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アメリカ就労の新たなスタンダード!?アメリカのスタートアップで働くシニアリードエンジニアのYuyaさん

今回はアメリカ、サンフランシスコのスタートアップでシニアリードエンジニアを務めているYuyaさんにお話を伺いました。

彼はアメリカでの就業を目指し、カナダのバンクーバーに滞在するという道を選んだのですが、今アメリカでの就労を目指す方々の一つのロールモデルとして、今後注目されるキャリアを描かれている方ですので、前半はYuyaさんのこれまでのエンジニアとしての経緯をお伝えし、その後FrogのPEOサポートを利用したアメリカ就業までの流れをインタビューして行きたいと思います。

Yuyaさんの非常にユニークな経歴も圧巻ながら、年々難易度の増しているアメリカでの就業に対する熱意が感じられる、非常に学びのあるインタビューとなっておりますので、是非これからのキャリアを北米圏で培っていきたい方にとって、有意義な内容になっていると思います!

彼はTwitterでも海外生活に関する有益な情報を発信しているので、今後海外就職を目指すエンジニアの皆様は是非フォローしておきましょう!


Web2.0勃興期に学生起業しWeb制作を手掛ける

Senna:まず最初に、海外渡航される前も含めて、Yuyaさんの簡単な経歴を教えていただいてもいいですか?

Yuya:まず大学ですが、北海道の、はこだて未来大学へ入学しました。そこはバリバリのIT系大学で、山本理顕という有名な建築家が作った大学校舎の外観がとにかく面白くて、建物全体が全面ガラス張りで梁のない立方体構造になっていて、耐久性を確保するために全体をワイヤーで引っ張っているという挑戦的な建築でした。大学では、基本的には数学、プログラミングを勉強し、専攻が人工知能だったのでロボット工学なども学びました。プログラミングはC言語から始めてPrologというマニアックな言語にも触れる機会があり、Prologでロボットを制御して、3対3でロボット同士を戦わせたりしていましたが、授業なので、全然面白くなかったですね。

Senna:そうなんですか?聞いてる限りすごく楽しそうですけどね。

Yuya:そんな時に、僕の大学のとある教授が学生起業家を募っていて、そこで手を挙げて、会社を作ってWebサイト制作会社を経営させてもらいました。

Senna:学生起業家ということですよね。Yuyaさんが大学生の時と言ったらもう十何年も前だから、当時学生起業なんてまだまだ流行ってなかったですよね。教授のサポートの下、基本全員が学生で運営していたのでしょうか。

Yuya:そうですね。当時僕はお金が欲しかったのでバイトをしたかったのですが、大学の授業で身に着けたプログラミングでお金になったら面白いなと大学の同級生と話していたこともあり、教授の募集をきっかけに起業してWebサイト制作をするようになりました。技術的には HTML、CSS、Flash、PHPとかでしたね。

Senna:Flash、懐かしいなぁ。(笑)

Yuya:当時は正にWeb2.0が流行っていた時代ですね。

Senna:いやー、懐かしいな。実は僕も一番最初に使った言語がPHPで、その後すぐActionScriptを書いたりしてましたね。

Yuya:ActionScript3.0ですか?

Senna:当時はまだ2.0でしたね。3.0がリリースされて、そこで初めてオブジェクト指向という概念を理解したんですよね。ちなみに実際Web制作事業を始められてどうでしたか?

Yuya:当時はWebサイトを持ってないお店、レストランがほとんどでした。例えば函館市には、函館朝市という地元の海産物や食料品を販売するモールがあるのですが、そこの隣にどんぶり横丁市場という10数店舗の海鮮レストランが軒を連ねるエリアがあり、そこのWebサイトを作ったりしていました。

大学院で認知心理学を専攻。UXに対する理解の足掛かりとなる

Senna:会社は何年くらいされていたのでしょうか?大学在学期間中だけだったのでしょうか?

Yuya:そうですね。2年ぐらい携わりました。その後大学院に進学するのを期に研究に集中しようと思い、会社は辞めることにしました。

Senna:大学院ではどんな研究をされていたのでしょうか?

