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日本の大学からカナダのUBCへ!卒業後AmplitudeからYelpと渡り歩いた、打算的に思い描くYuさんのキャリア論とその過程

本日はUBCを卒業し、アメリカの大型ユニコーン企業Amplitudeに新卒で就業し、その後Yelpへ転職されたYuさんのインタビュー記事を掲載させていただきます!

このインタビュー記事でも稀にUBC卒業生は取り上げさせて頂いていますが、彼らの就業先にはGAFAMを筆頭に優れた企業へ就職される方が多いように移ります。

しかし、いかにUBCのようなトップレベルの大学であったとしても、日の目を浴びて取り上げられるのは一部。結果を出している人と出していない人にはまだまだ格差があり、UBCという環境を活用出来ている人とそうでない人の差が何なのか気になるところです。

今回はUBC卒業後、プロダクト解析の最大手ユニコーン企業になるAmplitudeへ新卒で就職。その後北米圏で知らない人はいない老舗レビュー投稿サイトであるYelpへと転職されたYuさんのインタビューをさせて頂くことになりました!

日本の大学から編入という特異な形でUBCへ入学されたYuさん。その意思決定までのプロセスと自身のキャリアにおいて打算的に行動する彼の考えに学ぶ事も多くあるのでは無いかと思いますので是非ご覧ください。


普通の大学生が、北米の大学を目指すまでのプロセス

Keiさん:  はい、じゃあ、まず自己紹介から始めてもらっていいですか。経歴はこれから聞くので、まずは今何をしていて、どういったキャリアを積んでいるのかお願いします。

Yuさん:  はい、ゆうと申します。今はYelpというアメリカの会社でソフトエンジニアとして働いています。去年、カナダのブリティッシュコロンビア大学、UBCを卒業しました。コンピュータサイエンスを勉強して卒業し、新卒で入った会社があったんですけど、そこから転職して今の会社に至っています。高校までは日本で普通に生活していて、特にインターナショナルな経験はなかったんですが、大学でそれが変わりました。

Keiさん:  なるほど。UBCに落ち着く前のステータスは、普通の日本人の高校生がカナダに来る前の典型的なステータスという感じですね。そんなYuさんがどうしてカナダの大学を目指したんですか?

Yuさん:  実は高校を卒業してからすぐにカナダに来たわけではなくて、最初は名古屋大学に入りまして、実はTresureDataのAkiさんと同じ大学だったんですけど、そこの物理工学科で勉強していたんです。でも、プログラミングに触れる機会があって、それに興味を持ったんですね。日本の大学では途中で学部を変えるのが難しいので、海外でコンピュータサイエンスをしっかり勉強することにしたんです。結果的にカナダのUBCに留学することにしました。

Keiさん:  その切り替えのきっかけはありますか?

Yuさん:  最初は数学が好きで、その論理的な問題解決が好きだったんですが、将来の仕事について考えた時、勉強していることとリンクしている仕事が見えなかったんです。その時、松尾豊教授の人工知能に関する本を読んで、その本はAIに詳しくなくてもAIがどういうものかわかることを目的にした本だったんですが、これがすごく面白かったんですね。なぜかと言うと、裏側は自分たちが普段学んでいる数学だとかプログラミングだとかそういうものなにに、応用先がSFとかに出てくるAIだとか、物体検知だとか画像検知だとか、そういうのをその本で知るんですが、その時初めて「学び」と「仕事」が直結していることを実感しました。それがものすごく面白いと感じ、自然とプログラミングへの興味に繋がりました。

Keiさん:  その後、UBCを選んだプロセスはどうでしたか?

Yuさん:  大学選びは結構消去法でしたね。僕が性格的に多くの選択肢を出して、その中から自分にとって利益の大きいものを選ぶスタイルなのですが、英語圏で卒業後に働ける国、そしてビザを出してくれる可能性が高いところを探していました。アメリカやイギリスは働くという面で厳しく、オーストラリアも候補に上がりましたが、移民に対して厳しさを増してた時期だったので、カナダが一番現実的だと感じました。その中で、UBCとオンタリオ州にあるトロント大学やウォータールー大学なども考慮しましたが、UBCはまずトランスファーのシステムが非常に整っていたんです。特にトロントやウォータールーも有名ですが、自分がリサーチした限りだと、コンピュータサイエンスの分野では非常に競争が激しかった。これが選んだ理由の大きな要因です。

Keiさん:  大学に行く前から、海外でのキャリア形成を意識していたというのは面白いですね。割と海外で大学行った後、日本で就職という人も多いと思うんですが、それがはじめから海外でのキャリアを思い描いていた理由は何かあるんですか?

Yuさん:  それは恐らくですが、僕が日本の大学を一度入っているというのが大きいと思います。UBCに居ても、8~9割くらいは現地の高校を卒業してそのままカナダの大学という人が多く、もう1~2割が親の勧めなどがあって日本の高校から直接カナダの大学へ入学。僕みたいに日本の大学から編入という人ってかなりレアだと思うんです。

結果、費やしている時間もお金も一般的な経緯の人とは負担が大きくなりがちなので、打算的に自分のキャリアを考えるようになったんだと思います。失敗できないとまでは言わないんですが、挑戦することに対するリターンを、周囲と比べると考えざるを得なかったというのがこの判断に繋がったんじゃないかと思います。

Keiさん:  主体的に自分のキャリアを築こうとする姿勢と、自然発生的にその場に居たという姿勢だと、最終的に得られる物には大きな違いが出そうですしね。なるほど。

Yuさん:  そうですね。日本と違って自分の選んだ選考がそのまま卒業後の就職難易度に直結するので、このあたりは顕著に結果に出ていると思います。日本の高校からこっちの大学に来る人だと、こっちに来て初めてキャリアにおける現実を考える方が多いと思うんですね。『あー、自分の選んだ選考ってあんまり仕事先ないよなぁ』とか、『ビザ的に次に繋がるかなぁ』とか、『日本の方が住みやすいよなぁ』とか、その結果として日本でのキャリアを選ぶと思うんです。対して僕は日本で一度大学に入ってからこっちに来たので、渡航前から考えるタイミングが出来ていたのが大きかったと思います。

エンジニアキャリアに行き着くまでと日本のレベル

Keiさん:  じゃあ次の質問ですが、先ほどのCS(コンピューターサイエンス)に行こうと思った理由について教えてください。Yuさんが日本で情報学部に進学するのが難しいと感じたから海外に行ったと思いますが、もし名古屋大学で情報科に進めていたら、日本でキャリアを築いていた可能性もあるのでしょうか?それとも、海外でのキャリアを積むことが最初からの目標だったのですか?

