いいヤツ×行動力。ワーホリ期間のみで就職・就労ビザ取得を達成したMikiyaさんの濃密な1年間
みなさんこんにちは!FrogメンバーのHiroshiです。今回インタビューに応じてくださったのは、現在リーガルテック関連の会社OTONOMOSでフルスタックエンジニアとしてお勤めのMikiyaさん。彼はワーホリで渡航し、その期間内に就職・就労ビザ獲得まで成し遂げました。私立カレッジからのCOOPや公立カレッジからのPGWPが圧倒的多数派である中、彼のストーリーは、今後海外渡航を検討している方全員にとって有益なものかと思います。ただ彼も1度レイオフを経験しており、現在に至るまで順風満帆ではなかったようです。
OTONOMOSさんは、Mikiyaさんにとってカナダ国内では2社目の職場。1社目への入社までのストーリーは、彼がnote記事にまとめてくださっているので、ぜひご覧ください。
カナダのバンクーバーでソフトウェアエンジニアになれたので振り返りをする
今回のインタビューでは、記事以前・以後の内容にフォーカスしてお送りしようと思います!
ぜひ最後までご一読ください。
新卒〜海外渡航検討
Hiroshi: 本日はお時間頂きありがとうございます!よろしくお願い致します。
Mikiya: よろしくお願いします!
Hiroshi: まずは、日本で働かれてた時から時系列に沿ってお伺いさせて下さい。新卒の時はチームラボさんで働かれてたんですよね。noteの記事によると、そこで2年ぐらい働かれてから、海外移住に向けて動き始めたとのことですが、海外を志したきっかけはどんなものだったんでしょう?
Mikiya: 英語が得意だったっていうのが一番大きいですね。中学とか高校の時から、英語の科目が得意だったので、それを活かした仕事できればいいなっていうのが元々の始まりです。あとは単純に、海外で働けたらかっこいいなっていうふわっとしたイメージも持ってましたね。
Hiroshi: なるほど。チームラボさんって、僕のイメージでは結構先進的な会社さんなんですよね。職場環境も良さそうだなって思ったんですけど、その時振り返るといかがですか?
Mikiya: その辺りに関する不満は本当に全くなくて。笑 まあ今考えたら、当時は出社が義務だったっていうのが個人的にはちょっと疑問もありましたけど、とにかく楽しく働けていました。
Hiroshi: そうなんですね!具体的にはどのようなポイントが良かったんでしょう?
Mikiya: 人間関係はもちろん良かったですし、新しい技術に挑戦させてもらえる、学ばせてもらえる風土みたいなものもしっかりありましたね。業務形態的にはSIerなので、自社のサービスを持っているわけではないんですけど、案件自体は社内で完結してました。要件定義、開発、運用、テスト、お客さんとのやりとりと、かなり色んなフェーズの経験をさせてもらえたので、すごい勉強になりました。
Hiroshi: 海外に行くことに対して、ご家族の反応はどうでしたか?
Mikiya: …あんまり乗り気ではなかったですかね。笑 兄弟もみんな地元で働いていますし、外に出て働くっていう気持ちがあまり強くない家庭だったのかも知れません。
Hiroshi: もう「行くから!」ぐらいの感じで事後報告的に言ったみたいな感じですかね。笑
Mikiya: そうですね。笑 会社のチームリーダーと、退職に関する話をつけた後はもう勝手に進めちゃいましたね。海外に挑戦しようと思うんだ〜みたいな感じで。
Hiroshi: うーんまあ、なんかそういう人多いですね。僕もそうでした。noteを拝見する限りでは、最初は渡航先はカナダに絞っていなかったとのことでですが、どうやらドイツでの就職直前までいってたみたいですね?
Mikiya: そうですね。ただ渡航直前になって、戦争とかの影響でヨーロッパの治安が結構不安定になったんですよね… あとは、初めての海外長期滞在だったので、日本人のコミュニティが根強い方がいいかなとか、いろいろ総合的に考えたらバンクーバーの方がよさそうかな、と思いました。
Hiroshi: 直前で方針変更になったんですね。Frogの存在は当時からご存知でしたか?
