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事務職、カスタマーサポートを経てカナダ留学後、Money Forwardにてフロントエンドエンジニアとしてのポジションを得たHikariさん

今回のインタビューは、日本で事務職やカスタマーサポート企業にて社会人経験を経たあと、カナダへ留学し、カフェでのアルバイト、エンジニアインターンやフリーランス経験を経てカナダで多くのことを経験し、日本帰国後はMoney Forwardにてフロントエンドエンジニアとして就職されたHikariさんのインタビューをさせて頂きました。

海外での生活やキャリア形成に興味を持つ多くの方にとって、非常に参考となるお話になっていると思います。また今回のインタビュワーであるYutoさんとはカレッジの入学時期も近く、ご近所付き合いがありカフェでのバイトなどを勧めたのもYutoさんということで、お互いの苦労や軌跡を良く知るもの同士のインタビューとなっているため、キャリアにおけるお話を赤裸々に語って頂きました。


これまでの経歴について

Yuto: それでは、これまでのご経歴についてお伺いできますか?

Hikari: はい。私は新卒で1年間事務職を経験し、その後カスタマーサポートの会社に転職しました。そこで、IT製品のテクニカルサポートを担当していました。

Yuto: IT製品のサポートということですが、具体的にはコーディングとは異なる業務内容ということですか?

Hikari: そうですね。少し難しそうに聞こえますが、実際にはIT製品の操作方法や使い方を電話でサポートする仕事でした。

Yuto: なるほど、ではコーディング作業などはなかったんですね?

Hikari: はい、そうです。ガジェットやハードウェアの使用方法、専用アプリの使い方などについてのサポートを行っていました。

Yuto: 日本では合計で4年間ほど社会人経験を積まれたということになりますね

Hikari: そうですね。新卒での1年間を含めると、合計4年間社会人として働いていました。その後、26歳か27歳の頃にカナダへ渡ることになります。

Yuto: 日本でのキャリアを手放して、なぜ海外に行こうと決意されたんですか?

Hikari: ずっと子供の頃からの夢だったんです。中学や高校の時から、海外に行きたいという気持ちが強くて。大学時代に留学も考えたんですけど、経済的な理由で長期で行くのは難しかったんです。それで、社会人になってお金を貯めました。コロナの影響もあってタイミングが合わず、行けると思った時に思い切って行ったという感じですね。

Yuto: 社会人になってからも、いつかは必ず海外に行こうと決めていたんですね。

Hikari: そうなんです。絶対に海外で働くって決めていましたから。

Yuto: すごいですね。長い期間をかけて計画を立て、それを実現されたんですね。

Hikari: 中学高校から考えていたことなので、十数年越しの夢を叶えた感じです。カナダに行けて、本当に嬉しかったです。

カナダを選んだ理由とその苦悩

Yuto: カナダを選んだきっかけは何だったんですか?

Hikari: 最初はワーキングホリデーを考えていて、英語圏であればどこでも良かったんです。でも、新卒で働いた後、日本でのキャリアに悩むようになり、本気でキャリアチェンジを考え始めました。テクニカルサポートの経験があったので、現地でTech系の仕事を目指すことにしたんです。最終的にカナダを選んだ理由は、テクノロジー関連の仕事が多く、キャリアアップしやすい環境だと感じたからです。

Yuto: なるほど、テクニカルサポートから開発系に転身したかったんですね。

Hikari: そうなんです。もともとはサポートする側でしたが、次第に「作る側」に興味が出てきて、これしかないって思いました。リスクも大きかったですが、失敗したら後がないくらいの覚悟で挑戦しました。

Yuto: その気持ち、分かります。僕も似たような状況で、うまくいかなかったらどうしようって悩んでいました。

Hikari: やっぱり、皆さんそういう不安はあるんですね。特に未経験からのキャリアチェンジは本当に怖かったです。

Yuto: そうですよね。特に一度転職してからさらに海外に挑戦するのは、大きな決断ですし。でも、その決断は正しかったと思いますか?

