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バンダイナムコスタジオの中山淳雄氏に学ぶ、海外企業で働く心構え

約33分
atsuo

バンダイナムコスタジオのシンガポールでの新規事業を手掛けている中山淳雄氏。カナダのマギル大学でMBA取得後、バンダイナムコスタジオのバンクーバー支社を立ち上げ、2016年1月よりシンガポールに移り住む。「The Third Wave of Japanese Games」をはじめ、ゲーム業界やマーケティングに関する書籍を多数出版している。

やらなきゃいけない必然性をどうやって作るか

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こんにちは、FrogのManaです。今回はバンダイナムコスタジオのシンガポールで新規事業を立ち上げている、中山淳雄さんにお話をお伺いします。淳雄さん、本日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします。こんにちは。

ではまず自己紹介をお願いします。

はい、中山淳雄と申します。先ほどご紹介いただいたように、今バンダイナムコのシンガポール支社でモバイルの事業を新規事業というかたちで立ちあげております。軽く自己紹介で言うと、働き始めてからリクルートとかDeNAでずっと新規事業をやってきて。その後Deloitteっていうところでコンサルをしながらいろいろゲーム事業の海外展開なんかをしていたんですけれども。そういったところでMBAとか取って、海外で事業やりたいなっていうのがあって。過去2年前くらいにバンクーバー支店の立ちあげというので初めてバンダイナムコで仕事をいただきました。カナダでずっと会社の立ちあげの仕事をしてきた後に、ようやくそこらへんがうまくいってきたので、今度はシンガポールで新しいことしてよっていうので、1月から来たばっかりという状態です。

まだ始まって間もないですよね?

まだ来て1、2週間くらいですね。家がようやく決まりました。

そうですよね、バタバタな時ですよね。今してることっていうのは、ゲームの開発っていうのが中心なのかなと思うんですけど、どういったゲームを作ってらっしゃるんですか?

バンクーバーで2年かけて3本出来上がり、今4本目作ってるとこなんですけど。シンガポールは今までそういったことはしてこなかったので、実は今「何を作ろうか」から始めてる感じです。

じゃあ楽しみがたくさんですね!ワクワクがいっぱいですね!

そうですね、可能性のかたまりすぎて、どこからどう手を付けていいのか…。

バンクーバーではどういったゲームをリリースされたんですか?

パズル系が多いんですよね。「パックマン256」と、「パックマンBounce」ていう2本、有名な1980年からある古いIPを使ったゲームを作って。直近は「Tap My Katamari」っていう、「塊魂」っていうゲームが10年前くらいからあったんですけど、そういったのを使ってモバイルでちょこちょこっとできるゲームを作ってましたね。

「Tap My Katamari」は私もちょっとやってみたんですけど、日本ではまだリリースされてないんですよね?

そうですね、モバイルってそういう世界になっていて。2、3ヶ月テストマーケットでKPI見ながらやっていって、バグ出しだったりとか、ユーザーさんに協力してもらって良いゲームにしていこうっていうので。テストやった後に本リリースが、4月からですかね。4月から日本でもリリースされると思うので、ぜひやってみてください。

パックマン256は様々な章を受賞したということも聞きました。

そうですね、初めてでしたけどね、こういう成功体験って。だいたい1ヶ月で1,000万人も超えてますし、売上もなかなかになってきていて。やっぱり世界で1,000万人、2,000万人の人がプレイしてくれるっていうのはすごいことだなと思って。

そうですよね、やりがいのある仕事だと思います。

GoogleさんとFacebookさんとAppleさん。ほとんど大手のパブリッシャーからは「Best Game of the Year」を頂いて。結構いろんな賞を受賞しましたね。

それは自信に繋がりますよね。

いやー、当たるかどうかわかんない世界なんで、一個当たった時に逆にそれしかできなくなってきますねw 次も同じようなかたちでできないかなと思ってて。

海外での新規事業立ちあげについても聞いてみようかなと思うんですけど、根本的に、なぜ海外なんでしょうか?