Yuさん:  それは非常に良い質問ですね。おそらく、日本にいた可能性が高いですね。というのも、僕が海外へ行くよりも先に、コンピューターサイエンスを学びたかったんです。留学すること自体が目的ではなく、コンピューターサイエンスの学習が先だったので、その目的が叶わなかったからこそ、海外の選択肢を考えるようになりました。もし日本で情報科に進めていたら、留学する必要性は感じなかったかもしれません。

Keiさん:  では振り返ってみて、実際に海外でキャリアを積むことになってよかったなと思う部分と、日本でやった方が良かったかなと思う後悔している部分などはありますか?

Yuさん:  難しいですねそれは。日本も日本でいい環境があると思うんですよ。日本のエンジニアって結構友達とか知り合いはいるんですけど、やっぱり技術力は本当に高いですから。サービスとしてグローバルになっている物は少ないけど、エンジニアとしての環境っていうのはそんなに悪くないと思ってます。だから、その時に名古屋大学で編入できてたら、それはそれで満足してたかもしれないです。

ただ、今のキャリアでとても良かったと思う点は、圧倒的にサバイブ能力が身についたことですね。外国人として挑戦する以上、いろんなファクターがコントロールできない。理不尽なこともあるけど、なんとかして手に入れる、そういう力は日本にいたら絶対に無理でした。

日本にいれば、もう圧倒的にマジョリティというか、コントロールできる部分が多いんですよ。VISAの問題もそうだし、例えば名古屋大学とか結構名前が知られている大学だと思うので、そうなると一から向こうの生活をやって、外国人として働くって経験に比べたら全然ハードルは低いんで。だから、その野生で生き抜くための力みたいなのは、今の自分の自信にも大きくつながってると思います。

Keiさん:  素晴らしい。既に日本の大学生にも刺さりそうな内容ですね。学部を編入してでも自分のしたいことを追求した過程や、海外で生き抜く過程など、すごく勉強になります。

Yuさん:  ちょっとごめんなさい、一個だけ強調したいんですが、日本の理系がジェネラルで本当にレベルが高いんです。大学に入って、特に数学や理系の科目で困ったことがほとんどないんですよ。僕は本当に肌感覚で、マジで劣ってるって全く思ったことがないし、本当に苦労していない。だから、僕も行く前は、「大学生になって、ほんまめっちゃエリートなんだろうな」と思ってたんです。でも、実際にそれを経験してみると、「いやいや、日本の理系の学生も本当にすごいよ、あの受験を勝ち抜いてんだから、マジで自信持っていいよ、どんどん海外にチャレンジしようよ」と心の底から思います。

Keiさん:  本当にそうですね。僕は理系出身じゃないし、大学生の理系のレベルはあんまりわからないんですけど、エンジニアとしての文脈から見ると、やっぱりこっちの平均的な人と比べても日本の平均はすごく高いです。海外に出た人が出羽守みたいによく言われがちだけど、海外に出ることのメリットの一つって、日本の人材の優秀さに気づけるところもあると思います。だから、この海外に出た人がもっと「日本人、皆が思ってるより優秀だよ」という説を伝えていった方がいいと思うんですよね。

UBCでの生活で得られた物

Keiさん:  もうちょっと大学の生活について深掘りしたほうがいいと思います。まず、UBCに編入したのはセカンドタームからですよね?

Yuさん:  そうですね、2年生の頃からです。

Keiさん:  なるほど、なるほど。じゃあその2年生からの3年間、どのように過ごされましたか?例えば、大学を卒業して就職することが究極の目的だと思いますが、その目標に向けて、どのように大学生活を送り、就活にどのように備えましたか?

Yuさん:  ええ、まず最初に考えるのは「どうやって就業経験を得るか」ということです。大学卒業前にインターンやアルバイトを通じて就業経験を得ることが重要でした。実はUBCに入る前にも、名古屋大学でエンジニアとしてアルバイトをしていて、そこで得た経験が大きかったんです。プログラミングのスキルを磨きながら、「もっとこの分野を深く学びたい」と感じるようになりました。なので就業経験をどう得るかは常に考えていました。

そして、大学の成績も重要ですが、高いGPAが直接就職につながるわけではないことも理解していました。実際、UBCでも成績がそこまで良くない学生がインタビューの準備をしっかりして就職を勝ち取る例も見てきたので。一方、僕がカナダに来た目的がコンピュータサイエンスを深く学ぶことにあったので、もしその授業をおろそかにしていたら、それは本末転倒だと感じました。そのため、まずは基礎からしっかりと学ぶことを重視しました。それが個人的に後に大きく生きてくると信じていましたし、実際、そうなっています。それを最優先にしていました。

さらに、空き時間は積極的に活用して、ソフトエンジニアリングクラブでの活動に打ち込みました。そこではチーム開発を経験し、プロジェクト管理のスキルを磨くことができました。タイミングを見計らっては、新しいアイデアを出し、スプリントを組んでプロジェクトを進め、最終的には成果物をプレゼンテーションで発表するという流れでした。これらの経験は、レジュメに必要なことだけでなく、実際のスキルアップにもつながっています。

Keiさん:  なるほど、ちなみにその「レジュメに必要なこと」というのはどの段階で知ることになったんですか?いきなり海外に来てレジュメの重要性に気がつくわけじゃないと思うのですが

Yuさん:  これは2つあって、一つは単純に僕は最初からこっちで就業したいという気持ちがあったから、すぐに自分で情報収集を始めました。インターネットが主な情報源でしたね。その当時から、例えば「How to make a resume for the passing the Google interview」というようなYouTubeの動画を見て、そのまま真似をするということをしていました。それが一つの方法です。