Hikari: はい、そう信じて頑張っています。まだまだ道半ばですけどね。

カナダ生活と帰国のキッカケ、そしてカナダへの想い

Yuto: Hikariさんは現在は日本へ帰国されているわけですが、カナダでの生活はいかがでしたか?どのくらいの期間いらっしゃったんですか?

Hikari: 約2年間ですね。最初の頃は本当に楽しくて、ずっと行きたかった国だったので、毎日がハッピーだった気がします。

Yuto: 「帰りたくないー」って言ってましたよね。実際、どうして帰国することになったんですか?

Hikari: 当時エンジニアとしての成長が停滞していると感じていたのとプライベートの状況が重なって、帰る頃合いだと感じました。でも、カナダでの経験は本当に貴重でした。

Yuto: カナダ生活を満喫されたんですね。カナダでの経験はどうでしたか?

Hikari: 楽しかったですし、将来的にはまた戻りたいと思っています。でも今は、日本で新しい挑戦をして、さらに自分を成長させたいですね。あと、カナダに住むこと自体よりも、エンジニアとして正社員で成長できる環境に身を置きたいという気持ちが強くなって、最終的に帰国を決めることになりました。

Yuto: そうですよね。カナダでは未経験からだとコントラクトやボランティアから始まる人が多いので、僕たちの周りのFrogメンバーの中で日本へ帰国した人たちからも、同じような話を聞いたことがあります。正社員という安定した環境と、フリーランスなどの不安定な仕事を比べると、やっぱり正社員の方が魅力的に感じることが多いですよね。

Hikari: 特に未経験者にとっては、基盤がない状態でとにかく経験を積むことが重要だと感じますね。

Yuto: 本当にそうですね。僕も初めて正式な職場で働いた時に、いろいろなルールやマナーを学びました。

Hikari: そうなんです。例えばGitの使い方なんて、最初は全く分からなくて、リリース手順も「どうやってやるんですか?」という感じでした。

Yuto: わかります!僕もcherry-pick(Gitのコマンドの一つ)の意味すら理解していませんでした。そういった基本的なことを、どこかでしっかり学ぶのは本当に大事ですよね。

Hikari: そうですね。私も最初の頃はフリーランスやアルバイトを掛け持ちしていましたが、成長が頭打ちになったように感じました。やっぱり、しっかりした環境で学ぶことが必要だと痛感しました。

Yuto: フリーランスといえば、僕も正社員としての経歴が短いですが、やはり会社内での扱いが違いを感じますよね。どこか見えない壁があって、線を引かれているように感じるというか。

Hikari: そうなんです。フリーランスの場合、成果物を納品するのが当たり前なので、結果を出して当然と見なされがちです。正社員のようにじっくりと学ぶ機会というよりは、すぐに結果を求められることが多いのは仕方がないですね。

Yuto: 相当なプレッシャーですよね。

Hikari: はい、最初は本当に大変でした。プレッシャーからくるストレスで体調を崩してしまったこともありました。常に「早く結果を出さなければ」という焦りがついて回っていました。

Yuto: そうですよね。僕も去年はずっとそんな感じで頑張っていたので、その気持ちはすごくわかります。どの立場でも、みんなそれぞれに大変なことがありますよね。

Hikari: そうですね。みんなそれぞれが自分なりの壁にぶつかって、それを乗り越えようとしているんだと思います。

Yuto: ちなみに、もしまたカナダに戻れるとしたら、戻りたいと思いますか?

Hikari: はい、仕事が見つかれば、ぜひ戻りたいです。ただ、今の環境でもまだ学ぶことが多いので、すぐには難しいかもしれませんが、来年あたりには旅行でカナダに行きたいと思っています。

Yuto: いいですね。旅行の行き先はもう決まっているんですか?