Yuya:認知心理学を専攻しました。人工知能をデザインする際、人間がどう考えるかを知らないと、そもそも知能は作ることがなできないという所から出発している学問で、UXの概念に結びつく内容が多かったですね。当時は、ユーザビリティという言葉はあったものの、UXはまだ登場していなかったですし、Webサイトを眺めてみても、どれもこれもごちゃごちゃしていた印象です。

Senna:当時はそうでしたよね。

Yuya:UXに関しては、Appleがゲームチェンジャーだと思うんですよ。実際Appleが作ったスキューモーフィズムは、使いやすいかどうかと言ったら微妙ですけど、Appleがそれを一般化したというのが偉業で、「みんなこれを使っているからこれがいい」というのもユーザビリティの一つなんですよ。

Senna:慣れこそ最高のユーザビリティと。

Yuya:正にそうです。それがまだ当時はなかったんですよね。スキューモーフィズムの登場が認知心理学の研究内容にも影響を及ぼしているのではと思います。今でも認知心理学には興味を持っていて、また研究したいなと思っています。本当に楽しかったですよ。

インターンで仮想世界の面白さに触れサイバーエージェントに新卒採用

Senna:大学院卒業後にエンジニアとして就職されたのでしょうか?

Yuya:そうです。基本的にはWeb系ベンチャーの求人を探していたのですが、最初にサイバーエージェントのアメーバピグを開発している部署にインターンとして働かせていただきました。そこで働くクリエイターの方たちとコミュニケーションとらせていただいたのですが、みんなすごくかっこよくて、それでサイバーエージェントに就職しようと決めました。

Senna:Yuyaさんは何年に入社されたんですか?

Yuya:2012年です。実際に配属されたのはアメーバピグの部署ではなく、アメーバのプラットフォームを作る事業に携わることになりました。

Senna:そうだったんですね。

Yuya:僕が入社した頃、アメーバピグでは、まだFlashが使われていました。当時はHTML5やNode.jsが出てきた時で、僕としてはFlashだと今後のキャリア的にどうかなと疑問に思い、JavaScriptをメイン技術に開発している部署に行かせていただきました。

Senna:その時はFlashはもうすでに下火だったんですね。サイバーエージェントでは、プラットホームの運用、開発をされていたということですね。どのくらい働かれたのですか?

Yuya:2年半くらいですね。

エンジニアとしての個性をより発揮できるスタートアップへ転職

Senna:意外と在籍期間が短いなと思うんですけど、次の目標か何かが見えて転職をされたのでしょうか?

Yuya:そうですね。新卒として2年半働かせてもらって技術力もついてきたというのも実感していたのですが、サイバーエージェントはとにかく大きな組織で人も多く、エンジニアとして画一化されてしまっているのを段々と感じるようになりました。僕はそういうのがすごく苦手で、もう少し自分を出せるような会社がいいなと思い転職活動を始めました。スタートアップ業界が面白そうだと思い、金融系のスタートアップのCoineyという会社(現在ヘイに統合)に入社することができました。スマホでクレジットカード決済ができるSquareの日本版のようなサービスを開発している会社です。

Senna:それは何年くらいのことだったのでしょうか。

Yuya:2014、5年くらいですね。

Senna:実はFrogでもSquareを使っていて、Frog主催のイベントで重宝していました。それを2014年の時点で日本国内でもCoineyがサービス展開していたのがすごいなと思います。

Yuya:代表が元々Paypalの方でそれで色々なノウハウを持っていたり情報を早期にキャッチできていたんでしょうね。しかもハードウェアから作ったので、確かにすごいですよね。

Senna:なるほど。Coineyについて色々なエンジニアの方々に聞いてみたんですけど、相当優秀なエンジニアが集まっていたそうですね。

Yuya:次の転職先でもそうだったのですが、Coineyでもすごいタレントが揃っていて、僕が入った時は本当に多国籍でした。ブラジル人、アイスランド人、オーストラリア人、アメリカ人、イギリス人など人種、国籍が多種多様でした。

Senna:Coineyでは具体的に何を担当されていたのでしょうか?

Yuya:僕は店舗向けの管理画面を作っていました。

Senna:これもWebベースということでしょうか。

Yuya:そうですね。当時はAngular1系を使っていました。まだReactがリリースされていなかったですし、Backbone.jsが廃れ始めてきていて、当時スタートアップはどこもAngular1系を使っている印象でしたね。

日本でいち早くReact Nativeを導入、提案から開発、リリースまで全て一人で担当

Senna:Coineyでは何年経験を積まれたのでしょうか?

