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やらない後悔は墓場まで残る。類まれなるバイタリティでキャリアを築いてきたKaaiさんの人生を紐解く

みなさんこんにちは!FrogメンバーのHiroshiです。今回インタビューに応じてくださったのは、現在U-NEXTでプロダクトデザイナーを務められているKaaiさん

有名企業でのデザイナー職に就くまでの道のりは、紐解いてみるとそれはそれは大変に長い道のりでした。Kaaiさんのキャリアは、アパレル系ベンチャー企業に始まり、フィリピンでのITブートキャンプ、カナダのカレッジへの入学、そしてフリーランス…と、かいつまんで話すことすら不可能。

そして今現在、人生最大とも言える選択を迫られているというKaaiさん。今回のインタビューでは、キャリアに迷える方々の指標となるようなエピソードが満載です。インタビューの最後に、特別な情報を掲載しておりますので、ぜひ最後までご覧ください!


専門学校〜Webデザインとの出会い

Hiroshi: 本日はお時間頂きありがとうございます!では早速、Kaaiさんのバイオグラフィーを紐解いていきたいなと思うんですけど、アパレルの専門学校に通われていたということは、服飾関係の道に進もうとお考えだったってことですよね。

Kaai: そこに関しては少し紆余曲折がありまして。中学生の時ぐらいから、ファッションとかデザインに関する仕事はずっとやりたいって思ってたんですけど、高校に進学してからは、アートディレクターになりたいって思うようになったんです。ただ、アートディレクターって、基本的には美大に行かないとなれないんですよね。

Hiroshi: 確かに、そう聞きますね。

Kaai: 美大は学費がちょっと高すぎるかな…っていう考えから、第二希望的に考えていたファッション関係の道を選んだっていうのが、正しい表現の仕方かなと思います。笑

Hiroshi: なるほど。笑 その専門学校を卒業された後、アパレル系のベンチャーに就職されたんですね。そこではどんなお仕事をなさっていたんですか?

Kaai: ブランディングやECサイト構築等、その辺の業務を任されていましたね。

Hiroshi: いきなり裁量の大きい仕事を任されたんですね!

Kaai: そこに関しても少し紆余曲折がありまして。笑 その会社は、キャリアの中で事実上3社目だったんですよ。1社目は、専門学校時代からずっと継続していたアパレル店舗でのインターンシップ。そこで2年くらい販売員として働いたんですが、企業規模としては小さかったので、デザインのお手伝いとかをさせて頂くこともあったんです。

Hiroshi: なるほど、そこからデザイン系のお仕事に触れ始めたんですね。

Kaai: そうですね。その後は、インテリアデザイン系の事務所で働き始めたんですが、その頃に、そのベンチャー企業からお仕事のお話をいただいた、という流れです。

Hiroshi: デザイナーとしてスカウトされたということでしょうか?

Kaai: 採用していただいた当初はその前提でした。ただ、私が入社した直後に事業方針がやや転換されまして、会社として新しくECサイトを立ち上げることになったんです。そこで、担当の方から「ちょっとやってもらえないか」と声がかかったんですよ。

Hiroshi: 思わぬところからの抜擢ですね!

Kaai: その会社は実店舗も持ってたんですけど、同じタイミングで店舗リニューアルの話も進んでたんですよ。そこで私から、せっかくだったらECサイトだけじゃなくて、ブランド全体で世界観を作っていくのはどうですかって提案したんです。

Hiroshi: なるほど!それは素敵な提案です。そこから色々な仕事を任されるようになったんですね。

Kaai: そうですね。この「じゃあやってみてよ」みたいな任せ方がベンチャーあるあるですよね。笑

Hiroshi: おっしゃる通りです。笑 ではそこから、今までの経歴で学んだことを活かしつつWeb系の仕事も始めたというわけですね。では、コーディングは独学されたんですか?

Kaai: まあざっくり言うとそうなんですが、私、小さい頃からパソコンに触れる環境にあったんですよ。

Hiroshi: なんと!それはまた、どういう状況なんでしょうか?