Hikari: はい、バンクーバーに行こうと思っています。昔の友達にも会いたいですし、ケベックにも訪れてみたいです。

Yuto: カナダでの生活が、相当気に入ったんですね。

Hikari: そうですね、本当に私にとっては自由で素晴らしい国でした。物価は少し高かったですけど、心地よく過ごせました。

スターバックスと英語力の成長

Yuto: 英語力はどのようにして伸ばされたんですか?日本でもある程度は勉強されていたと思いますが、カナダでカフェの仕事をした経験などを経て、どのタイミングで「英語ができる」と自信を持てるようになったのでしょうか?

Hikari: 日本にいるときは、休みの日に8時間くらい英語の勉強をしていました。なので、カナダに渡航した直後は、むしろ日本にいた時の方が英語が上手だった気がしますね。でも、スターバックスで働いた経験は本当に大きかったです。

Yuto: 僕もカナダのスタバで長い事働きましたが、本当に環境的に良いですよね。

Hikari: そうなんです。スタバではお金も稼げるし、英語も勉強できるし、友達もできる。コーヒーも飲めるし、息抜きにもなるし、勉強もできる。私はSurreyに住んでいたんですが、「Trees」というカフェでも働いていました。Surreyはインド系移民が多いので、そこでインド英語にも強くなった気がします。

Treesというバンクーバーの老舗カフェにて

Yuto: それはすごいですね。言語も文化も多様な環境で学べるのは、本当に貴重な経験ですよね。

Hikari: ただ、カフェで働くと人間関係でトラブルが起きることもあって、めんどくさいこともありましたけど、英語で人と接することに対する抵抗感はかなり減りました。英語を使わなければ立場がなくなるような状況だったので、必死でした。

Yuto: そうですよね。英語ができないと、自分の言いたいことが伝えられないし、仕事も思うように進まないですからね。

Hikari: そうなんです。特にカジュアルな会話は難しかったです。スタッフ同士のちょっとした会話でも、最初は全然ついていけませんでした。

Yuto: わかります。私も最初は同じでした。話についていけないと、置いてきぼりにされているような感覚になりますよね。

Hikari: でも、スタバの研修はとても充実していて、ドキュメントも読まなければいけなかったので、総合的に英語力が鍛えられた気がします。

Yuto: あのドキュメント、全部読んだんですか?

Hikari: すみません、やっぱり嘘でした。全部は読んでないです(笑)。

Yuto: ですよね(笑)最初読もうとしても、時間がかかりすぎて大変ですよね。

プログラミングの勉強方法と仲間の存在

Yuto: 英語の勉強も大変だったかと思いますが、プログラミングの勉強もきっと苦労されたのではないですか?どのように学習されていたんですか?

Hikari: 学校に通ったり、自分で地道に勉強してアウトプットを繰り返していました。でも、未経験者って何を勉強すればいいのか分からないし、情報が多すぎて混乱しがちなんですよね。だから、周りの人と一緒に勉強することで効率を上げるよう努めていました。

Yuto: 確かに、誰かと一緒に勉強するとモチベーションを維持しやすいですし、分からないことがあればすぐに質問できて便利ですよね。

Hikari: そうなんです。学校の先輩にメンターをお願いして、一緒に勉強することが多かったですね。みんな目指す方向が同じなので、図書館に行くと必ず誰かがいて、自然と勉強の輪ができるんです。

Yuto: それは本当に素晴らしい環境ですね。同じ目的を持った仲間がいると、お互いに刺激し合えるし、自然と情報交換もできますよね。

Hikari: はい、本当にありがたかったです。みんな必死で勉強していて、どんなことを学んでいるのかを聞いたり、情報を共有することで、自分もさらに頑張ろうと思えました。その環境は本当に貴重でした。

Yuto: 僕はあまり図書館に行かなかったのですが、やはりそういう場所は大切なんですね。みんなが集まる場所があると、自然と知識も増えるし、安心感もありますよね。

Hikari: そうですね。特に未経験のうちは、何をやればいいのか分からないことが多いですから、同じ立場の人と一緒にいると、共感できることも多いです。自分がつまずいていることが、実は他の人も同じところで悩んでいたりして、そこで助け合いながら学べるのは本当に大きな意味がありました。

