海外就職や移住、IT関連人材の海外キャリアをサポート

よくある質問 無料個別相談

ブログ

日本在住時にAmazonカナダからオファーを獲得!在籍2年でカナダからアメリカへ転籍するImaiさん

今回、インタビューに応じてくださったのは日本にいる時にAmazon CA(カナダにあるAmazon)からオファーを獲得し、カナダへ渡航しその後はなんとシアトルにあるAmazonへの転籍を果たしたRyo Imaiさん(以下:Imaiさん)です。

社内転籍でカナダから陸続きのアメリカに渡るということは、簡単そうに聞こえるかもしれませんが、実はそうではありません。今回はImaiさんが日本在住時にカナダのAmazonからオファーを獲得したところから、その後どのような流れや交渉を経てアメリカに渡ることになったのかを語っていただきました。

誰しもが憧れるであろうアメリカでの勤務。将来のステージにアメリカを見据えている方にとっては必見の内容です!!


大学在籍時から海外で働くことを見据える

Yuto: 海外で働いてみたいという願望はいつからありましたか?

Imaiさん(以下:Imai): 海外に出たいという気持ちは大学生の頃から持っていました。大学院に進学する際に海外の大学院という選択肢もあるということは友人から聞いたことがあったのですが、予算面で厳しかったので海外ではなく同じ大学の大学院に進学しました。専攻は電気電子工学だったのですが、僕自身はプログラミングの方が得意だなと思っていました。

当時、読んだ本で「エンジニアとして世界の最前線で働く選択肢」という本を読み、ソフトウェアエンジニアとしてアメリカで働くという選択肢があることを知り、海外で働くことを考え始めました。

Yuto: キャリアの早い段階から海外を見据えていたんですね!!

Imai: そうですね。大学院の時に思いつきで1ヶ月間サンフランシスコに滞在しました。そこでGoogleの本社に入れる機会があり、アメリカを”目指すべき場所”としてうっすらと捉えるようになりました。

Yuto: 僕も大学生の時にサンフランシスコに滞在していました。そこでスタンフォード大学とAppleの本社に行って「規模が違うな〜」と感じました。

Imai: そうですよね。魅了する何かがあるというか。

Yuto: 大学院卒業後は日本にあるIBMへ就職されたということですが、そこには社内転籍でアメリカに渡るという制度はありましたか?

Imaii: ありました。IBMに入社したのも”海外転籍のチャンスがある外資系企業に入る”ことを目標に掲げて就職活動をしていたからです。

Yuto: それで入社できるのはImaiさんの実力が当時から凄かったからですね!

Imai: 日本にある外資系の会社でソフトウェアエンジニアを募集しているのは稀でした。

Yuto: ほとんどが本社がある北米にエンジニア、日本では営業やマーケティングといったポジションを募集していると聞いたことがあります。

Imai: そうですね。その中でもIBMは募集要項でCSの知識やプログラミングの実力を求めているわけではなかったので入社することになりました。

IBM Japan在籍時にアメリカ転籍を狙うもコロナの影響で断念

Yuto: IBMではどのようなお仕事をされていましたか?

Imai: AI系のサービスを開発していました。当時では珍しく、クラウド環境でAIを使ったサービスをAPIとして提供していました。例えばAPIを使ってPDFを送ると要約してくれるといったものです。その部署で5年過ごしました。同僚は7割がアメリカに居て、残りの3割が日本在住だったと思います。

Yuto: 当時から最先端技術を取り扱うグローバルなチームに身を置かれていたんですね!

Imai: 確か他の地域の人もいたと思いますが、大体がアメリカか日本でした。

Yuto: 業務では英語を使っていましたか?

Imai: はい。ドキュメントやGithub上では英語でやりとりしていました。

Yuto: 日本に居た時から業務で英語を使っていたのであれば、カナダに来てAmazonで働き出した時も”英語でやり取りをする”ということに対しての抵抗は少なかったかと想像するのですが、実際はどうでしたか?

Imaii: それでも苦労しましたね。これは言語面での差もあると思いますが、社風の違いもあったと思います。日本ではアメリカのチームと会議をするときは事前準備をしっかりするようにしていましたが、Amazonでは間髪なく会議が入るので準備をしている余裕もなくといった感じです。

Yuto: なるほど。企業の文化の違いにもよるんですね。IBMで社内転籍制度に応募はしましたか?

Imai: ずっと応募し続けていました。でも転籍できるかどうかは時と場合によると思います。例えば自分が所属していない部署のポジションに応募して海外に転籍することはほぼ不可能です。返答すら返ってこないこともよくあります。

なので、自分と同じ部署のアメリカにいるチームと関係を深めておくと、枠がある時に転籍できる可能性は上がります。私も同じ方法で転籍を試みて、できそうだったのですがコロナ禍で状況が不安定だったため、その話は流れました。

Yuto: 部署によるんですね。Imaiさんの同僚もしくは知り合いで実際に転籍された方はいましたか?