Mikiya: もちろん知ってました。渡航先を選ぶにあたって、Frogの存在はやっぱり大きかったですね。日本人の、それもエンジニアのコミュニティがここまでの大規模であるというのは相当心強いです。現地就職の前例もたくさん作って下さってましたし。
Hiroshi: Frogはどういう経緯でお知りになったんですか?
Mikiya: 一番初めのきっかけは、大学生くらいの時に、Hidetoさんのツイートを見かけたことだったんじゃないかなと思います。その頃から、やっぱ海外で働きたいっていう思いはあったので。
Hiroshi: ちなみに、ドイツを選んだきっかけはなんだったんですか?
Mikiya: 海外で働いている日本人エンジニアをXでフォローしていると、ドイツかイギリスが多かった印象なんですよね。あとは、ベルリンはスタートアップが盛んな都市だとか、英語も結構話されている、とかいう話も聞いていたので、その辺のことがきっかけだったように思います。
Hiroshi: なるほど、そうなんですね。それは僕も知りませんでした。バンクーバーに渡航を決めた時は、バンクーバーで仕事が決まったというわけではないんですよね?
Mikiya: そうですね。ただドイツでも決まってませんでした。どちらの場合も、初めは観光ビザで入国して、その期間で就活しようとしてましたね。
日本からのリモート就活
Hiroshi: Mikiyaさんは日本にいながら海外の企業に向けて積極的に就活をされていたようですが、ここっていろんな人が興味ある話題だと思うんです。やってみた感触ってどうでした?国によって手応えに違いがあったとか、どの転職サイトを使ったかとか。
Mikiya: 面接の形態は、どの国もそんなに変わらない印象ですね。1次がHR、2次がコーディング面接…みたいな。転職サイトについては、LinkedInはどの国でも共通な感じがしますね。あとは、noteにも書きましたが、ヨーロッパ限定の就活サイトみたいなのもありました。
Hiroshi: 応募の総数、書類選考の通過率とかはどのくらいでしたか?
Mikiya: カナダに来る前5ヶ月くらいの間、日本から就活をしていたんですが、その期間で多分150件くらいは応募しましたね。書類が通ったのは確かそのうち10件くらいだったと思います。最も進んだものが3次面接くらいだったんですが、1件だけでしたね。あとは1次か2次で落ちちゃってました。
Hiroshi: ビザの事情がわからない中だと、ちょっと難しいですよね。ただ、150件応募して10件書類通過するのって、そんなに悪い数字じゃありませんね。
Mikiya: よりそうですね。思ったよりも通るんだなって思いました。
Hiroshi: 内定に繋がらなかったのは残念ですけど、いろんな人に希望が与えられる数字かと思います。
Mikiya: 個人的にも、これは自信に繋がった出来事でした。
バンクーバーでの就活〜レイオフ
Hiroshi: バンクーバーに渡航してからの就活期間はどのくらいでしたか?
Mikiya: 1社目に入るまでの期間は、1ヶ月半か2ヶ月ぐらいでしたね。8月末に来て、10月中旬くらいまでやっていたように記憶しています。
Hiroshi: すごいスピーディーですね。どのような就活をされていたんですか?
Mikiya: 普通に求人に応募することに加えて、テック系のミートアップに参加してネットワーキングして…とまあ、特別なことはしてませんでした。あとは、Frogの方にDMで相談したりもしてましたね。Hiroshiさんにもさせて頂きましたね。笑
Hiroshi: そうですね、覚えてますよ。笑 1社目はリファラルでの入社だったとのことですが、それはどのようなコネクションだったんですか?
Mikiya: X上でのつながりでした。こちらで働かれてる方が「今経験2〜3年くらいの人を探してるからもし興味あれば連絡ください〜」みたいなツイートををなさっていて、そこに連絡させてもらったところ、面接に進ませて頂けました。
Hiroshi: それ以降の採用プロセスはどのような感じでしたか?