それはなかなか長くなりそうな話なんでw 簡単に言うと、やっぱりインパクトを受けたっていうのが大きいですね。初めて海外事業をやったのが、2007年かな?リクルートの時に、その時リクルートでも初めての海外事業だったんですけど、フィリピンの機械系とか電気系のエンジニアを採用して日本のメーカーさんに人材派遣するっていうスキームで「ブリッジエンジニア」って呼ばれるんですけど、そういった事業を手がけていって、その時のフィリピンの100名、200名の社長さんがガハハ系中小企業の代表みたいな人で。大企業にはまったくいないタイプで、海軍の時から、戦争も経験して。やってることのダイナミックさはもう。「サウジアラビアで300人くらい足りないって言うから、中国であいた500人くらいのエンジニアをそのまま持ってきて派遣してやった!」みたいな。「World is my office」みたいなw すごいなと思って。そういうスケールで働けたらなっていう、キラキラっとした憧れが昔からあって海外行きたいなっていうのが強かったですね。

出会う人から得るインスピレーションや影響っていうのは、すごい変わってきますよね。

9割9分は人で動きますよね。いい人にぶち当たった瞬間の自分の人生の軌道の変わりようっていうのは。

グッとくるものがありますもんね。それで海外に行ってみようかなと。

そこからなかなか長い道のりで、リクルートでもDeNAでも、ずーっと「海外事業やらせてくれ」っていうので、なかなかチャンスが掴めなかったところを、ポッと最近、バンダイナムコでっていう感じですね。

じゃあ、日本の会社から何かサービスやゲームを輸出するっていうかたちと、実際に現地で事業を立ち上げるっていうのは、やっぱり違いがあるんですかね?

素晴らしい質問ですね!まさにそこに全部集約されてる感じがしていて。ゲームって過去30年くらい輸出の歴史だったんですけど、日本人は日本人としか作れなかったんですけど、それってsustainable(持続できる)じゃない。継続的にいろんなものを作るには、違うテイストを混ぜながら、作り続けられる必要があって。たまたまヒットしたものが海外でも当たりますよっていう確率よりも、海外で当たることを前提として作るっていうのは実は結構歴史が長くないんですよね。現地で作って現地で消費してもらうっていうのは、たぶん寿司もラーメンも醤油も全部そうですけど、現地生産にこだわるっていうのは、今回の海外展開の肝ですね。

海外のユーザー向けのものは海外で作った方が、っていう考えですかね。

そうですね。繊細なものなので、嗜好品っていうのは。国とか文化とか制度とか、長い歴史から影響を受けて、それを味わうようになるところがあって。30年、50年単位でテイストが大きく変わっていくのを見ていたりすると、パッと出の輸出品っていうのは短期的にしか受け入れられないなっていうのが、嗜好品の業界の歴史を見ていると感じますね。

海外で新規事業を立ち上げるっていうのは大変な作業だと思うのですが、不安はありませんでしたか?

元々のタイプでしょうね。僕は何にもわからないところに飛び込むのが大好きなんですよ。何にもない加減が盛り上がるというか。人もいない、何をするんだ、スタジオを海外で作ることだけ決まっているっていう状態から、ものすごい情報を集めて。他社がこういうやり方やってて、そういう中で比較的この道がよさそう、その道の中でどういうゲームを作るのが一番筋がよさそうで、どういう人を入れていくと一番その中で確立が高そう…っていう、ちょっとずつ道を絞っていくのを、エネルギーかけてガガガガッと一人でやるのが好きなんですよね。

冒険家ですよねw

割りとそうですねw 大学時代も趣味が自転車旅行だったので、海外いろんなところをまわりましたね。大学時代に自転車旅行を初めてやって、元々保守的な家庭で保守的に育ってきたんですけど、見えた世界の素晴らしさで、性格が変わった感じですね。

一歩外へ出ると全然違ったっていう感じですかね。私もずっと日本にいて、初めて旅行に行ったのがフランスだったんですけど、「あ、こんな世界があるんだ!」って思って、カナダにちょっと行ってみようかなという感じで海外に居座ったパターンなんで。

ロジックはないですよね。キラキラ見えて楽しそうかどうか。感覚だけでエネルギーが変わってくる感じはしますね。

雇用についても聞いてみたいと思います。シンガポールやバンクーバーのバンダイナムコスタジオでは、どんな方達と一緒に働いてましたか?