Imai: 私が在籍している間ではいなかったと思います。それくらい難しいということですね。IBMはどちらかというと開発よりもBtoBの営業がメインなので、営業の方が日本のクライアントのアメリカ支店をサポートするために移るというパターンはありました。開発職だとその辺りの理由付けが難しいので事例が少ないんだと思います。

Yuto: 僕も昔は海外展開をしているメーカーの営業だったので、クライアントのために海外に行くというのは聞いたことがあります。

Imai: 特定のクライアントと深い関係を築けている場合とかですよね。それでも運とタイミングによるので難しいところです。

Yuto: 仮にImaiさんの転籍の話がコロナ禍でなければ、アメリカに渡っていたかもしれませんもんね。

Imai: はい。その運とタイミングを手繰り寄せるためには自分から”海外に転籍したい”というアピールや働きかけをしないと話は降ってこないです。向こうから”ポジションが空いているけど来たい?”なんて話はまず出てこないので。何回も何回も試行を繰り返すことが大切です。

Yuto: 僕の前職でも声を挙げていた人の方が海外に転籍できる可能性は高かったです。海外転籍だけに関わらず、就活でも周りにアピールすることは大事だと思います。少しでも自分が何をしたいか、しているかを周知させることで思いもよらぬチャンスが巡ってくるかもしれませんし。

Imai: 間違いないですね。

日本に居ながらもカナダのAmazonからオファーを獲得しバンクーバーへ渡航

Yuto: カナダのAmazonに転職したきっかけを教えていただけますか?

Imai: 理由は2つあります。1つは海外転籍が難しくて、転職した方が海外に行きやすいんじゃないかと思ったこと。もう1つはチーム異動があったりして仕事の内容が魅力的じゃなくなったことです。

Yuto: 転職活動の際にどこかの国や地域に狙いは定めていましたか?

Imai: 特に定めていなかったです。アメリカはビザを取得することが難しいことは知っていたので、とにかく海外に行くということだけを考えながらカナダやドイツなどを見ていました。

Yuto: なるほど。カナダのAmazonへはどのような流れで応募しましたか?

Imai: LinkedIn上でリクルーターからメッセージが来て選考に進みました。Relocationのサポート(ビザの申請等を含めた引越しのサポート)が付いてるから受けてみない?的な内容でした。

Yuto: すごいですね。向こうからメッセージが届くと書類選考をパスして面接に進みやすくなりますもんね。面接内容はどうでしたか?

Imai: 回数は少ないんですけど、1回の面接が5~6時間(複数人と1時間ずつ)ほどあるので長かったです。

Yuto: ということは転職活動は時間をかけることなくスムーズにいったんですね。

Imai: はい。正直言うと他の企業に応募する前にAmazonの選考が進んでいきました。私の得意分野はインフラやDevOpsだったのですが、Amazonで選考に進んだのはソフトウェアエンジニアのポジションでした。初回の面接で経歴を話していくうちに、そのチームではなく別のチームでDevOpsを探していることが明らかになって、別のチームに応募し直すことになりました。

Yuto: 他のチームでも同様に募集があったんですね。選考に進んでいたのは2022年でしたっけ?

Imai: はい。当時はマーケットが良かったみたいですね。

Yuto: 僕の記憶が正しければ当時はコロナ禍が終わり、北米ではどの企業も積極的に採用をしていたイメージがあります。応募してからカナダに渡航するまではどれくらいの時間がかかりましたか?

Imai: 面接にスケジューリングも含めて2ヶ月 + 渡航に3ヶ月で5ヶ月ぐらいかかりました。通常より長いと思います。時差の関係で面接の日程の調整が難しく、何も言わないと日本時間の深夜帯に面接が入ります。本来は1日で行うものを2日に分けてほしい等の交渉をしていました。

Yuto: 向こうも柔軟に対応してくれたんですね。Amazonに入社されて感じた日本の外資企業との違いはありますか?

Imai: そこまで大きな差は感じませんでしたが、一番違いを感じたのはOwnershipの部分です。これはAmazonが掲げている企業理念にもあるのですが、簡単に言うと”自分の携わる範囲が定められているわけではなく、自分自身でどの部分に関わるのか”を決めなければなりません。自分から積極的に動ける人が評価されるので指示待ちの人には難しいと思います。

特に私のチームリーダの方針はマイクロマネージメントするのではなく、各個人に任せるスタイルです。

Yuto: サーバント・リーダーシップ(Servant Leadership)と呼ばれるものですね。

Imai: そうですね。それに加えてAmazonでは各チームがそれぞれのマイクロサービスを持っていて、各チームがインフラの構築から運用まで行っています。なので各チームが自由にできる範囲が広い分、やることも多いといったのが特徴です。運用も含まれているので障害対応も業務の一部です。Amazonは昔からマイクロサービスを進めてきた会社です。

SquamishのStawamus Chiefにて

カナダに来た直後からアメリカへの転籍を考える

Yuto: カナダに来てから、どれくらい過ごしてからアメリカへの転籍を考えはじめましたか?