Kaai: ただただラッキーな話なんですが、私の父親は昔からMacオタクっぽいところがあって、家には最新のMacが常備されていたんです。笑

Hiroshi: それは羨ましい…

Kaai: なので、5歳くらいから、キッドピクスっていうアプリ (90年代前半に流行したお絵描きアプリ) でお絵かきをやってたんですよね。それが私とITの馴れ初めです。笑

Hiroshi: キッドピクス!懐かしい!笑

キッドピクスの画面。今はJavaScriptで作られたものがWeb上に上がっている (https://kidpix.app/)

Kaai: そういう環境のお陰で、自分で色々調べながらパソコンで何かを創る、という行為に長い間親しみがあったんです。更に、私が通っていた中学校では、情報の授業でHTMLを扱っていたんですよ。そこで、独学していたことが色々と繋がり始めて、どんどん興味も強くなっていきました。

Hiroshi: ではその頃からご自分でHTMLをいじったりもしてたんですか?

Kaai: してましたね。当時、個人でウェブサイトをつくるプラットフォームが流行っていたんですけど、その裏側に書いてあるコードを見ながら、こう書けばこうなるんだ〜みたいな感じで学んでました。

Hiroshi: なるほど、ではもうWeb系の仕事を任され始めた時には、既にその辺りの分野への素養はあったんですね。

Kaai: ただ趣味でいじってたのはHTMLだけで、CSSについてはセミナーとかに出席して勉強しました。

Hiroshi: そのアパレルベンチャーでは、どのくらいの期間働かれたんですか?

Kaai: 約2年くらいだったと思います。

フィリピンでのIT英語留学

Hiroshi: そしてその後、フィリピンでのIT英語留学 (ブートキャンプ) に挑戦されたと。その意思決定に至るにはどういうプロセスがあったんでしょうか?

Kaai: 中学生の頃から結構海外願望みたいなのが強かったんです。いつかは海外で仕事がしたい!あわよくばアメリカに!みたいな。

Hiroshi: なるほど、それまでは留学という考えに至る機会はなかったんですか?

Kaai: 実は専門学校に通ってた時、留学するチャンスは一応あったんです。説明会とかに参加して色々計画はしていたんですが、学校のカリキュラムが非常にハードだったこともあって、ちょっと体調を崩しちゃって。

Hiroshi: それは残念ですね…

Kaai: そういう状況だったので、留学うんぬんは後回しにして、とにかく卒業を最優先にしたんです。卒業後に資金を貯めたらまた挑戦できるかなと。

Hiroshi: おっしゃる通りですね。

Kaai: で、なんとか卒業はできたんですが、そのアパレルベンチャーで働いている時に、たまたま英語圏の方と仕事をする機会があったんです。当時、英語を聞き取ることはまあまあできてたんですけど、話すことが全然できなくて、そこで危機感を覚えたんですよね。

Hiroshi: そこでかつての海外に対する想いが蘇ってきたんですね。

Kaai: そうなんです。それで、とりあえず話せるようになるにはどうすればいいんだろう…と色々調べていたら、マンツーマンのIT留学のfacebook広告が表示されまして。

Hiroshi: 見事にターゲティングされてますね。笑

Kaai: はい。笑 ちょうどその頃、プログラミングももう少し強化しないとな…と思っていた頃だったので、「これだ!」って思って決めました。

Hiroshi: そのフィリピンでの留学費用はいくらくらいだったんですか?

Kaai: 3ヶ月で80万円程度だったように記憶しています。

Hiroshi: なるほど。決して安い買い物ではありませんが、カナダでカレッジに通うことに比べたらだいぶ安いですね。カリキュラムの内容はどのようなものだったんですか?

