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コロナ真っ只中でも日本でのエンジニア経験を生かしフルスタックデベロッパーとして海外就職を果たしたJiroさん

今回は、コロナ禍の中5ヶ月に及ぶ就職活動の末、Full Stack Developerとしてマーケティングツールを開発するinfluitiveに就職をされたJiroさんにお話を伺いました。

Jiroさんは日本でSIerに新卒入社、Web系企業へ転職、その後フリーランスエンジニアとして独立というキャリアを持ち、この間、React、Ruby on Railsをメイン技術スタックとして開発経験を積まれた後、カナダ・バンクーバーでの海外就職活動に臨まれました。Jiroさんの就職活動中、バンクーバーではコロナの影響でジョブマーケットが縮小しローカルの人材ですら就職、転職が難しい状況でしたが、見事就職を果たされました。今後カナダでの就職を目指すエンジニアの方々にとって参考となるお話をたくさん聞けましたので、どうぞお楽しみください。

プログラミングに興味を持ちSIerへ新卒採用。Javaで金融系システム開発経験を積み海外支社にも赴任

Yutaka:まずどうしてWeb系エンジニアのお仕事に興味を持たれたのでしょうか?

Jiro:大学ではコンピューターとは無縁の経営を専攻していました。部活は体育会系のラクロス部に所属していて、ずっと部活動に専念する生活を送っていました。就活の時期になると同級生たちは営業、メーカー、銀行、金融系の会社に対してアプローチを始めていたのですが、僕の性格上そういう仕事は合わないと感じていました。パソコンの前に長時間座っているのが苦ではないし、一つのことに打ち込むと深いところまで追及したり、地道にコツコツと努力できる性格だなと思ったので、IT系が合ってるのではと感じていました。僕が大学生だった頃はiPhoneの登場など、アップルが一番熱い時期でした。それに応じて様々なアプリがリリースされるようになり、従来のIT土方というイメージが少しづづ変わってきていました。ITでモノづくりができるようになれば面白いなとも感じたので、IT系の会社に就活を始めました。

Yutaka:就活した当初はプログラミングの経験はなかったのでしょうか?

Jiro:経験はゼロでした。(笑)当時は就活よりも体育会の活動に力を注いでいて、特にプログラミングの勉強はせずに就活を進めていました。

Yutaka:最終的にはどのような会社に就職が決まったのでしょうか?

Jiro:金融系システム開発など、大きなプロジェクトを手がけるSIerに就職が決まりました。入社後1、2ヵ月くらいJavaの研修があり、そこで初めてプログラミングを勉強して、業務で使い始めました。同期が10人ほどいたのですが、全員が未経験でした。

Yutaka:研修後はすぐに現場で仕事が始まるのですか?

Jiro:そうです。ただ一人で業務を遂行していくのではなく、最初の頃は上長と一緒に様々なタスクをこなしていました。プログラムを書くのではなく、Excelで仕様書を作ってテストをするのがメイン業務でした。

Yutaka:そこからJavaを書く仕事にシフトしていったのでしょうか?

Jiro:そうですね。インドネシアに支社があり、もし現地で働く場合、コードを書くスキルとプロジェクトマネージメントのスキルが必要でした。プログラミングに挑戦したいという気持ちと、「インドネシア支社で働きたい」という気持ちがあり、インドネシアへの赴任は入社一年目から希望していました。その当時は通常業務をこなしながらプログラミングの勉強も進めていました。その後、Javaのコードを書く案件にアサインされるようになり、経験を積んでから最終的にはインドネシアで短い期間ではありますが働けるようになりました。

Yutaka:どうして海外で働くことに興味を持たれたのでしょうか?

Jiro:人生長いですし、日本でしか暮らしたことないのは勿体ないと思っていたのと同時に、英語を使って仕事ができるようになりたいとも思っていました。

Yutaka:その時の海外に向かっていくモチベーションが、カナダでの就職にも繋がっているということなんでしょうか?

Jiro:そうですね。ずっとそういう思いを持ちながらカナダまで来たという感じですね。

転職先でRuby on RailsでのWeb系システム開発経験を積み、モンゴルとのオフショア開発も経験

Jiro:インドネシアで仕事をした後、コードを書けて海外と関わりのある会社を探していたのですが、音楽教室を経営している会社に転職しました。僕の担当した業務としては、音楽教室の内部システムの開発です。先生のシフト管理、レッスン予約管理、入会金管理などを開発、保守を行っていました。

Yutaka:転職先では、メイン技術に変化などはあったのでしょうか?