Imai: 初日です笑

Yuto: はやい笑

Imai: そもそも、私のチームメンバーが私を除いて皆シアトルにいるんです。面接中や入社後にそのことに気づき「めっちゃラッキーやん」って思いました。おそらく、いきなりアメリカのビザ取得は難しいのでカナダで募集していたんだと思います。

Yuto: カナダからアメリカに転籍するに当たって、条件や流れを教えていただけますか?

Imai: L1ビザという社内転籍のためのビザを使ってアメリカに転籍をします。それを使うための条件に”最低1年以上その会社で働いていること”です。なのでカナダに来てからすぐにアメリカに行けるのではなく最低でも1年間は過ごさないといけないということです。

その条件を満たすと、応募は社内の求人サイトを通して応募します。これが通常の流れです。これは私が使った流れではないので詳しくは分かりませんが、おそらくIBMのように”いきなり違う組織”に行くというのは難易度としては高くなると思います。L1ビザでアメリカに行く時に”なぜ、その人を海外からアメリカに呼ぶ必要があるのか。その人しか知らない知識や技術はあるのか”という専門性が問われます。私が社内で複数人見かけた例も、組織内で違うチームへの移動で内部のドメイン知識が活かせるポジションです。関連するチームに異動するのが王道だと思います。

おそらくAmazonの場合は各チーム内でしか使っていないノウハウや技術があり、それらは外部の人は知り得ない情報なのでL1ビザの申請を通すことができます。

私は運に恵まれたと思っていて偶然チームメンバーが全員アメリカに居て、僕が移動するという流れなので。

Yuto: カナダのAmazonからアメリカに転籍というのは頻繁に起こっていますか?

Imai: 起こっていると思います。誰でも行けるという訳ではないですが、挑戦すれば行けるので。そもそも私がいるバンクーバーのオフィスにて、バンクーバーにチーム全員がいるという状態は稀だと思っています。基本的にシアトルに開発の拠点があってバンクーバーには分岐したチームがあるといった状態です。そうすると、何かしらの関連するチームがシアトルにあるということになり、大体の確率でシアトルにいる人と一緒に働くので関係を築くことができます。それらを加味するとAmazon JapanよりもAmazon Canadaからの転籍の方が機会は多いと思います。

Yuto: Amazon Canadaにはアメリカに転籍したいと思っている人が多いってことですよね?

Imai: そうですね。私の同僚も同じタイミングでアメリカに移ります。給与や税金面でアメリカに行きたい人が多いので、全員が行けるわけではありません。私が上司と交渉している時も、上司がその上の人と交渉していて、それに時間がかかっていました。なので、本当に感謝しています。

それに私の上司の上司がカナダからアメリカに転籍した方だったので、よく「アメリカ行きたくないの?」と聞かれて、私は「もちろん行きたいです」という話をしていました。上司も含めてアメリカに行きたいということは言い続けていました。

でも私の上司は「もっとカナダで安定してから来たらいい」と言っていて少し温度差を感じたのですが、私自身もカナダの永住権を取りたいという思いはあったので、それを達成してからアメリカ転籍の話を再開しましょうという話をしました。

Yuto: カナダに来られてから2年も経たずして永住権も取られているんですね!凄すぎる、、、。そこからアメリカ転籍が決まるまではどのような流れでしたか?

Imai: 永住権が取れたあとは、アメリカ側にポジションを作ったり求人を作ったり等の過程を経てアメリカ行きが決まりました。永住権が取れてから数ヶ月くらいですかね。

Yuto: アメリカに移るに当たって試験や面接はありましたか?

Imai: なかったです。あるのかな?と思ってたんですけど無くて安心しました笑

Yuto: 同じチームでずっと一緒に働いているので、しても仕方ないですもんね笑

Imai: おそらく、転籍先のチームとどれくらい密接に仕事をしているかによって面接の有無が決まるのかもしれません。

Yuto: なるほど。アメリカ転籍を実現させるに当たって上司へのアピール以外に取り組まれていたことはありますか?