Kaai: Webのプログラミングを半日やって、英語を半日やってっていうコースなんですけど、全く休みがありませんでした。笑 元々マンツーマン留学って休みはないものなんですけど、そこにプログラミングが乗っかってくるので、ますます休みがないっていう状態になってました。

Hiroshi: では、かなりハードな3ヶ月間だったというわけですね。

Kaai: 正直な話、この留学については、ちょっと仕事から一息ついて夏休みがてら…みたいな風に考えてたんですが、もう全然一息どころの騒ぎではありませんでしたね。笑

Hiroshi: 確かに。笑 その留学の全体的な満足度としてはどうでしたか?

Kaai: 日本に帰ってきてしばらくの間は、学んだ内容が直接役に立つことはほとんどなかったので、ちょっと悲しい気持ちになったりしたことはあったんですが、バンクーバーでの初めての職場がPHPを使う環境にあったので、長期的に見れば無駄ではありませんでしたね。あとは、コーディングをある程度理解しているデザイナーという点で重宝して頂ける場面も結構あります

Hiroshi: 確かに。それはエンジニア視点から見ると非常にありがたい存在です。他の部署の事情を汲み取れる人というのはどのような文脈でも強いですね。

帰国〜海外就職への挑戦

Hiroshi: フィリピンから帰国後はどのようなお仕事をされていたんですか?

Kaai: 学びたてほやほやのプログラミングスキルを使い倒すつもりでIT系の会社に就職はしたものの、そこではまたデザインとかマーケティング関連のことをやっていました。笑 なので、これでよかったのか…という強い葛藤のようなものはしばらく感じていましたね。

Hiroshi: なるほど。というと、募集時と入社時で伝えられた業務内容がやや異なったということですね…

Kaai: おっしゃる通りです。蓋を開けてみると、Webエンジニア系の職種は今のところ募集してなくて…と伝えられてがく然としたのを覚えています。

Hiroshi: では、先程話題に上がったアパレルベンチャーでの仕事内容に近かった感じですね。

Kaai: そうですね。ただ、一応コーディングをする機会を頂いたこともあったので、その職場に対して感謝の気持ちはあります。

Hiroshi: その職場はどのように見つけられたんですか?

Kaai: フィリピンへの留学を斡旋してくれた会社さんに、転職アドバイザー的な方がいらっしゃって、その方の紹介で入社しました。なので、本腰を入れて就活した、というわけではありません。そこでは、約1年くらい働きましたね。

Hiroshi: その後、本格的に海外就職を目指すわけですね。

Kaai: はい。今思い返すと、当時の私はあまり転職について深く考えていなかったように感じます。それまでで合計3、4回の転職を経験していたんですが、転職理由がどれも「なんかやりたいことと違うな〜」と思いながら無理矢理頑張ってたら体を壊す、というやつで。これではダメだと、自分の想いを整理していた時にふと頭に下りてきたのが海外就職という選択肢だったんです

Hiroshi: やはりきちんと自分の気持ちと向き合うことが重要ですね。

Kaai: そうですね。色々考えて、やっぱり少しでもやりたいと思うことは早いうちにやっておこうと思ったんです。そこで、当時バズっていたSennaさんのブログ (バンクーバーのうぇぶ屋) の問い合わせフォームから相談を持ちかけてみたんです。

Hiroshi: なるほど。そこでバンクーバーのカレッジに通うという選択肢を勧められたんですね。

Kaai: そうですね。具体的にいうと、COOP留学 (1年の就労が学校のカリキュラムに含まれている留学形態) からのワーホリ利用をオススメされました。

Hiroshi: 他の国は選択肢になかったんですか?

Kaai: 他の国についても調べはしたんですけど、長期間で就労できる選択肢が最も明確に見えたのがカナダだったんです。COOPとワーホリを合計すると2年ですが、この程度の長期間の就労までたどり着くのは他の国では結構難しいみたいなんですよね。

Hiroshi: 確かに、COOPとワーホリの組み合わせは最も人気のある選択肢の一つですね。

Kaai: あと、フィリピン滞在中に知り合った人の中に、バンクーバー在住の人がいたんですよ。それで、もしかしたら何か教えてくれるかも…と思ってコンタクトしてみたところ、本当に色んなことを教えてくれて。そういう人との縁があったというのも大きな理由の一つです。

秋のバンクーバー・ダウンタウンでの1枚

カレッジ入学〜COOP就労

Hiroshi: 通われたカレッジはCICCC (Cornerstone International Community College of Canada) だったかと思いますが、カレッジの選択肢は他にもあったんですか?