Yuya:3年くらいですね。当時のCoineyが抱えていた課題の一つに「クレジット審査のための受付フローが長すぎる」という問題がありました。Coineyを導入する店舗はまずクレジットカード会社に審査を通さなければいけないのですが、そのフォームがかなり長くてユーザにとってはかなり面倒な操作であったため、それを何とか改善できないものかと色々と考えていました。その結果、その審査フォームの部分だけを切り出したアプリを作ったらいいんじゃないかと会社に提案したのですが、アプリエンジニアのリソースがなかったのでWeb技術だけで実現できないかと思い、当時リリースされたばかりだったReact Nativeを導入してアプリを開発、リリースしました。「Coiney窓口」という名前のアプリですね。

Senna:素晴らしい。その当時はまだReact Nativeが出たばかりという状況だったんですね。

Yuya:まだ全然安定してなかったと思うんですけど、完成したアプリではボタンをポチポチと押すだけで申請完了できるようになったので、申請フローが大幅に改善されました。

Senna:素晴らしい。その提案から実装までをYuyaさんが一人で担当されたということなんでしょうか?

Yuya:そうですね。恐らくなんですけど、会社としてReact Nativeベースのアプリをリリースしたのは、日本で一番早かったんじゃないかなと思います。当時、React Nativeのオフィシャルサイト上のショーケースにもPull Request出して載せてもらっていました。

Senna:おおー、マジですか。React Nativeのサイトにまだ載っているかもしれないですね。リリースは何年前ですか?

Yuya:2016年だから結構前ですね。もうさすがに掲載はされてないと思います。

Senna:もう5年も前になるんですね。

Yuya:React Nativeリリース時は、僕のエンジニア仲間の間では、結構なニュースになっていました。その前までは、Cordovaなどの側ネイティブが流行ってましたね。

Senna:Cordova、PhoneGapの時代ですね。

Yuya:そうですね。本体はWebアプリではあるんですが、通知の機能はネイティブしか持っていないので、そこの部分だけをネイティブにして中身は通常のWebという仕様ですね。そんな状況の中、React NativeはネイティブのUIを使っていたのでゲームチェンジャーだったと思います。

イギリスで創業したQuipperで海外就労を目指す

Senna:Coineyでの実績を引っさげて次はどちらに転職されたのでしょうか?

Yuya:やっぱり海外で働きたい気持ちが強くて、どこかいいところはないかと探していたところ、Quipperという会社を見つけました。QuipperはDeNAの創業メンバーである渡辺さんという方がイギリスのロンドンで創業した会社なんですよ。この会社では、Quipperという教育学習系プラットホームと、オンライン学習アプリのスタディサプリを開発しています。

Senna:この会社では、業界屈指のハイレベルなエンジニア達が集まっていたと聞きました。

Yuya:正にそうです。本当に素晴らしい技術力の高い方々がいました。

Senna:しかもロンドンで会社設立されていますし、将来的に海外で働きたいというYuyaさんとの希望ともマッチしてそうですよね。

Yuya:そうですね。Quipperではフリーロケーション制度があって、これは海外拠点のロンドン、マニラ、ジャカルタ、メキシコで3ヶ月間働くことができるという面白い制度でした。

Senna:本当ですか?短期留学みたいな感覚ですね。

Yuya:そうですね。僕はロンドンに3か月行こうと思っていたんですけど、入社後、会社の状況が変わってきて、日本で開発することに結構積極的になり始めました。僕が入社した時期がリクルートに買収された後だったので、社内の雰囲気がリクルート一色になってしまい、ロンドンの開発者たちが逆に日本に来たりするようになりました。

Senna:なるほど、そういうことがあったんですね。(笑)

Yuya:そうですね。それでちょっと絶望したんですよね。

Senna:「我の海外渡航はいつになるんや」みたいな?

Yuya:そうですね。海外に行きたいとずっと考えていたので。

海外就労を目指す熱意の源泉

Senna:海外就労に対してそこまでの熱意が芽生えたのはどうしてなんですか?