Yuto: そういった環境って本当に重要ですよね。お互いに刺激し合って成長できる場所があるというのは、恵まれていることだと思います。

情報収集と自己成長のための挑戦

Hikari: 日本にいた時は、周りにプログラミングを勉強している人が全然いなくて、何をすればいいのか、どこに行けばいいのかも分からなかったんです。何がトレンドなのかとか、フロントエンドの開発者が何を考えているのか、知りたいことはたくさんありました。なので、毎日Twitterに「100日間コードチャレンジ」を投稿していました。

Yuto: 毎日投稿って、すごいですね!

Hikari: はい、続けるのは大変でしたが、発信することで仲間ができましたし、自分の成長を記録として残すことができました。それに、外からのフィードバックを受けられるので、自分の進捗が可視化できるのも良かったですね。

Yuto: 確かに、目に見える形で記録を残すと、自分のモチベーションにもなりますし、他の方から励ましをもらえるのも大きいですよね。

Hikari: そうですね。特に海外にいると、自分がどれだけ成長しているのか分からなくなることもあるので、そういう記録を残しておくと自信を持ちやすくなります。「こんなに頑張っているんだ」と、自分自身を認めてあげることができました。

Yuto: 自分に自信が付いていったんですね。

Hikari: 結果的には、100日間コードチャレンジを2回行って、合計で200日間、毎日投稿を続けました。そうすると自然とフィードバックがもらえるようになって、そこから新しく学ぶことも多かったです。Twitterで知り合った方々とコーヒーチャットをしたり、一緒にアプリを作ったりもしました。また、バンクーバーのミートアップにも積極的に参加して、現地のエンジニアと直接繋がることができました。

Yuto: それは大きいですね。バンクーバーはミートアップが多いですし、そういう環境で自分の活動を発信し続けると、自然と人が集まってくるんですよね。助け合う精神が根付いているのも感じます。

Hikari: 本当にそうです。「like-minded」、つまり同じ考えを持つ人たちが集まるってよく言いますが、それをバンクーバーでは実感しました。何をしているのか、最近どうしているのかという会話の中で、自然と情報交換ができるのが魅力的でした。一人で孤軍奮闘していたら、何も分からなかったかもしれません。バンクーバーのコミュニティは本当にアクティブで、私を引き上げてくれるような感覚が常にありました。

Yuto: 日本と海外で、自分の性格が変わるっていう話もよく聞きますよね。日本語で話すときと、英語で話すときの自分が全然違うように感じるって。

Hikari: ありますね。日本語だとつい気を使ってしまうけど、英語だともっとフランクに話せる感じがします。

Yuto: 人によるだろうけど、英語で話す方が気楽に感じることもありますよね。フレンドリーな雰囲気があって、話しやすいというか。

Hikari: そうなんです。英語だと余計なことを考えずに話せるので、そういう意味ではすごく楽ですね。

学生生活からフリーランスへ

Yuto: 学生生活が終わった後も、そういった活動は続けていたのですか?

Hikari: はい、学校を卒業してすぐにフリーランスの仕事を見つけて、カフェのアルバイトと組み合わせて働いていました。最初の1年間は学生として学び、その後はフリーランスで活動を続けていました。

Yuto: その間も就職活動はしていたのですか?

Hikari: はい、7月頃からトロントのスタートアップでインターンを始めました。モバイルエンジニアとしてインターンシップに参加し、約9ヶ月間、しっかりと取り組みました。

Yuto: インターンでは具体的にどのようなことをしていたのですか?

Hikari: 職場でエンジニア職は私とCTOの2名だけで、週に3回ほどミーティングを行い、そのたびに2〜3時間のペアプログラミングをしていました。経験が少ない状態からのスタートでしたが、非常に学びの多い環境でした。

Yuto: それは貴重な経験ですね。どうやってそのインターンの仕事を見つけたのですか? 

