないと勉強しても面白くないんだなっていうのがそこで分かった感じです。面白いものって何だろうって調べたら、Ruby on Railsというフレームワークに行きついて、関連する本を買って勉強し始めました。すぐにセットアップできて、いわばブロック遊びみたいな感覚で掲示板がすぐに作れて、プログラミングがすごく楽しくなりました。

Senna:Railsのそういう貢献度はやっぱりデカいですね。

Kohei:そうですね。その後、HTMLっていうのが書けないとWebページが出来ないというのが分かりHTMLを勉強し、JavaScriptがないと普段自分が触れるような凝ったインタラクションが出来ないというのが分かって今度はJavaScriptを学習したり、段階的に技術の幅を広げてきました。

Senna:最初何か作りたいものがあるのかどうかで結構モチベーションの保ち具合って違うのかなって思います。

Kohei:そう思います。具体的なモチベーションって大事ですよね。創作作業って障害がいっぱいあるので、何かを作りたいというモチベーションから入らないと学習を続けていくのが難しいと思います。僕自身、最初から「プログラマになるぞ」という気持ちで始めたわけではなくて、色々個人的に作っていく中で「これが仕事になるんだったら楽しいじゃん」というくらいな感覚でしたね。

海外を目指すきっかけ

Senna:日本で仕事をする中で海外を目指し始めたきっかけがあれば教えてほしいんですけど。

Kohei:日本で最後に働いていた会社はアメリカにもブランチがあって、アメリカの同僚たちと話す機会がありました。その中で興味を持ったというのが最初のきっかけですね。あとは、日本での毎年10-11月くらいにやっているJSConf JPというカンファレンスを少しお手伝いさせてもらっていたんですが、毎年大体10人くらい海外からスピーカーが来て講演するんです。お手伝いをしているとその人たちと話す機会があったりして、その中で刺激を受けていくうちに漠然と海外へ目を向けるようになりました。

何となく日本よりもカジュアルで、意思決定が早い感じがしたんです。北米の「やって問題があったら直せばいい」みたいな風土というか。日本だと本当に最初の一歩目に慎重になって、考えて考えていろんな人の目を通って決定してやっと一歩目。末端の人にあまり裁量がないのがその理由の一つだと思います。どちらが優れているという話ではないと思うんですが、北米のカジュアルな文化の中で一回働いてみたいなと思ったのが大きいです。

Senna:最近Koheiさんのツイッターを見ることが結構多いですけど、やっぱり意思決定とかに関するつぶやきが最近多いですよね。意思決定のスピードがとか中国の場合は文化圏が違うとか、こういう所に着目する人なんだって思った。

Kohei:それはこっち来てからすごい感じましたね。カナダっていろんな国籍の人がいるじゃないですか。出身国の文化によるものなのか分からないですけど、みんな考え方が結構違います。僕らにとっての常識が彼らにとっての常識ではないし、その逆もまた当然あって。とくにコミュニケーションやガバナンスモデル、チームビルディングに際して、そういう多種多様な常識をどうミックスするか、そういった配慮の面では日本との大きな違いを感じます。

Senna:間違いないですね。そういうのって一回体験してみたいと分からないことですね。

カナダを選んだ理由

Senna:海外就職を目指すにあたって、渡航先としてはシリコンバレーだったり、ヨーロッパだったり、カナダ・バンクーバー以外にも選択肢はいろいろあったと思うんですが、どうして最終的にバンクーバーを選んだんでしょうか?

Kohei:簡単に言うと消去法でした。最初の候補としてはアメリカでしたが、ビザ取得が難しかったので候補から早々に外れました。その次にカナダ、イギリス、ドイツ、オランダ、オーストラリアを候補として考えて、就労に際してどんなメリット・デメリットがあるかを調べました。
ドイツのベルリンや、オランダのアムステルダムといったヨーロッパの都市部は、一般公用語のような形で英語も使えますし、IT企業では社内公用語として英語で働いているとよく言われてますが、知人の話で混み入った話題になるとドイツ語やオランダ語など現地の言葉になってしまうというのを知り、最終的に候補から外れました。
あとは、毎年発表されるJavaScriptコミュニティの統計を見て分かったことなんですが、ライブラリー開発状況や使用率が国ごとに見ていくと、オーストラリアはあまり自分の分野と近くない印象でした。オーストラリアにはAtlassianという世界的に有名なソフトウェア企業がありますが、そこだけに的を絞ってもしょうがないですし。イギリスはワーキングホリデーを申請したんですけど落ちてしまい、最終的にカナダが残ったという形です。