Yuya:理由は二つあります。一つ目は大学と大学院の時に師事していたイギリス人の教授から教わった世界観が僕ら日本人の考え方と全然違っていて、僕もそうなりたいなと思いました。

Senna:なるほど。グローバルな視点で物事を見る人が身近にいたということですね。

Yuya:はい、そうですね。二つ目は、IT技術、イノベーションのほとんどがアメリカ発祥なので、第一線で働きたいという想いがあります。

SNSで見かけたアメリカでの求人募集が転機となる

Senna:なるほど。そういうことですね。海外進出という願いを叶えるためにQuipperに入って、ロンドンに行けるかなと思ってもできずに絶望に打ちひしがれて、その後は何か行動はされたのでしょうか?

Yuya:実は別に何もしてなくて。(笑)

Senna:えー(笑)

Yuya:でも転職活動はしてたんですよ。実は内定をいただいていた会社もあって、そこのチームは共通言語が英語の外国人をメインにしているチームでした。日本にいながら、外国人と英語環境で仕事ができればいいと思っていましたし業務内容としてもやりがいはありました。そんな中、アメリカでエンジニア募集中という主旨のポストをFacebookかTwitterで見かけ、そこにリンクも貼ってあり、リンクを開くとPDF版の募集要項でした。

Senna:なるほど。

Yuya:サンフランシスコ・ベイエリアで日本人が立ち上げた会社でした。リモートワークをするなら補助もするし、アメリカ渡航するならビザのサポートもするという内容で、「これだ!」と思いました。

Senna:なるほど。扉が開けたみたいな。

Yuya:はい、正にそうですね。それを見た直後、速攻でメールを送り応募しました。確かその時はReact Nativeの技術をアピールしたと思います。そこからの繋がりで、今の会社の社長のHiroさんを紹介してもらい、結果Ramen Heroで働くことになったんです。

Senna:そこからようやくシニアリードエンジニアとして働かれているRamen Heroに繋がるんですね。アメリカ・ベイエリアでの繋がりかなとは思うんですが、そこの求人募集をかけていた会社とは違うところだったんですね。

Yuya:そうです。求人募集をしていたのは、Chompという会社で、スキルセットが合わないとのことで採用は難しかったのですが、Chompの代表のKiyoさんという方から「今度後輩の起業家を紹介するよ」と言われました。当然そんなことはないだろうと思っていたのですが。(笑)次の週くらいにRamen HeroのHiroさんを紹介してもらいました。

Senna:Ramen Heroでは、Yuyaさんのスキルが必要とされたということですね。

Yuya:そうですね。Ramen HeroはEコマースを展開しているので、Webの技術が必要だったみたいですね。

アメリカへのビザ発給が困難となり日本からリモートワークを約2年続ける

Senna:採用された時、Yuyaさんは当然まだ日本にいらっしゃったと思うのですが、どのように就労するかなどは相談されたのでしょうか?

Yuya:基本的にはアメリカで働くことを前提として採用されたので、そのためのビザもサポートすると言ってくれました。当時僕が3人目の社員という少人数のスタートアップでした。アメリカにはE2ビザという投資家のビザがあり、それが3人くらいまでだったら使えるらしく、僕もそれを利用してアメリカへ渡る予定でした。でもトランプ大統領に変わってからこの渡航方法が難しくなってしまったようです。

Senna:アメリカのビザに関しては、トランプ大統領の弊害は大きかったですね。

Yuya:その結果、僕はアメリカ渡航が難しくなってしまい、日本から約2年ぐらいリモートワークで業務をするようになりましたが、チームが小さいので早く同じタイムゾーンに行って働きたいと思ってましたね。

Senna:日本からの約2年に渡るリモートワークをされた中で、時差やコミュニケーションの問題などは大きかったのでしょうか?

Yuya:やっぱり大きかったですね。制約がある中でうまくはやっていたと思いますけど、アメリカ西海岸の夜6時が、日本では9時、10時なので、連絡する時などはやはり時間を気にしたり気をつかいました。リアルタイムで連絡をしたい時は早起きしないといけないですし。

Senna:アメリカのチームメンバーたちがバリバリ仕事してる間、Yuyaさんは夢の中という(笑)

Yuya:そうなんですよね(笑)僕は夜中にコーディングに集中するタイプなんですけど、朝一に起きて仕事をするのが結構厳しかったですね。

FrogのPEO(Professional Employer Organizations)制度の存在を知りカナダ渡航を決意

Senna:そんな中でカナダから同じタイムゾーンでリモートワークができないかどうか模索し始めたということでしょうか?