国籍であげていくとキリがない感じがあって、バンクーバーでいうと、中国・韓国・ブラジル・チリ・アメリカ・カナダ・イタリア・フランス…。10カ国以上だったり。若い人が多いですけどね。クリエイターなので20代、30代が中心です。

日本人だけとか、なに人だけっていうのとは違ってきますか?いろんな国籍の方から得られる刺激っていうのは。

ですね。全然違うなという感じですね。生い立ちとか、生きてきて、見てきた物が違いすぎて。ブラジルで生まれてイスラエルに住んで、嫁さんとウクライナに住んで、次にトロントに来て、その後バンクーバーに来ましたっていうエンジニアがいると。俺30年間ずっと日本に住んできたけど、この人10年単位で住むところも学校も変えて。食べるものも見るものも違って。純粋に違いますね。

話してても違ってきますもんね。話題が豊富だったりとか。

そうですね。語学の壁もあって浅い話題しかできなかったりもするんですけど。違いが見えるところと、共通点が見えるところをずーっと行ったり来たりしながら、お互いの実像を、ちょっとずつ輪郭が明確になっていく。

そういうのって楽しいですよね!
創業時は特に優秀な人材の確保が必要かと思いますが、「こんな人を雇いたい!」という人物像や採用基準はありますか?

明確にバシッとっていうのがなかなか難しいんですけど、日本人の優秀さと結構違うなっていうのを思いましたね。カナダの時に。日本人って文句言わずに働く、職人として黙々とディテールまで細かくするとか、相談しなくてもわりと全部キチッと一人で仕上げてきますとか。そういったものが海外に出た時に急に真逆に作用しちゃうんですよね。日本人はチームワークができない。何考えてるかわからない。細かすぎてついていけないよ、とか。フィードバックがネガティブすぎるんですよね、日本人って。マイナスに気にし始めて。一労働者として見た時の日本人の優秀さって抜群で、本当に頼れるんですけど、チームで作業することに慣れていない人が多すぎて。

日本でも分担をしてる会社ってちょこちょこあると思うんですけど、そうでもないんですかね?

誰かが言ってたんですけど、グループはできるけどチームはできない。ヒエラルキー(階層)の中でパーツパーツで働くのはすごい得意なんですけど、生煮えの状態で議論しながらガガッと皆で進めるっていう動きはあまりしないんですよね。一人ひとりが任されたところで、本当に自由に考えて、でもパーツの仕事をきちんと仕上げるみたいな。難しいんですけどね。
こうやって今「日本人のこういうところが難しいよ」ってネガティブなところから始める時点で、僕が日本人だなって感じますねw 雇いたい人が誰かって聞かれた時に、北米の人だったら明確に「これができてこれができて」ってポジティブなところからスタートするんですけどw

今まさにこの状態っていうことですかw

そうなんですw これが日本人なんだなってw

しゃべりながら感じてしまいましたかw

感じましたね、ちょっとねw

逆に言えば雇いたい人っていうのは、結構オープンマインドで、ネットワークが広くて。初期って一個一個がパーツパーツで。すごい優秀な人よりも、広く浅くで、とにかくドライブ(意欲)が強い人。そういうキャラクターに紐づく方が最初は貢献が大きかったですね。

じゃあ中級レベルのものを幅広く知ってるっていう人の方が、創業時は雇いやすいですかね?