Senna:最初はやっぱりアメリカを考える人が大半だけど、費用、大学、ビザとかを考える段階で候補から外れてしまうのが常ですね。結局ビザの問題が大きいかなと思います。ドイツは、大学の学費が安くなってきているしビザも取りやすい状況にあるようだけど、その中で『フリーランス』でも永住権が取れている珍しい国ですしね。就労ビザがカナダと同じくらいのレベルで取得しやすい印象なので、ドイツを選択する人も多いです。学校の授業や公共機関を利用する時だと英語で話ができるけど、社内ミーティングで重要な話になるとドイツ語に切り替わってしまうって僕もよく聞きます。

渡航前の英語について

Senna:前職での話ですが、アメリカブランチの同僚との英語のコミュニケーションはすでに問題ないレベルだったんですか?

Kohei:全然です。会社で通訳の人がいたのでかなり助けられていましたね。

Senna:「英語が得意じゃない」ということで、その時点で海外就職を諦める人って結構多いと思うんですよ。海外に行けばオプションも増えるし、サンフランシスコとかで働いてみたいという人はそれはいっぱいいると思うけど、英語面での不安があるから諦めたっていう人は多いと思う。その辺はどうだったんですか?

Kohei:もちろん不安だらけでした。でもやるしかないなと。日本ではEnglish Grammer in Useという文法のテキストブックとDuoという単語帳で軽く勉強はしていましたが、本格的に勉強するようになったのはカナダに来てからですね。英語を学習する目的が具体的にはっきりしていないと途中で飽きちゃったりとか違う方向へ行ってしまうと思っていたので、頑張るのは日本出てからにしようと思っていました。

Senna:なるほど、モチベーションの部分を保つために、こっちに来てからバリバリ勉強しようと計画してきてたんですね。

仕事終わりは毎日のようにテニスを楽しむ

カナダで就職するためには学校は経由するべきか

Senna:実際、学校に行ってよかったですか?

Kohei:未経験なわけではないので、学びに行くというモチベーションで学校に行ったわけじゃありませんでした。1年間のモラトリアムというか休暇がとれてよかったなと思っていて、フルタイムの仕事をしていると向き合えなかったこと、たとえばカナダでの就活用の実績作りとかに取り組めたのはよかったですね。

Senna:色んな人から海外就職相談をさせていただく中で、まず学校へ行くべきか、それとも直接就職活動をするべきか、どちらを提案をするべきなのか迷うことは僕らも多いんですよ。 学校を経由した場合、コープもあってワークビザももらえて、在学期間中は英語力向上の機会も多いし、コネ作りにもいいのかなと思う一方、日本で十分な実務経験もあり、英語力もある人についてはワーホリを選択してもらい、渡航後は就職活動だけをするという選択もあると思うんです。 そこで聞きたいんですが、もしワーキングホリデーで来て学校行かずとも就職は可能だったと思いますか?

Kohei:できたかもしれないけど、正直ちょっと不安が残ると思います。就職活動に2、3か月かかったりするかもしれないので、そうした時に働けるビザが残り9ヶ月しかないという状況になるわけじゃないですか。それでも就職出来る人は出来るんじゃないかと思うんですが、持っているビザの期間が長ければ、選択肢が増えますよね。

Senna:もし今渡航前に戻ったとして今と同じ道を進んでいたと思いますか?それとも何か違う選択肢が思いつきますか?