Yuya:そうですね。実は働き始めた当初からカナダのバンクーバーでリモートワークできる手段があるとは言われてたんですよ。

Senna:そうだったんですね。

Yuya:会社の顧問移民弁護士の方にそのことを教えてもらったのですが、でも当時は冗談だと思ってたんですよ。というのも、アメリカの会社でリモートワークするために、カナダに滞在すると聞くと、何だか違法ではないのかと感じたんですね。なので最初は躊躇していたのですが、でも日本からのリモートワークにもそろそろ限界を感じていた時期に、とにかく同じタイムゾーンに行く必要性が出てきて、具体的に話を聞いてみるとことにしました。

Senna:ありますね。トロントやバンクーバーに拠点を置いてアメリカの会社に所属する人に対してカナダでのビザ・移民サポートサービスを展開する会社ですね。

Yuya:そうなんですよ。料金を見ると、思ってたより結構高かったみたいで、たまたま僕のサイバーエージェント時代の後輩がバンクーバーにいたので、この件を相談したところFrogを紹介されました。

Senna:Yuyaさんからこの話を聞いた当初は僕らとしても半信半疑だったんですよね、色々と調べるとカナダにはPEOという制度があることを知り、しかもそれを事業の主軸とする企業が意外とたくさんあることが分かりました。

Yuya:他社のPEOのホームページを見ても、国公認と銘打ってありました。

Senna:そうそう。僕らも、速攻でCICやCRAなどの政府機関に連絡したんですよ。そしてたら「それは合法的な方法だし、それがどうして違法だと思うのかを逆に教えて欲しい」と言われ、念のため移民弁護士にも確認して問題がないことを確認した上で、YuyaさんにPEOでのカナダ渡航の提案をさせていただきました。

Yuya:そうですね。やっとここまで来れました。

現在リモートワークしているバンクーバーのWeWork

Senna:今現在は、PEOを使いカナダ・バンクーバーに滞在されながら、同じタイムゾーンのアメリカ・サンフランシスコのRamen Heroで働かれているわけですが、実際こちらで生活してみてどうですか?

Yuya:仕事の面では相当楽になりました。アメリカ・日本間の時差はやっぱり大きくて、簡単な業務連絡にしても時間を気にしたり、合わなかったりします。今は全く気にせず働けています。

英語でのコミュニケーション

Senna:なるほど。英語について聞きたいのですが、英語でのコミュニケーションで苦労されたことはありますか?

Yuya:英語はいまだに苦労してますね。習慣的に常に英語を使ってないと英語力は伸びないなと実感しています。オンライン英語レッスンにしても、結局は机上の学習でしかないので、本当の意味での英語力というのは身につかないと思います。

Senna:実際習うだけだとそうなりがちですよね。

Yuya:やっぱり僕が英語力が上がったのは、バンクーバーに来てミーティングに参加する機会が多くなってからですね。少しずつ話すようになって、徐々に聞きとれるようにもなってきたので、こっちに来て本当に良かったなと思いますね。

Senna:実際のRamen Heroでの就職面接は日本語で行われたのでしょうか?

Yuya:そうですね。当時は社長のHiroさんしかいなかったので、日本語でやっていただきました。

Senna:なるほど。会社の同僚とのコミュニケーションは問題なくできてる感じですか?

Yuya:結構相手に負担をかけているかもしれないんですけど、僕の言っていることは理解されている実感はあります。日本で培った業務経験が結構活かされているとも思います。こういう時はこれを絶対言わなければいけないと意志を固めて、言い方がへたくそでもいいからしっかりと伝えるようにしています。

Senna:それは実際大事なことですよね。それをなーなーで流してしまうのは一番悪い行為ですし。

Yuya:そうそう。だから日本での就労経験なしでこっちに来て仕事をしたとしたら、もっと苦労したと思います。

Senna:間違いないですよね。やっぱりYuyaさんの今まで積み上げてきた経験が今のポジションでも役に立っているということですよね。

自然と都会のバランスが取れているバンクーバーの風景

常に「何故なのか」を考え、伝えることは明文化するアメリカ文化

Senna:差し支えない範囲で今現在、どのような業務をされてるのか教えていただけますか?