Hikari: それもTwitterでの発信がきっかけで、先方から連絡をいただきました。その後、オンラインで面接を行い、採用が決まりました。先方もやる気のある人を探していたようで、熱心に候補者を探していたのだと思います。

Yuto: モバイルエンジニアというと、React Nativeを使って開発されていたんですか?

Hikari: はい、React Nativeで開発していました。カレッジで学んだReactの知識が役立ちましたね。主に画面作成の初期段階を担当していたので、そこまで深い知識は必要ありませんでしたが、それでも非常に多くのことを学べました。

海外でのフリーランス経験とその厳しさ

Yuto: フリーランスとして働くのは、特に海外だと大変だったのではないですか?

Hikari: そうですね、本当に大変でした。特に収入を安定させることが難しくて、生活費を稼ぐだけでもかなり厳しい状況でした。キャリアを積む以前に、まずは生きていくためのお金を確保しなければならなかったので、フリーランスの仕事とカフェのアルバイトを掛け持ちしながら、さらにインターンもやっていました。

Yuto: それはかなりハードな状況ですね。カフェのアルバイトをしつつ、トロントでのインターンとフリーランスの仕事も並行していたんですね。

Hikari: はい、トロントのインターンは週20時間の契約だったのですが、実際には30時間以上働くこともありました。フリーランスの仕事も本来は週20時間の契約だったのに、結局それ以上の時間をかけることになり、ほとんど休む暇がない状態でした。

Yuto: それは相当なハードワークですね。

Hikari: そうですね。でも、その経験のおかげで短期間でいくつものプロジェクトに関わることができましたし、日本に帰国した後の就職活動でも、そこでの経験が高く評価されました。結果的には、キャリアの浅さをカバーするだけの実績があると見なして貰えたと思います。

Yuto: それは大きな収穫ですね。カナダでの経験が日本での就職活動にどのように影響したのか、とても興味があります。

帰国後の就職活動とその戦略

Yuto: 日本へ帰国後の就活はどのような感じでしたか?

Hikari: 実は帰国の決断自体が本当に急で、慌ただしく帰国してしまったんです。それからすぐにポートフォリオを作り直して、就職活動を始めました。思ったよりも反応が良くて、書類選考で落とされることはあまりありませんでした。もちろん全てが順調だったわけではありませんが、面接でのフィードバックも良く、企業からは私の行動力や、困難な環境の中で目標を達成する力を評価していただけました。

Yuto: それはすごいですね。技術力がまだ十分ではないと感じたことについても、正直に伝えたんですか?

Hikari: そうですね、技術的にはまだ経験が浅いことは正直にお話ししました。その上で、フットワークの軽さや行動力、そして目標を達成する力をアピールし、企業側もその姿勢をポテンシャルとして評価してくださることが多かったと思います。

Yuto: 確かに、技術力は経験を積めば自然に身につくものですけど、行動力やポテンシャルは簡単に得られるものではありませんからね。それらをカナダ滞在で証明出来たということですね。

Hikari: そうですね。未経験から勉強し1年でインターンやフリーランスで実績を積み上げたことが、自分の強みになったと思います。Twitterでのアウトプットも、企業の目に留まることが多かったですし。

Yuto: 日々のアウトプットが結果としてつながったということですね。素晴らしいです。

英語力とグローバルな職場環境

Yuto: 英語ができることについて、企業からの評価はどうでしたか?

Hikari: 会社によると思いますが、今の会社はちょうど組織の英語化やグローバル化を進めている過渡期にあり、その点を評価していただきました。チームによってはチーム内のコミュニケーションはもちろん、pull requestやドキュメントのレビューもすべて英語で行っています。英語力が求められる環境で働けているのは、本当に運が良かったと思います。

Yuto: それは素晴らしいですね。全部英語でのコミュニケーションはやはり大変ではないですか?