Mikiya: その面接のあと、技術課題みたいなものもありましたね。
Hiroshi: そうやって、知らない人のツイートに反応したりするのって、必要以上に恐れちゃう人がいるような気がするんですが、こういったエピソードはいろんな人に勇気を与えそうですね。返事が来ない可能性だってありますけど、別に大きなリスクはありませんし。
Mikiya: そうですね、ただ、その会社では残念ながらレイオフとなってしまったんですが…
Hiroshi: とても残念です。どういう経緯でのレイオフだったんですか?
Mikiya: その会社のメインクライアントとの契約が切れちゃったんですよね。規模的には10数人の会社だったんですが、同じタイミングで3, 4人がレイオフされてました。
Hiroshi: そうだったんですね…。そこでの仕事内容はどんな感じだったんですか?
Mikiya: フルスタックのポジションだったので、フロントエンドもバックエンドもどっちもやってました。ただ、フロントに強い人が多かったので、僕はちょっとバックエンド寄りでやってました。
Hiroshi: そういえばnoteで拝見しましたが、React, TypeScriptのご経験はなかったんですよね。業務内で書きながら覚えたんですか?
Mikiya: そうですね。就活の期間にチュートリアルとかはやってました。その会社の選考にあった技術課題が、ReactとNode.jsを使って簡単なアプリを作るというものだったので、それも勉強の一環になりましたね。
Hiroshi: キャッチアップもスピーディですね。理解を速める上で何か気をつけられていたことはありますか?
Mikiya: まずはチームメイトに、アプリケーションのデザインパターンのような全体像を教えてもらいましたね。以降細かい部分は、周りの知見も借りながら理解を深めていきました。
Hiroshi: そこの会社さん、まだビジネスとしては残ってるんですかね?
Mikiya: そこはちょっと微妙ですね…なんか僕らがレイオフされた時、同時に結構人が離れていってたみたいで、結局2, 3人しか残らなかったていう話を聞いたんですよね。なので今はもう止まってるかもしれないです。
Hiroshi: ちなみに、採用の時点で、ビジネスとしての雲行きの怪しさみたいなのって感じたりしました?
Mikiya: 選考プロセスの中にいる段階ではあまり何も感じませんでしたけど、入ってから実際のプロダクトを見てちょっと感じるものはありましたね…
Hiroshi: なんと。どういった印象でしたか?
Mikiya: 率直に言うとバグだらけというか…プロダクトが実務で使えるレベルのサービスではないんじゃないかなっていうのはやや感じましたね。
Hiroshi: なるほど、初期で覚えた違和感は大事にしないといけませんね…
バンクーバーでの就活 (2回目)
Hiroshi: その後再度就活だと思うんですが、2回目の就活期間はどの程度でしたか?
Mikiya: 2回目は多分合計で4ヶ月くらいだったと思います。後半の2ヶ月は、フリーランスのお仕事を頂いたり、洗車のバイトをやったりして繋いでました。
Hiroshi: フリーランスの案件はどのように取って来られたんですか?
Mikiya: 日本のエンジニア系のエージェントに登録して、そこ経由でもらいました。
Hiroshi: 2回目の就活は、1回目と比べて活動内容に変化はありましたか?
Mikiya: 基本的には同じでしたが、ミートアップについてはテック系に限らず参加するようになりましたね。僕、バレーボールやってるんですけど、そういう関連の集まりにも行ってました。
Hiroshi: なるほど!ネットワークの範囲を拡大ですね。
Mikiya: そうですね。実際バレーボール経由で知り合った人が、今うちの会社人募集中だから、もしポジションの適性が合えばリファラルするよ!とか言ってくれたりすることはありました。実際に仕事に繋がることはありませんでしたが、効果はあると思います。
Hiroshi: たくさんコネクションを作っておくのは、いかなる場合も大事ですね。就活中に、企業側から何かフィードバックを受けることはありましたか?