Keiさん:  なるほど、それで就職活動に必要な情報をどんどん集めていったわけですね。

Yuさん:  はい、それが大きな一歩でした。もう一つのポイントとしては、UBCに来てからも、優秀な同級生や先輩が多くいたことが大きかったです。たとえば、すでにマイクロソフトでインターンをしていた友人がいて、その人のレジュメを見せてもらったり、作り方を教えてもらうことができました。オンラインでもオフラインでも、様々な情報を手に入れることができる環境にいたので、この人のようになるためには何が必要で、レジュメを見ればどういう経験しててのがあるから、じゃあ僕もこういう経験があれば入れるんだって思うことが、もう猿でもわかるみたいなそういう恵まれた環境だったように思います

Keiさん:  大学卒業に向かってどんな感じの就活だったかについてお話ししましょう。大学生活の中で特に伝えたいこと、例えば「この時こうしておけばよかった」と思うことはまだありますか?特に最初のインターンをどうやって見つけるかという点が難しそうですね。

Yuさん:  はい、その部分は本当に難しいです。運の良さも関係していますし、結局は運だと言われることが多いです。僕も最初のインターンを見つけるのが本当に大変でした。通常、学年が上がる夏、5月から8月までの4ヶ月間がインターンをする主な時期ですが、2年生や3年生に上がる時の夏も実はインターンを探していましたが、なかなか見つかりませんでした。クラブ活動をしたり、学校内でアルバイトをしたりと、やれることは何でもやっていたんですが、こっちの企業でのインターンは見つからず、結局、日本の企業でインターンすることになりました。

それで言いたいのは、やれることは全てやることが大事だということです。これは頭で理解しているようでいて、実際にはやっていない人が多いんです。理由としては、まず何をやるべきかがわかっていないこと、またどこまでやるべきかがわかっていないことがあります。そして、もう一つは単純にその努力をするまでの意欲がないことです。

例えば、クラブ活動をしたり、エンジニアとしてアルバイトをすること、インターンを見つけるためにはリファラルを得るための努力をすること、LinkedInなどを使ってコネクションを作ること、特定の業種だけでなく広く求人を探すこと、ビッグテックだけでなくローカル企業もしっかり見ること、そういったことが含まれます。これら全てをやることが本当に重要です。それでもうまくいかない場合は、日本人として日本で働くことを活用するべきです。

僕は2年生から3年生に上がる前の夏休みに日本の企業でインターンをしましたが、これが本当に大きな転機でした。プレイドという会社でのインターンは、初めての大規模開発の経験で、エンジニアとして大きく成長するきっかけになりました。ですから、絶対にインターンはやるべきですが、こっちでやれることを全てやった後でも、日本でのインターンの機会も重要です。時間を無駄にしないよう、日本でもインターンできるところを探すべきだと思います。これが就職活動に向けてのアドバイスです。

Keiさん:  それは本当に素晴らしいアドバイスだと思います。成功している人ややっていけている人には、自発的に何かをできる人が多いと思います。特に、そのサークルやグループの中で後ろにいる人は、ただグループに属したり大学に行くだけで物事が解決すると思っている傾向がありますが、自分の環境を最大限に活用しようとする姿勢が非常に重要ですね。

Yuさん:  はい、その通りです。自分の持っている環境を最大限に生かすことを真剣に考えることが大切だと思います。それを徹底するくらいでやっと他の人と同じレベルになれる、というのがよくあるパターンです。北米ではKeiさんやFrogにいらっしゃるレベルの高いエンジニアさん達もそうですが、そういった環境の中で力をつけた強いエンジニアが多いと思うんです。環境がどうであれ、やるべきことは基本的に変わらないので、その点を理解して行動に移すことが重要です。

プロダクト分析の最大手Amplitudeまでのプロセス

Keiさん:  じゃあ、UBCの生活を踏まえて、インターンの探し方やレジュメの整備、コーディングインタビューの対策など、就活の準備について進めていく過程で、最終的に就職活動のシーズンが来たときにはどのようなアプローチが必要だったか教えていただけますか?特に、サンフランシスコで活動しているアンプリチュードというアナリティクスの会社に入るためにどんなプロセスや創意工夫が求められたか、そのストーリーを少し詳しく聞かせてください。

Amplitude本社にて

Yuさん:  はい、まず大前提として、僕にとってAmplitudeはインターンからのリターンオファーだったんです(インターンしていた企業から正規雇用のオファーを受けること)なので、このプロセスを説明するためには、卒業前にどうやってインターンを獲得するかという話に戻ることになるんですが、こっちで最初の職を見つけるのは、例え日本での経験があっても難しいというのが一般的な認識だと思います。

僕も実際に多くの応募をしました。通常100件以上、多い時には200件を超える応募をするのは当たり前で、その中からチャンスが来たら絶対に逃さないという姿勢が本当に重要になります。

当時はちょうどコロナが少し収束し始めており、リストラの波がまだ来ていない時期でした。僕たちが3年生から4年生に進級する夏の間には、ポジションが徐々に開かれ始め、Amazonを含む他の企業の選考を通過することも多かったですし、オンラインアセスメントの機会もありました。その中で、アンプリチュードもバンクーバーのオフィスを拡大するタイミングでインターンを募集していたため、僕はどうにかしてそのチャンスを掴もうとしたんですね。

まずはアンプリチュードがどんな会社か知らなかったので、どんなプロダクトを作っていて、どんな役割が求められるかを調べました。偶然にも、以前見ていたプレイドと似ているアナリティクス系で、SaaS企業に挑戦したいと思い、応募しました。オンラインアセスメントが来たときには、その当時、ひたすらコーディングの練習をしていたので、特に苦労せずにパスできました。

その後、HRとの初期のコンタクトがあったのですが、実際はインタビューではなく、むしろスケジューリングの調整程度でした。最終的にはファイナルインタビューで、1時間のセッションを2回行う、二段階面接がありました。その中で、基本的にはLeetCodeのような問題が1つ、そして制限時間内にスネークゲームのようなものを実装するような問題がありました。そのための準備として、日常的にプログラミングスキルを鍛えると同時に、コーディング面接の対策をしっかり行うことが重要でした。特に、マイクロソフトで働いている知り合いにモックインタビューを依頼し、実際の面接前に練習を積んだことが大きな助けとなりました。人前で行う面接のプレッシャーに慣れることができ、それが大きな差となり、成功につながりました。

Keiさん:  うんなるほど。そのアンプリチュードを受けた時点で他の会社と同時並行でインタビューを受けたりとかはありましたか?