Yuya:今働いている会社では、冷凍のラーメンをオンラインで売っているので、Eコマースの開発と改善が主な業務ですね。

Senna:いいですね。バンクーバーにそのサービスがあったらめちゃくちゃ重宝しそうです。

Yuya:それと在庫管理なども対応しています。マーケティングとも密接に関わっていて、SMSテキストオーダー機能などについても検討したりしています。

Senna:それだけでオーダーができるようになると便利ですね。

Yuya:そうですね。基本的にマーケッターと一緒に数字を見て改善案を一緒に考えて必要であれば機能開発したりしています。

Senna:なるほど。アメリカ市場に向けてサービス展開をされていますが、実際働いてみてどうですか?

Yuya:エンジニアの仕事としては日本と変わらないですが、アメリカ人は「Why」をすごく考えているんですよね。何かを提案したり問題が発生した時は、必ず論理的な理由を説明します。僕の肌感ですけど、日本の会社で働いていた時は割とみんな雰囲気でやっているケースが多かったと思います。

Senna:実際アメリカの方と働き始めて、Yuyaさんの考え方も変わってきたのでしょうか?

Yuya:そうですね。コンテキストや理由などを常に考えて文章を書いたり、話を伝えたりするようになりました。

Senna:いい意味で空気を読むということではなく、しっかりと明文化するということですね。

Yuya:そうですね。今まではSlackで連絡する時は、思ったことをそのまま送っていたんですよ。今の会社ではそれがダメで、まずタイトルをつけて、コンテキストや何でこの考えに至ったのかという理由も含めて送るようになりました。何回も質問したりする手間が省けるので双方にとってメリットのあるコミュニケーションだなと思います。

Senna:面白いですよね。実際メールを例に挙げてみても、みんなメール返信しないし、見ないですよね。特にアメリカだと頻繁に経験することだと思います。

Yuya:それはすごく実感しています。アメリカではフォローアップ文化が根付いているのでしょうね。

加速するNoCodeの流れ。AIエンジニアへのキャリアチェンジも視野に

Senna:やっぱりそこは実際働いてみないと分からない感覚ですよね。アメリカ企業で働く上での学びとか今後もあると思うんですが、これから取り組んでみたいことがあれば教えていただけますか?

Yuya:今の業務とは関係なく個人的には、AIエンジニアにキャリアチェンジしたいという考えがありますね。今後ソフトウェアエンジニアの仕事は少なくなっていくと思うんですよ。NoCodeの技術がどんなに進化しても完全にはなくならないとは思うんですけど、少なくはなると思うんですよね。例えば、いわゆる昔のインフラエンジニアは今はもういないじゃないですか。

Senna:本当、いないですよね。オンプレは一体どこへ行ったんだと。

Yuya:そこはAWSやGCPに取って代わられたし、ソフトウェアエンジニアも同じように今後は減っていくのではと思っています。その中で自分の尖った特殊能力とエンジニアリング力があれば生きていけるのかなと考えていて、その中で僕はAIに興味あるのでそれをやってみたいとは思っています。

日本と北米との働き方の違い

Senna:Yuyaさんは日本での就労経験があった上でカナダ・バンクーバーを拠点に、アメリカ企業で働かれていますが、日本との違いは何か感じますか?

Yuya:今はWeWorkというコワーキングスペースで働いてるんですけど、みんな帰るのが早いですね。(笑)

Senna:(笑)間違いない。

Yuya:本当に5時で帰りますし、6時にはもう誰もいない。

Senna:大体5時とかからみんな飲んでるしね。(笑)

Yuya:(笑)そうそう。ハッピーアワーに飲みに行こうということで、飲み会の開始時間が大体5時半からなんですよ。でもそれなのに、結構みんな成果を出してるじゃないですか。 日本で働いていた時は結構無駄にしたことが多かったんじゃないかなと思うようになりました。

Senna:なるほど。でも日本では具体的に何が無駄だったかと言われると、コミュニケーションや意思決定に至るまでの流れとか、色々挙げれるとは思うんですけど、技術力が低いのかと言うと、もちろんそんなことはないですし。