Mikiya: 面接を受けた会社から直接フィードバックをもらうことはなかったんですけど、Frogのイベントに参加した時、Wataruさんから頂いたアドバイスはとても役に立ちました。
Hiroshi: そうなんですね!具体的にはどのようなものでしたか?
Mikiya: その面接の場を支配するつもりで挑むといいよ、といった内容でした。なんかそれがストンと腑に落ちたんですよね。面接も職場でも、イニシアチブを取る人って、一緒に働きやすいじゃないですか。この点はずっと意識してやってましたね。
Hiroshi: なるほど確かに。何か具体的なエピソードはありますか?
Mikiya: 今いる会社の選考プロセスの中で、自分が過去に関わったプロジェクトをエンジニアチームに向けて発表する、という内容のステップがあったんですよ。
Hiroshi: 自由度が高くて骨のあるステップですね。
Mikiya: そういう場合って、ただ実装した機能をつらつらと話すのか、実際のコードを見せながら「こういうところが大変だったんだ〜」みたいな説明を加えながらプレゼンするのかで全然印象違うじゃないですか。
Hiroshi: おっしゃる通りですね。
Mikiya: 僕は後者のようなアプローチで臨みました。また、エンジニアチームの質問を待つスタンスではなく、とにかく自分が面接の流れをリードする、みたいなマインドでやってましたね。結果、かなり好印象を残せたようでした。
Hiroshi: 素晴らしい!そういう人材がほしいチームはたくさんあるでしょうね。今の会社さんはどういった経緯で出会われたところなんですか?
Mikiya: LinkedInでした。
Hiroshi: 全体的な書類の通過率は1回目と比べて変化はありましたか?
Mikiya: やっぱりカナダ国内の就労経験が効いたのか、ちょっとだけ通過率が上がりました。経験って言っても、4ヶ月ぐらいですけど。
Hiroshi: でも逆に言うと、4ヶ月くらいでも変化を感じられるくらい、カナダ国内の経験は重要ってことなんですね。現在の職場に入社してから、選考に関するフィードバックは何かありましたか?
Mikiya: よく準備していた、という評価は頂きましたね。他の候補者の方があまりにも準備不足な方ばっかりだった、と聞きました。主に、さっきお話ししたような、プロジェクト紹介のステップ内での話だと思います。僕はしっかり準備していったんですけど、それが差別化に繋がったようです。
Hiroshi: 勝つべくして勝ったという感じですね。選考プロセスは、全体としてはどのような感じでしたか?
Mikiya: うちはHRを専門で担当している人がいないので、最初からエンジニアの方との面接でしたね。1回目の面接では、HR的な内容に加え、技術に関する質問もいくつかされました。2回目が、例のプロジェクト紹介のステップで、時間にすると1時間から90分ぐらいだったと思います。最終面接では社長とオファー面談、といった感じの流れでしたね。
Hiroshi: そうなんですね、とるすと、コーディング面接のようなものはなかったんですね。
Mikiya: はい、アルゴリズムの問題を解くようなものはありませんでした。
Hiroshi: なんだか今っぽい選考方法ですね。知識そのものを問うというよりは、コミュニケーション力を重視しているような印象を受けます。
Mikiya: 僕の単純な感想ですけど、もう今って、非同期でコーディング試験とか出されても、ChatGPTとか使えばもうみんな基本解けちゃうじゃないですか。だからそれそのものの価値は薄れてきているんじゃないかって思いますね。僕もコミュニケーションは大事だなって思うので、「とりあえずなんかいいヤツ」感を出すっていうのは常日頃意識してます。
Hiroshi: それは激しく同感ですね。僕も「なんかいいヤツ」は息が長いはずだと信じています。
現在の就労環境について
Hiroshi: 1日のスケジュールはどんな感じですか?
Mikiya: 基本9時から17時です。働き始めてから約半年くらいですが、今まで残業したことはないので、まあ時間通り働いてます。出社は週に1回だけで、基本リモートで働いてますね。
Hiroshi: 企業としてのビジネスはどういった内容なんですか?