Yuさん:  はい、ありました。Amazonも受けていましたし、バンクーバーではFortinetというアメリカの会社も受けていました。えー、他にどこだったかな、3年生のころなので結構昔の話で忘れてしまった部分もあるんですが、いくつか有名な企業はありましたね、3つか4つくらいです。

Keiさん:  その最初のインターンシップが非常に難しいと言っていましたが、日本でのインターンシップを経て、実際の就活の段階で何が違ったのですか?ビッグテックのインターンシップのインタビューまでどうやってこぎつけたのか、その違いが何だったのか、教えてもらえますか?

就職成功の要因

Yuさん:  それは、一番大きなファクターはタイミングだと思います。アンプリチュードが事業を拡大しようとしているタイミングで、インターンも雇えるくらいになっていたんです。それと、その時僕が来年卒業予定だったので、彼らから見ても、投資する価値があると考えられたんだと思います。アンプリチュードはその当時、AmazonやMicrosoftほど名前が知られていなかったので、トップティアの学生だけでなく、それ以外の学生も受け入れるようなポリシーがありました。個人的には、名前が売れていないけれど成長が期待できるアメリカの企業を狙うのはおすすめですね。彼らも自分たちがトップティアの学生を引きつけられるかわからないと分かっているので、基準を少し下げてくれることが多いです。それが大きかったですね。実際、僕がインターンしたときも、有名な企業で働いていた同期がいた一方で、僕が知らない企業でインターンしていた人もアンプリチュードで同時期に働いていました。

企業がトップの学生、例えばMicrosoft、Amazon、Googleでインターンしている子だけを見ているわけじゃなくて、そのタイミングで企業が成長していて、別にそのティアで言うとちょっと見かけてきに下、つまり、レジュメ的に見かけ的にそこまで華々しい形式がなくても取るっていう部分ちょっと見てくれるっていうところが重なったのが大きいと思っています。そういう企業もちゃんと見て、応募するっていうのが大事ですね。

Keiさん:  なるほど、多分タイミングっていう一つの単語に2つのファクターがあったと思っています。一つがYuさん側のタイミングで、インターンシップが終わったぐらいのタイミングで本採用かどうか会社が選択出来るタイミングっていうのが確率を上げたと思いますし、もう一つが会社側の都合のタイミングですね。それが成長期だったり拡大のタイミングで僕がそのマーケットにいたからこそ、お互いにマッチしてインタビューできたっていう

Yuさん:  受かるっていうゴールに対してはやっぱり2つの関門があって、1つ目はレジュメをパスすることですね。その花々しい経歴ってのはここで生きるんです。でも行ってしまえば、ここでしか生きないんですよね。正直、僕は当時はそれが信じられなかったんですけど、レジュメも結局バイアスがかかって、「グーグルとかでインターンした人だと入りやすいんでしょ?」とか思ってたんですけど、ちゃんとこっちの企業はそれを見てくれるんですよ。レジュメさえパスすれば、インタビュー上ではフェアみたいな、そこでのパフォーマンスをちゃんと僕たちは見ますよ、というスタンスだから、レジュメをもちろん準備するのは大事ですが、レジュメをパスさえすれば、あとはその場でのインタビューのパフォーマンスで全然他の候補者を抜ける、という感じです。

Keiさん:  間違いないですね。もうノーオフェンスなんですが、どれだけこのUBC、Amazon、Microsoftみたいなタイトルに騙されて散々なインタビューになったか数え切れないくらい経験があるんです。レジュメがパスしたからといって終わりじゃないですよね。

Yuさん:  企業もね、ケイさんとかはもしかしたら採用側もやってるかもしれませんが、分かってるんですよ。ちゃんとレジュメと実力は切り分けた方が良くて、ちゃんとパフォーマンスを見てるんです。だから、学生も腐らずに、まずはレジュメが通るっていうことがすごく大変で途方もない旅路に見えるけれど、そこさえパスしてちゃんと腰を据えて準備していれば、ね。同時に進行しているのは大変ですが、腰を据えて準備して、パフォーマンスが良ければちゃんと入れるという感じです。

Keiさん:  そうね、間違いない、やっぱりレジュメをパスするっていう部分は第一段階で、その先には二つ、三つの課題があるんですが、おっしゃる通りですね。

Yuさん:  インタビューがどういう景色で来るのかは、どんな企業であれ大体一緒ですから、それが分かってる以上、それに準備してパフォーマンスを上げる以外に、やれることが多くはないですね。

情報リテラシーの差、重要性について

Keiさん:  僕のような叩き上げエンジニアの視点から見ると、レジュメを通るという土壌はUBCで、一緒に学校に行ってる仲間達から仕入れた情報でも結構クオリティの高いものにできたと思うんですよね。だから、Yuさんはこのコーディングインタビューをパスするという部分に集中して、着実に行動しているのが大きなファクターだったのかなっていう風に感じました。

Yuさん:  確かにそうかもしれません。一に情報ですね。情報格差ってやっぱりどこにもあって、皆さんインターネットがあるから情報格差がないように思いがちですが、全然そんなことない。情報って自分から降ってくるわけじゃなくて、見つけに行かないといけないじゃないですか。インターネットにあるものを頼る事はありますが、やっぱりそのUBCとか、周りのその優秀な方々に囲まれてるとインターネットと違って予期していなかった情報が舞い込むんです。

なんか、こういう企業のインタビューはこういう形式が多いですよとか、こういうプリンシパルを学んでるといいよとか、インターネットだと自分で意図的に見つけなきゃいけない情報でも、そういう環境が運んでくる情報というのがあって、それがめっちゃ有用なんですよね。僕は意識してなかったけど今言われてみればめっちゃ大きい気がする。

Keiさん:  インフォメーションリテラシーってあるじゃないですか、どの情報を引き入れるかとか、どうやって情報をつかむかっていう部分は個人の能力差だったりしてくるので、ここの情報を初めて入れた第一情報でバイアスがかかってしまった他の情報の取り入れ方がおかしくなったりとかも全然あるので、やっぱり自分の信用した人とかすでに何かをやった人から入れられる情報っていうのは、情報の純度としてめちゃくちゃ高いし実用的なので、そこの人にリーチャットできる環境があるっていうのはめちゃくちゃ大事なところで、めちゃくちゃいいですね。Frogにはすでに多くの海外就職したエンジニアがいるので、もしかしたらUBC並みの環境があるかもしれないと思いますね。そういう環境を提供してくれるのがFrogを使うメリットの一つだと思います。ちょっと宣伝っぽいですが(笑)