Jiro:1社目では、Java以外にもシェルスクリプトなども書いたりしていたのですが、2社目ではRuby on Railsを使っていました。

Yutaka:前の会社で仕事をしながら自主的にRubyも勉強されていたのでしょうか?

Jiro:当時はずっとPHPを勉強していました。1社目ではコードの変更があまり入らないプロジェクトが多かったのですが、もっと頻繁にコードを書けるプロジェクトをやりたいと思い、空き時間にPHPを勉強してポートフォリオも作って転職活動を始めたら、たまたまRailsをメイン技術に使っている会社に採用されました。

Yutaka:2社目に入社されるまでにRuby on Railsでの開発経験はあったのでしょうか?

Jiro:入社するまでは経験はなかったですね。当時の会社自体、開発部署は大きくなく、CTOが一人で開発している状態だったので、体制が整っていてRails専門の人材がたくさん働いているというわけではなく、そういう意味で入りやすかったですね。入社後すぐにモンゴル支社の人と連携しながらオフショア開発もしていました。

オフショア開発をしていたモンゴルの風景
オフショア開発をしていたモンゴルの風景

Yutaka:モンゴルの人とは英語でやりとりですか?

Jiro:英語を使う機会はありましたが、基本的に日本語を話せるモンゴルの方経由でほとんどの業務をこなしていました。

Yutaka:2社目ではどれくらい在籍されていたのでしょうか?

Jiro:1年くらいでしたね。その後はフリーランスになりました。

2社目を経験後、フリーランスとしてReact、Ruby on Railsの開発経験を積む

Yutaka:フリーランスということは、プロジェクト単位でいろんな現場に行かれたということでしょうか?

Jiro:そうですね。カナダに来るまで3つくらい案件を経験しました。2年間くらいやっていましたね。

Yutaka:そこで習得した技術は何かあったのでしょうか?

Jiro:Reactですね。元々サーバーサイドエンジニアとしてフリーランスを始めたのですが、TypeScript、React、Railsをメインに、Webpack、Dockerなども使う現場で、開発環境がすごくモダンでした。技術大好きな人たちと一緒に仕事をしていく中で、結構技術力がついたと思います。

Yutaka:フリーランスになってからReactの開発経験を積まれたということなのですが、その前までは、Ruby on RailsとJavaというバックエンドをメインに仕事をされてきました。そこからフリーランスになって、プロジェクトに参画される前にReactは勉強されていたのでしょうか?

Jiro:基本的には現場のコードを見ながら勉強したり、コードレビューで指摘を受けたりしながら学習していきました。その頃から公式ドキュメントにも目を通すようなり、積極的に情報収集をしたりするようになりました。フリーランスなので地力がないと淘汰されてしまうので、日々の学習は自主的にするようにしていました。フリーランス自体は2年半続けました。

フリーランスとして技術を磨く日々の中、現在の仕事に疑問を抱くようになり海外就職を目指す

Yutaka:フリーランスを2年半されてから、カナダに渡航されたということでしょうか。

Jiro:そうですね。技術力を身に着けて自分のスキルで生きていけるように鍛えようとフリーランスになったのですが、フリーランスとは言っても、現場に入ると仕事環境が安定していて、普通の会社員と変わらず、刺激も多くないと感じるようになりました。一つのプロジェクトにコミットしきれないと実感するようになり、フリーランス2年目くらいからモヤモヤするようになりました。その時にフリーランスの友達からFrogを紹介されました。

Yutaka:そこでFrogが登場するんですね。

Jiro:セナさんの話を聞いて、ビザ周りだったり、提案頂いた就職のための計画がしっかりしていてカナダに行って就職できそうだなと思うようになり、フリーランス最後の1年くらいから渡航準備を始めて案件も徐々にクローズしたり、カナダからでも仕事ができるようにリモートに切り替えていく調整もしていきました。

Yutaka:Jiroさんのエンジニアとしてのキャリア構築の仕方が無駄のない印象を受けます。

Jiro:実際は行き当たりばったりだと思います。全然スキルが足りない状態で新卒採用されたので、技術力をつけたいという思いは常にあり、働きながら自主的にスキルを磨いていきました。しっかりと技術を身についてさえいれば、ある程度自由に働けるようになれるのではと思い、フリーランスにも挑戦しました。

Yutaka:それができるのがエンジニア職ですよね。フリーランスとして活動をされる中でFrogと出会いカナダ渡航を決意された訳ですが、その当時の英語力はどうでしたか?

