日本の大学卒業後、SFUへ編入。新卒での驚きの年収がこちら!
こんにちは、FrogメンバーのTomokiです。今回インタビューに応じてくださったのは、日本の大学を卒業後、SFUに編入したKodaiさんです。
現在、KodaiさんはVancouverを代表する企業Hootsuiteにて、ソフトウェアエンジニアとしてご活躍されています。
新卒で職を得るために、緻密な面接対策に加え計画的にリソースを活用し見事就職を達成されたKodaiさんのご経験はとても参考になるかと思います。
北米の新卒の驚きの年収も記載していますので、ぜひご一読ください。
日本の大学卒業後、SFUに編入へ!
Tomoki: 本日はお時間頂きましてありがとうございます。それではよろしくお願いいたします。
Kodai : よろしくお願いします。
Tomoki: では、早速ですが今までの経歴や昔のバックグラウンドなどを教えてください。
Kodai : 元々は日本育ちで、日本の大学を終えてから、カナダの大学にてComputer Scienceの学位を取るために留学しました。SFU(Simon Fraser University)を卒業後は、バンクーバーにあるHootSuiteにてSoftware Engineerとして働いております。
Tomoki: 日本の大学も卒業されているんですね。
Kodai: はい。ただ、大学卒業後にすぐに留学したので、日本での就活経験や就労経験もありません。
Tomoki: 日本での専攻も Computer Scienceだったのでしょうか?
Kodai: いいえ。日本では商学部に在籍していました。
Tomoki: 海外の大学に編入するだけでも大変なのに、専攻まで大きく変えられたんですね!
日本の大学卒業後に、すぐに海外の大学に入学されるというのは珍しいキャリアかと思いますが、SFUでは3年次から編入されたのでしょうか?それとも1年次から始めたのでしょうか?
Kodai: 日本の大学では文系専攻でしたので、移せる単位が多くありませんでした。101レベルのベーシックな単位のみ移せましたが、結果としてSFUに約3年弱通いました。
Tomoki: 専攻を変えると移せる単位は限られてしまいますよね。大学卒業後はすぐにSFUに編入されたんですか?
Kodai: いいえ、アメリカのワシントン州にあるカレッジで1年間程カレッジに通っていました。そこでESLやComputer Scienceの単位を幾つか取得後、SFUに編入しました。
元々は、アメリカの大学への編入を考えていたのですが、就職状況も厳しいこともあり、カナダでワンステップ踏んでキャリアやスキルを積んでいこうという方針に変えました。当時は、海外でスキルをみにつけることを優先していたので、強いこだわりはありませんでしたね。ただアメリカの方が面白い会社やプロダクトが多いので、そこは魅力的ですよね。
Tomoki: 計画的に留学されて素晴らしいですね!ちなみになぜ留学を試みたのですか?
Kodai: もともと日本で働くことに対しての固執があまりなかったんです。周りの人や先輩が働く姿があまり楽しそうに見えないのにも加えて、日本に滞る閉塞感にも不安があり、自分の中でポジティブな将来像が見えなかった時期がありました。その時から、日本を外から見てみたいという気持ちが生まれました。また、手に職がつけられるスキルを身につけたいという思いもありました。日本や海外でも柔軟に働くことができるスキルを身につけるという視点で考えた時に、Computer Scienceが最適だと思い専攻を変えました。
日本の大学 VS カナダの大学
Tomoki: 私は日本の大学を経験していないので分からないので、比較するとどっちが大変だったでしょうか?
Kodai: 日本の大学は入学が大変ですが、その後はプレッシャーも感じないので日本の大学の方が全然楽ですね。笑
一方、カナダの方は入学することは比較的楽ですが、その後は課題に追われてました。笑 新卒での就活となると、企業からもGPAの提出やテクニカルインタビューなどで知識も試されるので、課題をパスするだけでは自分の為にならないと感じましたね。Co-opやインターンに応募するにもしても、企業もしっかりと面接してくるので、最低限のGPAの確保に加えて授業内容を深く理解しようと努めましたね。
Tomoki: こちらでの就活は大学名や学部もそうですけど、ボランティア経験やインターン経験など学業以外のことも見られますよね。
Kodai: そうですね。あとは勉強している意味も、日本より見出しやすかったですね。やはりエンジニア職を得るには、Computer Scienceの学歴がほぼ必須となりますので。
Tomoki: 私ももう少し考えて留学すれば良かったです。笑 Linkedinでは、Co-op経験を3社ほど記載されていますが、これはどのように応募されたですんか?