Mikiya: 結構ニッチな分野なんですけど、大枠の分類でいうとリーガルテックですね。税制的な優遇が受けられる国や地域での会社設立をサポート・簡略化するサービスという感じです。
Hiroshi: なかなか面白そうな分野ですね。会社の規模はどのくらいなんですか?
Mikiya: 多分全員で20人くらいですかね。バンクーバーに15人くらい、イギリスに5人くらいのはずです。
Hiroshi: 今のMikiyaさんの具体的なお仕事内容はどのような感じですか?
Mikiya: ポジションはフルスタックですが、結構フロント寄りの仕事をしています。お客さんがプロダクト購入後に利用する管理画面みたいなものを担当しています。
Hiroshi: 所属チームの構成はどのような感じですか?
Mikiya: メンバーは今4人いて、経験値がみんな同じくらいなんですよね。3〜4年くらい。全員intermediateのくくりになるんじゃないかと思います。
Hiroshi: そうなんですか。シニアがいないとなると、プルリクエストのレビューは相互でやってるみたいなイメージでしょうか?
Mikiya: そうですね、おっしゃる通りです。
Hiroshi: 僕の職場もそんな感じなんですが、それってとても勉強になりますよね。Mikiyaさんのポジションはフルスタックとのことですが、他の方々はどんな感じなんですか?
Mikiya: 僕がフルスタックで、バックエンド1人、フロントが2人ですね。まあでも、将来的にはみんなが全部できるようにしたいっていうのは言われてて、後々それぞれのポジションをスイッチしながら進めていく感じになると思います。
Hiroshi: なるほど、面白いですね!その、みんなが全部できるようになっていきたいっていうのは、それを主導しているチームリード的な方がいらっしゃるんですか?
Mikiya: 一応、2人のフロントエンドのうちの1人がPM (プロジェクトマネージャー) を兼ねていて、その方がビジネス側の人たちと多くやりとりしてる感じです。みんなが全部できるようにしたいっていうのは彼のアイデアですね。僕を含めた他のメンバーも、楽しそうだからやりましょう!って感じです。
Hiroshi: いいチームですね!その方も、経験年数としては2〜3年ぐらいの方ってことですよね?それってすごい当事者意識ですね。設立から間もない段階で入社された方なんでしょうか?
Mikiya: そうですね。その方とバックエンドの方が、多分設立して同時か1ヶ月後くらいに入社して、この2人がそれ以降ずっと長期間開発してるって感じです。僕ともう1人が最近入ったエンジニアです。
Hiroshi: 技術スタックはどのような感じですか?
Mikiya: フロントがReactとTypeScriptとNext.js, バックエンドがPHPとLaravel, インフラがAWSです。
Hiroshi: なんか、その中でPHPだけちょっと意外性がありますね。
Mikiya: そうかも知れませんね。笑 その会社に一番最初にジョインしたバックエンドエンジニアの人がPHP大好きで、その名残です。笑
フラットなチーム編成における評価制度
Hiroshi: そのようにフラットなチームだと、パフォーマンスレビューとか、昇給の交渉とかってどういう風に進むんですか?
Mikiya: パフォーマンスレビューは、毎年末にやっていて、ついこの間僕らもやりました。エンジニアチームがメンバー全員に対してお互いのレビューを書くっていう形式なんです。
Hiroshi: ほう、面白いですね。それって匿名でってことですか?