Yuさん:  いやでもお世辞じゃなくて本当にそう思います。

Keiさん:  自分の周りに成功した人が多いと自分も成功者になるみたいな法則とかたまに聞いたりするじゃないですかやっぱりそういうのってあるんだなと思いますよね。

Yuさん:  いやもう最悪その場に居るだけでいいんですよ。居るだけでどんどん情報が入ってくるから、どんどん自分にとって身を置くべき環境を探してみてって思います。

具体的なコーディングインタビュー対策

Keiさん:  すばらしいですね。Yuさんはこうやって自分の環境をうまく整えて、何が必要かを先に明確にしてから行動するということを上手にやって、アンプリチュードという超大型ユニコーン企業に入ったわけですね。では、インタビューへ向けた準備で特に力を入れた部分、具体的に「これやってよかった」と思う点は何かありますか?たとえばモックインタビューの中でも、特定の問題やクエスチョンを練習しておいて良かった点など、もう少し詳しく教えてもらえますか?

Yuさん:  僕が感じたのはテクニカルな話で言うとコーディング問題のタイプは2つあると思っていて、それはダイナミックプログラミング(DP)が好きな企業と、グラフが好きな企業です。基本的には、これら二つのタイプのコーディング問題に集中して準備すると良いと思います。DPは特にGoogleとか金融セクターや数学的に強い人材を求める企業に重宝されがちですね。一方で、グラフはウェブ系やテクノロジーが重視される企業でよく使われていると思います。他にも多くの技術的な問題がありますが、企業が好むタイプを知っていると、その方向で効果的に準備することができますね。

特にグラフは多くのサービスで非常に便利に使われています。たとえばアンプリチュードのようなアナリティクスを扱う企業では、ユーザーの行動データをグラフ構造で保存して解析することが一般的です。僕は直接アナリティクスチームにはいませんでしたが、ドキュメントを通じてグラフが積極的に利用されているのを見て「そりゃ面接でグラフに関する問題が出るよな」と、実際そういった問題が出ていました。

AmazonやMicrosoftのような大手企業の場合、サービスの範囲が広いため具体的な技術が何かを特定するのは難しいかもしれませんが、特定の技術にフォーカスを当てている小規模から中規模の企業では、その技術を深く理解していることが大きなアドバンテージになると思います。それらの中でグラフとDPは特に重要で、グラフはウェブ系企業で特に求められているスキルです。例えばTikTokのような複雑なアルゴリズムが必要な場ではない限り、グラフを熟知していることが強みになると思います。

ただコーディング面接で大事なことは、実際に問題のパターンを理解することですね。テクニックと言われるとちょっと違う感じもしますが、本質的には問題のタイプが異なるだけで、根本は同じということですよね。

はい、その通りです。例えばヒープを使っている問題も、根本ではグラフに関連しています。これを理解することが大事なんですが、ただ勉強するだけでは知識が身につかないんです。天才的な人は選んだ問題だけで対応できるかもしれませんが、実際のところは、とにかく多くの問題を時間を掛けて解くことで、徐々に問題の本質が見えてくるんだと思います。

Keiさん:  つまり、多くの問題に触れることで、問題の根本的な構造が理解できるようになると。

Yuさん:  そうですね、一つや二つの問題を解いただけでは理解が浅くなりがちです。しかし、様々なタイプの問題を解くことで、その背後にある「幹」がどのように多くの「枝」につながっているのかが見えてきます。これは、知識がなければ難しいですし、実際に多くの問題を解くことで、脳が自然と理解し始めるんです。ただ理解するだけではなく、身体的にも感覚として捉えられるようになる必要があります。それが、多くの問題を解くことの重要性です。

新卒で入社した会社、Amplitudeについて

Keiさん:  このAmplitudeという会社を軽く解説してもらってもよろしいでしょうか? どのようなポジションに就いていて、どのような業務を担当されていたのか、詳しくお聞かせください。

Yuさん:  Amplitudeは、ウェブアナリティクス分野のサービスがメインの会社です。GoogleアナリティクスやAdobeアナリティクスと同様に、ユーザーの行動データをウェブ上で収集し、データとして扱って解析するサービスを提供しています。例えば、「この購買行動をした人は、次にこういうクリックをする確率が高い」といった分析ができます。つまり、企業のマーケティング部門などが自社サービスの改善のために必要なデータ分析ツールを提供している会社です。

僕は、インターンから新卒入社で同じチームに所属していましたが、メインのアナリティクスチームではなく、Amplitudeの新規事業である「カスタマーデータプラットフォーム(CDP)」というデパートメントに配属されました。

このチームが行うのは、Amplitudeの解析結果のデータ(例えば「過去何日間でこういう購買行動をしたユーザー群」など)を、別のマーケティングサービス業者に送るための”パイプ”を作ることです。Amplitudeにはその機能がないため、サードパーティー企業とのデータ連携が必要になります。僕たちは、内部でカスタマーデータプラットフォームを作り、Amplitudeの解析データをサードパーティーに送信し、そこでも活用できるようにするインテグレーションを担当していました。

具体的には、競合他社のAPIを理解し、そのAPIに合わせてデータの形式を整え、連携させる業務を行っていました。例えばFigure Eight(旧Crowdflower)やSegmentなどの有名企業とのデータ連携です。

Keiさん:  なるほど、アナリティクス業界は今後も成長が見込まれる分野ですね。Amplitudeもその中でサンフランシスコに本社を置く急成長中のビッグテック企業となりつつあるということですね。

Yuさん: はい、その通りです。

Keiさん: なるほど。じゃあAmplitudeに関して仕事を通して学んだことを教えてください。この会社にいたからこそ、自分はこういうところが伸びたとか、この会社のこういうところが好きだったなどあれば

Yuさん: 僕はインターンでAmplitudeに入り、そのままリターンオファーをもらって新卒で入社したんですが、僕はどうやってリターンオファーをもらえるかということばかり考えていました。

Keiさん: リターンオファーというのは、インターンで入った人がインターン期間終了後に実際にフルタイムで採用されることですね。

Yuさん:  そうです。リターンオファーをもらう、それはつまりどうやってパフォーマンスを上げるかということになります。

僕にとってそれまでは、どうやって仕事を獲得するかということしか考えてこなかったので、新しい視点でした。仕事では当たり前のことですが、どうやって自分のパフォーマンスを上げ、「僕は良い人材です」とアピールするかが重要になってきます。