Jiro:英語は得意とは言い難いですが、1年間かけて勉強すればある程度できるようになるだろうと思っていました。渡航の時点でTOEICは800点くらいだったのですが、カナダに来て全然通用しないのが分かりました。(笑)

コロナ禍の中、カレッジではリモート授業。就活対策も組まれる

Yutaka:カナダ渡航後はカレッジに通われたのでしょうか?

Jiro:そうです。CICCCに行きました。最初の2ヶ月くらいはCICCCのESLに通い、御多分に漏れず言っていることがよく分からないという状態でした。(笑)その後CICCCの本科のコースに通いました。

Yutaka:カレッジでは何を専攻されたのでしょうか?

Jiro:Webとモバイルのコースが選べたのですが、僕はモバイルコースを選択しました。当初はモバイルコースにする予定は全くなかったのですが、コース選択前に試しに受けた授業がよくて最終的にモバイルにしました。

Yutaka:モバイルコースではどのような授業があったのでしょうか?

Jiro:SwiftでiOSアプリ作ったりしました。就活にフォーカスした授業も組まれていて、コーディング対策用の授業もあったりしました。そういった授業もSwiftで解説していて、モバイルから外れずにカリキュラムが作られていました。

Yutaka:同級生は多国籍でしたか?

Jiro:そうですね。日本人が2、3割くらいだったのですが、ブラジル、メキシコなど南米系が多かったですね。

Yutaka:日本人が多いということで日本語を使う機会が多かったりしましたか?

Jiro:カナダに渡航後3か月くらいでコロナが結構ひどくなったので、1年間のうち9ヶ月はリモート授業でした。授業中は雑談もしないし先生も英語で話すので、表ではあまり日本語を使うことはありませんでした。裏側では日本の同級生とは宿題について日本語で話したことはありました。授業は聞いている方が多いので、あまり英語の練習にはならなかったですね。

Yutaka:アプリなどを作って発表する機会はあったのでしょうか?

Jiro:デモをすることはありましたが、1、2ヶ月に1回という頻度でした。そういう機会を作ろうと思えば作れたと思うんですが、やれてはいなかったですね。

Yutaka:カレッジでは、1年間の学習期間終了後にコープで就労という流れだったのでしょうか?

Jiro:そうですね。僕の場合は、座学の終わる三ヶ月くらい前の2020年10月くらいから就職活動を始めました。

コロナ前にはカナダでラクロスもプレイ
コロナ前にはカナダでラクロスもプレイ(前列右から3番目がJiroさん)

就職活動は主にLinkedIn上で行う

Yutaka:就職活動を始めてから今の会社に就職するまで大体どのくらいかかったのでしょうか?

Jiro:結構長くて、大体5ヶ月くらいですね。

Yutaka:なるほど。就職が決まった時点でコープの残り期間が10ヶ月ということですね。

Jiro:そうです。ワーホリも申請できる状態だったので、それプラス1年間は働けると会社側に伝えていました。

Yutaka:なるほど。1年プラス10ヶ月就労可能だと会社に与える印象が全然違いますね。就活についてもう少し聞きたいのですが、求人情報などはどのように収集されたのでしょうか?

Jiro:就活は大体LinkedIn上でやってました。LinkedInが7割くらいであとはIndeed、AngelListなどです。就活の主な戦略として、こちらから積極的に色んな会社に対してResumeを送って応募するのではなく、LinkedInのリクルーター経由で紹介された求人に対して、応募していました。

Yutaka:今の会社で使っているReact、Ruby on Railsなんですけど、やっぱり最初からこの技術スタックでのポジションに絞って探さたのでしょうか?

Jiro:希望としては、フロントエンドをメインにやりたかったのですが、Railsの経験が4年くらいで、Reactは2、3年だったので、LinkedIn経由で届くリクルーターからのメッセージにはRailsか、Full Stackのポジションが多かったですね。

Yutaka:バンクーバーではFull Stack Developerの募集は結構多かったですか?

Jiro:Full Stackというポジションはあまりなくて、募集しているポジションがRuby Developerであったとしても、Job DescriptionにReact、JavaScriptなども必要と書いてあったりしました。サーバーサイド技術がメインであったとしても、ある程度フロントエンド開発経験のある人材が欲しいのかなという印象です。

Yutaka:面接での英語対策などはされていたのでしょうか?