Kodai: これはLinkedinで応募したり、学校のジョブボードから応募したりと様々でした。
Tomoki: やはりCo-opでも競争倍率みたいなのは高いのでしょうか?
Kodai: そうですね。大学のジョブボードの案件も、UBCやBCITにも掲載されているので、こちらの学生と競わなければいけないので簡単に得られるものではないですね。
Tomoki: そうですよね。2つもCo-op経験されて少し多いようにも思えますが、これには何か理由があるんですか?
Kodai: やはりレジュメに書けるというのが一番の利点ですよね。あとは、授業内やプロジェクトとかでコードを書くことがあるとは思うんですけど、結局プロダクションに繋がるコードを書く経験がないとあまり意味がないと感じており、Co-opで経験を積むことを優先しました。また、実際に本物のエンジニアと働いて学べる経験ができたのは大変よかったです。現在も、自分でも課題の一つと認識しているのですが、このCo-opでコミュニケーション能力がとても大事だと気付かされました。もし、自分が難しい課題を見つけて解決できたとすると、その難しい課題の内容とソリューションを言語化して、他チームにも共有しなければなりません。異なるドメインレベルの知識を持つ人たちに分かりやすく説明するコミュニケーション能力ってとても重要だと感じることができました。このような機会を、Co-opという立場で得られたのは物凄く大きかったですね。
Vancouverを代表するメガベンチャー Hootsuiteに入社
Tomoki: ありがとうございます。私もジョブカンファレンスやパネリスト等がコミュニケーション能力の重要性を説いている場面は聞いたことありますが、Kodaiさんのように落とし込めているエンジニアはあまり居ませんでした。その後Hootsuiteに入社されたかと思うのですが、どのように探されたんですか?
Kodai: 現職は、Linkdeinで見つけました。
Tomoki: 入社されたのが、2023年なので、今より状況が悪い時だったと思います。応募にあたって、何か工夫された点とかはありますか?
Kodai: Leetcodeを中心にできることは可能な限りやりました。スキマ時間にシステムデザインやアルゴリズムに関する対策もしましたし、behavioral questionsなどの対策も怠りませんでした。見落としがちですけど、behavioral questionsが一番大事だと思っております。自分の中でよく使用している質問が 5 whys という手法です。自身に「なぜ、この会社で働きたいのか」と質問した後、「なぜ、その回答なのか」というような自問自答を繰り返して、自身の思考の深い部分まで理解しようと努めました。これをすることによって、面接でも相手の理解が得られるような回答ができるようになったと思います。
Tomoki: 新卒のする面接対策ではないですね。笑 就活中にかなり多くの自問自答したと思うのですが、なぜHootsuiteを選んだのでしょうか?
Kodai: 正直なところ、昨年の経済状況を考慮すると自分で選べる状況ではありませんでした。Hootsuiteの他には、スタートアップの会社からオファーが出ていましたが、Hootsuiteではオーナーシップを持って開発ができると感じたのが理由です。Hootsuiteはスタートアップというほど若くはないですが、スタートアップよりのカルチャーを持っている点は魅力的に感じました。例えばですが、自分の中で新しいシステムデザインを考えて、テスト環境で試すことができます。ある程度実用性があることが証明できると、実際にプロダクションラインなどに組み込んでくれたりします。もちろんこれは入社後に経験できたことですが、面接した時から
オーナーシップには寛大だと感じました。そのような理由でHootsuiteを選びました。
Tomoki: 自分が理想とした環境に身を置けているようで楽しそうですね!今はどういった業務に携わっているんですか。
Kodai: 今は、Data Backendチームにて、データベースパイプライン等の作成に携わっています。具体的には、ステークホルダーから要望があった際、複薄のデータソースからデータを取得して新たなデータフォーマットやバックエンドシステムを作成するという業務になります。プロダクトにFeatuerを追加するというよりは、他チームが必要としているデータ(ユーザーのsignupやapp内のイベント)などを効率的にステークホルダーに届けるというのが私のチームの役目になります。
Tomoki: 少し想像するのが難しいですね。。。開発環境がとても早そうな印象がありますが、いかがでしょうか?