Hikari: そうですね。まだまだ開発に集中するだけで精一杯なところもありますが、できる範囲で努力しています。チームによっては日本語が話せないメンバーもいるので、その場合は全て英語でやり取りしています。また、日本人同士でも英語力を上げるために英語のpull requestのレビュー会を自分で開催して、英語でレビューを進めるなど、少しずつ自分ができることを増やしている感じです。

Yuto: それは素晴らしい取り組みですね。日本でもそういった環境がもっと広がると良いと思います。

Hikari: 本当にそうですね。今の環境に入れたことは、ある意味ラッキーだったと思いますが、Twitterでの発信やこれまでの経験があったからこそ、こういった機会に恵まれたとも感じています。

仕事内容について

Yuto: お仕事内容についても教えていただけますか?話せる範囲で構いません。

Hikari: 私はフロントエンドエンジニアとして、自社のアプリケーションのフロントエンド部分を担当するチームに所属しています。既存プロダクトのフロントエンドを新しくするプロジェクトに関わっています。

Yuto: それは大規模なプロジェクトですね。チームの規模はどれくらいなんですか?

Hikari: フロントエンドチームは5人で構成されています。どのメンバーも非常に優秀で、刺激を受けながら毎日頑張っています。社内ではお互いに成長し合える雰囲気があり、私も将来的には登壇して、自分の経験をシェアできるようになりたいと思っています。

Yuto: 素晴らしい目標ですね。Hikariさんの成長が周囲にも良い影響を与えられるよう、これからも応援しています。

海外経験の評価と現在の職場

Yuto: 海外経験に対して企業の評価というのはどう感じましたか?

Hikari: 現在の職場では、カナダでの経験が評価された部分もあったと思います。もちろん、すべての企業が海外経験に興味を持ってくれるわけではないんですが、今の上司には「海外でキャリアを築いたことはすごいことだ」と、冗談交じりにお褒めいただきました。

Yuto: なるほど、その辺り気になる方も多いと思うので、もう少し詳しく教えていただけますか?

Hikari: そうですね。英語が話せることはもちろんですが、海外の職場で働いた経験が非常に大きかったと思います。今の会社では、異文化でのコミュニケーションやチームワークが求められるので、その経験が評価されました。例えば、カフェでのアルバイト経験も、異なる文化を持つ方々とどう向き合うかという点で非常に役立ちました。

Yuto: カフェでの経験まで評価されたのですね。それは少し意外です。

Hikari: はい。面接では「異なる文化の人々とどのように対立を解決しましたか?」とか「文化的な違いにどう対応しましたか?」という質問を受けました。日本では暗黙の了解で物事が進むことが多いですが、海外ではそうはいかない場面も多いんです。スターバックスでの経験は、そういったコミュニケーションの面でとても役立ちました。

Yuto: なるほど、確かに言葉でしっかりと伝えることが求められる場面は多いですよね。スターバックスでの経験が、今のお仕事にもつながっているんですね。

Hikari: そうですね。就職活動でも、異文化での経験をアピールすることができました。意外と多くの企業が、そういった点を重視してくれていたように思います。

Yuto: 就職活動では、何か一つでもアピールできるネタを持っておくことが大事ですよね。無理に作る必要はありませんが、過去の経験が役立つことが多いと思います。

Hikari: そうですね。何かしら行動を起こしていれば、その経験が就活でのアピール材料になることが多いです。一人で黙々と勉強することは、日本でもカナダでもできますが、ミートアップに参加したり、海外でしかできない経験を積んだことが、今振り返ると大きなプラスになりました。

Yuto: それは本当にそう思います。全員が海外に行けるわけではないですし、その貴重な経験を大切にしなければなりませんよね。

Hikari: 本当にそうですね。家賃はやはり高くて生活は大変でしたが、それでも行ってよかったと心から思います。

Yuto: 今は家賃がさらに上がっていますからね(笑)。それでも、その経験が今の自分を形作っていると考えると、本当に価値のあることですよね。僕たちが住んでいた頃は、家賃が本当に安かったですよね。2022年なんかは、1年目でMarine Drive(バンクーバー空港に近いエリア)の部屋が600ドルぐらいでしたよね。