Kohei:他の学校へ行くのもよかったかもしれないですね。例えば公立の学校で、CICCCと同じように1年座学、1年コープというコースがあれば、選択してもよかったかもしれないですね。公立の学校だとまたその後の動きの面で選択肢が増えてくるので。

Senna:公立というとBCITがありますが、入学するにはIELTS6.5というのがミニマムスコアで、まずはISEP(International Student Entry Program)というBCIT英語スクールに入学して、そこでIELTS6.5相当の英語スキルを身に着けてもらう事が多いです。そのレベルに到達するのに人によっては半年から1年程度かかるかと思います。それからBCITに2年間通って、ポスグラ取得という選択肢もあったとは思います。

Kohei:それは、ちょっと長いなっていう印象でしたね。元々5、6年の実務経験もあったし、学歴はあまり重要視してなかったですしね。学校の授業内容は適当でもよくて、あまり数年単位の準備期間を設けるのは、やりすぎかなと思っています。

在学期間での過ごし方

Senna:通われたカレッジは実際に行ってみてどうでしたか?

Kohei:僕があまり積極的な性格ではなかったというのもあったと思うんですけど、思い描いていた学校のイメージとは少し違いました。当初は、同級生と一緒に刺激し合いながら何かを作ったりするのかなと思っていましたが、実際は同級生たちはあまり前のめりなモチベーションはなくて、学校へ行ったらとりあえず何とかなると思っている人が9割くらいの印象でした。みんな授業はあまり聞いてないし宿題もやってこない。コードの宿題もみんなコピペばかりするから、先生が真剣な顔で怒ったこともありました。それくらいの堕落した状況だったので、当初思っていたような実りのある学校生活ではなかったです。
先生はよく教えてくれてたけど、生徒側のモチベーションが低くて、「もう答えだけくれよ」みたいな姿勢の人も少なくなかったです。クラス構成は多国籍な感じで、日本人は割と勤勉な方だと思うんだけど、他の国の人は全然そうではなかったですね。ちゃんとやってる人の方が珍しい感じでした。

Senna:具体的に在学期間は何をして過ごしていたんでしょうか?

Kohei:授業以外だと、ほとんど旅行に行ってました。個人的にFlutterアプリを作ってポートフォリオにしたり、フリーで日本の会社の技術顧問の仕事をこなしていました。

Senna:その中で大多数の時間は何に費やしていましたか?

Kohei:時間的には個人のアプリ制作や就活の準備だと思います。

面接英語対策

Senna:Koheiさんは留学相談時点でそんなに英語力が備わっている印象はなかったんですが、就職できるレベルまで結構勉強したんでしょうか?

Kohei:就職活動する2、3か月前くらいにちゃんと勉強を始めて少し伸びたかなと思います。就職に際してはジェネラルな英語学習とは別に、面接対策をする中で伸びましたね。いわゆるBehavioral Interview(行動面接)の対策をする中で自然と英語の勉強になったと思います。

Senna:そういうタイプの対策は一人ではしにくい部分もあるんじゃないかと思うんですけど、その点について何か自分自身で意識してやっていたことはあったんですか?

Kohei:独り言のようにやっていました。以前の面接の問題を解き直しながら、その時に言うべきだったことなどを書き出し口に出して覚えるようにしていました。

テニス仲間とのひととき

就職活動

Senna:就職活動について聞きたいんですが、実際レジュメを送っていくつ返信ありました?

Kohei:21、22社応募して、そのうち返事があったのが14社。他の人の採用が決まって締め切られたものもあるので、最終的に面接まで進めたのが10社ですね。

Senna:電話面接はほぼ全社ありましたか?

Kohei:そうですね。Amazonとあと一社紹介で受けたところはなかったですけど、ほぼありましたね。これはいわゆるスクリーニングのためにやっているんだと思います。

Senna:電話面接の後はオンサイトでの面接でしたか?

Kohei:オンサイト面接の前にビデオチャットでのオンライン面接が1回入る会社が多かったです。

Senna:それはコロナの影響ということしょうか?

Kohei:いえ、コロナが深刻化してくるより前でしたね。元々それが半ばデファクトスタンダードだったんだと思います。採用プロセスとして、電話 -> オンラインインタビュー -> オンサイトインタビュー -> ファイナルオンサイトインタビューという感じでしょうか。最後のオンサイトインタビューは経営陣の誰かとの顔合わせです。

Senna:最近の傾向ということですね。それだとZoom面接の慣れも必要になりますね。面接だとオンサイトの方が楽じゃないですか?

Kohei:オンサイトの方が楽ですね。というより、電話面接が大変すぎて印象に残っています。電話越しだと本当に相手の言葉が聞き取りずらいので。

Senna:相手の顔も見えないですしね。 その面接まで進んだという10社中のうちほぼ全部にZoom面接があったのでしょうか?