Jiro:最初の頃は英語での面接が全然慣れなくて苦戦しました。就活を始めた1、2ヵ月間は電話面接や技術面接で全然話せなかったのですが、3ヵ月目の2020年12月中旬頃に最終面接まで進めた会社もあったのですが、英語でのコミュニケーションの問題で落とされてしまう場合が多かったので、その都度、面接での英語対策をしながら、次の面接に臨んでいました。

Yutaka:最終的に何社に応募されたのでしょうか?

Jiro:30、40社くらいだと思います。

技術面接では画面共有しながらコードを書き進める。英語でのコミュニケーション、要件確認なども重要

Yutaka:採用プロセスとしては、最初に電話面接があり、その次が技術面接だと思います。技術面接はどのように行われるのでしょうか?

Jiro:会社によりけりだと思うのですが、実際にコードを書く場合と、口頭での説明だけの場合もありました。コードを書く場合は、Zoomで画面共有しながら行ったり、リアルタイムにコードをシェアできるようなサービスを使ったりします。フロントエンドの技術面接であれば、ベースとなるReactのコードを渡されて、APIをリクエストし表示させるという定番の問題が多かったです。あとは、オブジェクト指向の理解度を測るために、自販機を設計してコードに落とし込む問題もありました。

Yutaka:面接官とコミュニケーションをとりながら、コードを書くという感じでしょうか?

Jiro:そうですね。面接官に自販機を実装してくださいと課題を渡された時、おつりを実装するのか、おつりの少数はどのように扱うか、おつり切れの可能性はあるのかなど、最初の段階でエッジケースを詰めていきました。それが一通りクリアになった段階でコードを書き始めるようにしていました。

Yutaka:それは正に実際の開発現場でのやり取りと同じですよね。的確にコミュニケーションができるのかも見られているのでしょうね。

Jiro:そうですね。かなり圧縮された面接内容だと思います。

Yutaka:技術面接の後は、最終面接になるのでしょうか?

Jiro:ほとんどの会社ではそうだと思います。大きい会社だと最終面接含めて4回だったところもあります。社長、CTO、プロジェクトマネージャーなど、会社の規模や方針によって最終面接官も様々でした。

Yutaka:最終的に就職が決まった会社での採用プロセスはどうでしたか?

Jiro:面接は3回で、最初がエンジニアリングマネージャーという直属の上司との面接でした。2回目は技術面接で、テックリードのようなポジションの方が対応し、AWS Cloud9上でコードを共有しながら、リアルタイムで課題のコードを書くような形でした。最終面接はCTOで、ブラウザでWebページのリンクをクリックした時に裏でどのようなことが起こっているかなどの説明が求められました。

Yutaka:5ヶ月という長い就職活動で一番印象に残っていることを挙げるとすれば何かありますか?

Jiro:やはり就職が決まった時は嬉しかったですね。技術力的には自信があったのですが、英語の問題が大きく、就活当初は全く話せませんでした。面接を受けながらステップアップできたのが大きかったですね。

簡単ではない未経験での海外就職

Yutaka:カレッジの同期の方たちのは就職状況はどうでしたか?

Jiro:経験者の方は結構就職できていたと思います。

Yutaka:もし未経験者が1年カレッジに行って就職しようとしたら結構難しいでしょうか?

Jiro:簡単ではないかなと思います。まず新しい環境に慣れないといけないですし、もしパートタイムの仕事をしようとなれば、学校以外での勉強時間の確保など、どのようにスケジュールを立てるのかが大事になると思います。僕はMENTAというプログラミングを教えるサービスで、延べ100人くらいにプログラミングを教えてきた経験があるのですが、その中で初心者の方もたくさん見てきました。要領が良くてスムーズに進められる方ももちろんいるのですが、プログラミングの学習に集中していても結構苦戦されている方が多いという印象です。この経験を踏まえると未経験者がカレッジに1年通って海外就職を目指そうとなると、やはり簡単ではないと思います。

Yutaka:そうですよね。適性や努力によるところも大きく一概に断定はできないですが、難しい道ではありますね。

就職活動ではコープの説明に試行錯誤を重ねる

Yutaka:コープというステータスで苦労したことはありましたか?

