『Web×映像』の2本柱!IT名門大学BCIT卒業後、現地就職を果たしたふーみんさん
今回はITの名門大学BCITを卒業後、現地就職に成功したふーみんさんにお話を伺います。日本では青学にて情報系の分野を学ぶもデザインがしたいという想いから一念発起。大学を中退しカナダ留学を決意されました。
ふーみんさんはBCIT在学中にもFrogのインタビューを受けておられるので、今回の記事と合わせて読んで頂ければ、BeforeとAfterの部分も参考になるのではないかと思います。
実際に僕自身もカナダへ渡航前に、読ませて頂いた身なので、これから同じように考えている方々の参考になるインタビューです!
今回は、Frogのセナさんとの対談インタビューになりますので、以下対談形式でお届けします!
これまでの経緯
セナ:ふーみんさんは前回もFrogのインタビューを受けましたよね!
ふーみん:そうですね。前回はまだBCIT在籍中でしたね。
セナ:実際に今振り返ってみてBCITはどうでしたか?
ふーみん:周囲の人からそれぞれの学校の話を聞くと、BCITって総合的にみていい方じゃないかなという印象ですね。
セナ:なるほど。Frog関係の人たちもBCIT含めて色々な人がいますもんね。
セナ:きっかけは人それぞれだと思うのですが、ふーみんさんが受けていた当時の”New Media Design” のコースは他の人に薦めたいと思いますか?
ふーみん:選択肢としては有りなんじゃないかなと思いますが、学べるスキルは他の学校とあんまり変わらないのかなと考えたりしますね。
もちろんNew Media Designは映像など特殊な分野もありますが、WEBと言う面で見たときに某学校とかとそんなに変わらないんじゃないかなと思いますね。
セナ:それはどうでしょうね・・・。笑
BCITでの生活について
ふーみん:BCITで在籍していてクラスで一番Web周りのスキルがあったのは僕だったと思うんですよね。経験者のクラスメイトがもう数名いたけど、正直その人達もあまりレベルは高くないのにクラスの上位にいられるような環境だったので、周囲はそんなに成長していなかったような気がします。
それよりも個人でビジネス持ってるカナダ人が多いので、そう言った人たちの中でカナダ社会に揉まれたと言う面では良かったのかなと。なので知らない間にある程度英語も喋れるようになってたこともありましたね。
セナ:他の学校だとなかなかないですよね。
ふーみん:そうですね。毎時間違う先生がきて、英語が話せない自分を気にもとめずに淡々と話されて、なんとなくしか理解できないままにうまく課題をこなして、卒業しないといけないあの環境はとてもプレッシャーでしたね。
セナ:ビジネス持っている人がが多いというのは、生徒側に多いということですか?
ふーみん:僕のクラスの場合はそんなに多くありませんでしたが、4年制などの長期のプログラムになると多かったと思います。ただ、New Media Designのコースでも、先生のほとんどは個人で事業を持っていましたね。なので自分のポートフォリオを見てもらう時も映像制作専門の先生に見てもらって「これなら雇わないね」「すぐに職に付きたいなら、志望ポジションを変えるしかないよね」とか言われたりましたよ。面接対策も含めてそう言った部分は他の学校にはないのかもしれませんね。
セナ:実際に通ってみてと言う面であれば、スキルは他の学校と大差なかったということですよね。ただビジネスや会社を持っている先生・生徒がいたりする周囲なので働くという環境にいれることはメリットだったということですよね。
ふーみん:その通りだと思います。結局は・・・自分でやらないといけないということなんですけどね。
セナ:やはりBCITだとカナディアン多いので、その点でもメリットは大きかったんでしょうね。あとはポスグラですよね。
ふーみん:そうですね。僕の場合は学歴が他になかったので、卒業が必須だし、ポスグラを手に入れなければ就職も多分できないという状況でした。永住権を取るにしても当時の経歴ではその道しかなかったですね。
セナ:公立の大学を出ていないと申請できない永住権のエントリー方法も色々ありますもんね。Certificateと言う部分が引っかかりますけどね。
ふーみん:正直diploma欲しかったですね。それを取ればもっと楽だったかもしれないです。
セナ:でも結果的に今のふーみんさんがあるので、やはり自分でどれだけやるかが大事ですよね。
セナ:印象に残っている授業とかありますか?
ふーみん:辛かった授業しか頭に残ってないです・・・。笑
どの授業でも課題はかなり辛かったですね。
セナ:課題量の面ですか?