Yuya:そうですよね。技術力はむしろ日本の方が高いと感じるので、文化の違いじゃないですかね。みんな5時までに短期集中して成果を出そうと思ってるのかもしれませんね。

Senna:そうですよね。こちらで現地就職した方々で言うと、職場でのコミュニケーションが意外と少ないことに驚く人が多いですね。

Yuya:ああ、それはあるかもしれない。

Senna:みんな時間内にがっつり仕事をして、チームメイトとのコミュニケーションはSlackを使ったチャットが基本。5時で仕事を切り上げて、同僚たちで飲みに行ったりとか、そういう働き方にカルチャーショック受ける人が多い印象ですね。

Yuya:そうですね。メリハリがありますよね。

Senna:Yuyaさんも例に漏れずにそこは驚いたと。

Yuya:そうですね。僕は短期集中型なんで、そういう働き方の方が好きですね。日本だと勤務時間として定められた8時間、例えば、10時から19時まで席にいるということが厳守されますけど。

Senna:成果さえ出していれば別にそこら辺に飲みに行っててもええやんとは思いますけどね。

Yuya:そうですよね。

今後の展望

Senna:今後の展望、もしくは何か宣伝したいものがあればお願いします。

Yuya:展望ですけど、所属しているスタートアップがIPOしたという経験が僕にはまだないので、それを今の会社で実現できればと思っています。その後は自分で起業したり、自分のやりたいことを見つけてサービスを作ったり、認知心理学の研究やOSS活動などもしていきたいなと思いますね。

Senna:いいですね。素晴らしい。

Yuya:Sennaさんともポッドキャストをやっているので、今度また話したいですね。

Senna:そうですね。僕とYuyaさんとでバンクーバーのえんじに屋というポッドキャストをやっているのですが、北米での生活、エンジニアの需要や業界の話など、色々と話をさせてもらっているので、カナダ、アメリカへの海外就職に興味ある人はぜひ登録いただければと思います。

Yuya:はい、ぜひよろしくお願いします。

IT業界にとって熱い街、バンクーバー

Senna:最後に、北米への海外就職を考えている方に対してアドバイスがあればぜひお願いします。

Yuya:僕は十年くらいずっと海外に行きたいと思っていて、アメリカの会社に就職してバンクーバーに来たんですけど、今は本格的なリモート時代になって、以前と比べてもっと働きやすくなってきていると実感しています。日本にいながら、アメリカの会社を見つけて、バンクーバーからリモートワークをするというパターンは今後流行るのではと予想できます。

Senna:本当にこの働き方は今後流行りそうですよね。

Yuya:そうですよね。リモートワーク拠点としてのバンクーバーも魅力的ですけど、Apple、Amazonなどの大手企業も進出してきているし、IT業界にとってかなり熱い場所になっているので、現地就職を目指すにしても本当にお薦めのエリアだと感じています。

Senna:今後は大手企業が参入することで、バンクーバーでのミートアップも活性化していくと思うんですよ。アメリカベースのエンジニア人口が増えてエンジニア同士の交流も多くなると思います。

Yuya:それとアメリカと違うのはやっぱり街が綺麗ですね。まだまだホームレスは少ないし、医療サービスも無料だし、それを考慮すると実はアメリカよりもいいのかなと思う部分もあります。

Senna:特にYuyaさんにはお子さんが産まれたばかりなので、家族をベースに考えることが多いでしょうね。

Yuya:そうですね。住みやすい街だなと思います。

バンクーバー渡航後に第一子誕生、これから仕事に育児に忙しくなります!

Senna:カナダへの渡航を考える人はぜひ参考にしてもらえればなと思います。今回はどうもありがとうございました。


いかがでしたでしょうか?

Yuyaさんのアメリカで働くんだという強い思いが実を結び、結果として多くの目標を叶えられている姿には感動を覚えますね。

Frogでは今後もPEO制度を利用し、エンジニアやデザイナーなどの海外就職の一つの柱としていく予定とのことなので、今後アメリカやカナダでの就業を考えられている方にとっては心強い物になると思います。

カナダ、特にサンフランシスコと同じ時差圏のバンクーバーは今後大きく盛り上がりを見せることかと思いますので、今後Yuyaさんのように海外就職の目標を達成される方が多く現れるのが非常に楽しみですね。

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