Amplitudeでインターンしたり、フルタイムで働いた後に、技術力が上がった部分ももちろんありますが、一定の開発の知識はあったので、技術的に全く新しいことを学んだというわけではありません。アーキテクチャについての学びがあったくらいです。大規模サービスのデータパイプラインがどのように構築されているかというアーキテクチャの部分を学ぶことは非常に有益だったと思います。

ただ、ハードスキルという面では、例えばReact.jsやNode.js、Java、Pythonなどの言語としての技術はついていたので、そこまで新しい学びはありませんでした。むしろ、どうやって良いコードを書くか、自分のパフォーマンスをアピールしながら成果を上げるか、生産性を上げるかといった、プロフェッショナルなエンジニアとして立ち回ることが成功につながるかという観点を学ぶ機会が多かったですね。単にコーディングが好きな学生ではなく、プロフェッショナルなエンジニアとしてどう振る舞うべきかを学べたタイミングと環境が最も大きかったと思います。

Keiさん: なるほど、プロフェッショナルとしてちゃんと大きな一歩を踏み出せたということですね。リターンオファーをもらう過程で、自分がどう活躍しているか、また必要な人材であることをどうアピールしたか具体的に教えてください。例えば、パフォーマンスの数値を出したり、どのようにリポートしていたかとか。

Yuさん:  はい、実際にリターンオファーをもらうためには、自分の活躍を可視化することが非常に重要です。僕が特に力を入れたのは、マネージャーやメンターに直接、自分のパフォーマンスについてフィードバックを求めることでした。どのような点が強みで、何が足りないか、どうすればリターンオファーをもらえるかを具体的に聞いていました。これが、特に日本人には少し聞きにくいかもしれませんが、大切なアプローチだと思います。

さらに、インターン期間が短いため、どのようなスキルやパフォーマンスが求められているかを明確にすることも重要でした。例えば、ソフトエンジニアとして求められるレベルが具体的にどれくらいなのか、それを明確にし、それに対してどのようにアプローチすればよいかを聞いていました。

その上で、与えられたタスクをどれだけ確実に完成させるか、そしてどれだけ自己のオーナーシップを発揮してプロジェクトを推進できるかが評価されると教えられました。これらの点をしっかりとマネージャーやチームにアピールし、定期的に自分の成果と貢献をレポートすることで、リターンオファーを獲得するための基盤を築いていました。

Yuさん:  この基盤が大事だった理由は、自分が担当する仕事やタスクを完了させるまでのコミュニケーションを含め、少なくとも自分の担当範囲内でリーダーシップを発揮していたと証明するためです。小さなリーダーシップですが、自分のタスクにおいてリードを取り、必要なコミュニケーションを行い、何を明確にすべきかを把握していました。これは単にタスクを完了させるだけではなく、その過程で必要なオーナーシップをしっかりと取ることを意識していました。

このアプローチをどうアピールしたかというと、メンターやマネージャーとの個別ミーティングで現在取り組んでいる課題について報告し、自分の進捗や次に必要なアクションについて議論をして、フィードバックを求めることでした。これにより、私がどのように問題を解決しようとしているか、どのように仕事に取り組んでいるかが相手に明確に伝わり、私の思考プロセスがオープンになるよう努めました。その結果、小さなタスクを効果的にリードしていることが認められ、より大きなプロジェクトへのアサインが進むようになりました。

そして、そういったステップを踏むことで、相手に私をより重要なプロジェクトに任せることができる人材として見てもらえるようになり、最終的には成功裏にタスクを完成させることができたため、無事リターンオファーを獲得することができました。それが非常に大きな成果となりました。

Keiさん:  確かに。特にジュニアやインターミディエートレベルで職場に入った時、どの程度マネージャーやシニアエンジニアたちが新しいメンバーを信用できるかはしばしば不明瞭です。それに、一人一人がどのような仕事をしているのか、どんなことをしたいのかをオープンにすることが、信頼を築く上で非常に助けになりますね。

Yuさん:  はい、正にその通りです。特に私がジュニアとして感じることが多いのですが、一対一の会話で具体的なタスクの取り組み方や進行状況をオープンにすることで、上司は「この人にはこのチャレンジングな仕事を任せられる」と判断しやすくなります。マネージャーの仕事はジュニアやインターミディエートのスタッフを成長させ、彼らの成功を通じて自身の評価も高めることですから、こうしたオープンなコミュニケーションは非常に価値があるんです。

Keiさん:  確かに、インターンのような短期間での勤務でも、いかに大きなプロジェクトを成功させるかがキーですね。

Yuさん: そうですね、どのプロジェクトにアサインされるかは少しばかり運の要素もありますが、自己主張と自己表現を通じて、より大きなプロジェクトに参加できるチャンスを増やすことは可能です。ですから、自分の希望や目標をオープンにすることが、プロジェクトアサインメントやリターンオファーを得る上での戦略として非常に有効だと思います。

例えばAmazonのインターンなんかだと、プロジェクトが成功すればリターンオファーが得られるが、完成できなければオファーがないみたいな、かなり分かりやすい基準の物もあるんですが、ただプロジェクトの難易度や重要性によって変わるため、いわば「プロジェクトガチャ」になってしまうところがあります。ただ、少なくとも自分の場合、重要なプロジェクトを任されるためには、やはり自分から積極的に信頼を築く必要があると感じていますね。

Keiさん:  Yuさんのように、その都度何を目指しているのか明確に持ち、それに向かって正しい行動を取れることは、間違いなく強みになりますよね。特に新しい環境やプレッシャーの中でそれができるのは、非常に価値が高いと感じます。ちなみに話せる範囲でいいので、具体的にどんな感じのオファーだったか、リターンオファーをもらった際にジュニアエンジニアとしてどんなパッケージをもらえたか教えてもらえますか?難しければ全てオフレコにしますので。

Yuさん: いいですよ。具体的にはインターンの時は時給制で、時給はおよそ50ドルでした。それが基本的な給与形態で、サインオンボーナスももらいましたね。正確には報酬には三つの要素がありますね。ベースサラリー、ボーナス、そしてRSUなどのつまり株式をもらえる部分です。アンプリチュードでの新卒時のベースは120kで、これはCADです。