Mikiya: そうですね。それを社長が集計して、最後に本人に総括を伝えるみたいな感じです。そのタイミングで給与の交渉もします。
Hiroshi: 8月に入社して年末にレビューとなると、まだMikiyaさんご自身は給与の交渉はしてないんですかね。
Mikiya: 一応したんですけど、どうやら今会社が、資金を集めるフェーズにあるらしくて、まとまった資金が確保できるのが今年の夏とかになるらしくて。昇給はそのタイミングでするよ、とは言ってくれたんですけど、まあまだ働き始めて5ヶ月とかですしね。
Hiroshi: 給与交渉の相手が社長ということは、組織図的にはエンジニアチームのすぐ上にもう社長がいるって感じなんですね。
Mikiya: そんな感じですね。CTO的な人もいません。
Hiroshi: なんか、すごく自立している人たちが集まらないとなかなか成立しなさそうな組織構成ですね。
Mikiya: そうですね。入社してすぐの頃は、タスクが振られているわけではなかったので、自分でチケットを作らないと何もやることがないみたいな状況だったんですよね。なので、なんか今こういうこういうのやろうと思ってるんだけど、と自主的にチケットを作って、それをチームに話してみて了承を得て…っていう流れで仕事に入っていきました。
Hiroshi: 自立してますね。チームメイトも嬉しいと思います。
Mikiya: でも、もしなんか本当に未経験経験で入ってたら、何していいかわからずに棒立ち状態になっていたかもな…とは思いました。
Hiroshi: 自主的にプロダクトのコードに目を通して仕事を作っていくマインドが重要ですね。
ビザの交渉はどうだった?
Hiroshi: ビザはもうワーホリとか含めて切れちゃってますよね?
Mikiya: そうですね、去年の11月に就労ビザに切り替えました。
Hiroshi: 就労ビザのサポートの交渉ってどうされました?そこって色んな人が気になるポイントかと思います。
Mikiya: 最終面接までビザのことは聞かれなくて、なんなら最終面接でも聞かれなかったんですよ。笑
Hiroshi: えっ、そんなことってあるんですか!
Mikiya: 最終面接の最後、社長に「なんか聞きたいことある?」って聞かれたんで「ちょっとビザのサポートが必要なんですが…」って話したら「ああ全然サポートするよ!」みたいな返答でした。
Hiroshi: めっちゃラッキー。素晴らしい会社ですね。
Mikiya: どうやら、契約しているビザコンサルの会社があるみたいなんですよね。なので、入社してからその人たちとやり取りして、ビザ切り替えとなりました。
Hiroshi: なんか、外国人を雇うことに結構慣れてそうですね。ビザ交渉の時点で渋る雇用主さんは非常に多いと聞きます。
Mikiya: 僕が申請したビザのプログラムと同じ経路で申請した人が、2, 3ヶ月前にちょうどいたらしいんですよね。それもあって、ビザの申請は結構スムーズに進みました。
Hiroshi: 選考の段階で、外国人を受け入れる土壌は整ってそうだな、とかそういう雰囲気は感じましたか?
Mikiya: 僕が入社した時点で、日本人の方が1人いらっしゃったんですよね。僕と入れ違いくらいで辞めちゃったんですけど。その方に事前にちょっとお話を聞いたんですが、色んな国の人がいるよ〜っていうことは聞いていました。
Hiroshi: なるほど。そういった事前のヒアリングみたいなものも大事ですね。その方とはLinkedInでやりとりされてたんですか?
Mikiya: そうですね。その方は面接の時にもいらっしゃったんですが、あっ日本人だ!と思って連絡させてもらいました。
職場のカルチャー、感じている課題
Hiroshi: 会社のカルチャーに対してはどのような感想をお持ちですか?
Mikiya: 小さい会社なので、タスクの管理がちょっと甘いところはあるかも知れませんね。先程もお話しした通り、PMの人はフロントエンドも兼ねているんですが、リソース配分的にはPM業務20%、フロントエンド業務80%って感じなんです。
Hiroshi: 小さいチームだとそういう風になっちゃいますよね。
Mikiya: なので、タスクの切り出しとかも結構メンバー各自でやっていかないといけないことが多いです。ビジネスチームと話をして、こういう画面を作るんだったら、こういうタスクが発生するよね、みたいな。専任のPMがいてくれたらもっと生産的に働けそうだな、とは思います。
Hiroshi: 現在の職場で働き始めて半年くらいとのことですが、今まででつまずいたところとか、自分の課題だと感じていることって何かありますか?