Kaai: Sennaさんが複数の選択肢を提示してくださった記憶はあるんですが、当時の年齢を加味すると、1年よりも長いカリキュラムを選択すると、ワーホリを使えなくなっちゃう状況だったんですよね。なので、もうほぼCICCC一択でした。結構焦ってました。笑

Hiroshi: なるほど。コースはどのように選ばれたんですか?

Kaai: Web Developmentのコースでした。iOSのコースも選べたんですけど、バックエンド絡みのことが多くて大変そうだったのでそのコースを選んだ感じですね。もともとバックエンド関係のことは苦手だったので、とりあえずきちんと卒業できる可能性が高そうなものを…と思いました。笑

Hiroshi: そういったことも大事な選択基準のひとつです。笑 ただここでもまだデザイナーではなくデベロッパーのコースなんですね?

Kaai: 確か当時、デザイナーとしてCOOPを使える学校はBCIT(British Columbia Institute of Technology)しかなくて、当時の語学スキルを加味すると、どうしてもカリキュラムの長さが1年を超えてしまう状況だったんです。

Hiroshi: なるほど、そういうことだったんですね。

Kaai: 当時は、まだ自分がデベロッパーとデザイナーのどっちに向いているかどうかは正直わからなかったので、とにかく働き出したいっていう気持ちの方が強かったです。もちろんデザイナーになりたいという気持ちもあり迷いはしましたが、デベロッパーの方が就職しやすいというのは頭ではわかっていたので。

Hiroshi: 確かに、まず就職しないと何も始まりませんね。COOPの為の就活はどのようになさっていましたか?

Kaai: 基本的にはLinkedInとIndeedを使っていましたが、比重はIndeedの方が圧倒的に高かったですね。AngelListも存在は知ってはいたんですけど、ほぼ見てませんでした。

Hiroshi: 職種はデベロッパーで探されていたんですよね?

Kaai: そうですね。最初はスプレッドシートでローカル企業をリストアップしてメールでアタックしていく…というアプローチを取ろうとしていたんですが、時間的な問題でもうIndeedでサクッとやってしまおうという考えに移っていきました。ポートフォリオが入学後半年程度で完成していたので、そこからはIndeedに絞って猛アタックしていたと記憶しています。

Hiroshi: では1社目のオファーもIndeed経由で入手したのでしょうか?

Kaai: いえ、1社目は当時CICCCに在籍していたキャリアカウンセラーの方の紹介でした。無給ではあったんですが、その方は非常に優秀な方だったので、その方を信用して一歩踏み出したという感じです。卒業間近に無給インターンとして就労を開始しました。

Hiroshi: なるほど!その会社のビジネスはどんな感じの内容だったんですか。

Kaai: 中国系の会社で、メインのプロダクトはShopifyの拡張機能でした。ネットショッピングをしているユーザーに、AIを使ってレコメンドをサジェストする、というプロダクトです。ただ、Shopifyだけでなく、実店舗に展開できるサジェストのプロダクトも作っていましたね。

Hiroshi: なんかむっちゃ2023年っぽい!笑

Kaai: 確かにそうですね。笑 ただ悲しいことに、当時はあまり日の目を見てませんでした。

Hiroshi: そこではどのくらいの期間働かれたんですか?

Kaai: そこはかなり短かったんですよね。確か、1ヶ月とかで終わっちゃったんじゃないかな。一応、有給になる前提でのインターン開始だったんですが、うやむやにされて終わってしまったんです…

Hiroshi: それはなんともひどい話だ…

Kaai: 私と同じタイミングで採用された同期が2人いたんですけど、その2人もいつの間にかいなくなってました。笑

Hiroshi: ちょっと、もともと裏があったのではないかと勘ぐってしまう状況ですね。そこでのポジションはフロントエンドだったんですか?