ふーみん:正直他の学校と比べ物にならないぐらい多かったと思いますよ。天と地の差ほど・・・。
今思うと、全部の課題に対して頑張りすぎてたかなと感じることもあります。コーディングは知ってる範囲だったのでささっとやってましたけど、英語でひっかかることもあったので、ちょっとしたレポートもめちゃくちゃ調べながら取り組んでいました。
課題で忙しい中、更に動画制作の仕事の機会にも恵まれたので余計忙しかったんですが(笑)当時は一眼レフで動画を撮影している人はまわりにほとんどいなかったので、動画の話するとみんなが声かけてくれてフリーランスとしての仕事を受けることが増えた時期がありました。
セナ:その面だと当時のNew Media Designのコースはふーみんさんにぴったりだったかもしれませんね。WEBに特化したコースでは動画制作の仕事も動いてなかっただろうし。
セナ:New Media Designコースは映像、WEBから法律の勉強まで少し幅広すぎる部分があるので賛否両論あるんですよね。
ふーみん:著作権とかの法律の授業は本当に辛かった。現地のカナディアンでさえ成績ギリギリの人もいましたし。どういうコンテンツを引用したりパロディに作り変えたりできるのか、というような授業内容だったので今となっては役に立っていますが、当時は英語のテストに英語で回答することに必死でしたね。
ふーみん:あとはビジネス、アントレプレナーの授業もありました。授業を一通り学んだ後にフリーランスとして活動できるように、個人事業主とは何かを学んだりしました。
ふーみん:ローカルビジネスのインタビューをしてプレゼンをしたこともありましたが、インタビューをするのも、プレゼンを作るのも英語に苦労してました・・・。この授業のFinal Examは、カナディアンであれば時間がかからないものでしたが、僕は所要時間全部を使ってなんとか解きましたね。必死でした(笑)
ふーみん:ただこういった幅広い知識と経験は今でも活かされていますよ。例えば、SEOをロジック的に考えるのが非エンジニアよりも早く、入社してすぐに能力を認めてもらえるきっかけにもなりました。英語はまだまだ拙い部分もありますが、英語圏のエンジニアとこうして技術面での話ができるのは大きいと思います。
セナ:そういうことですね。New Media Designの評価については分かれるところなんですよね。スキルに期待していた人たちは期待とのギャップを感じてしまったり、逆に自分の方針がある程度決まっていたり、経験がすでにある人であれば良かったと言う人もいるんですよね。
ふーみん:BCITブランドがあるのは他のカレッジと比べると箔が付くのかなと思います。ミートアップや就職の面接でも他のカレッジよりは注目されやすいのかなと感じましたね。
セナ:ミートアップに参加して、まだポートフォリオがない場合でも学校の肩書きだけでBCITの恩恵を受けたという話はよく聞きますよ。
ふーみん:僕のような業界未経験者には箔が付くのでいいのかなを思う一方でスキルがあまりつかないような気がして・・・。難しいところなんですよね。そう言う部分も自分では意識していて、周りのクラスメイトはコースの2/3が終わった時点でやっとWordPressを組んでPHPが触れるようになるところ、僕は最初のタームでそれら全てをできるようにしてたので、WEBのスキル面はBCITには頼ってなかったです。
セナ:個人の方向性や学校自体の総合力やブランドも含めて、選び方は人それぞれな気はしますよね。
就職活動について
セナ:卒業後、仕事が決まった経緯はどうでしたか?
ふーみん:卒業してからはWEBも映像もフリーランスで半年くらいしていましたね。就職活動を始めたタイミングでFrogスタッフから連絡があって、今の会社の紹介がありました。正直どんな会社かまったく知らなかったんですけどね。自社のWEBサイトもいいものではなかったし、本当に何をやってるんだろとして思わなかったんですよね(笑)
セナ:他に受けた会社もありましたか?
ふーみん:ちょうど卒業2ヶ月後に映像のフリーランスも本格的に始めようかと考え出した頃、エンジニア職で2社電話面接を受けてみました。フロントエンドのスキルは持ち合わせていましたが、ただこの時は既にフロントエンドデベロッパーになるつもりは無かったんですよ。
セナ:ええ。そんなイメージ全くなかったですけどね。
ふーみん:当時、JavaScriptがめっちゃ伸びてて、Angularを使えて当たり前っていう流れでした。もちろんNodeも触れるよね?みたいな感じでフルスタックが人気だったんです。フロントエンドデベロッパーとして就職することにちょっとした疑問も感じていたこともあって、この流れに乗りたいと思い、付け焼き刃でNodeをささっと勉強してフルスタックと名乗って7社ぐらい応募してその2社電話面接でした。
1社は小さな会社だったのでビザ支援できないと言われて、もう1社はスペックの高いフルスタックの人材を探していてミスマッチになりました。なので結局フリーランスにまた戻ってしまいました。
セナ:それは卒業後の半年間でということですよね?
ふーみん:そうですね。とはいえ就職しないと永住権に近づけないし、自分自身の経験・スキルと将来的な方向性を考慮したときにマッチしているのではという判断で今の会社に最終的に決めましたね。
セナ:タイミングよくマッチしたということですよね。ちなみに面接どうでしたか?
ふーみん:全部口頭での面接でした。コーディングや技術テストは無く、ポートフォリオで動画を見せて、さらっと進みました。
セナ:面接の回数は?