Hikari: そうですね。今振り返ると、600ドルなんて本当に安いですよね。私もそれくらいの家賃でした。今はもっと上がっているんでしょうけど。

Yuto: そうみたいですね。今は同じ場所でも900ドルとかするみたいで、状況がだいぶ変わったと感じます。

Hikari: それでも、私たちは思い立った時にすぐ行動を起こしたことで、今の経験を得られたんだと思います。今からでも挑戦はできるけれど、やはり海外で生活するのは簡単ではないですよね。

Yuto: そうですね。でも、その分得られる経験や成長はとても大きいし、乗り越えたときのリターンは本当に大きい。

Hikari: 本当にそうですね。リターンは大きいです。あの頃の私たちの経験が、今の自分たちを形作っていると思うと、本当に頑張ってよかったなと感じます。

海外生活とコミュニティ

Yuto: それにしても、Surreyでの生活はどうでしたか?家賃が安いというのは聞きますが、治安が悪いというイメージもあって、みんなあまり選ばないですよね。

Hikari: 私にとっては、Surreyの治安はそれほど悪いとは感じませんでしたよ。もちろん、夜遅くに出歩かないとか、基本的な注意を守っていれば全然問題ありませんでした。家賃も安いですし、公園や図書館もきれいで、住みやすかったです。

Yuto: そうなんですね。むしろバンクーバーだとダウンタウンの方が、夜は治安が悪いかも。

Hikari: そうですね。ダウンタウンは夜になると少し危ない雰囲気がありますが、Surreyは自然も多くて、公園もきれいで落ち着いています。確かに都会の便利さには欠けるかもしれませんが、その分、集中して勉強できましたし、余計な誘惑も少なくて、生活するには向いていたと思います。

Yuto: なるほど、Surreyも悪くない選択肢かもしれませんね。家賃が安くて、住みやすいなら十分ですし。

Hikari: そうですね。経済的に余裕がないときは、生活費を抑えられる場所に住むのもいいと思います。大事なのは、そこでどう生活を工夫して、自分の目標を達成するかということだと思います。

Yuto: ちなみにSurreyでの生活の中で、何か楽しみなどはありましたか?バンクーバーだとハイキングとか、アウトドア好きが多い印象ですが。

Hikari: 公園に卓球台が設置されていて、それが意外と楽しかったです(笑)。外に出て、自然の中で体を動かしてリフレッシュするのは、今思うと本当に良かったですね。

Yuto: それは面白いですね。卓球台で遊ぶときは、ラケットとボールは自分で持っていくんですか?

Hikari: はい、そうです。ラケットとボールは自分で持参して、公園でちょっとした運動を楽しんでいました。簡単なことですが、それが生活の中でのささやかな楽しみでしたね。

Yuto: そういう小さな楽しみが、生活の中での息抜きになるんですよね。ちょっとしたことでも、ストレス発散になったり、リフレッシュできたりしますし。

Hikari: まさにそうですね。異国での生活は色々と大変ですが、そういった小さな楽しみを見つけることで、心のバランスを保っていたと思います。

Joffre lakeにて、スタバで働いてた時の友人たちと

帰国後の心境とバンクーバーロス

Yuto: もう日本に帰国されてから8ヶ月ほど経つと思いますが、時間が経つのは本当に早いですね。

Hikari: そうなんですよ。でも、まだバンクーバーにいるような気分が抜けなくて。バンクーバーロスっていうんですかね、まだついついバンクーバーのことを考えてしまいます。

Yuto: それだけ好きな場所だったんですね。自分の夢を叶えた場所でもありますし、いろいろな人たちと出会って、まるでセカンドホームのような存在になったのではないでしょうか。

Hikari: そうですね。ずっと憧れていた場所だったので、実際に行ってみて本当に良かったと思っています。もう一つのホームみたいな感じですね。

Yuto: すごく分かります。私もバンクーバーにいると、何だか自分の居場所にいるような気がして。日本に戻っても、ふとした時にあの街が恋しくなるんだろうなと思います。

Hikari: 私も同じです。ふとした瞬間に思い出して、懐かしくなったりすることがよくありますね。

エンジニアとしてのキャリアと新しい目標

Yuto: 日本に帰国された理由の一つは、エンジニアとしてのキャリアをしっかりと築くためだったんですよね?