Keiさん:  120k!僕、そこまで行くのに4年掛かったのに…

Yuさん:  それはやはりアメリカの会社というのが相当大きいと思いますね。向こうからすればかなりお得な人材に映りますし。アメリカにある何千というユニコーン企業の中ではあくまでスタンダードな方だと思います。

Keiさん: それ実は僕はカナダにいるエンジニアの強みだと思っていて、向こうからすれば能力値はそこまで変わらないのに給料は安いから、肌感ですがカナダにいるエンジニアの方がレイオフの対象になりずらい感覚があります。

Yuさん: それはあるかもしれないですね。カナダ側切るって相当状況がやばいってことですもんね。あとは、さらにRSUは3年ベースで付与されます。RSUの総額はだいたい1000万円ぐらいになるので、1年間で約330万円分のRSUが付与されることになりますね。USDで付与されるので大きな額になります。それに、最初にもらったサインオンボーナスが50万円でした。

Keiさん: なるほど、非常に詳細な説明をありがとうございます。カナダでの給与と比べて、アメリカの会社ではかなり良い条件を提供しているようですね。特にRSUが大きな魅力的な部分で、それが新卒からキャリアを積む上で大きなモチベーションになっていると思います。また、プロモーションに応じてRSUがリフレッシュされるのは、パフォーマンスを継続的に評価されている証拠でもありますね。

Yuさん: その通りです。特にテック業界では、株式オプションが大きなインセンティブの一つとなっており、長期的なキャリア形成において重要な役割を果たします。また、透明性のあるパフォーマンス評価とプロモーションプロセスは、私たち若手エンジニアにとっては特に心強いサポートです。

Keiさん:  で、こんな苦労して入ったアンプリチュードで働くことになったわけですが、1年ちょっとでYelpに転職するという大きなイベントが起こりましたね。アンプリチュードは非常に大きなユニコーン企業ですが、なぜ1年で次の会社へと移ることを決断したのですか?その思考プロセスについて教えていただけますか?

Yuさん:  ええ、これは私がどのようなエンジニアとして、またはどのようなキャリアを歩みたいかについて考えた結果ですね。アンプリチュードでの仕事は主にフルスタックのウェブ開発でした。フロントエンドもやりながらバックエンドにも関わるみたいな。ただ、データパイプラインのチームにいたので、データがどう流れているか、スケーラビリティを保つためにどのようなアーキテクチャが必要かは学べましたが、本格的にアーキテクチャやコアなインフラのバックエンド開発を行うわけではありませんでした。結局もう出来上がった物を使ってサードパーティーと繋げるっていうことをやっていたわけです。

それが、私の技術的な成長にはあまり貢献していないと感じ、それが転職を考える大きな理由になりましたね。私がアンプリチュードに入るのに最適な時期は、もう少し経験を積んでからか、シニアレベルの技術力がついた時だと感じました。そういう状態であれば、その技術を存分に活かして会社の成長に寄与できると思ったんです。ですが、私の場合はまだ探求している段階で、もっと学ぶが別にあると感じていました。そのため、もっと学びが多い環境を求めて次のステップに進むことにしました。

Yelpへ転職とレジュメ対策

Keiさん:  そうなると転職活動はしていたんですか?

Yuさん:  いいえ、もちろんアンプリチュードで私が個人的に自分のキャリアについて見直していたのは事実ですが、だからといってアンプリチュード自体に何か不満があったわけではもちろん無いので、転職活動については特にアクティブに探していたわけではありませんでした。ただ単に「面白いポジションがあったら応募してみようかな」というスタンスだったんですが、たまたま見かけたYelpのデータバックエンドエンジニアのロールが非常に魅力的に感じられ、面接が進むにつれて新しい環境での挑戦も良いんじゃないかと感じ、転職を意識しだしたというイメージですね。

Keiさん:  なるほど、それは大きな決断だったでしょうね。転職を決めた理由は、単に新しいチャレンジを求めていたから、ということですか?

Yuさん:  そうですね、私がアンプリチュードで担当していた業務は、フルスタック開発が主でしたが、もっと深く技術的な部分、特にバックエンドのインフラ開発に関わりたいと思っていました。Yelpではそのようなチャンスがあると感じ、キャリアをさらに発展させる良い機会だと思ったのです。

Keiさん:  少し個人的な興味もあるんですが、Yuさんはどのようにしてレジュメを準備されましたか?特にアンプリチュードでの経験をどのようにその時のレジュメに反映させましたか聞いても良いですか?

Yuさん:  実は、転職もありかなと考えだした時点で自分のレジュメを全面的に見直しました。私が目指すバックエンドフォーカスのエンジニアとして、その方面の経験を強調するようにレジュメを調整しました。そして、興味のあるロールに特化して応募を進めたんです。もちろん、これは就職が急を要していない状況だからこそ可能な戦略でした。すぐに職を得なければならない場合は、また異なるアプローチが必要になると思っています。

Keiさん:  レジュメを書く際に特定のソフトウェアやフォーマットを使っているのか、例えばWord、Canva、あるいはLaTexなどを使っていたりしますか?

Yuさん:  実際には、Yelpに入る前のレジュメはGoogle Docsを使って作成していました。特別なフォーマットを使うわけではなく、インターネットで一般的なテンプレートを参考にして、それを自分なりにカスタマイズしてPDFで出力していました。Google Driveに保存しておくことで、必要に応じて簡単に更新ができて便利です。

Keiさん:  カバーレターに関してはどうですか?特に大企業への応募時にカバーレターの重要性はどう感じていますか?

Yuさん:  正直、大企業での応募ではカバーレターの重要性はそれほど高くないと感じています。多くの場合、カバーレターで伝えるべき内容は面接で聞かれることが多いですし、実際にカバーレターを詳しく見ることは少ないです。ですので、私はカバーレターに多くの時間を費やすよりも、レジュメの質を高めることに力を入れています。特に、ビッグテック企業では、カバーレターを書かなくても問題ないと思います。マイクロソフトなんかはカバーレターはいらないと公言してますしね。

Keiさん:  なるほど、ちなみにジョブインタビューのフェーズで意識したところはありましたか?新卒と違って今度は経験者としての就職活動だったわけですが、違いなどあれば教えてください

Yuさん:  意識したこととしては、今回は新卒採用ではなかったため、システムデザインに関する質問が入ってくることですね。この対策を特に意識していました。

Keiさん:  具体的にはどういった対策ですか?