そうですね。

パーツパーツですごくよくできていても、全体像を見たら「あれ?なんかちょっとバランスが…」っていうこともありますもんね。

あとちょっとテクニカルな話ですけど、一人目入れた時の、二人目ってその人の下しか入れにくいんですよ。

なるほど。代わりになる人じゃないと入れないと。

というよりは、ポジションが、最初に来た人間ってそれなりの、国に関係なくですけど、領域をきちんと決めていくので。後から来た人が自分の上になっていくっていうのを、きちんと許容できる、器の広い人間ってなかなかいなくて。

確かにそれちょっと難しいところですもんね。

よく起業系のストーリーで多いですけど、最初に入れたパートナー以上の器になりにくいんですよね、会社の組織って。最初の人間はすごい大事ですね。

今が一番大事な時ですか。

まさにですよ。どう募集していこうかっていうところですよ。ほとんど口コミですけどね、初期に関しては。

周りのツテから紹介してもらったりと。

前職、前前職できちんと口コミで「良い」っていう経歴を残した人はやっぱり信頼できますよね。それ以上の信頼できるものってなかなか難しくて。

ちなみに今シンガポールのバンダイナムコスタジオでは「こんな人募集」っていうのはありますか?

今初期メンバーとどうやっていこうかを考えているところなんで、実はまだ募集してないんですよ。バンクーバーの時に「こういう人入ってよかったな」っていうのは、20代くらいで若くて、とにかく新しいこといっぱいしたくて、いろんな人知ってますっていう、顔が広い人。自分の仕事に枠の制限を設けない人。そういう人って人柄とか、キャラクターとか、エネルギー的なところで最初は採用したいですね。

では淳雄さんみたいな冒険家みたいなタイプがいいんですかね?

まぁまったく同じタイプだとうまくいかなかったりするので、足りないところを補ってくれつつとか、ありますけどね。僕はクリエイティブがあんまり得意ではないので。エンジニアもできないし、デザイナーもできないので、クリエイターでありながら、新しいことにバーっと入れる人を絶賛募集中ですね。

働き方についても聞いてみたいです。最近ではリモートワークを採用する企業も増えてきて、日本にいながら海外の会社で働くというスタイルもあります。そういったリモートワークでは得られない、実際に海外の現地企業で働くメリットはなんでしょう?

パッとお聞きして思うのって、リモートワークで得られることって逆になんだろうって思うくらい、すごい小さい。ホームページ作るとか、そういった仕事ってリモートで出されたりしますけど、なんかそういう、外に出せる仕事って、もうカスタマイズされている成熟した仕事な気がして。会社の中でも「こういうやり方だよね」「こういう人に出せばいいよね」っていうノウハウがきっちりたまっている。日本の会社は特にですけど、欧米はパーツでどんどん出して、コストコンシャス(費用を抑える)にっていう動きがすごく強いんですけど、日本って属人的な仕事がものすごく多いので。ことバンダイナムコに関しては、リモートワークで何か依頼することってすごい稀なんですよね。ほとんどない。

実際に会って、直接ミーティングをしてっていうのを重ねてっていうスタイルですかね。

そうですね。僕もリモートワークした時代もあったんですけど、それもコンサルの時代にパッケージ化されたノウハウ、それだけ欲しいですって、あっちもニーズがわかっていて、こっちもデリバリーできることがわかってて、っていう。本当にピンポイントでマッチングできたところだけで。致命的なのは人間関係に繋がりにくいんですよね。

それはありますね。コミュニケーションが取りにくいというか、人間関係もそうですけど、親しくなるのもすごく時間がかかってしまったりっていうのもありますしね。

絶対会うようにしましたけどね。リモートの時には。

国をまたいでリモートワークはしたことない感じですか?

国をまたいでは…そうですね、今ゲームの外注なんかで国をまたいでっていうのは、オーストラリアの会社とやってたりしたので、毎日Skypeだったり。相当時間でカバーしながら関係性をうめていくような作業があって。一番きついなと感じたのはFace to Face(対面)じゃないとサイドワークとか、違う動きになりにくいんですよね。

それはありますよね。新しいサービスはコーヒータイムに生まれるみたいなのを聞きますしね。

「一緒にこれやろうよ」っていう、サイドにぶれていくと、全部無駄なコミュニケーションコストみたいに感じちゃうので。リモートワークは本当は仕事上で得られるはずの1.2倍、1.5倍、こうなっていくとか、違う仕事するとか。人間関係できて、他の仕事依頼されるとか。副産物が少なすぎるっていうのが、リモートワークの致命的なところかもしれないですね。

これからそういったメリット・デメリットも含めて、海外で働いてみたいっていう日本の方に向けて、何から始めればいいですかね?