Hikari: そうなんです。カナダにいる間に、エンジニアとしてもっと成長したいという気持ちが強くなって、日本でしっかりとキャリアの基盤を築きたいと思いました。カナダでの経験を活かして、より良いエンジニアになりたかったんです。

Yuto: それなら帰国して正解でしたね。カナダに行って良かったと感じますか?

Hikari: はい、間違いなく行って良かったです。もしカナダでの経験がなかったら、今の自分は確実にいなかったと思います。

Yuto: 本当にそうですね。Frogを通じてカナダに渡り、さまざまな経験をして日本に戻ってきた方も多いと思いますが、どんな結果であれ、それがその人の人生の一部になりますよね。

Hikari: そうですね。私もカナダで現地就職や永住権取得を目指していましたが、最終的には途中で難しいと判断して帰国しました。でも、それを失敗だとは思っていませんし、カナダでの経験が今のキャリアに活きていると感じていますので、本当に良かったと思います。

Yuto: そういう意味では、成功とか失敗を決めるのは他人ではなく、自分がどう感じるかが重要ですよね。

Hikari: 本当にその通りだと思います。周りの目を気にしすぎると、自分が本当にやりたいことを見失ってしまうことがありますよね。目標が途中で変わることもありますし、それは決して悪いことではないと思います。

Yuto: 確かにそうですね。一つのことに固執しすぎると、かえって身動きが取れなくなることもあります。自分が本当にやりたいことや達成したいことを大切にしていけばいいと思います。

Hikari: ありがとうございます。そう言っていただけると、気持ちが軽くなります。最初に帰国を決断したときは、正直なところ、自分は失敗したのではないかと感じることもありました。でも、今ではそう思わなくなりました。

海外生活を目指す人へのアドバイス

Yuto: それでは最後に、これからカナダに来る人や、来ようと思っている人たちに向けて、何かアドバイスをするとしたら、どんなことを伝えたいですか?

Hikari: そうですね。これまでの話でも出てきましたが、成功や失敗にとらわれすぎず、自分の目標をしっかり見据えて行動することが大切だと思います。私も当初の目標をすべて達成できたわけではありませんが、その過程で学んだことや経験したことが、今の自分を支えてくれています。

Yuto: 確かに、最終的には自分がどう感じるかですし、それを信じて頑張ることが大切ですよね。

Hikari: はい、そう思います。後悔しないように、自分の選んだ道を全力で進むことが一番だと思います。私自身も、これからも後悔のないように、頑張っていきたいと思っています。

Yuto: 素晴らしいアドバイスですね。良い締めくくりだと思います。今日は本当にありがとうございました!


今回のインタビューでは、カナダでの生活や帰国後の就職活動、そしてエンジニアとしての成長について、率直な話を聞くことができました。対談を通して、異国の地で挑戦を続けることの難しさと、その過程で得られる貴重な経験の価値が伝わってきましたね。

カナダに行くことや、海外での就職を目指す人にとって、彼女の言葉は大きな勇気と励ましになることでしょう。失敗や成功にとらわれず、自分自身の目標を見失わずに進むことが大切だと気付かされました。Frogでは、どうしても海外就労達成者が多くいることもあり、成功の視野が狭くなりやすいですが、同じくカナダでの経験を経て日本で活躍されている方のインタビューですとKaaiさんSayumiさんなど、素晴らしいキャリアを築いている方も多いため、是非今回のインタビュー記事も参考にしてみて貰えればと思います!

彼女のように、自分の選んだ道を信じて歩んでいく姿は、多くの人にとっての希望となるでしょう。これからもその挑戦が続く方が出てくると良いですね!

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