Jiro:それはありましたね。就活を始めたばかりの頃、リクルーター面接時にステータスを聞かれ、コープだと説明すると「じゃあ今回はなかったことで」と言われ面接が終了してしまったことがありました。最初の1、2ヵ月は自分のステータスをどう説明すればいいのかを試行錯誤していました。

Yutaka:コープというと、実務経験なしの卒業したての学生という印象ですよね。

Jiro:そうですよね。リクルーターというと技術的なことはあまり詳しくない方が多いのでフルタイムで働けるのか、学校へ通う必要があるのかなどの質問が多かったです。

Yutaka:外国人を採用する側としての関心事はやはりステータス、どのくらい働けるか、ですよね。

Jiro:試行錯誤の末、ステータスに関しては深くは言わずに「問題なく働けます」とだけ言うのが最善策だと判断しました。今働いている会社でのことなのですが、僕のステータスがコープだということがリクルーターから会社側にしっかりと伝わってなくて、入社後一週間くらいに学生のコープをサポートしますというサインを会社側からもらわないといけないのですが、それを上長に伝えると「え?知らないけど?」という反応が返ってきました。

Yutaka:事前に知られていたら、採用は見送られていた可能性もありますね。

Jiro:そうですね。フルタイムで問題なく働けるということを説明して了承してもらいました。会社としては働くのに十分なスキルはあるので、1年間フルタイムで働ければいいと言っていました。

休日はバンクーバーから少し離れたLynn Valleyでハイキングなども

マーケティングツール開発会社にFull Stack Developerとして採用。コロナの影響で入社後もリモートワークが続く

Yutaka:最終的にどのような会社に採用されたのでしょうか?

Jiroinfluitiveという、トロントに本社を置くマーケティングツールを開発している会社です。Advocacy Marketing(アドボカシーマーケティング)※1をWeb上で展開できるサービスを提供しています。例えば、ある製品に関心のある人やファンをWebアプリに集めてGamification(ゲーミフィケーション)※2。の仕組みを利用して、エンゲージメントを高めて、製品について知ってもらったり、より多くの製品を買ってもらったりします。Gamificationについてなのですが、FacebookやTwitterでシェアしたり、アプリ上の記事を読むとポイントが加算され、ポイントが貯まるとグッズと交換できるという仕組みになっています。

Yutaka:Jiroさんはどのようなポジションで働かれているのでしょうか?

Jiro:ポジションとしてはFull Stack Developerで、基本的にはReactとRuby on Railsを書いてたのですが、最近ではGoでのAPI開発など、バックエンドよりの仕事をメインにするようになりました。

Yutaka:会社は何人規模なのでしょうか?

Jiro:70人くらいで、Developerに関してはオフショアも含めて20人くらいの体制です。

Yutaka:完全にこの一つのサービスだけに注力しているのでしょうか?

Jiro:そうですね。このサービスがメインですね。10年くらい運営しているサービスなので、機能も多く、システム自体も大きくて、マイクロサービスなど、様々な技術を使っています。Go、Rails、そしてHanamiという別のRubyのフレームワークも使っています。

Yutaka:コロナの影響で入社後も完全リモートワークの状態でしょうか?

Jiro:そうですね。入社した当初からずっとリモートなので、まだ直に同僚と対面したことがないですね。ZoomとSlackの中で全てのコミュニケーションが完結しています。あとは結構親日の人が多くてJapan Number 1というSlackチャンネルがあったりします。

Yutaka:会社に日本人はいないんですか?

Jiro:いないですね。僕の面接してくれた方の奥さんが日本人で、その方が日本語を話せるようなのですが、まだほとんど日本語で会話したことがないです。(笑)

Yutaka:(笑)

Jiro:でもそれが就活で結構大きく働いたと思います。リクルーターの方が日本で働いたことがある人で日本人の勤勉なところなどを理解していました。会社内でも日本のことを結構知っている方が結構多いので、面接時の印象が他の会社と全然違っていてやり易かったです。

Yutaka:何か縁を感じますね。

個人開発、活動におけるモチベーション

Yutaka:先ほどMENTAで活動されているお話を伺ったのですが、エンジニアとしてフルタイムで仕事をする傍らブログを書いたり、個人でアプリを開発されたり、オンラインコースの作成など、仕事以外に個人でも精力的に活動されているように思いますが、そのモチベーションはどこから来ているのでしょうか?

Jiro:自分が考えたものが人に使ってもらえたりするのがいいと思ったり、あとは単純にできることが増えることが楽しいということですね。

個人的な興味からデザインも学習。デザインからフロント、バックエンド開発までサービス全体を一人で手がけられるようになる

Yutaka:Jiroさんが作成されたブログなど見ていると、綺麗にデザインされている印象を受けます。これらは、Jiroさん自身がデザインまでされているのでしょうか?