Mikiya: うちが扱っているプロダクトは、ユーザー数がすごい多わけではないので、技術的な面で開発の難易度が高いわけではないんですよ。なのでそこでつまずいてはいないんですが、ビジネスドメインの理解が結構大変でしたかね。
Hiroshi: 先程も、ニッチな分野だという話がありましたもんね。
Mikiya: 最初は何やってるのかほんとよくわからなくて、3, 4ヶ月くらいビジネスチームと話してなんとなくイメージがついた感じです。彼らとは要件定義をすることも多いので、今後は周辺知識を含めた理解度をもっと上げて、そういった場での発言をもっと増やせたらいいなって思っています。
Hiroshi: 同僚とのコミュニケーションはどんな感じですか?業務外のコミュニケーションとかもありますか?
Mikiya: 出社した時は、みんなで一緒にランチに行きますね。仕事以外のカジュアルな話は、主にその時にします。
Hiroshi: なるほど、結構風通しがよさそうですね。
業務外での自己研鑽~おすすめ英語勉強法
Hiroshi: 業務外の勉強とかは、何かされていますか?
Mikiya: 正直言うと、日本にいた時より、プライベートで技術書を読むことは減ったかなって思います。最近は、その分の時間を英語の勉強に費やしています。
Hiroshi: そうか、メンバーみんなが技術的には割と同じぐらいのレベルだから、技術的な面では、緊急度高くキャッチアップしないといけない分野があるわけではないということですね。
Mikiya: そうですね。仕事の進み方として、何かの締切が毎週あるみたいな感じではないので、業務時間内でも勉強の時間が取れたりするんですよね。会社から求められているアウトプットを出す分には、現時点ではそれで間に合っています。
Hiroshi: 何かおすすめの英語勉強法ってありますか?
Mikiya: 語学学習用のChrome拡張機能を使ってNetflixを見ることが多いですね。それでネイティブの英語を真似してみたりするのは結構効果的だと思います。あとは、異文化交流アプリみたいなのも使ったりしますね。日本語を教える代わりに英語を教えてもらうみたいなやつです。
Hiroshi: Netflixとかのコンテンツで英語を勉強する時って、英語のレベル感が自分に合ってるかどうかって結構重要だと思うんですけど、その観点から何かおすすめはありますか?
Mikiya: 僕はなんか、とりあえず流行ってるのを見とこうと思って、Stranger Things とか Emily in Parisとかを観てましたね。で、なんか何回か繰り返してみると、1回目聞き取れなかったけど今はなんかわかる、みたいなことが起こってくるんですよね。
Hiroshi: 僕も何度か体験したことはありますが、嬉しい瞬間ですよね!今お聞きしている感じ、職場での英語のコミュニケーションについてもさして困っている様子でもなさそうですね。
Mikiya: 今のところはそうですね。言いたいことは伝えられます。もちろんきちんと聞き取れないこともあるんですけど、そこはわかったふりをせずに都度聞き返したりしていれば、やりとり自体には大きな問題ないかなと。
Hiroshi: 英語に大きな課題感を感じる方も多いので、素晴らしいですね。
Mikiya: まあ。1社目の時はだいぶ苦労はしてたんですけどね… Netflixの勉強が効果を発揮したような気がしています笑
転職・今後の展望
Hiroshi: 転職はまだ早いと思いますが、今後の展望について何かお考えのことはありますか?
Mikiya: PR (永住権) を取ったら転職をしようかなとは思っています。現職は規模が結構小さいので、理想を言えば一回大きな企業に入りたいなとは思ってます。
Hiroshi: 失礼ですが、Mikiyaさんって今おいくつですか?
Mikiya: 今年27になります。
Hiroshi: そのご年齢で、日本でのご経験2年半、カナダ国内での経験1年とかってなると、永住権の観点でもそこまで困ることはなさそうな印象です。
Mikiya: そうですね。ただ英語の試験はまだ受けたことがないので、そろそろ受けないとなと思ってます。最終的にはそれ次第ですね。
Hiroshi: 次の転職先として、気になる業界とかってありますか?