Kaai: ここでも、フロントエンドとして採用された「はず」だったんですが…

Hiroshi: またもや暗雲が!笑

Kaai: 実際の業務は、ノーコードツールを使ってWebサイトを作る、という内容でした。で、よくよく聞いてみたら、「なんかフロントエンドエンジニアとしては役に立たなさそうだったんだよね」という超ドライなフィードバックが返ってきまして…

Hiroshi: 非常に厳しい言葉です…

Kaai: サイトに入れるビジュアル素材を作ったりもしていたので、そこでも、最終的にはまだデザイナーみたいな仕事に落ち着いてましたね。

1回目の転職活動〜パンデミック

Hiroshi: そこから転職活動が始まったわけですね。

Kaai: はい。何社くらい応募したかな…確か10社くらいだったと思います。それぐらいの数応募したあたりで、また先程のキャリアカウンセラーの方からとある会社を紹介されまして、応募したら合格した、という流れです。

Hiroshi: すごい。敏腕キャリアカウンセラーだ…

Kaai: そうなんです。彼女はもう今はCICCCにはいないんですが、その後SFU (Simon Fraser University) やUBC (University of British Columbia) に行って、輝かしいキャリアを歩まれているという噂を聞きました。

Hiroshi: 次の職場はどのような会社だったんですか?

Kaai: 個人の不動産エージェント向けのプラットフォームを作っている会社でした。彼らの間では、自分独自のWebサイトを作りたいとか、動画コンテンツを追加したいとかいうニーズは結構あるんです。それらを自動生成できるようなプロダクトでした。結構面白い会社だったと思います。

Hiroshi: そこでの職種はフロントエンドだったんですか?

Kaai: そうですね、ここにきてようやくコードを書き始めることができたという感じです。笑 SFUからCOOPで来ていたとても優秀な同僚がいたんですが、その人に色々と教えてもらいながら頑張っていました。

Hiroshi: そこでの技術スタックはどんな感じだったんですか?

Kaai: Vue.js, PHP, Vanilla JSでした。

Hiroshi: バックエンドもやられてたんですか?

Kaai: いえ、本格的にバックエンドに触れることはなかったんですけど、フロントとバックを繋ぐ為にPHPを使っていました。もともとWordPressテーマとかも触っていたので、特に苦にはなりませんでした。ここで、フィリピン留学の知識が一番活かされました。笑

Hiroshi: なるほど!80万円の元を取り始めたわけですね。笑 ここではどのくらいの期間働かれたんですか?

Kaai: 1年ちょっとでしたね。入った当初は、出身国もイラン、インド、イギリス、中国、メキシコ、ポーランド、カナダ…とみんなバラバラでカナダっぽくてとても良い会社だな〜と思ってたんですが、半年ぐらい経つ頃に、かなりの人数が辞めてしまって、オフィスに在籍してるのが私ともう2人くらいであとは全員リモート、という状況になっちゃったんです。笑

Hiroshi: 何があったんだ。笑

Kaai: 当初のCOOがとても人望の厚い人で、その人が辞めちゃったんですよね。それをきっかけにみんな辞めていったんじゃないかなと思っています。それと同時期にコロナが大流行して、私のビザも切れてしまって…と、色々重なり、もう一旦日本に帰らないといけない状況になったんです。

一時帰国〜フリーランス開始

Hiroshi: なるほど、それで一旦日本に帰国と。日本でも同じ仕事を続けられてたんですか?

Kaai: はい。ただ時差によるストレスでどんどん辛くなってきて、もうここまで無理して今の仕事するよりなんとかして転職したい…って思い始めていた時に、前職で知り合った人経由でデザイン系のフリーランスのお話を少しずつ頂くようになったんです。

Hiroshi: すばらしい!それで再度ジョブオファーを入手し、ワーホリをアクティベートし、フリーランス期間開始というわけですね。

Kaai: その一環で、タケナカフードトラック (バンクーバーで有名な日本食のフードトラック) のデザインのお仕事を頂いたんですが、そこで一気にネットワークが広がって、更に色々なお仕事を頂くことができました。

Hiroshi: なんと!すごい!