Jiro:そうです。Figmaなどを使ってデザインしています。バックエンドの開発経験が多いのですが、デザインやフロントにも結構興味があり、全部一気通貫で作りたい気持ちがあります。バックエンドがしっかりしていても、フロントの見た目が悪いとダメだなと思います。

Yutaka:正にそうですね。バックエンドでどんなに高い技術を使っていたとしてもフロントがボロボロだったら、サービスの信頼性にすごい悪影響を与えると思います。

Jiro:そうですね。特に最近では、パッと見でダサいと登録すらしてもらえない傾向にありますし。

Yutaka:Jiroさんは大学では経営を専攻されて、その後はバックエンドメイン。フリーランスではフロントエンドも手がけていましたが、Reactがメインで、ビジュアルデザインまでの経験はないように思うのですが、デザインセンスはどのように培われたのでしょうか?

Jiro:新卒で働き始めた頃から、サービスやシステムを全部一通り自分で作れるようになりたいという気持ちがあって、カッコいいサイトなどを見ながら真似をしたりしていました。現場で一緒に働くデザイナーさんの仕事を見たり、自分が作ったブログデザインなどを見せて意見を聞いたりしていました。

今後の目標

Yutaka:これからの目標は何でしょうか。

Jiro:当面の目標はやはり永住権の取得ですね。仕事面ではGoを使ったバックエンド開発をするようになったのですが、Goに限らず新しい技術にも触れていきたいですね。

これからカナダへ就職を目指そうとする方へのアドバイス

Yutaka:これからカナダへ就職を目指そうとする人に対してアドバイス、メッセージがあればお願いします。

Jiro:日本と就活の感じが全然違うのでしっかりとトレーニングして臨んだ方がよいと思います。それと英語の面接対策ですね。技術面接の場で面接官から聞かれたことをしっかりと理解して回答することは難しいと思うのですが、その時に一番短く的確に意図を伝えることができるのは専門用語だと思います。例えば、オブジェクト指向での設計について聞かれた際にSOLIDの原則に基づいて説明したり、専門的なキーワードを挙げると「この人は分かっているな」と思ってもらえますね。

Yutaka:確かにそうですね。

Jiro:面接官が期待する回答があると思うので、英語での専門用語を軸に説明ができるようにしておくのがよいと思います。これまで受けてきた面接を振り返ると、質問される概念や分野は似たり寄ったりで、オブジェクト指向、REST APIについてだったり、フロントエンドであれば、クッキーなど、Web技術の基本的なことを中心に聞かれました。カナダに来て1年間くらいはYoutubeで技術系の動画を見ながら、専門用語などの英語をストックしていきました。

Yutaka:それは素晴らしい対策ですね。英語力を流暢なレベルまで引き上げることは難しいですし、限られた言語力の中でいかに面接を突破するのかを考えると、英語での専門用語を準備するのはかなり重要だと思います。

Jiro:英語以外ですと、カナダでの就職をまずゴールとして、そこに至るまでの計画を逆算して立てることもかなり大事だと思います。僕の場合は、Frogのインタビューをゴールに設定していました。(笑) 計画をしっかり練ってそれを日々アップデートしていけば、未経験でも経験者でもうまくいけると思います。特に未経験者はセナさんなどに自分の計画をレビューしてもらうのがよいと思います。

Yutaka:確かに、ただ漠然と目標を掲げて場当たり的に学習、就職活動をするのではなく、目標設定を明確にしてそこから今何をするべきかを詰めていければ、目標達成率も上がってきますよね。今回は貴重なお話、大変ありがとうございました。


Jiroさんはコロナの影響で就職が最も困難だった時期に就活を始められ、見事Full Stack Developerのポジションで就職を果たされました。今回Jiroさんにインタビューさせていただく中で、カナダでの就職活動で最も大切なのは、英語でのコミュニケーション能力であることを改めて気づかされました。

日本でどんなに実務経験を積み、成熟した技術力を持っていたとしても、それをうまく伝えることができない限りリクルーター面接、技術面接を通過するのは難しいと感じました。Jiroさんが見出した突破口としては、英語での専門用語をしっかりと身に着けるということでしたが、英語での会話が未熟だっとしても、専門用語を足がかりに会話を組み立てることは、面接官に理解度をアピールしたり、効率的なコミュニケーションを構築するのにとても有効であると思います。

注釈

※1:顧客の意向を最優先とし、顧客との長期的な信頼関係を構築し利益につなげるマーケティング手法
※2:ゲームに使われている構造を、ゲームとは別の分野で応用すること

Jiroさんが作成されたサイト、アプリ、サービス一覧

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