Kohei:そうですね。全社で実施されてました。

Senna:なるほど。その後のステップに進めた会社はどれくらいだったんでしょうか?

Kohei:オンサイトまで進んだのが3社で、そのうちの1社がAmazonでしたが、落ちちゃいました。

Senna:Amazonはいきなりオンサイトだったんですか?

Kohei:いえ、最初にオンラインがあって、その後に6回連続のオンサイト面接がありました。あれはしんどかったです。

(Amazonの面接の様子はこちらのKoheiさんのブログで見ることができます)

面接で聞かれること

Senna:実際に面接でどんなこと聞かれたんですか?

Kohei:アルゴリズムの簡単な問題は絶対に出てきますね。LinkedList、Tree、Graphあたりのデータ構造を使うものがメジャーな印象でした。

Senna:受けた会社全部SaaS系でしたか?

Kohei:そうですね。受託開発系ではなく自社サービス系ですね。出題されるアルゴリズムはLeetCodeのレベルだとEasyな問題でHardな問題はほぼなかったです。Mediumの簡単な問題はたまに出てくる程度で、基本的には一般的なエンジニアなら一か月あれば対策できると思う。

Senna:最近LeetCode(アルゴリズム)の問題を出す会社が増えていて、一説によればそれでプログラマーとしての適正をチェックするために実施しているらしいです。

Kohei:篩としてやっている感じはしますね。ほぼ全部の会社で出題されましたし。

Senna:面接対策は何をしましたか?インタビューの本とか読みました?

Kohei:面接対策の本は読んでいません。これまでの経験の中でやり遂げたことや苦労したことを英語で説明できるようにしたり、アルゴリズムの勉強をしながらそれを英語で説明できるように練習をしていました。北米の面接ではアルゴリズムの問題がよく出題されますが、どんな問題が出るかは会社によってまちまちです。
GAFAのようなテック大企業は篩として中級くらいのアルゴリズム問題が出題されるように思うんですが、スタートアップではアルゴリズムの問題は初級程度のものが多く出る傾向があるように感じます。代わりに実務的な問題がより多く出るという感じでしょうか。そういった大方の傾向が分かった段階で、アルゴリズム面の強化に時間を割くのをやめました。LeetCodeのウィークリーコンテストで前半3問は安定して解けるようになったから、もう十分なんじゃないかと思ったためです。その後はBehavioral Interviewとか、一緒に話をしながら何かを作っていくタイプの対策をしていました。

Senna:他に面接で聞かれたことや出題された問題は何かありますか?

Kohei:あとは一緒にやっていく系の問題が出ますね。こういうAPIがあって、こういうライブラリがあって、こういうものを作りなさい、みたいな形式の問題ですね。一緒に作っていく形式ですが、面接官は質問には答えるけど、基本的にはコードには全く関与はせず、全部面接される側が書いていきます。コラボレーションの能力を測っている感じがしました。2、3個落とし穴みないなものがあったりするんですよ。クロスオリジンの問題があったりとか、そういう場面に出会った時にどういう対応をするのかを見られている気がします。仕様とかも若干ふわっとしてるんですよね。そのふわっとしている部分を先にちゃんと確認できるのかどうかとか。あとは、ReactやHTTP関連の実務的な内容を聞かれたりしました。アルゴリズム的な側面と実務的な側面と。大体両方出てきますね。

Senna:開発環境とかではなく、会社と文化的に合うのかどうか、会社のアクティビティに参加できる人なのかとか、この人が会社とフィットするのかどうかを見られているというのを感じる人って多いと思うんですけど、そういうのはどうでしたか?

Kohei:文化的な面の質問は電話で聞かれたことがありますね。例えばオフィスに犬がいっぱいいるけど大丈夫かとか、ハイキングのアクティビティとかあるけどそういうのどうとか、そういう質問はされたことはありますけど、そのくらいでしたね。

Senna:あと、面接で印象に残っていることはありますか?

Kohei:やっぱりBehavioral Interviewが鬼門ですね。これが一番大変でしたね。

Senna:何か意地の悪い質問とかありました?