Kodai: 開発環境はアジャイルが中心で、スクラムミーティングも毎日ありますが、私的には少し物足りないという部分はあります。Hootsuiteは、ライフワークバランスを重要視する社風なので、もう少し積極的にスキルアップしていきたいという気持ちはあります。
Tomoki: インタビュー前に少し伺いましたが、そちらが理由で現在他の仕事も掛け持ちされているのでしょうか?
Kodai: はい。シンガポールをベースにしているWeb3のサービスを提供している企業でもバックエンドエンジニアとして業務しています。
Tomoki: 現職とはかなり業界が違いますが、なぜWeb3の業界なんですか?
Kodai: たまたま、FrogのJob postingの中でこちらを見かけたので応募してみました。笑 あとはエンジニアとして、新しいことを常に新しいことに触れることによって、ラーニングカーブを落とさないように意識しています。Cryptはまだまだ新しいテクノロジーなので楽しいですね。
Tomoki: ちなみにどのようなスケジュールで掛け持ちされているんですか?
Kodai: Hootsuiteは、7:30 – 15:00間で仕事をしています。退勤後は、筋トレや散歩して少しリフレッシュしていますね。その後17時から3-4時間ほどWeb3に携わる業務をしています。シンガポールの会社の方は、結構自由な時間に仕事をさせてくれるので助かっています。
Tomoki: 日本離れたのに、日本人並みに仕事してますね。笑 業務はほとんどフルリモートなのでしょうか?
Kodai: そうですね。Hootsuiteのオフィスはサイエンスワールドの近くの海沿いにあります。コロナ前はオフィスが4つあったみたいなのですが、今は一つのみとなっています。内装もオシャレで、ナップルームとか完備されています。たまにアロマをたいて15分ほど昼寝したりとかかなり自由ですね。使っているのは基本的に自分だけですが。笑
Tomokii: ナップルームがあるんですか!?初めて聞きました。自由度が高くて、ユニークな社風ですね。
Kodai: おかげで楽しく仕事できています。
転職活動:新たなステージへ
Tomoki: スラックのDMで軽く触れたのですが、現在転職活動中とのことですが。丁度2年目に入るあたりかと思うのですが、もう次の機会を検討されているのですか?
Kodai:はい。物凄く積極的にというわけではないですが、転職活動中です。理由としては、先ほど言った通りもう少し早い開発環境でスキルアップしていきたいと考えております。その他には、自身の業務のバリューが見えづらいという理由もあります。私のチームが提供するデータはStakeholderもしくはそれよりSeniorの上層部で使用されることが多いのですが、提供したデータが会社にとって良い影響を与えているのか見えづらい部分があります。
これは組織の透明性上仕方ない部分でもあるかと感じているのですが、提供するデータの必要性などがとても明確で納得できる分、尚更残念に感じてしまう点はありますね。笑
Tomoki: ご自身の仕事のバリューが見えづらいと、モチベーションを維持するのが大変そうですね。現在の転職活動はどのようにされているのですか?
Kodai: 現在は、Linkedinをメインに企業を選んでアプライしているという感じです。アプライしている数も多くはないのですが、3社と面接しています。
Tomoki: この景気があまり良くない時に、3社と面接されているとは素晴らしいですね!どのような基準で会社を選んでいらっしゃるのですか?
Kodai: まず一番は、面白そうと感じられる会社を中心に応募しています。もちろん導入されているスタックなどにも興味はあります。あとは、実際に面接中に、面接官がどのようなコミュニケーションスタイルも自分の中で評価の基準にしています。やはり新しい会社でもしっかりコラボレーションしてくれるような人たちがいるチームで働きたいですので、カルチャーも合わせて総合的に判断しています。現在、副業させてもらっているシンガポールの会社の環境やチームメイトも大変素晴らしいので、機会があればフルタイムでの就業も検討しています!