ふーみん:面接の回数自体は4回ありました。1人目は少し威圧的な印象を受けた日本人で、6割くらい英語で話しました。英語で質疑を進めた後、日本語に切り替わって、ビジネスや今後の方向性の話をしたときに自分の中でこの会社のイメージにピッタリはまった感覚がありました。
次は人事との面接で必要なビザ・給与の話などをしましたね。3次面接では海外統括をしている人との面接でしたが、WEBや映像のスキルについての話はまったくなかったです。例えば日本とこっちのマーケットの違いを聞かれたり、ビジネス寄りの話をメインに質問を受けました。
最終面接では打って変わってWEB・映像制作に食いついてくるような真逆なタイプの面接官で、動画コンテンツやWEBについて話しましたね。
セナ:マルチプレーヤーが以外とそこでは必要だったかもしれないですね。
ふーみん:そうですね。当時はチーム内にエンジニアっぽい人はゼロでした。動画の知識を持っている人もいなかったので、入ってからは僕自身がSEOの知識や映像制作の知識を盛り込んだ新しいサービスをデザインすることから始めることになりました。
セナ:この記事を見ている皆さんも気になっていると思うのですが、入社してからの与えられる仕事内容ってどのタイミングでわかったんですか?
ふーみん:最初の面接のタイミングでメインとなるタスクはほとんど聞かされました。簡単に言うと日本人のYoutuberをコンサルしつつ成長させることが僕の仕事です。
セナ:YouTuberのマネジメントって業界でもまだまだ新しい方だと思うのですが、具体的にどういうことをやっているんですか?
ふーみん:YouTuberへのコンテンツ戦略やブランディング、SEOなどのアドバイスから、広告主となる企業とYouTuberをつなげてインフルエンサーマーケティング案件を成立させたりなど、広く担っています。入社した2年前はYouTubeもまだまだ素人が動画を撮っていた時代だったので、「SEOってなに?」というものから登録者が100万人以上のYouTuberに対してマネタイズの方法を教育したりと幅広いですね。
セナ:なるほどですね。日本とカナダの違いを感じることはありますか?
ふーみん:僕が所属しているのは日本人が多いチームで、直属の上司も日本に常駐しています。一方でその上の上司はカナディアンで会議自体も英語でインターナショナルなんですが、結局クライアントが日本人のなのでメールや電話のやりとりは日本式で、結構ややこしいんですよね。笑
日本人がイメージしているコンサル業務をカナダの労働時間8時間でこなさなければいけないので、北米スタイルでビジネスをしているのに、日本向けにローカライズしないといけないのが難しいです。
今後の展望
セナ: 今後もこっちで働くイメージですか?
ふーみん:この前日本に帰ったのですが、正直日本で働けるかわからないですね。帰国中に日本の友達に会ったのですが、友達のうちの1人が残業で22時になっても来ないことがあって、「あ、そうだよね。やっぱりここ日本だ!」ってなったのを覚えてます。(笑)
日本を見ると忙しそうだなっていうのと、カナダでわりとできてしまっているので、日本を見る目は離れてきているような気がしますね。
セナ: 移民はずっと視野に入れていたんですよね?
ふーみん:ずっと考えていました。現在はPR申請中です。まだ1年ほど待たないといけないんですが・・・。
セナ: 今後はどうしていく予定ですか?
ふーみん:やはりビジネスの観点で起業もやってみたいと考えています。一方でアナリストやData Science系に進んでスキルアップすることにも興味があります。できればメディアを絡めたいけど、技術的に難しい部分もあるので。
セナ:なるほどですね。起業するか、それともData Science周りでキャリアアップするかはこれから考えていく感じですね。
ふーみん:そうですね。やりたいことは山ほどあります!
セナ:基本はバンクーバーを中心に活動して、まずは永住権を取ってという感じですね。
ふーみん:ですね、追い出されないようにしないと。
セナ: 最後にこれから留学を考えている皆さんにアドバイスをお願いします!
ふーみん:20歳前後で留学する人たちは、専門性を持ちましょう。僕自身も専門スキルとして映像もWEBも中途半端にせずやってきました。それが最終的に繋がって今の仕事になったことは言うまでもありません。
どこでどうなるかわかないけど、なにかの役には立つ。まさにスティーブ・ジョブスのスピーチで有名な「点と線」だと思います!
セナ:確かに。それは間違いないですね!ありがとうございます!!
いかがでしたか?
カナダに初めて渡航してきたのはまだ21歳。若くして自分の目指す方法に対して早いタイミングで一歩を踏み出した行動力と「WEB×映像」の二足のわらじで現地就職を果たされたふーみんさんの経歴はとても驚かされますね。
世間でも動画・映像に対する意識が広まってきた中、先駆けてその分野に足を踏み入れたその先見性もエンジニアならではのトレンドを見抜く力なのかなと考えたりしました。
穏やかな雰囲気を醸し出しつつ、常に愚直に立ち向かう姿勢が伺えるインタビューでした!
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