Kaai: もともとの始まりは、友人経由で、タケナカのオーナーさんにデザインを教える、という機会を頂いたことがきっかけでした。思ってもみなかった話なんですけど、バンクーバーに行ってから、仲良くなった人を通じてお仕事をもらうという機会が本当に多くなったんですよね。なので、求人に頑張って応募し続けるのもいいけど、色んな人と仲良くなってチャンスが舞い込みやすい状態を作っておくというのは、頑張った方がいいと思いますね

Hiroshi: ネットワーキングの重要性がよくわかるお話です。でもそれって、きっとKaaiさんが今までの人間関係をとっても大事にしてきたからだと思います。無意識であったとしても。

Kaai: まあ確かに、裏表をなくすというのは心がけてましたね。振り返ってみると、今までの仕事全部人づてでもらってますね。笑

Hiroshi: ネットワーキングの権化です!笑

Kaai: あとこれはカナダに来てから意識が変わった点なんですけど、自分がおかれている状況をなるべくみんなに対してオープンにしておくようにしています。今仕事探してます〜とか、今ちょっとしんどい状況で…とか。

Hiroshi: シンプルですが、とても重要なことですね。助けを必要としている人を見たら、助けてあげたいって思う人の方がきっと多いでしょうし。

Kaai: 私の印象では、カナダって助け合いの精神がすごく強いように感じるんですよね。ボランティア文化が結構強いところとかを見ると、そう思います。

Hiroshi: フリーランスのお仕事を続けながら、フルタイムの仕事探しも継続されてたんですか?

Kaai: そうですね。フルタイムとフリーランス、今までの経歴をLinkedInに載せたら、それに対する反応が結構よくて、向こうから声をかけて頂いたり、最終面接まで進むことも結構あったんですが、お給料とかビザの要件が折り合わないとかで、入社には至らず…といった感じでした。

Hiroshi: そこで時間切れとなってしまって、やむなく一旦帰国となったわけですね。

Kaaiさんがデザインを手がけたTakenakaのフードトラック

再帰国〜U-NEXTへのジョイン

Kaai: そうですね。もう結構ボロボロになった状態での帰国でした…笑

Hiroshi: で、そこからまた日本での就活も始められたと。

Kaai: はい。しばらく田舎で休もうかなとも思ったんですが、LinkedInの住所をカナダから東京に変えた瞬間にもうびっくりするくらいの数のリクルーターからコンタクトが来て(笑)

Hiroshi: 結果また休む暇もなかったと!笑

Kaai: はい。笑 で、とりあえず舞い込んだチャンスに片っ端から応募していったら、結構いい感じに通っていって、その中にU-NEXTがあったという感じです。

Hiroshi: そして今はプロダクトデザイナーをなさっていると。

Kaai: 一応、プロダクトデザイナーというふうに書いてはいるんですが、会社での肩書はUIデザイナーなんです。プロダクトオーナーと一緒に仕様を決めたりもしますし、UX関連にも一応携わっています。でもメインでやってることはビジュアル、という感じですね。

Hiroshi: ではもう今はコードは書かれてないんですね。U-NEXTでは現在どのくらいの期間働かれているんですか?

Kaai: 今ちょうど1年ですね。

Hiroshi: なるほど。今後はどのようなプランをお考えなんですか?

Kaai: それについて、今まさに非常に悩んでいる最中でして… やむを得ない帰国だったので、またカナダで挑戦したい、という気持ちはあるんですが、今の仕事が本当に今までで1番楽しくてやりがいもあって。

Hiroshi: それは素晴らしいことですね!