Yuさん:  はい、多くの企業で共通していると思いますが、基本的には自分たちのサービスに関連したシステムデザインを問われます。Yelpで言うと、多くの方が知っているように、レビューを書くウェブサイト、日本で言うとタベログのようなものですね。面接での典型的な問題としては、「あるマップ上にトップ10の特定種類のレストランを表示する機能をデザインしてください」といったものがあります。実際にコードを書く必要はないんですけど、じゃあどれぐらいのユーザーがいて、どれぐらいスケーラビリティしなきゃいけなくて、タイムパフォーマンスはどれぐらい必要とされてるみたいな必要要件をシステムデザインの中で考えながら、実際にユーザーからどういうインプットをもらって、それを受けるサーバーはどういう風なアーキテクチャで、じゃあそれをどこのどういうタイプのDBに相当して、とかっていうアーキテクチャデザインがシステムデザインの御作法になると思うんですけど、そういうことを面接でもやりました

Yelpで働きだして

Keiさん:  2、3ヶ月前に始めたんでしたっけ?どうですか、今のところ働いてみて、難しい点や楽しい点はありますか?

Yuさん:  ええ、そうですね。Yelpはリモートファーストの環境がしっかりしていて、ドキュメント文化がかなり根付いています。フルリモートで働いているんですけど、ドキュメントがとても整理されていて、各サービスのデプロイメントプロセスも全部ドキュメント化されています。だから、ここで働くことになって、規約を守りつつ、安全にソフトウェアエンジニアリングができる環境が整っているというのがまず第一の感想です。Yelpは既に歴史もあり成熟したシステムを持っているので、スケーラビリティよりも既存のシステムをどう維持し、効率良く運用できるかが重要になっています。会社自体が2004年に設立されてから20年近くが経つので、IT企業としてはかなり長い歴史を持っています。そのため、すでに確立されたコードの規約に従って作業することが求められ、新しい技術を学ぶにはとても良い環境だと感じています。

Keiさん:  20年の歴史を持つ企業でのベストプラクティスを見て成長する姿が既に目に浮かぶようですね。そこから盗むも独立するも自由でしょうし、これはYuさんが長い間、無数の眠れない夜をコード書きながら過ごしてきた結果ですね。本当にすごい経験だと思います。

Yuさん:  はい、ありがとうございます。確かに、私のこれまでの経験は再現性があると思います。運の要素もありましたが、運が巡ってきたときにそれを活かせるような状況を作ることが大切ですよね。特に就活では、自分にチャンスが回ってくるような環境作りと、そのチャンスを活かせる状態を整えることが重要です。僕が今までやってきたことが、高校生や大学生にインスピレーションを与えることができれば嬉しいですし、中堅エンジニアにも何かのヒントを与えることができればと思います。

Keiさん:  本当にYuさんの話は多くの人にとって刺激になると思います。人生をやり直しても、同じようなことをするだろうと言えるほど、Yuさんの選択は自信に満ちていますね。それは素晴らしい自信です。今日のYuさんの話を聞いて、どの道を選ぶにしてもその準備と努力が必要だということがよくわかりました。Yuさんのような姿勢で臨むことが、成功への鍵のようです。では、今後の展望についても少し教えていただけますか?

Yuさん:  はい、今後は引き続きYelpで学んだことを活かしながら、技術力をさらに磨いていきたいと思っています。そして、いずれは新しい技術やプロジェクトに挑戦することで、更なるキャリアアップを目指していきたいですね。

バンクーバーで大雪が降った時の写真

Yuさんの今後の展望、そしてこれから海外就職を目指す方々にアドバイス

Keiさん:  それでは、Yuさんのキャリアについて、どのように進めていきたいか、ショートタームでもミッドタームでもお聞かせください。また、どんなアドバイスを皆さんにしたいかも教えていただけますか?

Yuさん:  まず、私の展望についてですが、あまり長期的な計画を立てずに日々の変化に柔軟に対応していきたいと思っています。理由は、長期に渡ると予測不可能な変数が増え、計画が実現不可能になる可能性があるからです。短中期的には、現在興味を持っているデータエンジニアリングやバックエンドフォーカスの開発に更に深く取り組むことを考えています。この分野でのスキルと知識を伸ばし、将来的にはリーダーシップを取れるポジションへとステップアップすることが目標です。これが現在の会社で実現可能か、あるいは新たな環境でのチャレンジが必要かは今はまだ決めかねていますが、とにかく専門性を高めることに集中したいと考えています。

アドバイスについてですが、私自身が経験したことから学んだ最も重要なポイントは、目標に対して正しい方向性を持ち、十分な時間と努力を投資することが成功への鍵だということです。人はしばしば楽な方法を選びがちですが、自分の進捗を定期的に評価し、必要に応じて調整を加えることが非常に重要です。このプロセスを通じて、努力の方向性が適切かどうかを確認し、誤った道を進んでいる場合は速やかに修正する必要があります。また、自己の成長と学びには、UBCのような教育機関での学びや、異なるコミュニティに参加することも大いに役立ちます。これらの経験から、新しい知識を積極的に取り入れ、技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力やリーダーシップスキルも磨くことができます。

最後に、キャリアを通じて柔軟性を持ち続けることが、急速に変化するテクノロジー業界で生き残るためには必須です。技術は日々進化しており、今日有効なスキルが明日も同じように有効であるとは限りません。そのため、常に学び続け、自分自身を適応させることが、成功への道と言えるでしょう。


以上、いかがでしたでしょうか。

Frogのインタビュー歴史上、最長の記事となってしまいましたが、削るところを探すのが難しく、非常に中身の濃いものになったのでは無いかと思います。

どんな事にも言える事ですが、今いる環境を最大限活用出来る人と、そうでない人というのは明確に差がある部分がいくつかあると感じます。

同じ大学、同じカレッジ、同じ環境下であっても結果的に到達できる場所、得られる物には必ず差が生まれる物だと思うのですが、その裏にはどれだけ自分のキャリアに真剣に向き合えるかどうかが大事なのではないかと、今回のインタビューから学ぶことが出来ました。

Frogではこれからもエンジニアとして一定のキャリアを築いた方々のインタビューをしていきます!

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