Kohei:以前の上司から何か改善点とか言われたかことがあるかとか、あとは本当にもう一般的な内容ですよね。業務上同僚を助けたことがあるかとか。
用意してないとなかなか出てこないような質問が多かったです。

Senna:最終的に受かった会社も同じような感じでしたか?

Kohei:そうですね、最初の面接は一緒に解いていく系のオンライン面接でした。その後3連続のオンサイト面接があって、その後がファイナルでした。

Senna:ファイナルはどんな感じでしたか?

Kohei:ファイナルは本当に顔合わせだけでした。CTOの「こいつ大丈夫かチェック」みたいな感じでしたね。

Senna:そこは流石にオンサイトだったんでしょうか。

Kohei:そこは、オンラインでした。僕の会社のCTOは本社のあるサンフランシスコにいるので。

ビザステータスの言及について

Senna:リクルーター面接って間にはさむ人って多いと思うんですけど、ビザ周りの説明ってどのタイミングでしました?リクルーター面接の時に正直に「自分ちょっとワーホリなんです」とか「ポスグラなんです」とか、永住権がないっていうことを伝えた瞬間次に進めなくなる人が実は結構多くて、だからその点どういう風にやってたのかなと思ったんですが。

Kohei:僕は聞かれたら答えてましたけど基本的には就労できるステータスがこっからここまであるよ、みたいにぼかして話をしていましたね。先入観を与えないように意識していました。

Senna:2年くらいあるよって説明したら大丈夫そう?

Kohei:そうですね、2年くらいあるよって言ったら大丈夫そうでしたね。実は、今の会社に採用される直前にミスコミュニケーションがあったんですよね。予期していた通り、「Co-op」や「学生」という響きはあまりよい印象を持たれないようで、自分のステータスがCo-opだという話はしていたんですけど、多分ちゃんと会社側には届いていなかったようで、いざ内定が出るとなった直前に「学生でCo-opって聞いてないんだけど」って言われてしまって。それで正式に採用の返事がもらえるまで1週間くらいかかっちゃったんですよ。

Senna:会社側としてはもう永住権を持っているつもりで面接するところが多いですからね。

Kohei:僕は面接では、ちゃんと外国人で就労できるビザがこれくらいの期間あるよって話をしてきていて、それで採用されたので僕が永住権を持たない外国人だというのは分かってたんだと思うんですが、「Co-op」という響きがまずかったみたいです。2年間働けることというのがあっても、Co-op自体にはいわば未経験のインターンみたいなイメージがあるので。

Senna:あとCo-opって基本的に主要なカナダの学校だと1〜3ヶ月程度なんですよね。公立の学校にもCo-opは一応あるけどとにかく短いし。だからそういう印象しかないだろうから説明は必要なケースもあるという事ですね。

日本との違い

Senna:日本でエンジニアとしての経験もあった上で実際にこちらで働いてみて、日本との違いとかは感じました?

Kohei:それはすごく感じますね。

Senna:具体的にはここが一番ショックというかビックリしたことはありますか?

Kohei:例えば、僕の会社はかなり多国籍なのでコミュニケーションとかも一発で通じてない前提でコミュニケーションするんですよね。

Senna:なるほどね。

Kohei:日本だと基本的には一回言ったら分かる前提でコミュニケーションをするじゃないですか。「前にも言ったように」とか言ったりしますよね。こっちの場合は「前にも一回いったけど、ミスコミュニケーションがあるかもしれない」っていう前提でコミュニケーションするんですよ。それは僕が外国人だからというわけではないようで、他の英語ネイティブの同僚同士とかでもやっています。

Senna:それは言葉を変えるとリマインド精神みたいな?

Kohei:そうですね。言い換えると「コミュニケーションは不完全である」という前提に立ってチーム作りをしているとも言えます。日本の会社みたいに「メンバーの9割が日本人」なんてことはなくて、いろんな国籍や人種の人たちが集まって会社を構成していますから。こんな前提の違いがあるのは面白いなって思います。

日本に居た頃から割と自由なワークスタイル

Senna:他まだ何かあります?

Kohei:あとは、「カジュアルさ」ですね。

Senna:何だかんだそれはみんな言いますよね。「ここはカジュアル過ぎない?」とか不満はありましたか?