海外にまだ行ったことのない方?

「行ったこともないけど、海外行ってみたいんだよね。どうすればいいんだろう?」っていう人は、何から始めればいいですかね?

過去3社くらい、海外出向の動きを見せたりするんですけど、年齢ってすごい大事だなって思うんですよね。

どういった点でそう思いますか?

能力云々ではなくて、年齢が上がってきて、守るべきものが増えると、本当に外に出にくい、チャレンジしにくいんですよ。

守るべきもの、確かにありますよね。

20代は経験がなくて送れない。30代が一番送りやすいんだけど、大手企業と30代って、いきなり送って任せられるほど任せられない。40代が一番多いんですよね。「こいつは実績あげてるし、大丈夫だ」って送るんですけど、そういう人たちって逆に子どもがもう小学校・中学校になりました、単身赴任はできません、と。初めて語学をやるのがキツイっていうのがあって。

語学の面でもありますもんね。

そうですね。何から始めるべきかって、もう、一回飛び込む経験は20代、遅くても30代前半にマストでやっておかないと

早い内だとやっぱり、飛び込んでいく勇気っていうのもありますし、いい意味での無鉄砲さっていうのもあると思います。

1年2年なんて、たかがしれてますからね。

じゃあいつか海外にっていう人は、今行ってしまえ、と。

まず行ってしまえ。あらゆる手段を使って行く方法を考えた方がいい。

熱いメッセージありがとうございます!
今英語についても触れられたと思うんですけど、実際に海外の企業が求める英語力っていうのは、どの程度になるんですかね?

実は日本から「英語ができます」っていう状態で来て、まともに使える状態だった人は一人もいないんですよ。10人くらいは見てきましたかね。

どういった点でそう思いますか?ちょっとできてないなって感じるのは。

日本ってTOEFLでもアジアでワースト2位※でしたっけ。北朝鮮についで悪いとかですよね。
(※2003〜2004年のデータ(PDF)

あまり成績はよろしくない感じですよね…。

しゃべりが致命的にできないですね。

文章にした、レジュメとかは問題ないけどっていうことですかね?

そうです、よく言われてることですけど、人の前でスピーキングした経験がある人ってすごい少なくて。全然しゃべれない。例えば韓国人も結構苦手だったんですけど、そういった人たちも人の前でしゃべるのはできるんですよ。英語ができなくてもしゃべるんですよ。日本人って元々の国民性もあって、英語ができないのに輪をかけて、すごくホールドバック(尻込み)しちゃって。前に出てこないんですよね。

日本語でもプレゼンをする機会があんまりないんですよね、日本の大学生とか。

母国語でも機会がなくて、英語だったらなおさらの状態で。TOEICはまったく見ないですね。僕の友だちでTOEIC940点で、自己紹介ができない人間がいるんですよ。東大出で、英語はすごい、聞きはできるんですけど、海外行ったことなくて、勉強だけで940点まで持ち上がったんだけど、「実は自己紹介できないんです。海外行ったことないんです」って。

やっぱりスピーキングって本当に致命的なんですね…。

致命的だなーって思いました。TOEFLとかIELTSとか、他のものはまだ使える状態だなと思うんですけど、むしろ点数じゃなくて、僕がよくやるのは、Skypeでちょこちょこっと、「じゃあちょっとしゃべってみて」って言った時に、つたなくてもしゃべる奴はOKなんですよね。言い訳つける人多いんですよ、ここで。「あ、あー、すいません、ちょっと、そうですね、しばらくやってないんで」とか「あー、そうですね、次回でいいんでしたっけ?」とか。その時点で「あ、難しいな」って思うんですよね。