Imai: とにかく頑張って働いてチームの中で認められ信頼を勝ち得ることです。いくら同じチーム内で転籍をすると言ってもそれらの土台がないと難しいです。パフォーマンスが良くないと”なんでこの人をアメリカに送る必要があるの?来てもチームにメリットはあるの?”という問いに上司が答えられないと思います。

Yuto: 平均よりも高いパフォーマンスを維持することで信頼を勝ち得る。実力で相手を納得させるということですね。

Imai: はい。それが結局は一番大事なんじゃないかなと思います。居なくなったらチームが困るくらいの存在になる勢いで働いていました。私はAmazonの開発者の大多数であるSoftware Development Engineer (SDE) とはちょっと違って System Development Engineer (SysDE) という、DevOpsやSRE等の分野に近い職種で、ソフトウェア開発もするのですが、インフラの構築、自動化やオペレーションの改善などが主な業務です。これらのチームに求められてそうなことに取り組んでいたこともあり信頼を勝ち取れたんじゃないかなと思います。

おそらく、同じチーム内での移動か別のチームへの異動かによって対策の仕方は変わると思います。私は前者のパターンでしたが後者の場合は普段仕事に加えて面接対策等もしないといけないとので。

Yuto: アメリカに行くにあたって意気込みはありますか?

Imai: 現状はIntermediateのポジションなので、そこから昇格を目指したいです。他にもチームをリードできるようになりたいです。様々な意見が飛び交う中で他の人を説得できるようにならないと、いくら自分の意見や技術力があってもそれらを通すことはできないので。技術力を磨くだけでは上のポジションに上がれないのは確かです。

Yuto: Imaiさんならきっとできます!!

Whitehorseにて犬ぞりを楽しむ

日本から海外を目指す人たちへのメッセージ

Yuto: 最後にこれから日本から海外を目指す方々へアドバイスをいただけますか?

Imai: いきなり、日本から海外を目指すのもいいのですが日本にある外資系企業を目指してもいいのかと思います。もしキャリアが若い方はまずはエンジニアの職を得てソフトウェア開発がどうゆうものなのかを学ぶことをお勧めします。日本の方が圧倒的に職は得やすいので。

私の場合は日本にいた時から海外の方と仕事をすることで海外で働くことに対する心理的障壁がかなり少なくなったので、それに似た状況を作れると良いですね。

Yuto: OSS等で海外の人たちとやりとりをしてみることも有効ですか?

Imai: それも良いと思います。私的にはいきなりカナダに来て突き進んでいく、勢いのある人にも憧れますけどね(笑) でも、いきなり日本からアメリカというのはかなり難しいので一つずつ積み上げていくことが大切ですね。

Yuto: 大きなゴールを設定して、そこから逆算して見える一つ一つの小さなゴールを着実にこなしていく。それを継続していくことで現地点とゴールへの距離は確実に縮まりますよね。

それこそカナダは日本とアメリカの中間に位置付けできる国だと思います。

Imai: そうですね。正直、運やタイミングの要素がかなり大きので必勝法というものは無いと思います。日本に居てもできることはたくさんあるのでOSSやミートアップに参加してみるのも良いと思います。

英語も勉強するよりも実際に英語を使う場にいることが重要だと思います。私自身、仕事で英語を使うことで英語力が向上しました。日本でも英語が公用語の会社があると聞いたことがあるので、そこを目指すもの良いと思います。それに漠然と英語の勉強を続けるのってキツイじゃないですか笑

Yuto: 間違いないです!僕も同じく英語環境で働いたことで英語力が格段と上がったので。

貴重なアドバイス、ありがとうございました!アメリカでも頑張ってください!


いかがでしたか?Imaiさんは長い期間をかけて日本にいる時から虎視眈々とアメリカを目指していました。どうしたらアメリカに行けるのか?をリサーチし必要なステップを1つ1つこなしていった彼の言葉にはとても重みを感じました。

実際に日本やカナダからアメリカに転籍する場合、どのような流れで進むのか。なかなか聞けることのない貴重な内容でした。

日本からカナダ、カナダからアメリカへ行くことを考えている方にはとても有意義な内容だったのではないでしょうか?最後までご覧いただきありがとうございました!

次回のインタビューでもお会いしましょう!

コメント

サイト内検索

お知らせ

Canadian Dream 2024は12月7日、東京に決定!

お気軽相談会を毎週土曜日朝7時(日本時間)に開催

Frog利用者のめちゃめちゃリアルな留学後インタビュー

Frogオフィスへのアクセス方法

無料相談

FrogではメールまたはZoom等による無料の留学相談を行っています。
海外で活躍できるクリエイターとなるための様々な情報共有だけでなく、
勉強方法や就職までの流れ等もご相談承っておりますので、お気軽にご相談ください。

開催予定のイベント まずは説明会へ参加


Frog Office
Suite225 – 314 West Cordova Street, Vancouver

ニュースレター

Frogの最新情報や、留学・就職に関する情報を随時配信しています。お気軽にご登録ください。