LangaraのAcademy of Art University(AAU)についての最新情報
FrogではWeb/IT系のみならず、クリエイティブ全般における留学相談とプランニングを担当してきた経緯から、各学校の最新情報を収集する努力をしてまいりました。
先日、州立カレッジとしてこれまで多くの学生に親しまれてきましたLangara Collegeより最新の情報として、アメリカのAcademy of Art Universityとの提携による新しいコース開設が発表されましたので、ここで報告させていただきます。
Academy of Art University、通称AAUはアメリカ国内でも最大規模を誇る私立の美術大学であり、サンフランシスコを拠点にいくつものキャンパスを保有していますが、今回Langaraとの提携により、カナダ、バンクーバーに居ながらもAAUが提供するカリキュラムの受講が可能となりました。
Langara and Academy of Art University launch joint creative industries school in Vancouver
また、アメリカと比べ外国人の受け入れに積極的なカナダでは、Langaraのような州立カレッジを卒業すると3年分の就労ビザ(ポストグラデュエーションワークパーミット)が発行されるため、アメリカやカナダ国内の私立大手映像系学校と比べても、カリキュラム、ビザの条件ともに非常に魅力的な要素を兼ね備えている可能性が大きいでしょう。
現時点で判明している学校側からの情報については当記事にまとめさせていただきますが、詳しくはお問い合わせ頂きますよう、宜しくお願い致します。
キャンパスはどこになるのか
Academy of Art University(AAU)コースの施設は、Emily CarrやCenter for Digital Mediaのある建物の隣、Frogメンバーだと、以前座談会でお話をしてくれたSaayaさんが務められていたAxiom Zenのある建物で有名ですね。
プログラムの開始時期は?
既に(2019年3月現在)募集は開始されており、初年度の開始は2019年9月と報じられています。設備が未完ということもあり、施設見学などができない内からの募集開始となりますが、既に人気が高いとの事です。
入学基準は?
気になるAcademy of Art University(AAU)の入学基準は他の州立学校とそこまで大差は無いようです。基本的にはIELTS6.5とポートフォリオの提出。最近映像系の学校は、学校で学ぶ前に既に制作ツールを使用し提出を求める学校も多い中、気になるのはAAUに提出するポートフォリオの作品レベルなどですが、これも多くの場合は創設当初は敷居が低い事が多いため、今後ポートフォリオの作品レベルも年々上がるなどの可能性はありそうですね。
Langaraは元々Leapなどの専属ESLを持っているため、この辺りとAAUの入学基準が知りたい所ですが、ESLは入学基準だけでは語りきれない点も多いため、実際に入学を検討される方は一度弊社までお問い合わせください。
生徒数は?
一クラス辺りの平均は25~35名ほど、全体としては(Langaraより報告されている予想ですが)生徒数として最終的には1000人程になる見通しとされています。
プログラムの内容は?
ここが一番気になる所ですよね。料金などについては後述いたしますが。
- One Year Foundation Art Certificate (35 Seats)
- Two Year Advanced Diploma in 3D Animation (25 seats)
- Two Year Advanced Diploma in VFX (25 Seats)
- Two Year Advanced Diploma in Game Design (25 seats)
以上の4コースが開講される予定です。CertificateとDiplomaに分かれるんですね。就職率の良い学校の場合、中にはコンポジティング、エフェクト加工など、年間を通して限定した技術に磨きをかけることを意識する学校と、多岐にわたって様々なスキル、ツールを磨く学校とで、学校の評価が分かれる所ですが、Langaraは2年間あるという事も手伝い、後者の広めな知識を身に付けるカリキュラムで今後進めて行きそうですね。
この辺りは引き続き学校側の動向をチェックする必要がありそうですが、現時点では以上の4コースが予定されております。
ですが、既にGame Programingなどのコースの新設も予定されているので、Langaraに目が離せない年となりそうです。
LangaraのAcademy of Art University(AAU)の気になる学費は?
さて、最も気になるもう一つの懸念事項としては学費が上げられると思います。基本的に映像系の学校は学費が非常に高いことで知られており、バンクーバーは特に就職率の高い学校が多い事からも、映像系の学校の値段は年々上がってきている傾向にあるため、注意が必要なのですが、Academy of Art University(AAU)に関しては、現在以下のような料金設定を想定しているそうです。※料金表記はカナダドルです。
- One Year Foundation Art Certificate $20,000
- Two Year Advanced Diploma in 3D Animation $65,000
- Two Year Advanced Diploma in VFX $65,000
- Two Year Advanced Diploma in Game Design $65,000
やはり、Animation、VFX周りは料金が高いですね。Game Design周りですとLasalle Collegeなども近年知名度を上げてきていますが、AAUも開校後の評判が気になるところです。
元々映画業界はプロジェクト単位でコントラクトベースでの契約体系であることが多く、どうしても就労や永住する上でビザとの相性が悪く、ビザ周りの交渉で企業側と決裂する方が後を絶ちませんでしたが、その点、Langaraは州立校であるため、2年のコースへ通えば3年分の就労ビザ(ポスグラ)が獲得できるため、上手くいけば複数のプロジェクトに参加するだけの期間も猶予も生まれ、順当に経験、ポートフォリオ、デモリールのレベルが上がればその後永住権へと繋げることも可能性が高くなりそうです。
また、映画産業はITなどの分野と違い、忙しい時は残業、休日出勤などは当たり前のため、そういった意味で体力も必要となりそうですが、当然サービス残業という概念は基本的に無いため、忙しい時期が続けば就労して初年度で700万~800万円程稼ぐジュニアやプロップなどもいるそうです。そういう意味では、LangaraのAcademy of Art University(AAU)の学費も卒業から数年でペイできる可能性は高いですが、いづれにせよ「カナダ、北米圏で就労できれば」という条件付きでのお話にはなりそうなため、難易度が低いとは言い難い印象はあります。しかし、ポスグラの存在が相当有利に働くのは間違いないでしょう。
以上を踏まえ、現実的な目線でまとめると、ポスグラの存在からもカナダ、北米圏での就労の可能性は大いに増えそうですが、同時にもし日本に帰国となった場合にはペイするには難しい学費でもあるため、在学中のプレッシャーは重くのしかかることにはなるでしょう。
Frogでは実際に現地で就労したアーティストやクリエイターのお話を聞ける機会を多く作るべく、今後コミュニティを活性化させていく所存ですので、気になる方は是非お問い合わせください。
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