それも英語力云々じゃないですもんね。

じゃないんですよ。

確かに、今つたない英語でも、そういう心がけでいたら、1年後2年後ってなると全然違ってきますしね。

そうですね。40代・50代のおっちゃんでも、海外で10年ぐらいやってきました、でも発音がベッタベタな人とかいるんですよね。「オー、アイキャンスピークイングリッシュ、バット、ザッツノットマイソート」みたいな。すごいカクカクした英語しゃべるんだけど、まったく物応じせずに全部ネゴシエーションも(交渉)もしちゃうみたいな。

確かにそういった方いますよね。すごい憧れるんですよね。

あれは性格ですよねw

じゃあ英語力っていうよりは、その前に出ようっていう姿勢の方が大事だよっていう。

性格がそういう人は最初から問題なくて。ただほとんどの人がそうじゃないので。パッと言われた時に、とりあえずしゃべれるくらいの、もう中1の英語でいいんですけど、状態にしておくこと。最終的にはネイティブの前で地が出せる、自分の色が出せる。ジョーク言うでも、まじめにコツコツでもなんでもいいんですけど、とにかく「こいつは何をやる奴だ」ってわかる、自分を見せられる。そのくらいの最低限の英語だけ身につけておけば、後はもう実践あるのみですね。

淳雄さんはカナダの大学を出てると思うんですけど、どうやって勉強したんですか?

僕は結構、泥の中這いずりまわったような英語でですねw

どういう意味ですかそれw

まったく、ちゃんとした教育を受けてないんですよね。大学まで旅の英語だけだったんですけど。27歳の時に海外行くぞって志して、ちょこちょこ自分でやり始めて。マギル大学っていう、カナダの大学にMBAに行ったのも、日本の学校なんですよね。マギルが日本校を開設していて、土日通うんですよね。そこに2011年くらいに入りましたけど、その時点でクラスメイトが45名いて、半分外国人です。日本人のほとんどは海外で仕事したか、生活したかっていう人しかいなくて。海外経験がないのは2人だけだったんですよ。もう、Bottom of Bottom(下の下)で。自己紹介でオーストラリア人の英語が本当に聞こえなくて。「これ受かっちゃったけど、2年間地獄だな」って思いながら。もう2年間一回も手を挙げなかったし。お恥ずかしい状態から飛び込んじゃったんですよね。MBA行っちゃったらなんとかなるだろうって思って。カナダ行って急激に伸びましたけど、やっぱりどうやったかで言うと、いきなり他人に突っ込みましたっていうのが正しい表現ですw

さすが冒険家ですよねw

いやー、でも泣きましたけどねw リアルに涙が出ましたねw

「通じないよー」って泣いちゃったんですか?w

いやー…そぶそぶ泣いちゃいましたね…。家でね…。なんかすごいカッコ悪い…。それも32、33歳ぐらいの話だから…。クラスでグループワークしたけど、一時間なんにもしゃべれずに聞いてるだけで、ウンウンうなずいて…。悔しくて恥ずかしくて、学校に超行きたくなくて…っていう三十路、みたいなw

そこからどうやって勉強に持っていったんですか?

どうなんですかね。結局物量ですね。一貫した話ですけどね、冒険的というか。延々、リスニングでThe Economistを英語でわかんないながら聞いて。空いてる時間で聞いてなかったことはないですね。出勤中とか、フルマラソン走る時も全部Economist聞きながら走ってました。42.195kmね、4時間ずっと聞いてるくらい、あらゆる時間がリスニングに費やされて。で、とりあえず聞きは問題なくなり、みたいな。

そこからわからない単語を調べて、語彙を増やしていってっていう。

ステップですね。リスニング→シャドウイング→スピーキングして。最後は英会話。英会話学校も通いましたしね。ステップごとに必要なものをやっていかないと、しょっぱなから英会話学校行くのはまったく無駄だったし。

英語の勉強の仕方って本当に人それぞれだと思うんですけど、自分の勉強の仕方、今で言うステップっていうのがわかってしまえば後はやるのみですよね。

今は中国語始めたんですよ。せっかくシンガポールなんで。英語で一回やってるから、もうわかるんですよね。最初文法やってて、ある程度わかってから自分でリスニング始めて。会話にはまだいかないんですよ。

今リスニングはちょっと出来る感じですか?