Kohei:カジュアル過ぎるってことは感じないですね。僕が元々カジュアルなところがあるのかもしれません。かっちりすべきところはかっちりしています。でも「やってみないと分かんないからとりあえずやってみよう」みたいな合理性のあるカジュアルさがいっぱいあるという感じで、いいバランスだなと思います。

Senna:会社でオプショナルなコミュニケーションの場ってあったりするんですか?

Kohei:そんなにないですね。コロナの影響もあると思います。今のところは週1で全体でのミーティングがあったりとか、あとは一対一で「ここ分からないから相談のってー」って言われたりとかですね。

Senna:入社して3か月経ったと思いますが、コミュニケーションの部分でまだまだ困ってますか?

Kohei:そうですね。まだまだめちゃくちゃ困ってます。ミーティングで話されていることは3、4割聞き取れてないからまだまだ大変です。いわゆる「ネイティブ同士の会話のスピードについていけない」ってやつだと思います。

Senna:Koheiさんはポジション的にはシニアになるんですか?

Kohei:シニアですね。

Senna:シニア枠での英語は大変でしょ?

Kohei:大変です(笑)。でも引き続き頑張っていくしかないと思います。

今後留学する人たちへのアドバイス

Senna:最後ですね。今後自分のような人が留学する場合何かアドバイスがあれば一言。

Kohei:アドバイスできるほどまだ経験を積んでないですけど、発音の訓練をしておくといいなと思います。発音の訓練はどこでも一人でできるし、話すのに自信が持てるようになるから。

Senna:発音周りでよく聞くのがシャワールームとかで独り言の多い奴は結構うまくいっている気がする。

Kohei:僕も多いんですけど、まだまだですね。最近大変なのが文章の中でこの単語の次にこの単語くると超言いづらいみたいなのがすごく大変ですね。小さいTongue Twister(早口言葉)的な。

Senna:それはちょっと発音ができるようになったぐらいから来ますよね。

Kohei:あとは、思ってた発音と全然違うっていうのがかなりありました。例えばHotel、Education、Applicationとか。字面通りに読むと音やアクセントが違います。

Senna:その辺言い出したら切りないですよね。

Kohei:そうなんですよね。とりあえず発声するというのはできるけど、とくにアクセントが合っていないというのはよくあります。ネイティブの人の中にはそれでもこちらの英語を聞き取ってくれる人もいますが、間違っていることをいちいち教えてくれません。発音が間違っていると差異のせいでリスニングが弱くなってしまいます。
実際に、僕は電話やオンラインインタビューとかで7、8割聞き取れていた感じなんですが、電話面接で一度大きな聞き取り間違いをしてしまったことがあったんです。相手の質問に答えた後に少し違和感があったんですが、普通に「Okay, sounds good!」って返されたんです。何でそれが聞き取り間違いだと分かったかというと、やっぱり気になってしまって思い切って「今のこの僕の答えって、あなたの質問に対する答えになってる?」って聞いてみたんです。そしたら強めに「No」と言われました。その後質問をもう一度やり直してどうにか先には進めましたが、もしあそこで気付かなかったら心の中で「こいつはねーな」って思って落とされてしまっていたんだと思います。

Senna:聞く能力も大事ですね。雰囲気とノリだけでそのままコミュニケーションを終わらせることも多いし。カナダ渡航前は、発音と聞く能力、リスニングは出来る限りやっておきましょうということですね。今回はありがとうございました。


いかがでしたか?

Koheiさんは日本で実務を5年間経験され、カナダでの就職には十分な経験と実績をすでに持ってはいましたが、慢心することなく、在学中は授業以外でアプリを自作したり、英語の面接対策をコツコツとこなしてきました。

面接について質問した時分かったのですが、レジュメのアプライ数と面接数がスマホで瞬時に閲覧できるようになっており、面接を終えた後も改善点を洗い出し次の面接までにはできるように対策をしておく、というサイクルの中で就職活動をされてこられていたのにすごく驚きました。

応募した内のおよそ半数の会社で面接まで進み、最終的に見事Senior Frontend Engineerのポジションで採用という結果は、努力と準備に裏打ちされたものだと気づかされます。

これからカナダでの就職を目指したいという方にはとてもよい刺激、参考になったのではと思います。

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