Tomoki: 希望の業界とかはどちらになるんですか?
Kodai: 業界で区分しますと、フィンテックやインシュアテック(Insure Tech)などに興味があります。特にインシュアテックはまだ新しい分野ですので、面白そうですよね。
Tomoki: 初めて聞きました。
Kodai: 多くの企業が、テクノロジーの不祥事がおこった時のために保険に入っているんです。例えば、インシュアテックでは、独自のプラットフォームを使用してクライアントの動向を常にモニタリングするようなサービスを提供しています。このサービスのおかげで、クライアントはインシデントが発生する前に対応できるようになるようになります。
Tomoki: そのようなサービスが、現在伸びてきているんですね。アプライする際は、ATSの対策などはされているんですか?
Kodai: そうですね。ATSも専用ソフトを使用して、対策を怠っていません。基本的に全てパスできていると感じています。
※Kodaiさんが使用しているATS対策のソフトはこちら
入社一年目で驚きの給料<
Tomoki: 差し支えなければ、Hootsuitでの入社一年目の給与をお聞きしてもよいですか?もちろん、少しぼかして頂いても構いません。
Kodai: そうですね。最近progressionがあり、少し昇給がありました。色々合わせて 90K CAD – 110K CADの間ですね。
Tomoki: 一年目でそんなに貰えるんですか!?
Kodai: これは多くはない方ですね。UBC卒の人などはもっと貰ってますんで笑
Tomoki: Hootsuiteは有名ですけど、そこまで待遇が良いなんて考えもしませんでした。
Kodai: サンフランシスコをベースにしている会社からは、170Kぐらい提示されたのでカナダの給与水準はまだまだ低いと感じてます。
Tomoki: 給与の上がり方が半端ないですね。。。笑 競争率が激しいですが、北米でのエンジニア職は夢がありますね。
今後留学を検討している方々へ一言!
Tomoki: それでは最後の質問をさせてください。これから留学を検討している方はまだまだたくさんいるかと思います。Kodaiさんの中で、留学に一番必要な要素ってなんだと思いますか?
Kodai:運ですね。笑
Tomoki: 運。。。ですか?もう少し具体的に説明してもらってもいいですか?
Kodai: 昨今の経済状況みたいに、タイミングとかって結構大事だと思っています。最終面接まで進んで、採用担当がレイオフになり、選考がなくなったこともあります。コントロールできない部分も多くあるはずなんですよね。
ただ、運やチャンスを掴み取るための努力は絶対必要だと思います。例えば、フロントエンドやバックエンドエンジニアになりたいのであれば、ロードマップとかはネットで入手できますよね。そういったロードマップを自身の中で確立して、プロフェッショナルな人たちからフィードバックを得たりするような努力は誰でもできるかと思います。また、ネットワーキングや面接対策なども欠かさないで出来ることを一つずつこなしていくが大事ですよね。ただ、いくら準備しても、最終面接で面接官とフィーリング合わなかったり、社風が合わなかったり、想像していた業務と異なったりで就職に繋がらないこともたくさんあります。そういった意味で「運」の要素は大きいと思います。ただ、そこまで行くにはそれ相応の努力が必要なのは間違い無いですね。
Tomoki: かなり綿密な対策をされたからこそ発言できる重みのある言葉ですね!今の状況だと、運に左右される状況は尚更大きいように感じますよね。ただ、もしチャンスがきた時にそれを引き寄せるだけの努力は常日頃から意識していかないといけませんね。Kodaiさん本日はどうもありがとうございました!
読んでくれてありがとうございます。
日本の大学卒業後、カナダに留学し夢を叶えられたKodaiさんの興味深いキャリアいかがでしたでしょうか。
転職市場は芳しくありませんが、Kodaiさんが就活されていた時期は現在よりも厳しかったと思います。その中で、出来ることをコツコツ続けたkodaiさんの強みがみることのできるような内容でした。
今後も、海外での就職を夢見る全てのエンジニア等の背中を押せるような記事を提供していきます。
Ciao
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