Kaai: 実はU-NEXTって、今売上でAmazon Prime Videoを追い抜いてNetflixに迫る勢いで人気を伸ばしているんですね。その中でもほんの小さな変化で猛烈な量のポジティブなフィードバックが数字やレビューを通して出てくるのを見て「自分がこのプロダクトにこれだけのインパクトを残せてるんだ」って思うともう、超!感慨深くて。

Hiroshi: そうなんですか!すごい影響力だ…

Kaai: そういうの今まで経験したことなかったんで、もうちょっとここで頑張りたいっていう気持ちもすごく強いんですよね。

Hiroshi: それは、おっしゃる通りだと思います。

Kaai: 実は私の今の年齢って、今の仕事を続けて日本にずっと残る覚悟を決めるか、もう一度カナダで挑戦するか、もうどっちかに決めないといけないタイミングだったりするんですね、家族とか、ビザとか色々考えないといけない問題もあって。でも、カナダのジョブマーケットは今不況の影響むちゃくちゃ受けてるので、合理性という点で考えると、力をもう1回振り絞ってカナダで再挑戦する旨味が私にとってあるかと言われると…正直なんとも言えないところなので、今ものすごく悩んでいます。

Hiroshi: なるほど。では今はまさに日本かカナダを選ぶターニングポイントに立っていると…

Kaai: ただ、今後の一生を日本でずっと過ごす…みたいなイメージもあんまり湧かないんですよね。なので、例えばオランダとかドイツとか、年齢関係なく移住がしやすそうな国を、今後住む場所の選択肢に入れていく可能性は全然ありますね。その点でいろいろな側面からすごく柔軟に将来を考えられる環境が用意されていたというのも、U-NEXTを選んだ理由の一つだったりします。入社時にも余計な注文とか質問を大量にしたのですが、それも一つ一つしかも超速で丁寧に答えてくれて。それもあって、できる限り長く今の環境でコミットし続けたいなというのは正直な気持ちです。

人生の岐路に立つ方々へのメッセージ

Hiroshi: インタビュー記事をご覧になっている読者の方々の中には、Kaaiさんのように重要な意思決定の場に差し掛かっている人もいらっしゃるかと思います。様々な修羅場をご経験された立場から、そのような方々に向けて何かメッセージを頂くことはできますか?

Kaai: シンプルですが、やらない後悔よりも、やった後悔の方が、長い目で見た時のダメージは少ないですよっていうとこですかね。お金のこととかビザのこととか、どうにもならない問題には何度も出くわしましたけど「とにかくやる」を選択し続けた結果、今とても楽しく過ごせているので。やれるんだったらやりましょう。やらない後悔は墓場まで残りますからね

Hiroshi: 「あ〜あれやっときゃよかった〜」って言いながら死ぬのって、切ないですもんね。

Kaai: やった後悔、というのは、いわば答え合わせみたいなもんですからね。やるべきじゃなかったんだ、って明確にわかるし、ありがたいフィードバックがもらえることもありますし。

Hiroshi: そうですね。不確定要素は、最大のストレス要因のひとつですからね。

Kaai: 「行動力すごいですよね〜」みたいな素敵でありがたいフィードバックを頂けることがたまにあったりするんですが、全然そんなことはなくて、ただ人の力も借りながら自分のやりたいことのためにトライアンドエラーを繰り返してきただけなんですよね。マジでそれをやらないときっと後悔してしまう、と思うことの連続だった、というのもあって。

Hiroshi: どうしても失敗を恐れてしまう人も多いかと思うので、これは多くの人に勇気を与えられるお話かと思います。本日はお時間頂きありがとうございました!


いかがでしたか?

このインタビューの読者の方々の中には、とても重要な選択に迫られている方々も多くいらっしゃるかと思います。Kaaiさんは、周りの人たちとの関係を大事にしつつ、失敗を恐れず行動を続けることによって数々の困難を乗り越えてこられました。このインタビューが、悩める方々のヒントになれば幸いです。

インタビュアーのHiroshiにとっても、とても勇気がもらえる内容のお話でした。

最後までお付き合い頂きありがとうございました!

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