まだ文法から始まってて。

文法の段階ですね。

今月中国語会話が始まりました。

ニーハオマー!

ニーハオマー!

その程度ですあたしもw
今は英語の英語の勉強っていうよりは中国語に専念してる感じですかね?

英語はだいたい問題なく使えてるので、日常的に仕事で英語、たまに中国語を勉強させてもらうっていう感じです。

では最後に、これから海外で働いてみたいという方に向けてメッセージをお願いします!

僕が言いたいことでいうとですね、「必然性を作る」っていうことなんですけど。さっきの、MBAに行ってしまう、という。マギルのMBAって2年間で500万円かかるんですよ。日本で最も高いMBAと呼ばれる。それ払ったら引き返せない。やらなきゃいけない必然性をどうやって作るかっていうので、リクルートの時に英会話学校入ったり、1000時間ヒアリングマラソンっていう、それもお金ですけどね、10万、20万円かけて1年コースをいきなり申し込んでしまったり。何かやらなきゃいけないものって、人って判断がブレるし、すぐ怠けるので、固定するための決断。留学とか、あっちに住むのが抜群にいいですけど、どうやって自分の必然性を作るか。そうやってお金かけるとか、時間かけると、全部自分の中のモチベーション、「自分は海外で働くしかないな」って強く思える状態を。僕の場合、人の出会いだったから偶然でしたけど、そういった強い動機づけを作るっていうのが一番最初な気がしていて。

自分で自分を追いやってしまってからがスタートっていう。

そうですね。海外出て日本の良さがすごくわかったけど、海外に出られてない日本人は致命的にこれからは仕事環境の中で危ないだろうなと思っていて。8割がた日本人は英語を使わなくても平気な状態ですけど、2割の、海外に出ていろんなチャンスがあって、ものすごく面白いことができるはずなのに、たかだか語学で損してももったいないので。せめて出て選択できる状態にして、最後日本に戻るとか。ここから日本ってずっと落ち続けるので、海外に出るチャンスは、何があっても一回掴んで。1年でも2年でも、まず外からの日本を見てみるっていうのは、人生にとって無駄には絶対にならないなぁと、思いますね。

熱い素敵なメッセージをありがとうございます!

強すぎましたかw

いえいえ、心に刺さりました!
淳雄さんは本もいくつか出版されていて、最新のものは「The Third Wave of Japanese Games」という、ゲーム業界の歴史や北米と日本のゲームマーケットの違い、マネタイズについて等、ゲーム業界について学べる本となっています。こちら英語で書かれているので、特に海外のゲーム業界で働きたいという人は、英語の勉強も兼ねて読んでみてください。

これ聞いてる方にベストな本だと思います!

ベストな本ですよね!私も読んでみて、熱い思いも伝わってきました!英語ですけど、そこまで難しい言い回しはしてないと思うので、読んでみて欲しいですね。

ぜひお願いします!KindleとApple StoreとGoogleで取れますけど、逆に日本語がないので、逃げ道がなくて、それもまたいいんじゃないかと。

確かに!ここで伏線回収w

そうですw

今回はバンダイナムコスタジオの中山淳雄さんにお話をお伺いしました。それでは淳雄さん、本日は本当にありがとうございました!

どうもありがとうございました!

パーソナリティー

Mana

Mana

カナダのバンクーバーでWEBデザインを学んだ後、バンクーバーの現地企業やオーストラリア、 イギリスでWEBデザイナーとして活動。バンクーバーにて就労ビザ取得。ブログ「Webクリエイターボックス」の中の人。

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