Mikiya: まだそんなにこだわりはないんですけど、僕大学の時の研究でちょっとブロックチェーンを扱ったことがあるんですよね。その関連分野に進めたら面白そうだなとは思ってます。
ワーホリからPRを狙う方々に向けたアドバイス
Hiroshi: ワーホリだけで就職を決めてで永住権を狙うって、あまり事例としては多くないので、Mikiyaさんのお話を参考にしたいという方、とても多いと思うんですよね。同じようなルートを志す方々に何かアドバイス等はありますか?
Mikiya: まず日本にいながら一番最初にできることとしては、一旦レジュメ作って応募しまくるのがいいんじゃないですかね。実際面接を受けてみて、どれくらい自分が英語話せるのかとかを体感した方がいいと思います。僕もやって良かったことだと思ってます。
Hiroshi: おっしゃる通りですね。
Mikiya: あとは、こっちは後悔に近いんですけど、もしワーホリだけで海外就職を目指すなら、多分、観光ビザで滞在する期間ってあると思うんですね。僕はその期間に備えるという意味で、日本からリモートの仕事を持ってくればよかったなと思ってます。
Hiroshi: なるほど、観光ビザではもちろん現地では働けませんからね。
Mikiya: やっぱ貯金が減ってくることからくる金銭的な不安ってすごく大きくて、意思決定にも悪い影響を与えると思うんです。それを防ぐ為に、週2, 3とかの仕事を日本から持ってきて、それで生活費稼ぎつつ現地で就活する、みたいなことをしていればよかったな、と思います。
Hiroshi: 確かに、海外で就職するとなると、重要な意思決定の連続ですからね。そこのコンディションをしっかり整えておくのは重要ですね。
Mikiya: でも、もしカナダ永住を本気で目指してるなら、ワーホリだけで来るのはおすすめできないかな…とは思ってます。自分は今のとこなんとかなってますけど。
Hiroshi: まあ、できるリスクヘッジはした方がいいですよね。
Mikiya: 僕は、ベルリンに行く可能性もあったし、最悪カナダで仕事が見つからなくても、普通のワーホリというか、レストランとかカフェで異文化体験して、その後は日本に戻ってエンジニアでもいいなーとか、オーストラリアとかヨーロッパに行ってみてもいいなーみたいに当初は考えてたんですよね。
Hiroshi: では、もともとPR取得を強く意識していたわけではないんですね。
Mikiya: はい。だからワーホリだけで渡航したんですけど、まあきちんとPRを狙うなら、COOPとか公立カレッジの道を選んだ方が当然確率は高まると思います。
Hiroshi: では、PR取得を意識し始めたのはどういった理由からなんですか?
Mikiya: 一番大きいのは、やっぱり転職しやすいっていうとこでですね。まあでも、まだカナダに本当の意味で永住するかどうかは全然決めてません。
Hiroshi: 他になんか気になる国とかありますか?
Mikiya: ヨーロッパとか行ってみたいですね。
Hiroshi: ドイツとかオランダとか、結構ビザ取りやすいって聞きますよね。
Mikiya: カナダって、気軽に国外旅行をするってなったら、アメリカかメキシコか、みたいな感じだと思うんですけど、ヨーロッパってその辺の選択肢めっちゃありそうだなって思うんですよね。そういう、プライベートの充実度みたいなのもヨーロッパ魅力だと感じてます。
Hiroshi: 夢が広がりますね。これからの活躍も期待しています!本日はお時間頂きありがとうございました!
いかがでしたか?私個人の見解としては、就活におけるMikiyaさんの勝因は、日本にいる時からしっかりと就活をしていたことなのではないかと思います。たとえ応募先がカナダではなくとも、英語でレジュメを書いたり面接を受けたりする経験は、渡航後の就活の予行演習という観点からも非常に有益なものと言えるでしょう。
また、自らタスクを作り出して業務に飛び込んでいく姿勢や、高いコミュニケーション能力についても、見習うべきところですね。
これから渡航を検討している方にとって、大変参考になる内容だったのではないかと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました!
それではまた次回。
コメント